東京都では、育児中の従業員の就業継続や男性従業員の育業(育児休業)を推進する都内中小企業等に対し、手厚い奨励金を支給しています。2025年度(令和7年度)は、男性の育業取得日数に応じた最大420万円の支給や、育児を支える周囲の同僚への手当支給に対する加算など、企業のワークライフバランスを強力にバックアップする内容となっています。
この記事でわかること
- 4種類のコース別の支給金額と主な申請要件
- 最大支給額を引き上げるための加算項目の詳細
- 予算終了目前の『働くママコースNEXT』『働くパパコースNEXT』の最新状況
- 国の両立支援等助成金と併給して受給額を最大化する方法
重要:予算残額に関する緊急告知(2025年12月更新)
- 働くママコースNEXT:予算上限に近づいており、令和8年1月30日までに受付終了の見込みです。
- 働くパパコースNEXT:同様に予算上限に達する可能性が高いため、早急な申請が推奨されます。
働くパパママ育業応援奨励金の全体像と4つのコース
本奨励金は、都内に事業所を置く中小企業等が対象です。特に『育業(いくぎょう)』という愛称で育児休業を推進する東京都独自の施策であり、企業の規模や従業員の性別、取得日数に応じて以下の4コースが用意されています。
働くパパコースNEXT:最大420万円の支給詳細
男性従業員の育児参加を強力に促すためのメインコースです。取得日数が増えるほど基本額が上がり、さらに職場環境の整備状況によって加算が行われます。
育業日数に応じた基本支給額のステップ
合計15日以上の育業を終え、原職復帰から3か月以上継続雇用されていることが条件です。金額は以下の12段階で設定されています。
- 15日以上 30日未満:25万円
- 30日以上 45日未満:55万円
- 以降、15日ごとに27.5万円ずつ加算
- 180日以上:330万円
さらに上乗せ!4つの強力な加算要件
以下の取組を新たに行うことで、基本額に最大90万円が加算されます。
- ①管理職による育業情報発信(20万円):役職者が自ら育業し、その経験を社内に発信。
- ②パパ向けマニュアル・メンター整備(20万円):会社独自の育業推進マニュアルを作成。
- ③周囲への応援評価・表彰制度(30万円):育業中の同僚を評価する制度を就業規則に整備。
- ④同僚への応援手当支給(30万円):業務を代替した同僚へ合計20万円以上の手当を支給。
※③と④を両方実施した場合は、合計で50万円の加算となります。
働くママコースNEXT:1年以上の育業で最大175万円
女性従業員が合計1年以上の育業を取得し、円滑に職場復帰できるよう支援する企業に向けたコースです。法定を上回る制度の導入が必須となります。
必須要件:法定を上回る就業規則の整備(いずれか1つ)
令和7年4月1日以降に、以下の制度を新たに就業規則へ規定し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。
- 育児休業期間を法定(最長2歳)を超えて延長する規定
- 有給の子の看護休暇制度(無給から有給への転換)
- 子の看護休暇の日数上乗せ(1人あたり6日以上等)
- 中抜けを認める時間単位の看護休暇導入
- 育児短時間勤務制度の利用可能期間の延長(小学校就学後まで等)
失敗しないための申請ステップとタイムライン
本奨励金は、育業が終了し、職場復帰してから3か月経過した後に申請可能となります。事前の環境整備が重要な鍵を握ります。
1
就業規則の整備と届出
加算項目やママコース必須要件となる制度を就業規則に記載し、労基署へ届け出ます。
2
育業の実施と面談
対象従業員が育業を取得。休業中の情報提供や復帰前の面談を適切に記録します。
3
原職復帰と3か月の継続雇用
従業員が元の職場へ復帰し、3か月間勤務を継続することが申請のトリガーとなります。
4
書類作成と申請
復帰から3か月経過した日の翌日から2か月以内に、東京しごと財団へ郵送または電子申請します。
5
審査と入金
財団による審査(数か月程度)を経て、決定通知とともに奨励金が振り込まれます。
専門家によるワンポイントアドバイス:採択率を高めるコツ
多くの企業が陥りやすいミスは、就業規則の『施行日』と『適用対象』の不一致です。また、国の助成金との併給についても正しく理解しておく必要があります。
知って得する申請ノウハウ
- 国の助成金との併給:厚生労働省の『両立支援等助成金(育休中等業務代替コース等)』は、本奨励金と同一の従業員について重ねて受給可能です。両方を活用することで、実質的なコスト負担を大幅にマイナスにできる場合があります。
- 専門家派遣の活用:『パパと協力!ママコース』を検討中の企業は、社会保険労務士の無料派遣サービス(最大3回)を利用できます。計画書の作成から法改正への対応まで個別に助言が受けられます。
- 融資の優遇:本事業に取り組む中小企業は、東京都中小企業制度融資『女性活躍推進融資』の対象となり、信用保証料の2/3補助や金利優遇を受けることが可能です。
よくある質問(FAQ)
Q本社が他県にある場合でも申請できますか?
はい、可能です。東京都内に支店や営業所があり、そこで勤務する雇用保険被保険者の従業員が育業を取得し、その他の要件を満たしていれば申請対象となります。
Q加算項目だけ後から申請することは可能ですか?
いいえ、加算項目はメインのコース申請時に同時に行う必要があります。過去に同一コースを受給済みの場合は、後から加算分だけを追加申請することはできませんのでご注意ください。
Q育業期間中に少しだけ出社させた場合は日数に含まれますか?
育業期間中の就労日や、有給休暇として処理した日は、本奨励金のカウント対象日数には含まれません。純粋な休業日数が要件(15日、364日など)を満たす必要があります。
Q過去に『働くパパコース』を受給しましたが、今回のNEXTに申請できますか?
原則として、同一のコース(旧パパコース等)を過去に受給している場合は申請できません。ただし、『もっとパパコース』の経過措置など一部例外があるため、募集要項の併給規定をご確認ください。
Q応援手当は賞与として支払っても認められますか?
手当の名称は問いませんが、就業規則に根拠規定があり、賃金台帳上でその支払いが明確に確認できる必要があります。また、雇用保険料が控除されていることも条件となります。
働くパパママ育業応援奨励金は、単なる資金援助だけでなく、企業の労働環境をアップデートするための強力なツールです。特に2025年度は予算の消化が非常に早いため、検討中の企業はまず最新の就業規則が要件を満たしているか確認し、早急に環境整備に着手することをお勧めします。返済不要の奨励金を活用し、優秀な人材が定着する職場づくりを実現しましょう。
奨励金申請の準備はできていますか?
募集要項のダウンロードや専門家派遣の相談は、東京しごと財団の公式サイトをご確認ください。
お問い合わせ:03-5211-2399(平日9時-17時)
免責事項: 本記事の情報は令和7年度の公募要領に基づき作成されています。特に予算の残状況や申請受付期限については日々変動するため、必ず公益財団法人東京しごと財団の公式サイトにて最新情報を確認した上で、申請手続きを行ってください。