千葉県への企業立地で最大70億円!2025年度から制度が大幅拡充
千葉県では、県内経済の活性化と雇用創出を目的として、県内に新たに拠点を設ける企業や設備投資を行う企業を対象とした「千葉県立地企業補助金」制度を実施しています。2025年度(令和7年度)からは、社会経済情勢の変化に対応するため制度が大幅に改正・拡充され、最大70億円という非常に手厚い支援が受けられるようになりました。
工場の新設や研究所の設置、本社機能の移転などを検討中の事業者様にとって、非常に魅力的な制度となっています。この記事では、新しくなった千葉県立地企業補助金の全貌を分かりやすく解説します。
この補助金のポイント
- 大規模投資で最大70億円の補助
- 工場・研究所・本社など多様な施設が対象
- 2025年度から5つの点でパワーアップ
- 賃貸物件での立地も対象になるメニューあり
- 建物着工・取得前の事前相談・申請が必須
【2025年度改正】5つのパワーアップポイント
令和7年度から、千葉県の未来を担う投資をさらに呼び込むため、以下の5つの点で制度が強化されました。
- 補助の上乗せ:「県経済けん引地域」での「成長産業分野」の立地に対し、土地取得税相当額などを追加補助。
- 要件緩和:「特定振興地域」において、敷地面積や従業員数の要件を緩和し、中小規模の投資も支援対象に。
- 賃借型支援の拡大:本社や研究所に加え、一定規模以上の事業所も賃借での立地支援対象に追加。
- 「千葉ウエルカム加算」の新設:従業員の県内観光や県産品購入を促す福利厚生費を補助(最大1,000万円)。人材確保と地域定着を支援。
- 産業用地整備支援の増額:市町村が行う産業用地整備事業への補助限度額を5億円から8億円に引き上げ。
補助金メニュー早見表(企業向け支援)
企業向けの主な支援メニューを一覧にまとめました。自社の計画がどれに該当するかご確認ください。
| 種目 | 補助限度額 | 主な対象・要件 |
|---|---|---|
| 大規模投資企業立地 | 70億円 | 投下固定資産額500億円以上、事業従事者300人以上 |
| 本社立地 | 10億円 | 延床面積500㎡以上、事業従事者50人以上 |
| 研究所立地 | 10億円 | 敷地面積1,000㎡以上、事業従事者10人以上(特定振興地域は要件緩和あり) |
| 工場立地 | 10億円 | 敷地面積1,000㎡以上、事業従事者10人以上(特定振興地域は要件緩和あり) |
| 賃借型企業立地 | 最大1,000万円 | 本社・研究所・事業所を賃借で設置。建物賃借料の1/2を補助 |
| 千葉ウエルカム加算 | 1,000万円 | 上記補助を受ける企業が対象。従業員の福利厚生費を補助(1人上限1万円) |
| 雇用創出支援 | 1億円 | 正規雇用者数に応じて補助(正規雇用者5万円/人、高度人材30万円/人) |
※上記以外にも「がんばる市町村連携」「競争力強化(再投資支援)」など複数のメニューがあります。詳細は公式サイトをご確認ください。
補助が上乗せ・緩和される特定地域とは?
今回の改正で特に注目すべきなのが、特定の地域における優遇措置です。
① 県経済けん引地域(補助の上乗せ)
将来の県経済をリードすることが期待される地域です。この地域で「成長産業分野」の工場や研究所を新設する場合、通常の補助に加えて土地に係る不動産取得税相当額などが加算されます。
- 該当地域:成田空港周辺、東京湾アクアライン着岸地周辺、北千葉道路周辺、柏の葉エリア、幕張新都心エリアなど
- 成長産業分野:デジタル、エネルギー・環境、バイオ、マテリアル関連分野
② 特定振興地域(要件の緩和)
人口減少などが課題となっている地域への投資を促進するため、補助要件が緩和されます。これにより、これまで対象外だった中小規模の投資も支援対象となります。
- 該当地域:銚子市、館山市、勝浦市、鴨川市、君津市、富津市など32市町村
- 緩和内容例(工場・研究所立地):
- 敷地面積:1,000㎡以上 → 500㎡以上
- 事業従事者:10人以上 → 3人以上
申請前に必ず確認!3つの重要注意点
本補助金の活用を検討する上で、絶対に押さえておくべき重要な注意点があります。
⚠️ 申請前のチェックリスト
- 【最重要】事前相談は必須!
この制度を利用するには、必ず事前に県の担当部署へ相談する必要があります。計画の初期段階で相談を開始しましょう。 - 【タイミング】着工・取得前の申請が絶対条件!
建物の建設着工後や取得後に申請しても対象外となります。「立地計画認定申請書」を提出し、県の認定を受けてから事業に着手してください。 - 【税】県税の滞納はNG!
不動産取得税や法人県民税などを滞納している場合、補助の対象となりません。納税状況を必ず確認してください。
申請から補助金交付までの流れ
補助金活用の大まかなステップは以下の通りです。
- 1千葉県へ事前相談
まずは計画内容について県の担当部署に相談します。 - 2立地計画認定申請
建物取得前または建設着工前に「立地計画認定申請書」を提出します。 - 3計画認定・事業着手
県の審査を経て計画が認定された後、建物の建設や取得に着手します。 - 4操業開始
計画に沿って操業を開始します。 - 5補助金交付申請・交付
操業開始後、実績報告を行い、補助金の交付を申請します。審査後、補助金が交付されます。
まとめ:千葉県で新たなビジネスチャンスを
2025年度から大幅に拡充された「千葉県立地企業補助金」は、千葉県で事業展開を目指す企業にとって強力な追い風となる制度です。特に、大規模な設備投資や成長分野への進出を計画している企業は、最大70億円という手厚い支援を活用しない手はありません。
ただし、着工・取得前の事前相談と申請が絶対条件であるため、計画の早い段階で動き出すことが成功のカギとなります。まずは公式サイトで詳細な要綱を確認し、県の担当部署へ相談することから始めましょう。
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Comparison| 比較項目 |
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大100万円 | 最大325万円 | 最大3万円 | 最大120万円 | 最大20万円 |
| 補助率 | 【窓の断熱改修】補助対象経費の1/4、【V2H】補助対象経費の1/10、【集合住宅用充電設備】国の補助額の1/3または2/3。その他は定額補助。詳細は要綱をご確認ください。 | 【高断熱窓・ドア】製品の性能・大きさに応じた定額補助(上限130万円、条件により最大325万円)。【断熱材】対象経費の1/3(上限100万円)。【高断熱浴槽】対象経費の1/3(上限9.5万円)。【リフォーム瑕疵保険】定額7,000円。 | 購入金額に応じて1万円、2万円、3万円のいずれか。上限3万円 | 対象経費の1/3以内 | 対象工事費(税抜)の20%(千円未満切り捨て) |
| 申請締切 | 2026年2月2日 | 事前申込:令和7年5月30日から / 交付申請兼実績報告:令和11年3月30日まで | 令和8年3月24日まで | 令和7年12月12日まで | 令和7年12月26日まで |
| 難易度 | |||||
| 採択率 | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
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