若手人材の確保と定着は、多くの中小企業にとって喫緊の課題です。京都府が実施する「就労・奨学金返済一体型支援事業」は、従業員の奨学金返済を支援する企業に対し、その負担額の一部を補助する制度です。1人あたり年間最大9万円、最長6年間の補助が受けられ、企業の採用力強化と若手社員の経済的負担軽減を同時に実現します。本記事では、令和7年度(2025年度)の最新情報を基に、制度の仕組み、申請要件、さらには福知山市の上乗せ支援や近隣の兵庫県の類似制度についても詳しく解説します。
この記事でわかること
- 京都府の奨学金返済支援補助金の詳細な条件と金額
- 福知山市などの市町村独自の上乗せ支援制度
- 【比較参考】兵庫県の奨学金返済支援制度の内容
- 社内規定の整備から申請、交付までの具体的なステップ
この補助金の概要・ポイント
「就労・奨学金返済一体型支援事業」は、京都府内の中小企業等が、従業員に対して奨学金返済のための手当等を支給した場合に、その費用の一部を京都府が補助するものです。企業が従業員を支援し、府が企業を支援するという仕組みになっています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 対象者1人あたり年額最大9万円(通算最大54万円)
- 補助率: 企業支給額の1/2以内
- 対象期間: 最長6年間(正社員となってから)
- 登録期間: 令和7年4月1日~令和7年12月26日
制度導入のメリット
この制度を活用することで、企業には以下のようなメリットがあります。
- 人材確保・定着: 奨学金返済の負担を減らすことで、若手人材の採用競争力が向上し、離職防止につながります。
- 企業イメージ向上: 「従業員を大切にする企業」として、京都府のホームページ等で紹介されます。
- 税制優遇: 給与として支給する場合、損金算入が可能であり、賃上げ促進税制の対象になり得ます。
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者(補助対象企業)
京都府内に事業所があり、従業員への奨学金返済支援制度(手当支給または代理返済)を設けている中小企業等が対象です。業種ごとに資本金・従業員数の基準があります。
※医療法人、学校法人、社会福祉法人(常時使用従業員100人以下)、NPO法人なども対象となります。みなし大企業は対象外です。
支援対象となる従業員
以下の要件をすべて満たす従業員が補助の対象となります。
- 正社員であること
- 当該企業で正社員となってから6年以内(中途採用含む)
- 受給した奨学金を本人が返済中であること
- 京都府内の事業所に勤務していること
補助金額・補助率の詳細
補助金額は、以下の3つの金額のうち、最も低い額となります。
- (年間奨学金返済額 - 1万円) ÷ 2
- 企業が手当等として支給した額 ÷ 2
- 上限額(1~3年目:年9万円、4~6年目:年6万円)
1人あたり最大補助額(年額)
9万円
※入社4年目以降は6万円
計算例
従業員の年間返済額20万円、企業の年間手当支給額18万円の場合
- 従業員負担: 2万円(返済20万 – 手当18万)
- 企業実質負担: 9万円(手当18万 – 補助9万)
- 京都府補助額: 9万円
【重要】地域独自の上乗せ支援と近隣府県情報
京都府の制度に加え、市町村が独自に上乗せ補助を行っている場合があります。また、関西エリアで事業展開している企業向けに、兵庫県の制度も併せて紹介します。
福知山市:奨学金返済負担支援事業補助金
福知山市では、京都府の制度を利用する市内中小企業に対し、さらに上乗せで補助を行っています。
| 対象事業者 | 福知山市内に主たる事業所を有し、京都府の補助金交付決定を受けている中小企業者等 |
| 補助金額 | 京都府の補助対象額の1/2以内 |
| 交付期間 | 返済開始月から3事業年度 |
| 申請期間 | 令和7年4月1日~令和8年2月27日 |
【参考】兵庫県:兵庫型奨学金返済支援制度
兵庫県でも同様の制度が実施されています。京都府と兵庫県の両方に事業所がある企業などは、それぞれの制度を活用できる可能性があります。
- 補助額: 企業向け上限6万円/年、従業員向け上限6万円/年(合計最大12万円支援の可能性あり)
- 補助期間: 最長17年(SDGs認証企業等の場合)
- 対象年齢: 申請年度末時点で39歳以下
- 申請受付: 4月1日~翌年2月末日
申請から採択までの流れ(京都府の場合)
京都府の制度を利用するには、まず「登録申請」を行い、年度末に「交付申請」を行う2段階の手続きが必要です。
1
社内規定の整備
就業規則や賃金規程に「奨学金返済支援制度」を明記し、労働基準監督署へ届け出ます。
2
登録申請(4/1~12/26)
京都府中小企業団体中央会へ登録申請書を提出します。審査後、登録決定通知が届きます。
3
手当の支給・実績報告
従業員へ手当を支給し、実績を作ります。
4
交付申請(翌年1/5~1/30)
実績に基づき、補助金の交付申請を行います。
5
補助金の受給
審査後、補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。
必要書類チェックリスト
登録申請時に必要な主な書類は以下の通りです。
書類作成の注意点
- 就業規則には必ず「奨学金返済支援」に関する条項を盛り込み、労働基準監督署の受付印をもらう必要があります。
- 従業員が「正社員」であることを証明する書類(雇用契約書等)は必須です。
よくある質問(FAQ)
Q
中途採用の社員も対象になりますか?
はい、対象になります。当該企業において正社員となってから6年以内の者であれば、新卒・中途を問いません。ただし、年齢制限はありませんが、奨学金を返済中であることが条件です。
Q
企業が代理返済する場合も対象ですか?
はい、対象です。企業が従業員に手当を支給する場合だけでなく、企業が直接日本学生支援機構などに代理返済(送金)する場合も補助の対象となります。
Q
登録申請の締め切りはいつですか?
令和7年度の登録受付期間は、令和7年4月1日から令和7年12月26日までです。期限を過ぎると今年度の補助対象とならない可能性があるため、早めの申請をおすすめします。
Q
福知山市の上乗せ補助は別途申請が必要ですか?
はい、必要です。京都府の補助金交付決定を受けた後、福知山市へ別途申請を行う必要があります。申請期間は令和8年2月27日までとなっています。
Q
兵庫県の制度との併用は可能ですか?
原則として、同一の対象者・同一の経費に対して重複して補助を受けることはできません。ただし、事業所が異なる場合など条件によって異なる可能性があるため、各実施機関へお問い合わせください。
まとめ
京都府の「就労・奨学金返済一体型支援事業」は、企業の負担を軽減しながら若手人材の確保・定着を図れる非常に有益な制度です。1人あたり最大54万円(6年間)の補助に加え、福知山市などの上乗せ支援を活用すれば、さらに手厚い支援が可能になります。
まずは社内規定を整備し、12月26日までに登録申請を行うことが第一歩です。人材不足にお悩みの中小企業様は、ぜひ本制度の導入をご検討ください。
この補助金の申請をお考えの方へ
社内規定の整備や申請書類の作成には専門知識が必要です。スムーズな導入のために、専門家への相談をおすすめします。
免責事項: 本記事の情報は作成時点のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。