島根県内で建設業を営む皆様にとって、避けては通れないのが深刻な人手不足と若年層の確保という課題でしょう。この『しまねの建設担い手確保育成補助金』は、現場の生産性を高めるICT機器の導入から、女性が働きやすい職場づくり、さらには外国人材の受け入れまで、業界の未来を支える取り組みを幅広くバックアップしてくれる制度です。事業の内容によっては最大500万円の補助が受けられるため、経営基盤を強化したい企業や団体にとって見逃せないチャンスといえます。
この補助金の要点
建設業の担い手確保に向けた6つの支援メニューが用意されており、ICT建機の導入には最大500万円、女性活躍推進には最大200万円が補助されます。対象者は県内の建設産業団体だけでなく、個別の建設業者や測量業者も含まれるため、自社の課題に合わせた柔軟な活用が可能です。
しまねの建設担い手確保育成補助金の全体像
この補助金は、一言でいえば建設業界の『若返り』と『効率化』を促進するための施策です。島根県内のインフラを支え、災害時には地域の守り手となる建設業者の方々が、持続可能な経営を行えるよう多角的な支援メニューを揃えています。単なる資金援助にとどまらず、現場見学会の開催や資格取得のサポート、さらには最新鋭のICT建機のレンタル費用まで対象となっている点が大きな特徴でしょう。
選べる6つの支援メニュー
事業の目的や実施主体に合わせて、以下の6つのコースが設定されています。自社がどの課題を解決したいのかを明確にすることからスタートしましょう。
1. 情報発信事業:合同説明会やインターンシップを通じて、若者に建設業の魅力を伝えます。主に団体が対象です。
2. 技能向上事業:若手社員の資格取得講習や教育訓練をサポートし、即戦力の育成を目指します。
3. 「もっと女性が活躍できる建設業」協働推進事業:女性の入職促進や家庭との両立支援など、職場環境の改善を後押しします。
4. 建設人材確保対策事業:高齢者、障がい者、そして特定技能などの外国人材を雇用するための調査や研修、手続き費用を補助します。こちらは個別の建設業者も対象となります。
5. 建設産業入職促進広報事業:PR動画や冊子の作成など、クリエイティブな広報活動を支援します。
6. ICT活用工事加速化事業:現場の生産性を劇的に変えるICT機器や建機の導入を支援する、最も金額規模の大きいメニューです。
ICT建機購入・リースの場合の補助上限額
500万円
コース別の詳細と補助金額の違い
各コースによって補助率や上限額が細かく決められています。特に『女性活躍』と『ICT活用』は島根県が重点を置いている分野であり、補助内容も非常に充実しています。
| 事業メニュー | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 女性活躍推進事業 | 2/3以内 | 200万円 |
| ICT建機購入・リース | 1/3以内 | 500万円 |
| 建設人材確保(業者) | 1/2以内 | 20万円 |
| 情報発信・広報事業 | 1/2以内等 | 100万円 |
例えば、女性技術者の雇用継続のためにトイレや更衣室をリニューアルしたい、あるいは家庭との両立を支援するためのコンサルティングを受けたいといった場合、2/3の補助を受けながら最大200万円までの事業を組み立てられます。一方で、ICT建機のレンタルは上限500,000円となっており、こちらは大規模な購入を検討する前のお試し導入としても非常に使い勝手が良いでしょう。
対象となる経費と申請者の条件
誰でも申請できるわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。原則として、島根県内に主たる営業所を置く建設業者や測量業者、建設コンサルタント、またはそれらの団体が対象です。また、税金の滞納がないことや、暴力団関係者でないこと、いわゆる『みなし大企業』に該当しないことも重要なチェックポイントです。
補助対象となる具体的な経費項目
この補助金は、ソフト事業とハード事業の両面をカバーしています。主な対象経費は以下の通りです。
・専門家への謝金や講師への支払い
・事業に携わるアルバイトの賃金やスタッフの旅費
・研修会場やバス、機械器具の借上料(リース・レンタル料)
・PR動画の作成やパンフレットの印刷費
・外国人雇用に必要な在留資格申請費用や通訳費
・ICT測量機器やソフトウェアの購入費
注意点
通常の採用活動(求人媒体への掲載や自社パンフレット作成のみ)にかかる経費は、人材確保対策事業の対象外となるケースがあります。また、消費税については補助対象から除外して申請するのが基本ルールです。後で『仕入税額控除』を受ける場合は、補助金を返還する必要が出てくるため、経理担当者としっかり連携しておきましょう。
採択率を高めるための申請ステップ
申請は2025年4月1日からスタートします。先着順ではなく内容審査が行われるため、早めの準備と論理的な事業計画書が欠かせません。
事前相談とメニューの選定
まずは島根県の担当窓口へ相談し、実施したい事業がどのメニューに該当するか確認しましょう。特にICT活用コースなどは事業計画の事前提出が必要です。
見積書の取得と計画書の作成
対象となる経費の根拠となる見積書を集めます。事業計画書には『なぜこの取り組みが担い手確保に繋がるのか』というストーリーを具体的に書き込みましょう。
交付申請書の提出
様式第1号に必要書類を添えて県に提出します。この段階で消費税の扱いを明確にしておく必要があります。
交付決定と事業実施
県から『交付決定通知書』が届いてから、契約や発注を行います。決定前に支払った経費は補助対象外となるため、絶対に順番を守ってください。
実績報告と請求
事業が終わったら30日以内に実績報告書を提出します。その後、確定通知を受けてから補助金を請求する流れとなります。
ポイント
ICT機器導入の場合、単に『便利になるから』ではなく、『これによってどれだけ労働時間が削減され、若手が定着しやすくなるか』という定量的・定性的な効果をアピールすると評価が高まりやすくなります。地域の守り手としての役割を強調することも有効です。
よくある質問(FAQ)
Q. 国の『人材確保等支援助成金』と併用することはできますか?
A. 基本的には可能ですが、助成金を受給する場合、本補助金の補助率が1/2から1/4に下がります。どちらを優先すべきか、総額で比較検討が必要です。
Q. ICT建機を中古で購入する場合も補助対象になりますか?
A. 要綱上、購入やリースが対象ですが、中古品については性能維持や耐用年数の観点から認められないケースや、特別な証明が必要な場合があります。必ず事前に県へ確認してください。
Q. 補助金はいつ頃振り込まれますか?
A. 原則として、すべての事業が完了し、実績報告と額の確定を経てからの後払いです。ただし、資金繰りの都合上必要があると認められれば、概算払(前払い)の相談も可能です。
Q. 過去に一度採択されましたが、今年も申請できますか?
A. ICT機器の購入などは最大3回までといった回数制限があります。メニューによって条件が異なるため、前年度の実績を確認した上で計画を立てましょう。
Q. 50万円以上の機材を購入した場合の注意点は?
A. 補助事業完了後も5年間は善良な管理者の注意をもって管理する義務があります。勝手に売却したり廃棄したりすると補助金の返還を命じられるため、注意が必要です。
まとめ
しまねの建設担い手確保育成補助金は、人材不足に悩む島根県の建設業者にとって非常に力強い味方です。ICT建機の導入による生産性向上や、女性・外国人材の受け入れなど、今の時代に求められる変革を県がしっかりと支援してくれます。最大500万円という補助額は、投資リスクを大幅に軽減してくれるはずです。まずは自社の課題を整理し、2025年4月の受付開始に向けて、専門家への相談や見積もりの収集から一歩を踏み出してみませんか。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は公式サイトでご確認ください。