鳥取県内で事業を営む中小企業や、新たに創業を目指す個人の方に向けた令和7年度(2025年度)の補助金・助成金情報を網羅的に解説します。研究開発支援の最大9,750万円から、起業支援の最大2,000万円、さらに販路開拓や知財活用まで、公益財団法人鳥取県産業振興機構が提供する多角的な支援メニューを詳しく紹介します。
この記事でわかること
- 鳥取県産業振興機構が実施する令和7年度の主要支援メニュー
- 最大9,750万円となるGo-Tech事業(研究開発支援)の要件
- 起業・創業時に活用できる最大2,000万円の助成金詳細
- 三朝町など地域密着型の支援策と国(経産省)の補助金動向
1. 鳥取県独自の強力な創業支援:とっとり起業化促進事業
鳥取県では、先進技術分野での事業化を目指す起業家に対し、全国的にも極めて高い助成率を誇る支援を行っています。特に『10分の10』という助成率は、自己負担を最小限に抑えたいスタートアップにとって非常に魅力的な選択肢です。
試作実証型・社会実装型(最大2,000万円)
先端技術分野(AI、IoT、ロボット、医療機器等)において、試作後の有効性評価や実証実験、マーケティングに要する経費を助成します。基本枠1,000万円に加え、地域課題解決や複数主体連携などの要件を満たす『社会実装型』では、さらに最大1,000万円が加算され、合計で2,000万円の支援を受けることが可能です。
起業創業型(最大500万円)
未だ試作段階に達していない技術開発や試作そのものに要する経費を支援します。対象は県内で1年以内に起業予定の個人や、起業後10年以内の法人等です。こちらも助成率は10分の10となっており、リスクの高い初期段階の開発を強力にバックアップします。
ここがポイント
とっとり起業化促進事業は、例年5月、8月、12月の年3回公募が予定されています。事前の相談が必須となっているため、早めに鳥取県産業振興機構の経営支援グループへ問い合わせることをお勧めします。
2. 既存企業の経営強化・技術開発支援
鳥取県内の中小企業が持続的に成⾧するためには、技術の高度化と経営基盤の強化が欠かせません。令和7年度も、国や県の予算を活用した大規模な支援策が用意されています。
Go-Tech事業(成⾧型中小企業等研究開発支援事業)
ものづくり基盤技術の高度化を目指し、大学や公設試験研究機関と連携して行う研究開発を支援する国の補助事業です。鳥取県産業振興機構が事業管理機関としてサポートを行います。
経営力強化戦略事業(専門家派遣)
資金的な支援だけでなく、知見の提供も重要なメニューです。中小企業診断士やIT専門家などを派遣し、課題解決を支援します。
- 企業診断:無料で中小企業診断士を派遣(年4回以内)
- アドバイザー派遣:企業の負担1/3で専門家を招聘可能
- 組織診断:働きやすい職場づくりのためのデータ診断(無料)
3. 販路開拓・知財活用・デジタル化支援
製品を作って終わりではなく、いかに売るか、いかに守るかという視点も不可欠です。鳥取県産業振興機構では、以下のような実務的な補助金を用意しています。
専門展示会出展補助金
自社で選定した専門展示会への出展経費を補助します。国内の大規模商談会への参加は新規顧客獲得の絶好の機会です。
- 補助上限:50万円(1/2以内)
- 対象者:県内に拠点を持つものづくり系企業(伝統産業・リサイクル分野除く)
デジタル販売促進ツール作成支援補助金
WebサイトやPR動画、電子パンフレットの作成費用を補助し、デジタル営業の強化を支援します。
- 補助上限:20万円(1/2以内)
- 活用例:自社製品の特長を解説する3分程度の紹介動画作成など
4. 三朝町など地域独自の支援施策(2025年最新)
県全体の施策に加え、各自治体も特色ある支援を行っています。三朝町の例を挙げると、事業活動だけでなく住民生活や安心・安全に直結するメニューが充実しています。
注目すべき地域限定メニュー
- 防犯対策補助金:住居の防犯対策(カメラ設置等)に対する助成
- 感震ブレーカー設置補助:地震時の火災防止対策への費用一部助成
- ラドンあったか燃料券:冬場のエネルギー価格高騰対策としての配布
- 移住お試し住宅:三朝町での暮らしを体験するための宿泊費用軽減
5. 国(経済産業省)の2025年大型補助金スケジュール
