長野県諏訪市で事業を営む皆様にとって、自慢の技術や新製品を全国に発信する絶好の機会が展示会です。しかし、いざ出展しようとすると高額な出展料が壁となり、参加を断念してしまうケースも少なくありません。そんな時に活用したいのが『諏訪市商工業振興対策補助金(展示会出展支援事業)』です。この制度をうまく使えば、販路開拓にかかる経費を半分に抑えつつ、攻めの経営へと舵を切ることが可能になります。本記事では、申請を検討されている事業者様に向けて、制度の概要から採択を勝ち取るためのポイントまで、専門家の視点で詳しく解説していきます。
この補助金の要点
諏訪市内に事業所を持つ中小企業や個人事業主が対象で、展示会の出展料を最大40万円まで補助してもらえます。リアルな展示会だけでなくオンライン形式も対象に含まれており、2026年3月10日まで申請を受け付けている非常に使い勝手の良い制度です。
諏訪市商工業振興対策補助金の概要と対象者
この補助金は、諏訪市の基幹産業である工業の振興を目的としています。特に製造業やソフトウェア業を営む中小企業が、自社の製品や技術を広くPRし、新しい顧客を見つけるための活動を金銭面でバックアップしてくれる力強い味方です。対象となるのは、市内に主たる事業所を置いている中小企業基本法上の『中小企業者』または『個人事業主』に限定されます。市外の企業は利用できないため、地域密着型の支援策と言えるでしょう。
注目すべきは、補助対象となる事業の幅広さです。一般的な見本市や展示会はもちろんのこと、近年のデジタル化の流れを汲んで、インターネット上で行われるオンライン展示会への出展も認められています。これにより、遠方への移動を控えている時期であっても、非対面での営業活動を強化するための資金として活用できる点が大きな魅力です。
補助上限額
40万円
補助率と具体的な金額について
気になる補助金額は、対象となる経費の2分の1以内、金額にして最大40万円と設定されています。例えば、出展料が80万円かかるような大規模な展示会であれば、満額の40万円を補助として受け取れる計算になります。もし出展料が20万円であれば、その半額である10万円が補助されるという形です。予算には限りがあるため、早い者勝ちの側面があることにも留意しておかなければなりません。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対象事業者 | 諏訪市内に事業所がある中小企業、個人事業主 |
| 補助率 | 対象経費の1/2以内 |
| 補助上限額 | 40万円 |
| 公募期間 | 〜2026年3月10日まで(予算終了次第終了) |
補助の対象となる経費と注意すべき点
この補助金で認められる経費は、主に『出展料』や『出店料』に限定されています。会場の小間代や、オンライン展示会の登録料などがこれに該当します。非常にシンプルな仕組みですが、その分、対象外となる経費も多いという点には注意が必要です。例えば、会場までの交通費や宿泊費、展示用のパネル制作費、配布するパンフレットの印刷代などは補助の対象には含まれません。あくまでブースを確保するための直接的な費用がサポートの対象だと捉えておくのが賢明でしょう。
注意点
展示会に出展する前に必ず申請を済ませ、交付決定を受ける必要があります。既に支払いを済ませてしまったものや、開催が終わった展示会については後から申請しても受け付けられないため、スケジューリングには細心の注意を払ってください。
また、消費税額については補助対象経費から除外して計算するのが一般的です。加えて、他の公的機関や団体から同様の趣旨で補助金を受けている場合、重複して受け取ることはできないというルールも存在します。国や県の補助金との併用を考えている方は、それぞれの募集要項を確認し、どちらがより有利かを事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
申請から補助金受け取りまでの5ステップ
手続き自体は決して複雑ではありませんが、書類の不備や期限の徒過は致命的なミスに繋がります。スムーズに進めるための流れを順番に見ていきましょう。
出展計画の策定と事前相談
まずは参加する展示会を選定し、見積書を取り寄せます。この段階で諏訪市の商工課へ電話一本入れておくと、対象になるかどうかの判断を仰げるため安心です。
交付申請書の提出
展示会の開催前(できれば契約前)に、所定の申請書と事業計画書、見積書などを揃えて提出します。オンライン展示会の場合は、サイトの構成がわかる資料も必要になります。
