北海道登別市で事業を営む皆さまにとって、自慢の製品やサービスをより広い市場へ届けるチャンスが巡ってきました。今回ご紹介する’登別市商談会等出展補助金’は、展示会や見本市への出展にかかるコストを最大20万円までサポートしてくれる非常に使い勝手の良い制度です。市が策定した強靱化計画においても、地域経済の活力を維持することは、災害に強いまちづくりの重要な柱として位置付けられています。単なる資金援助にとどまらず、街全体の未来を支える一歩として、この補助金の活用をぜひ検討してみてください。
この補助金の要点
市内事業者が販路拡大のために商談会や展示会へ出展する際、その経費の一部を市が負担します。補助率は条件により最大3/4まで引き上げられ、旅費や宿泊費も対象に含まれる点が大きな特徴と言えるでしょう。申請には事前相談が必須となるため、早めの準備が採択への近道となります。
登別市の経済背景と補助金の必要性
登別市は現在、人口減少と少子高齢化という大きな課題に直面しています。市の統計によると、1983年をピークに人口は減少に転じ、2045年には約3万1,000人、つまりピーク時の半分程度にまで落ち込むと予測されています。さらに、65歳以上の割合を示す高齢化率は48.4パーセントに達する見込みであり、地域の稼ぐ力をどう維持していくかが急務となっています。こうした状況下で、地元の事業者が市外や道外、さらには海外へと販路を広げることは、街全体の生存戦略に直結すると言っても過言ではありません。
また、市が令和7年に更新した’強靱化計画’では、大規模な自然災害が発生した際でも経済活動を最小限の被害に抑え、速やかに復旧・復興できる’強さ’と’しなやかさ’を重視しています。経済の強靱化を達成するためには、個々の企業が強固な顧客基盤を持つ必要があります。商談会への出展は、既存の枠組みを超えた新しい取引先を見つける絶好の機会です。自社の技術や製品が評価され、販路が多角化されることで、地域の雇用やコミュニティが守られ、結果として災害に負けない強いまちづくりへと繋がっていきます。
補助金の詳しい概要と対象者
この補助金は、登別市内に主たる事業所を置く個人事業主や法人、またはそれらで構成される任意のグループが利用できます。具体的な支援内容は、自社で開発・製造した製品やサービスの販路拡大を目的とした商談会、展示会、見本市等への出展費用です。市の産業構造を見ると、第3次産業が約80パーセントを占めており、特に卸売・小売業や宿泊・飲食サービス業が多い傾向にあります。温泉地としてのブランドを活かした新商品のPRなど、幅広い業種での活用が期待されています。
補助率と上限額の仕組み
補助される金額は、申請者の属性によって変動する仕組みが採用されています。一般的な市内事業者の場合は経費の2分の1が補助されますが、’登別ブランド推奨認定’を受けている事業者であれば3分の2まで引き上がります。さらに、複数の市内事業者でグループを作って共同出展を行う場合には、補助率が4分の3にまでアップします。いずれの場合も上限は20万円ですが、小規模な事業者にとってはこの差が非常に大きな助けになるはずです。
補助上限額
20万円
| 区分 | 補助率 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般の市内事業者 | 1/2以内 | 最も標準的な申請区分です |
| 登別ブランド推奨認定事業者 | 2/3以内 | 市の推奨品を扱う事業者が対象です |
| 市内事業者の任意グループ | 3/4以内 | 連携して出展することで手厚い支援が得られます |
対象となる経費:どこまで補助される?
