高知県では、男性従業員の育児休業取得を促進し、共働き・共育てができる職場環境づくりを進める県内事業者を支援するため、「男性育児休業取得促進事業費補助金」の公募を行っています。本補助金は、男性従業員が育児休業を取得する際、その業務を引き継ぐための代替要員を雇用する費用(引継ぎ期間分)を定額で助成するものです。1人あたり月額10万円、最大2ヶ月分の補助が受けられます。
この記事でわかること
- 男性育休取得時の「引継ぎ期間」の代替要員コストを補助
- 1人あたり最大20万円(月10万円×2ヶ月)の定額支援
- 申請には「一般事業主行動計画」の策定と「県主催研修」の受講が必須
- 人材派遣会社からの紹介を受けるパターンも利用可能
この補助金の概要・ポイント
本事業は、男性の育児休業取得のハードルとなりやすい「業務の引継ぎ」や「人手不足」の解消を目的としています。育児休業期間中そのものではなく、その前後の引継ぎ期間に雇用する代替要員の人件費負担を軽減することで、円滑な育休取得を後押しします。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 代替要員1人につき月額10万円(定額)
- 補助対象期間: 育休前後の引継ぎ等のための雇用期間(最大2ヶ月)
- 対象者: 高知県内に事業所を有する事業者
- 申請期限: 令和8年3月31日(火)まで随時受付
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
高知県内に本社、本店、または事業所を有する事業者が対象です。ただし、単に所在しているだけでなく、男性の育児休業取得に向けた具体的な取り組みを行っていることが要件となります。
必須となる2つの要件
① 一般事業主行動計画の策定・公表
次世代育成支援対策推進法に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための計画です。本補助金では、この計画内で「男性育休取得率50%以上」という高い目標を設定し、社内外へ公表していることが求められます。
② 県指定研修の受講
高知県子育て支援課が委託実施している以下のいずれかの研修を受講する必要があります。
- 集合型研修: 若手から管理職を対象とした、共働き・共育て理解促進研修(年2回開催)
- 企業版両親学級: 従業員とその配偶者を対象に、企業が開催する両親学級
補助金額・補助率の詳細
本補助金は実費に対する補助率適用ではなく、要件を満たした場合の「定額補助」となります。計算がシンプルで、計画が立てやすいのが特徴です。
1人あたり最大補助額
20万円
(月10万円 × 最大2ヶ月)
※代替要員の勤務時間が1月当たり16日に満たない場合は補助対象外となります。
※補助金額は1月単位で算定し、1月に満たない期間については補助対象外です。
補助対象経費の詳細
対象となる期間と経費
本補助金は、育児休業期間そのものではなく、「育児休業期間を除いた当該期間前後の引継ぎ等のための雇用期間」が対象です。最大2ヶ月分まで申請可能です。
期間計算に関する注意事項
- 補助金額は「月単位」で算定されます。1ヶ月に満たない端数期間は補助対象外となります。
- 期間の計算については、民法の期間に関する規定が準用されます。
- 代替要員の勤務日数が月16日未満の場合は、その月は補助対象外となります。
申請から採択までの流れ
申請は電子申請のみでの受付となります。代替要員の確保状況によって2つのパターンがあります。
パターン1:代替要員を既に確保している場合
1
交付申請書の提出
電子申請フォームから交付申請を行います。行動計画や研修受講状況の確認書類が必要です。
2
交付決定・事業実施
県からの交付決定通知後、事業を実施します(代替要員の雇用開始~終了)。
3
実績報告書の提出
雇用期間終了後、実績報告書を提出します。勤務実績や給与支払いの証拠書類等を添付します。
4
完了検査・補助金交付
県の検査を経て金額が確定し、補助金が振り込まれます。
パターン2:人材派遣会社等から紹介を受けたい場合
代替要員が見つかっていない場合、「代替要員希望調書」を提出することで、人材派遣会社等とのマッチング支援を受けることができます。
- 代替要員希望調書の提出: まずは希望条件を県へ提出します。
- 代替要員の確保: 紹介を受け、代替要員を確保します。