交付決定と展示会への参加
市から『交付決定通知書』が届いたら、正式に契約や支払いを進めます。展示会当日は、ブースの様子がわかる写真撮影を忘れずに行ってください。これが後の実績報告で必須となります。
実績報告書の提出
展示会終了後、速やかに実績報告書を提出します。領収書の写しや、実際に展示したことがわかる写真、成果(名刺交換数や商談数など)をまとめた書類を添付します。
補助金の請求と入金
報告内容が承認されると、補助金の確定通知が届きます。その後、請求書を提出することで指定の口座へ補助金が振り込まれます。精算払いなので、一度全額を立て替える必要がある点に注意しましょう。
採択されやすくなる!申請書作成のコツ
この補助金は比較的採択されやすい傾向にありますが、それでも『単に展示会に出るだけ』という書き方では、市の担当者に事業の意義が伝わりにくいかもしれません。大切なのは、展示会への出展が自社の経営、ひいては地域の経済にどう貢献するかのストーリーを明確にすることです。例えば、『長年培った精密加工技術を航空宇宙分野へ展開したい』といった具合に、明確なターゲットと具体的な狙いを記載するのがポイントと言えます。
ポイント
数値目標を盛り込みましょう。『新規リード獲得50件』や『半年以内の成約見込み3件』といった具体的な指標を事業計画に含めると、意欲的な姿勢が評価され、実効性の高い計画であると認識されやすくなります。
また、出展後のフォローアップについても触れておきたいところです。展示会は当日よりも、終わった後の営業活動こそが本番だと言っても過言ではありません。獲得した名刺に対してどのようなアプローチを行うのか、社内の体制はどう整えているのかまで書かれていると、市の支援が確実に成果に結びつくという安心感を与えることができます。こうした細かい配慮が、信頼される申請書作りの近道となります。
よくある質問(FAQ)
Q. 諏訪市外で開催される展示会でも補助の対象になりますか?
A. はい、対象になります。開催地が市内である必要はありません。県外や、場合によっては海外で開催される大規模な展示会であっても、諏訪市内の事業者が販路開拓を目的として出展するのであれば申請が可能です。
Q. 年度内に複数回、展示会に出る予定があるのですが、その都度申請できますか?
A. 基本的には、同一年度内における申請回数には制限が設けられていることが多いです。通常は1事業者につき年度内1回というルールが一般的ですので、最も費用がかかる展示会を優先して申請することをおすすめします。詳細な回数制限については、必ず事前に商工課へご確認ください。
Q. 数社で共同出展する際の費用は対象になりますか?
A. 共同出展の場合、自社が直接負担した金額が明確に証明できるのであれば、補助の対象となる可能性があります。ただし、代表社が一括して支払いを行い、後で精算するような形だと、支払い証明が複雑になり認められないケースもあるため、契約前に相談するのが無難です。
Q. 申請した内容から出展する展示会を変更することは可能ですか?
A. 交付決定後の勝手な変更は認められません。もしやむを得ない事情で変更や中止が必要になった場合は、速やかに『変更承認申請書』を提出し、市の承認を得る必要があります。無断で変更すると補助金が交付されない恐れがあるため注意してください。
Q. 海外の展示会に出展する場合、外国語の見積書でも受け付けてもらえますか?
A. 審査をスムーズに進めるため、外国語の資料には必ず日本語の訳文を添付することが求められます。専門の翻訳業者に頼む必要はなく、自社で作成した訳文で問題ありません。また、為替レートの計算根拠なども併せて明記しておくと親切です。
まとめ
諏訪市の『展示会出展支援事業』は、新しい市場に挑戦したい中小企業にとって非常に心強い制度です。最大40万円という補助額は、プロモーション費用を抑えたい小規模な事業者にとっても無視できない金額でしょう。販路開拓は一朝一夕にはいきませんが、こうした公的な支援を賢く利用することで、リスクを最小限に抑えながら大きなリターンを狙うことができます。申請期限は2026年3月まで設けられていますが、予算がなくなり次第終了となるため、検討中の方は早めに商工課へ相談し、準備を始めてみてはいかがでしょうか。
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