多くの補助金では、純粋な’出展料’のみを対象とするケースが少なくありません。しかし、登別市のこの制度は、実際に会場へ行くための旅費や宿泊費、さらには展示に必要な備品の借料まで幅広くカバーしています。これは、遠方で開催される大規模商談会への参加を躊躇している事業者にとって、非常に心強い設計だと言えます。
具体的には、出展登録料や小間料はもちろん、会場内で使用するパネルやディスプレイのレンタル費用、製品を運搬するための通信運搬費も認められます。ただし、人件費や食糧費、あるいは汎用性が高く事業に直接関係しない備品の購入などは対象外となるため、注意が必要です。計画を立てる段階で、どの費用が認められるのかをしっかりと仕分けしておくことが、スムーズな審査通過への鍵となります。
ポイント
宿泊費については、市の規定による上限が設定されている場合があります。全額が認められるとは限らないため、事前に市役所の商工労政グループへ具体的な金額感を確認しておくと安心です。
申請から受取までの流れ
補助金の申請は、決して難しいものではありません。しかし、手順を間違えると受給できなくなるリスクがあるため、正しいステップを把握しておきましょう。特に’事前相談’が必須となっている点は、登別市の補助金制度において最も重要なポイントの一つです。
商工労政グループへ事前相談
出展を検討しているイベントの内容や見積額を伝え、補助の対象になるか確認を受けます。
交付申請書の提出
事業計画書や収支予算書などの必要書類を揃えて市へ提出します。募集回ごとの期限に注意してください。
交付決定と事業実施
市から交付決定通知が届いたら、実際に商談会へ参加します。領収書や当日の様子がわかる写真は必ず保管しましょう。
実績報告書の提出
事業終了後、かかった経費を精算し、報告書を提出します。ここで最終的な補助金額が確定します。
補助金の請求・受取
確定した金額に基づき請求書を出し、指定の口座に振り込まれるのを待ちます。
採択率を高める!申請のコツと注意点
この補助金は予算に限りがあるため、単に出展するだけでなく’なぜその商談会が必要なのか’を明確に示すことが求められます。審査担当者に納得してもらうためには、具体的な目標数値を盛り込んだ計画書を作成するのが効果的です。例えば、’新規取引先を3社獲得する’や’既存製品の認知度をアンケートを通じて20パーセント向上させる’といった指標を立てることで、事業の真剣度が伝わりやすくなります。
また、登別市の強靱化計画でも触れられている通り、地域の課題解決に資する視点を持つことも一つのポイントかもしれません。自社の販路拡大が、結果として地元の原材料使用量の増加に繋がったり、地域の雇用維持に貢献したりすることをアピールできれば、市としても応援する意義が強まります。地域の未来を背負う当事者意識を持って、書類を仕上げていくことが大切です。
注意点
補助金は原則として後払いです。最初に出展料などを自己資金で支払う必要があるため、キャッシュフローの確認を忘れないようにしてください。また、消費税は補助対象外となるのが一般的ですので、予算を組む際は税抜価格で計算するようにしましょう。
よくある質問
Q. オンライン開催の商談会も対象になりますか?
A. はい、対象となる可能性があります。近年、非対面での商談機会が増えていることを踏まえ、オンライン展示会の出展料も認められるケースが多いです。ただし、旅費などが発生しないため、対象経費の範囲が対面形式とは異なる点にご留意ください。
Q. 他の補助金と併用することはできますか?
A. 国や道など、同一の経費に対して他の公的補助金を受けることは原則としてできません。いわゆる’二重受給’になるため、どちらか一方を選択する必要があります。どちらが有利か迷った場合は、事前に窓口で相談することをお勧めします。
Q. 過去に出展済みのイベントについて後から申請できますか?
A. 残念ながらできません。この補助金は、交付決定を受ける前に着手(支払い等)した事業は対象外となります。必ず、出展を申し込む前の段階で事前相談を行い、正式な手続きを進めてください。
Q. グループ申請の場合、代表者はどのように決めればいいですか?
A. グループ内で合意があればどなたでも構いませんが、通常は出展手続きを主導する事業者が代表となるのがスムーズです。構成員全員が市内事業者であるなどの条件があるため、グループ全員の名簿や役割分担を明確にしておきましょう。
Q. 市外の事業者との共同出展は補助率3/4の対象になりますか?
A. 補助率アップの対象となるのは、原則として’市内事業者のみで構成されるグループ’に限られます。市外の事業者と組むこと自体は可能ですが、補助率が一般の1/2となる場合があるため、事前に確認が必要です。
まとめ
まとめ
登別市商談会等出展補助金は、市内事業者の販路拡大を強力に後押しする素晴らしい制度です。最大20万円という金額は、特に初めて展示会へ挑戦する方にとってのハードルを大きく下げてくれるでしょう。登別市の強靱化計画が示す通り、地域経済の強さは街全体の安全性にも直結します。自社のビジネスを成長させることが、回り回って故郷である登別を支える力になります。事前相談から丁寧に対応してもらえるため、少しでも興味がある方は、まずは商工労政グループの扉を叩いてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください。