シニア向けスマホ補助金2025｜自治体一覧と申請方法

シニア向けスマホ購入補助金とは

シニア向けスマホ購入補助金とは、高齢者がスマートフォンを購入する際の費用の一部を自治体が負担する制度です。国が推進する「デジタル田園都市国家構想」の一環として、高齢者のデジタル活用を促進する目的で各地の市区町村が独自に実施しています。

制度が生まれた背景

日本は世界でも有数の高齢化社会であり、65歳以上の人口は全体の約3割を占めています。一方で、行政サービスのオンライン化が急速に進み、マイナンバーカードを活用した各種手続きがスマートフォンで完結できるようになりました。

しかし、経済的な理由やデジタル機器への不安から、スマートフォンを持たない高齢者も少なくありません。このままでは、行政サービスを十分に受けられない「デジタル難民」が増加する恐れがあります。こうした状況を解消するため、自治体が購入費用を補助することで、高齢者のスマートフォン普及を後押ししているのです。

この補助金の3つの特徴

この補助金が向いている方

以下のような状況にある方は、この補助金の活用を検討する価値があります。

• 現在ガラケー（フィーチャーフォン）を使用しており、スマートフォンへの乗り換えを考えている65歳以上の方
• これまでスマートフォンを持ったことがなく、初めて購入を検討している方
• マイナンバーカードを取得済みで、スマートフォンを使った行政手続きに興味がある方
• 家族にスマートフォンを持たせたいと考えているが、費用面で躊躇している方
• スマートフォンの操作に不安があり、講習会で学びながら始めたいと考えている方

対象者診断：あなたは補助金を受けられる？

補助金を申請する前に、まずあなたが対象者に該当するかどうかを確認しましょう。自治体によって細かな条件は異なりますが、多くの制度に共通する基本的な要件があります。

対象者チェックリスト

以下の項目をすべて満たしている場合、補助金の対象となる可能性が高いです。お住まいの自治体の制度と照らし合わせてご確認ください。

• 申請時点または年度末時点で65歳以上である（一部自治体では60歳以上）
• 補助金を実施している自治体に住民登録がある
• 過去にスマートフォンを購入・所持したことがない（初めての購入である）
• 市区町村税を滞納していない
• 過去に同様の補助金を受けたことがない
• マイナンバーカードを取得している（または取得予定である）
• 指定された講習会やスマホ教室に参加できる

対象となる具体例

実際にどのような方が対象となるのか、具体的な例を見てみましょう。

例1：ガラケーからの乗り換えを検討中のAさん（68歳）

Aさんは長年ガラケーを愛用してきましたが、2026年3月の3Gサービス終了を前に、スマートフォンへの乗り換えを検討しています。これまでスマートフォンを持ったことはなく、マイナンバーカードも取得済みです。Aさんは補助金の対象となります。

例2：家族の勧めでスマホデビューを決意したBさん（72歳）

Bさんは携帯電話を持っていませんでしたが、離れて暮らす子どもから「LINEで連絡を取りたい」と言われ、スマートフォンの購入を決意しました。初めてのスマートフォン購入であり、補助金の対象となります。

例3：タブレットは持っているが携帯電話はガラケーのCさん（66歳）

Cさんは自宅でタブレットを使っていますが、外出時に使う携帯電話はガラケーのままです。スマートフォンを購入したことはないため、補助金の対象となります。

例4：配偶者のスマホを借りて使っていたDさん（70歳）

Dさんは自分名義のスマートフォンを持ったことがなく、必要なときは配偶者のスマートフォンを借りていました。今回、自分専用のスマートフォンを購入したいと考えており、補助金の対象となります。

例5：子どもから譲り受けた古いスマホを使っていたEさん（67歳）

Eさんは子どもから譲り受けた古いスマートフォンをWi-Fi環境でのみ使用していましたが、回線契約はしていませんでした。自治体によっては、回線契約を伴う「正式な購入」が初めてであれば対象となる場合があります。詳細は窓口への確認が必要です。

対象外となるケース

「過去にスマートフォンを持ったことがある」の定義は自治体によって異なります。短期間の契約や家族名義での使用がどう扱われるかは、必ず事前に窓口へ確認してください。

補助額と対象経費の詳細

補助金の金額や対象となる経費は、自治体によって異なります。ここでは、代表的な自治体の制度を例に、具体的な補助内容を解説します。

自治体別の補助額一覧

対象となる経費

補助金の対象となる経費は、自治体によって範囲が異なります。一般的に対象となる経費と対象外となる経費を整理しました。

対象となる経費の例

• スマートフォン本体の購入費用
• 契約時の事務手数料
• 充電器・充電ケーブル（本体と同時購入の場合）
• 保護フィルム・ケース（自治体による）

対象外となる経費の例

• 月々の通信料金（ランニングコスト）
• 有料アプリの購入費用
• 修理費用・保険料
• オプションサービスの月額料金
• 中古端末の購入費用

補助額の計算例

実際にどのくらいの補助を受けられるのか、具体的な計算例を見てみましょう。

キャリアキャンペーンとの併用について

必要書類チェックリスト

補助金の申請には、複数の書類を準備する必要があります。書類の不備は審査の遅れや不採択の原因となるため、事前にしっかり確認しておきましょう。

必須書類

• 補助金交付申請書（自治体指定の様式）
• 本人確認書類の写し（運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など）
• スマートフォン購入時の領収書またはレシート（原本）
• 購入したスマートフォンの機種がわかる書類（契約書、納品書など）
• 振込先口座がわかる書類（通帳の写しなど）