- 交付申請書の提出: 以降はパターン1と同様の流れになります。
採択されるためのポイント・コツ
本補助金はコンペ形式(競争的資金)ではなく、要件を満たせば交付される形式ですが、要件が具体的であるため事前の準備が重要です。
審査・交付決定をスムーズにするポイント
- 行動計画の目標値を再確認
単に行動計画があるだけでなく、「男性育休取得率50%以上」という具体的な数値目標が必要です。既存の計画がこの基準に達していない場合は、計画の変更・再公表を行いましょう。 - 研修日程の早期確保
「集合型研修」は年2回開催と回数が限られています。受講予定でも申請可能ですが、早めに日程を確認し申し込むことが重要です。「企業版両親学級」の活用も検討しましょう。 - 勤務日数の管理
月16日以上の勤務がないと、その月は全額不支給となります。代替要員のシフト管理には十分注意してください。
よくある失敗・注意点
- [失敗例1] 育休期間中を申請してしまう → 対策: 本補助金は「育休期間を除く前後の引継ぎ期間」が対象です。対象期間を間違えないようにしましょう。
- [失敗例2] 1ヶ月未満の端数期間 → 対策: 補助は月単位です。例えば「1ヶ月と20日」雇用した場合、補助対象は1ヶ月分のみとなる可能性があります。雇用契約期間の設定に注意が必要です。
- [失敗例3] 研修未受講 → 対策: 申請時に受講予定であっても、実績報告までに受講が完了していないと補助金が受け取れない可能性があります。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
中小製造業
補助額 20万円
男性社員が3ヶ月の育休を取得。業務引継ぎのため、育休開始前の1ヶ月と復帰後の1ヶ月、計2ヶ月間、派遣社員を受け入れて業務をサポート。
サービス業
補助額 10万円
育休前の引継ぎ期間1ヶ月のみアルバイトを雇用。短期間だが集中的に引継ぎを行い、スムーズに育休へ移行できた。
建設業
補助額 20万円
現場監督の男性が育休取得。引継ぎ期間にOB人材を2ヶ月間雇用し、若手への技術指導も兼ねて引継ぎを実施。
よくある質問(FAQ)
Q
代替要員は正社員でなければなりませんか?
いいえ、正社員である必要はありません。パート、アルバイト、契約社員、または人材派遣会社からの派遣社員も対象となります。ただし、月16日以上の勤務が必要です。
Q
育児休業期間中の代替要員費用は対象になりますか?
いいえ、本補助金は「育児休業期間を除いた前後」の引継ぎ期間等の雇用が対象です。育休期間中の代替要員確保については、国の「両立支援等助成金(育児休業等支援コース)」などの活用をご検討ください。
Q
申請は郵送でも可能ですか?
いいえ、本補助金は電子申請のみの受付となっています。高知県の指定フォームから申請してください。
Q
一般事業主行動計画の策定義務がない小規模企業でも申請できますか?
はい、可能です。従業員100人以下の企業には策定義務はありませんが、本補助金の要件として策定・公表を行えば対象となります。これを機に策定することをお勧めします。
Q
補助金の振込はいつ頃になりますか?
事業終了後(代替要員の雇用期間終了後)、実績報告書を提出し、県の完了検査を経て金額が確定した後の支払いとなります。概算払いは通常行われません。
まとめ
高知県男性育児休業取得促進事業費補助金は、男性の育休取得における「引継ぎ期間」のコストを支援する制度です。1人あたり最大20万円の定額補助が受けられ、代替要員の確保が難しい場合は県からの紹介支援も受けられます。
申請には「男性育休取得率50%以上」を掲げた行動計画の策定と、指定研修の受講が必須です。男性育休の取得は、従業員の満足度向上だけでなく、企業のイメージアップや人材確保にも繋がります。ぜひ本補助金を活用し、働きやすい職場環境づくりを進めてください。
この補助金の申請をお考えの方へ
行動計画の策定や申請手続きに不安がある場合は、専門家への相談がおすすめです。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年6月)のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず高知県公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。