愛知県小牧市では、地域経済の持続的な発展と産業構造の高度化を目指し、次世代産業分野へ挑戦する市内中小企業を強力に支援しています。「小牧市中小企業次世代産業設備等導入補助金」は、航空宇宙やロボット、次世代自動車といった成長分野における設備投資に対し、最大1,000万円を補助する制度です。本記事では、申請を検討されている事業者様向けに、対象要件から審査を通過するためのポイントまで詳しく解説します。
この記事でわかること
- 最大1,000万円の補助金が受けられる対象者の詳細条件
- 航空宇宙、ロボットなど補助対象となる「次世代産業」の定義
- 申請から交付決定、事業完了までの具体的な5ステップ
- 外部審査委員会で重視されるポイントと申請書の書き方
- 他の市内補助金との重複制限や注意すべき落とし穴
小牧市中小企業次世代産業設備等導入補助金の制度概要
本補助金は、小牧市内に事業所を構える中小企業が、将来の成長が見込まれる「次世代産業」に関わる製品の開発や生産を行うために、新たな設備を導入する際の経費を一部助成するものです。単なる老朽化更新ではなく、新分野への進出や付加価値の向上を伴う積極的な投資が推奨されています。
補助対象者の詳細
申請を行うには、以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 小牧市内に事業所を有し、当該事業所において実際に事業を行っている中小企業者であること。
- 市税の滞納がないこと(法人市民税、固定資産税など)。
- 暴力団関係者でないこと。
アドバイス:中小企業者の定義について
中小企業基本法に基づき、資本金や従業員数によって定義されます。製造業の場合は通常、資本金3億円以下または従業員数300人以下のいずれかを満たす企業が対象となります。自社が該当するか事前に確認しておきましょう。
補助金額と対象となる「次世代産業」の範囲
対象となる事業・設備要件
補助金を受けるためには、導入する設備が以下の条件を満たす必要があります。
- 1設備等あたりの取得経費(補助対象経費)が 1,000万円以上 であること。
- 次世代産業に係る製品の開発、生産等のために使用される設備であること。
- 既存設備の老朽化による「単純な更新」ではないこと(同等スペックへの買い替えは不可)。
注意!申請前に必ず確認すべき制限事項
補助金の申請において、多くの方が陥りやすいミスや制限事項をまとめました。特に、他制度との併用禁止ルールには注意が必要です。
対象外となるケース(代表例)
- 重複利用の禁止: 「高度先端産業立地促進補助金」「企業立地促進補助金」「市内企業再投資促進補助金」を受けている、または受ける予定の事業。
- 取得形態の制限: 中古品、リース契約による取得、複数事業者での共同所有。
- 取引関係: 親会社と子会社の間での売買による取得。
- 着手時期: 補助金の認定前に発注・契約・支払いを行ってしまった場合。
補助金申請から受領までのステップ
本補助金は「認定申請」と「交付申請」の2段階構成になっています。特に最初の「認定申請」が最も重要です。
1
事前相談と見積取得
まずは小牧市の窓口へ相談し、事業内容が「次世代産業」に合致するか確認します。並行して、導入設備の詳細な見積書を取得してください。
2
交付認定申請書の提出(事業着手前)
設備の発注前に、様式第1号の認定申請書を提出します。直近3期分の決算書や事業計画書など、多くの添付書類が必要です。
3
審査委員会による審査・認定通知
外部委員による審査が行われます。認定された場合のみ、市から認定通知書が届きます。これ以降に設備の発注が可能となります。
4
設備の導入・支払い・完了報告
設備の設置を完了し、代金の支払いを終えたら、30日以内に実績報告を兼ねた「交付申請(様式第7号)」を提出します。
5
補助金の交付(請求)
市が書類を検査し、確定通知を出します。その後、補助金交付請求書を提出し、指定口座に補助金が振り込まれます。
採択率を高めるための申請書の書き方ノウハウ
本補助金は外部審査があるため、書類の完成度が合否を分けます。単に「設備が欲しい」というだけでなく、以下の観点を盛り込むことが推奨されます。
審査で評価されやすい3つのポイント
- 市場への貢献度: その設備で作る製品が、次世代産業においてどのように「なくてはならないもの」であるかをデータで示す。
- 経営の革新性: 導入により、自社の技術力や生産性がどれだけ飛躍するかを具体的に数値化する。
- 地域経済への波及: 地元のサプライチェーンの維持や、将来的な雇用維持・創出にどうつながるかを記述する。
よくある失敗パターンと対策
- 「健康長寿」分野の定義ミス: 特定保健用食品などの場合、それがどう健康に寄与するかを科学的・客観的に説明できないと不認定になるリスクがあります。
- 経費の仕分けミス: 消費税や振込手数料は補助対象外です。見積書の中で「対象」と「対象外」を明確に区分して申請しましょう。
- 写真の撮り忘れ: 設置「前」の写真が必要です。既に工事を始めてしまうと撮影できないため、必ず申請前に現状を撮影しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q一度に複数の設備を導入する場合、合算して1,000万円を超えれば対象になりますか?
いいえ。原則として「1設備等あたり」の取得経費が1,000万円以上である必要があります。システムとして不可分な複数の機器で一つの機能をなす場合は認められる可能性がありますが、詳細は事前に市役所へ相談してください。
Q愛知県の「新あいち創造産業立地補助金」との併用は可能ですか?
市が実施する「高度先端産業立地促進補助金」や「企業立地促進補助金」等と重複して受けることはできません。しかし、国や県の他の性質が異なる補助金との併用については、それぞれの要件によります。小牧市の窓口で詳細を確認することをお勧めします。
Q設備導入後に、どのような報告義務がありますか?
交付後、補助金を活用した企業の名前や事業内容が市のホームページ等で公表される場合があります。また、適切に運用されているか後日調査が入ることもありますので、関連書類は5年間保管しておく義務があります。
Q審査に通らなかった場合、再申請はできますか?
不認定となった場合でも、内容を修正して翌年度以降に再度申請することは可能です。ただし、予算の範囲内での交付となるため、早めの申請が重要です。
Q海外メーカーの設備でも対象になりますか?
はい、可能です。ただし、カタログが外国語の場合は日本語訳を添付する必要があり、日本国内での保守体制などが審査で問われる可能性があります。
小牧市の「中小企業次世代産業設備等導入補助金」は、1,000万円を超える大型の投資を計画している事業者にとって、非常に魅力的な支援策です。1/10という補助率は一見小さく感じるかもしれませんが、最大1,000万円の現金給付は、次世代産業というハイリスク・ハイリターンな分野への進出を後押しする大きな力となります。審査のポイントを押さえた丁寧な書類作成を心がけ、ぜひこの制度を活用して貴社の未来を切り拓いてください。
申請の第一歩は「事前相談」から
お問い合わせ先:地域活性化営業部 企業立地・次世代産業推進課
電話:0568-76-1135(小牧市役所本庁舎3階)
免責事項: 本記事の情報は令和6年4月現在の情報を基に作成されています。補助金の予算状況や要件は変更される場合がありますので、必ず申請前に小牧市の公式ホームページをご確認いただくか、窓口へ直接お問い合わせください。