長崎県では、介護現場の生産性向上と人材確保を目的として、介護ロボットやICT機器の導入を支援する「介護現場デジタル改革推進事業補助金」の公募を行っています。本事業は、通常の機器導入を支援する「普及促進補助金(最大400万円)」に加え、先進的なDX化に取り組む「DX化推進補助金(最大1,000万円)」、複数事業所が連携する「事業者グループ職場環境改善協働実施推進補助金(最大1,200万円)」の3つの枠組みで構成されています。本記事では、各補助金の対象要件、補助金額、申請フロー、そして採択されるための具体的なポイントについて、専門的な視点から徹底解説します。
この記事でわかること
- 長崎県の3つの介護テクノロジー補助金の違いと選び方
- 最大1,200万円の補助金を受け取るための具体的条件
- 審査で評価される「業務改善計画書」の書き方と悪い例
- SECURITY ACTIONやLIFE登録など必須要件の対応手順
この補助金の概要・ポイント
令和7年度(2025年度)の長崎県における介護テクノロジー支援は、事業所のニーズに合わせて3つのコースから選択できる点が大きな特徴です。単なる機器購入だけでなく、業務改善計画の策定やセキュリティ対策、科学的介護情報システム(LIFE)への協力などが要件となっており、「導入後の活用と定着」が重視されています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 最大1,200万円(グループ申請時)、単独でも最大1,000万円(DX枠)
- 補助率: 4/5(普及促進補助金の場合)など高率補助
- 対象者: 長崎県内の介護サービス事業所、養護・軽費老人ホーム
- 申請期限: 令和7年7月11日(金)17時必着
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
本補助金は、長崎県内に所在し、介護保険法に基づくサービスを提供する全ての事業所が対象です。ただし、申請する補助金の種類によって、求められる要件のレベルが異なります。特に「DX化推進補助金」は先進的な取り組みが求められ、「グループ補助金」は小規模法人を含む連携が必須となります。
全補助金共通の必須要件
申請にあたっては、以下の要件をすべて満たす必要があります。これらは単なる書類作成だけでなく、事業所としての体制整備を求めるものです。
- SECURITY ACTIONの宣言: IPA(情報処理推進機構)が実施する「一つ星」または「二つ星」の宣言を行うこと。
- 業務改善計画の作成: 原則として「ながさき介護現場サポートセンター」へ相談の上、計画を作成すること。
- LIFEへの協力: 科学的介護情報システム(LIFE)による情報収集に協力すること。
- 賃金への還元: 生産性向上により収支が改善した場合、職員の賃金へ適切に還元し周知すること。
- ケアプランデータ連携システム: 対象サービス(居宅介護支援等)の場合、令和7年度内に利用を開始すること。
補助金額・補助率の詳細
本事業には3つの種類があり、事業所の規模や取り組み内容に応じて選択します。最も一般的な「普及促進補助金」でも最大400万円の支援が受けられます。
各補助金の詳細スペック
補助対象経費の詳細
対象となる経費
基本的には「介護テクノロジーの導入」と「それに伴う業務改善」にかかる費用が対象です。単なる買い替えではなく、生産性向上に寄与するものが求められます。
経費に関する注意事項
- 通信環境整備(Wi-Fi工事等)を含める場合は、図面等の提出が必要です。
- 事業実施期間(交付内示後〜令和8年2月20日)内に、発注・納品・支払いを完了する必要があります。
- 「普及促進補助金」と「DX化推進補助金」の併用はできません。
申請から採択までの流れ
本補助金は「電子申請」での受付となります。また、申請前に「ながさき介護現場サポートセンター」への相談が原則必須となっている点に注意してください。
1
事前準備・相談
導入機器を選定し、「ながさき介護現場サポートセンター」へ相談を行います。導入目的と機器区分(移乗支援、見守り等)を決めてから相談しましょう。
2
事業計画書の作成・提出
指定のExcel様式で業務改善計画書を作成し、見積書等の必要書類と共に電子申請システムから提出します。締切:令和7年7月11日(金)17時
3
審査・内示
外部専門家等による審査を経て、9月上旬頃に結果が通知(内示)されます。内示後に正式な交付申請を行います。
4
事業実施・導入
交付決定後、機器の発注・納品・支払いを行います。並行して、業務改善計画に基づいた研修や運用ルールの策定を実施します。