全国規模で実施される補助金も、鳥取県の事業者にとって重要な資金源です。特に省力化投資や新事業進出は2025年の重要テーマとなっています。
6. 採択率を向上させるための申請ノウハウ
補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。審査員に響く計画書を作成するためのポイントを整理しました。
1. 課題と解決策の一貫性
自社が抱える課題(例:人手不足による機会損失)に対し、導入する設備やシステムがどのように解決に寄与するかを、定量的(数字)かつ具体的に記述することが重要です。
2. 市場性・成⾧性の根拠
「良いものを作れば売れる」ではなく、競合他社との比較、ターゲット顧客のニーズ、具体的な販路確保の方法までを網羅している計画は高く評価されます。
よくある失敗パターン
・公募要領を読み込まず、対象外の経費(原材料費、汎用品の購入など)を計上してしまう。
・交付決定前に契約・発注・支払いを行ってしまう(原則、交付決定前の経費は補助対象外です)。
・「地域への波及効果」などの加点項目を見落としている。
7. 補助金活用の成功ステップ
1
支援機関への事前相談
鳥取県産業振興機構などの窓口へ、事業計画の構想段階で相談に行きます。公募開始前でもアドバイスをもらえます。
2
公募要領の確認と書類作成
最新の公募要領を確認し、必要な書類を揃えます。認定支援機関(金融機関、商工会議所等)のサポートを受けるのが一般的です。
3
申請(電子申請が主流)
gBizIDプライムアカウントなどを用いて、期限内に申請を行います。締切直前はシステムが混み合うため余裕を持って提出しましょう。
4
交付決定・事業実施
採択通知を受け、交付決定が下りてから発注・支払いを行います。実施中の証憑類(見積書、請求書、領収書、写真等)は全て保管します。
5
実績報告と入金
事業完了後、実績報告書を提出。検査を経て補助金が確定し、指定口座に入金されます。精算払いとなるため、事前の資金繰りが必要です。
8. よくある質問(FAQ)
Q補助金は先にもらえるのですか?
いいえ、原則として『後払い(精算払い)』です。事業者が一度全額を支払い、完了報告をした後に補助額が振り込まれます。そのため、つなぎ融資などの資金調達が必要になる場合があります。
Q複数の補助金を同時に使うことはできますか?
同じ経費項目(同じ請求書の内容)に対して複数の補助金を重複して受けることはできません。ただし、事業内容を分けて別々の経費として申請する場合は可能なことがあります。
Q個人事業主でも申請できますか?
はい、多くのメニュー(とっとり起業化促進事業、専門展示会出展補助金など)で個人事業主も対象に含まれています。ただし、事業内容や要件を詳細に確認する必要があります。
Qパソコンやタブレットの購入は対象になりますか?
多くの場合、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの汎用品は『目的外利用が可能』とみなされ、補助対象外となります。専用のソフトウェアや、特定の事業にしか使えない機器であれば対象になる可能性が高まります。
Q申請の代行はお願いできますか?
申請そのものは事業主自身が行う必要がありますが、計画の策定や書類の作成支援については、認定経営革新等支援機関(商工会議所、銀行、士業など)に有償または無償で相談することが可能です。
令和7年度の鳥取県における補助金・助成金制度は、起業から成⾧、そして海外展開まで非常にきめ細かく設計されています。最大9,750万円という大規模なものから、20万円の小規模なものまで、自社のフェーズに合わせた最適なメニューを選択することが、事業加速の鍵となります。まずは最寄りの鳥取県産業振興機構各センターへ足を運んでみましょう。
お問い合わせ・ご相談は鳥取県産業振興機構へ
鳥取県産業振興機構では、コーディネーターによる専門的なアドバイスを随時受け付けています。まずは電話での事前予約をお勧めします。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年1月)のものです。補助金の内容、要件、予算額等は予告なく変更される場合がありますので、申請前に必ず公益財団法人鳥取県産業振興機構の公式サイトや各公募要領で最新情報をご確認ください。