福井県内で事業を営む皆さまにとって、止まらない物価高騰は経営を圧迫する深刻な問題です。こうした状況を受け、福井県では令和7年1月から3月までの期間を対象とした、大規模な緊急支援策を打ち出しました。本記事では、電気・ガス料金の補助から、トラック・タクシー等の交通事業者、さらには医療・福祉施設まで、幅広く用意された支援メニューの具体的な内容と申請のポイントを分かりやすく解説します。
この補助金の要点
電気・ガス・燃料費・食材費といった幅広いコスト増に対し、業種ごとに手厚い現金支給が行われます。特に特別高圧電力を利用する大規模事業所は最大1,200万円、中小企業でも最大30万円の受給が可能です。令和7年1月からの利用分が対象となるため、早めの書類準備が欠かせません。
福井県物価高騰緊急対策の全体像
今回の支援策は、エネルギー価格や原材料費の負担を軽減することで、県内事業者の経営安定と雇用維持を図ることを目的としています。支援の柱は大きく分けて’エネルギー費用’、’交通・物流’、’医療・福祉・教育’、そして’農林水産業’の4つのカテゴリーで構成されています。まずは、ご自身の事業がどの項目に当てはまるかを確認することから始めましょう。
中小企業向けの電気・ガス価格高騰対策
製造業や店舗経営などで負担が大きい電気・ガス代について、福井県独自の上乗せ支援が実施されます。対象となるのは、高圧電力や特別高圧電力、または工業用ガスを利用している県内の中小企業です。支給額は、電気・ガス料金の増加額に応じて3つの区分に分かれています。
| 料金増加額の区分 | 支給額(1件あたり) |
|---|---|
| 増加額が10万円以上 | 30万円 |
| 5万円以上 10万円未満 | 15万円 |
| 5万円未満 | 7.5万円 |
また、LPガス(プロパンガス)を利用している事業者への支援も見逃せません。1か月の利用料金が10万円以上の場合は16,000円、10万円未満の場合でも1,600円が支援されます。さらに、工場などで特別高圧電力を利用している大規模な事業者については、1か月あたり最大400万円、3か月合計で最大1,200万円という非常に手厚い補助が用意されています。
交通事業者・福祉施設等への緊急支援
物流の要であるトラックや、地域の足となるタクシー、バスなどの交通事業者には、車両1台あたりの定額支援が行われます。燃料価格の高騰は、運賃への転嫁が難しい業種だけに、この現金給付は大きな支えになるはずです。
タクシー・運転代行の補助額
6,300円/台
トラック事業者の場合は、車両の区分に応じて1台あたり1,100円から7,500円が支給されます。また、医療機関や福祉施設に対しても、光熱費や食材費の高騰分を補うための支援金が設定されました。病院であれば1床あたり8,500円(有床)や1施設あたり25,000円(無床)、高齢者施設では入所者1人あたり4,300円といった形で、運営実態に合わせたきめ細やかな計算がなされます。
注意点
交通事業者の支援対象は’緑ナンバー’または’黒ナンバー’の車両に限られます。社用車であっても白ナンバーの車両は対象外となるため、申請前に必ず車検証の登録区分を確認してください。
申請に必要な書類と手続きの流れ
今回の申請において、前回から変更された重要なポイントがあります。それは’地方消費税の納税証明書’の提出が必須となった点です。これは単に税金を納めていることを証明するだけでなく、法人税や所得税、消費税に未納がないことを示す必要があります。しかも、申請日から2か月以内に発行された新しいものを用意しなければなりません。税務署での発行には時間がかかることもあるため、早めの行動を心がけましょう。
対象項目の確認と書類収集
自社が電気・ガス枠か、交通・福祉枠かを確認し、車検証や直近の請求書、振込口座の写しを集めます。
納税証明書の取得
管轄の税務署で、消費税及び地方消費税等の未納がないことの証明書(その3など)を取得してください。
申請書の作成
各業界団体や県の指定様式に必要事項を記入します。電子申請と郵送の両方に対応している場合が多いです。
事務局による審査
提出された書類の整合性がチェックされます。不備がある場合は再提出を求められることもあります。
支援金の振込
審査通過後、指定した銀行口座に支援金が振り込まれます。通知書が届くので確認しましょう。
採択されやすい申請のコツ
本支援金は、条件を満たしていれば原則として受給できるものですが、書類の不備で振込が大幅に遅れるケースが散見されます。特に間違いやすいのが’口座情報の不一致’です。通帳のコピーを添付する際は、銀行名、支店名、口座番号、そしてカタカナの口座名義がはっきりと読み取れるものを選んでください。ネット銀行の場合は、マイページからダウンロードできる振込先情報の画面を印刷しましょう。
ポイント
新車検証(ICタグ付き)をお持ちの方は、タグの内容をスマホ等で読み取った’自動車検査証記録事項’の添付が必要です。車検証の現物コピーだけでは情報が不足するため、必ずセットで提出するようにしてください。
また、令和6年度中に新規開業した事業者の場合、開業日によって申請先や要領が異なる場合があります。例えばトラック協会が窓口となる交通事業者支援では、4月2日から10月1日に開業した方と、10月2日以降に開業した方で、参照すべきリンクが分けられています。ご自身の状況に合わせた正確な入口から申請を行うことが、スムーズな受給への近道です。
よくある質問
Q. 複数の店舗や事業所がある場合、それぞれで申請できますか?
A. 電気・ガス価格高騰対策の場合、基本的には1事業者1件の申請となります。ただし、交通事業者の車両単位の支援や、福祉施設の入所者単位の支援は、それぞれの実数に基づいて合算して申請することが可能です。
Q. 納税証明書はオンライン発行のものでも大丈夫ですか?
A. はい、e-Taxで取得した電子署名付きのPDFファイルや、それを印刷したものでも有効です。ただし、必ず’全税目に未納がないこと’が明記されている必要があります。一部の税目のみの証明では不備となるため注意してください。
Q. LPガスを使用していますが、家庭用と兼ねている場合はどうなりますか?
A. 事業として利用している実態があれば対象となりますが、利用料金の区分によって支給額が変わります。10万円以上の利用がある場合は事業用としての16,000円枠、それ未満であれば1,600円枠での申請となります。詳細は各請求書を確認してください。
Q. 令和7年1月以降に廃業予定ですが、1月分の料金について申請できますか?
A. 本支援金は継続的な事業運営を支援する目的があるため、申請時点で事業を継続していることが条件となるのが一般的です。月別の対象期間における利用実績があれば、按分計算等で対象となる可能性もありますが、個別の判断が必要なため事務局へ問い合わせることをお勧めします。
Q. 農業者ですが、施設園芸の暖房代も支援されますか?
A. 直接的な燃料代の補填ではなく、国が実施する’施設園芸セーフティネット構築事業’の積立金に対する支援が行われます。農業者が支払う積立金の1/2を県が補助することで、実質的な負担を軽減する仕組みです。
まとめ
福井県の物価高騰対策支援金は、エネルギー費から食材費まで網羅した非常に広範囲な支援策です。最大1,200万円という高額な枠から、数千円単位の車両支援まで、自社に最適なメニューを選ぶことが大切です。特に今回は、納税証明書の要件や車検証の記録事項など、事務的なチェックが厳しくなることが予想されます。令和7年1月からの対象期間に向けて、今のうちに書類の不備がないか確認を進め、経営の安定化にこの制度を最大限活用してください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。令和6年度12月追加補正予算案等の公表データに基づき作成しています。最新の公募要領や詳細な申請方法は福井県公式サイトや各事務局の案内をご確認ください。