5
実績報告・補助金交付
事業完了後、実績報告書を提出。検査を経て補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。
採択されるためのポイント・コツ
本補助金は要件を満たせば必ずもらえるものではなく、審査があります。特に「業務改善計画」の具体性が合否を分けます。
審査で高評価を得るポイント
- 具体的な課題と解決策の提示
「夜勤の巡回負担を減らすために見守りセンサーを導入し、巡回回数を〇回から〇回に減らす」など、数値を用いた計画が評価されます。 - 事前相談の質
サポートセンターへの相談時に「夜勤業務の効率化のために見守りシステムを検討しているが、どのような機器があるか」といった具体的な問いかけを行うことが重要です。 - セキュリティ対策の徹底
SECURITY ACTIONの「二つ星」宣言など、高いセキュリティ意識を示すことが加点要素となり得ます。 - LIFEやデータ連携の活用
国の施策である科学的介護(LIFE)やケアプランデータ連携システムへの積極的な参加姿勢は必須かつ重要な評価ポイントです。
よくある失敗・注意点
- 相談が形式的になっている → 対策: 「要件だからとりあえず電話した」「何から手を付けていいか分からないので全部教えて」という態度はNG。目的を明確にしてから相談しましょう。
- 導入目的が曖昧 → 対策: 「便利そうだから」ではなく、「どの業務のどの時間を削減し、それをどう利用者のケアに充てるか」を言語化してください。
- 期限ギリギリの申請 → 対策: 電子申請システムのトラブル等を考慮し、余裕を持って提出しましょう。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
特別養護老人ホーム
見守りシステム導入
全居室に見守りセンサーを導入し、夜勤職員の訪室回数を削減。インカムと連動させ、異常検知時に即座に対応できる体制を構築。夜勤職員の精神的負担を軽減。
訪問介護事業所
記録ソフト&タブレット
ヘルパー全員にタブレットを配布し、訪問先で記録入力を完了。事業所に戻ってからの事務作業時間を大幅に短縮し、直行直帰を促進。
小規模多機能型居宅介護
移乗支援ロボット
装着型の移乗支援ロボット(パワーアシストスーツ)を導入。入浴介助や移乗時の腰痛リスクを軽減し、高齢職員でも働きやすい環境を整備。
よくある質問(FAQ)
Q
複数の補助金を同時に申請できますか?
「普及促進補助金」と「DX化推進補助金」の併用はできません。ただし、「グループ協働補助金」と「DX化推進補助金」は併用可能な場合があります。自社の状況に合わせて最適なものを選択してください。
Q
カタログの提出は必要ですか?
原則としてカタログの提出は不要ですが、これまでに補助実績がない珍しい機器などを導入する場合は、追加で提出を求められることがあります。
Q
SECURITY ACTIONの宣言方法がわかりません。
IPA(情報処理推進機構)の公式サイトからオンラインで手続き可能です。「一つ星」であれば、情報セキュリティ5か条に取り組むことを宣言するだけで、比較的容易に取得できます。
Q
ケアプランデータ連携システムとは何ですか?
居宅介護支援事業所とサービス事業所の間で、ケアプラン(予定・実績)のデータを電子的に送受信するシステムです。紙やFAXでのやり取りをなくし、事務負担を大幅に軽減します。本補助金では導入が要件化されています。
Q
申請期限に間に合わない場合はどうなりますか?
期限(令和7年7月11日17時)を過ぎた申請は一切受け付けられません。また、提出後のファイル差し替えも原則不可ですので、早めの準備と提出を強く推奨します。
まとめ
長崎県の「介護現場デジタル改革推進事業補助金」は、介護事業所の生産性向上を強力に後押しする制度です。最大1,200万円の支援に加え、専門家による伴走支援も受けられる貴重な機会です。申請には「業務改善計画」の策定や「SECURITY ACTION」の宣言など、事前の準備が不可欠です。
締切は令和7年7月11日(金)17時です。導入機器の選定やサポートセンターへの相談を早急に進め、期限内の申請を目指しましょう。
この補助金の申請をお考えの方へ
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免責事項: 本記事の情報は作成時点のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。