条件によって必要となる書類

• マイナンバーカードの写し（表面のみ）：マイナンバーカード所持が条件の自治体
• スマートフォン購入確認書：店舗での記入が必要な自治体（日高町など）
• 講習会受講証明書：講習会参加が条件の自治体（狛江市など）
• 市税完納証明書または納税確認同意書：納税状況の確認が必要な自治体
• 委任状：代理人が申請する場合

書類準備でよくある不備と対策

申請の流れ：6つのステップで完全理解

補助金の申請から入金までの流れを、ステップごとに詳しく解説します。自治体によって細かな違いはありますが、基本的な流れは共通しています。

全体スケジュールの目安

申請ステップの詳細

1. 制度内容を確認し、対象者かどうかをチェックするまず、お住まいの自治体がスマホ購入補助金を実施しているかどうかを確認します。自治体の公式ウェブサイトや広報誌で情報を探すか、役所の担当窓口に問い合わせてください。

   対象年齢、申請期限、補助額、必要な条件（マイナンバーカードの有無、講習会参加の要否など）を確認し、自分が対象者に該当するかを判断します。

   この段階での注意点：予算に上限がある自治体では、申請が集中すると早期に受付終了となる場合があります。検討中の方は早めに行動することをおすすめします。

2. 必要な事前準備を完了させる多くの自治体で、マイナンバーカードの所持が条件となっています。まだ取得していない場合は、先にマイナンバーカードの申請を行いましょう。カードの発行には1〜2か月かかることがあるため、余裕を持って準備してください。

   また、指定店舗での購入が条件となっている自治体もあります。どの店舗が対象となるかを事前に確認しておきましょう。

   この段階での注意点：マイナンバーカードの暗証番号（4桁の数字）を忘れていると、スマートフォンでの利用時に困ることがあります。不安な場合は、役所で暗証番号の再設定を行っておくと安心です。

3. 指定店舗でスマートフォンを購入する条件を満たすスマートフォンを、指定された店舗で購入します。購入時には、以下の点に注意してください。
   • 購入する機種が補助金の対象要件（NFC搭載、OSバージョンなど）を満たしているか確認する
   • 領収書に購入者名、購入日、金額、機種名が明記されているか確認する
   • 「スマートフォン購入確認書」など、店舗での記入が必要な書類がある場合は、その場で記入してもらう
   • 契約書や納品書など、機種名がわかる書類を必ず受け取る

   この段階での注意点：店員に「自治体の補助金を申請する予定です」と伝えると、必要な書類の準備がスムーズに進むことがあります。

4. 講習会・スマホ教室に参加する（必須の場合）狛江市など一部の自治体では、購入店舗でのスマホ教室または個別相談への参加が必須条件となっています。講習会では、基本的な操作方法やLINEの使い方、マイナポータルへのログイン方法などを学ぶことができます。

   講習会に参加したら、受講証明書や参加記録を必ず受け取ってください。この書類が申請時に必要となります。

   この段階での注意点：講習会の予約が必要な場合があります。購入前に講習会の開催日程を確認し、スケジュールを調整しておきましょう。

5. 申請書類を作成し、提出する必要書類がすべて揃ったら、申請書に記入し、自治体の窓口または郵送で提出します。申請書は自治体のウェブサイトからダウンロードできる場合が多いです。

   提出前に、以下の最終チェックを行いましょう。

   • 申請書のすべての項目が記入されているか
   • 必要書類がすべて揃っているか
   • 領収書や証明書は原本か（コピーではないか）
   • 振込先口座の情報に誤りがないか
   • 申請期限内に提出できるか

   この段階での注意点：郵送の場合は、配達記録が残る方法（簡易書留など）で送ると安心です。窓口提出の場合は、受付印を押した控えを必ず受け取ってください。

6. 審査結果を待ち、補助金を受け取る申請書類が受理されると、自治体による審査が行われます。審査には通常2〜4週間程度かかります。審査が完了すると、交付決定通知書が届きます。

   交付決定後、指定した口座に補助金が振り込まれます。振込までには、交付決定から1〜2週間程度かかることが一般的です。

   この段階での注意点：書類に不備があった場合、自治体から連絡が来ることがあります。申請後も連絡が取れる状態にしておきましょう。

補助金を確実に受け取るための5つのポイント

補助金の申請は、書類を提出すれば必ず受け取れるというものではありません。審査を通過し、確実に補助金を受け取るためのポイントを解説します。

審査で確認されるポイント

採択されるための5つのコツ

不採択となる主な理由TOP3

採択後の手続きと注意事項

補助金の交付が決定した後も、守るべきルールや注意すべき点があります。補助金を受け取った後のトラブルを防ぐため、しっかり確認しておきましょう。

交付決定から入金までの流れ

1. 交付決定通知書の受け取り審査が完了すると、自治体から交付決定通知書が届きます。通知書には、交付が決定した補助金額と、今後の手続きについての案内が記載されています。届いたら内容を確認し、大切に保管してください。
2. 補助金の振込交付決定後、申請時に指定した口座に補助金が振り込まれます。振込時期は自治体によって異なりますが、交付決定から1〜2週間程度が一般的です。振込が完了すると、振込完了通知が届く場合もあります。
3. 入金確認指定した口座に補助金が振り込まれているか確認してください。振込予定日を過ぎても入金がない場合は、自治体の担当窓口へ問い合わせましょう。

補助金受給後の注意事項

補助金に関するよくあるトラブルと対処法

自治体補助金がない地域でも使える携帯キャリアの支援策

お住まいの自治体がスマホ購入補助金を実施していない場合や、対象要件を満たせない場合でも、携帯キャリアが提供するシニア向けキャンペーンを活用することで、お得にスマートフォンを購入できます。

NTTドコモ：はじめてスマホ購入サポート

楽天モバイル：最強シニアプログラム

ソフトバンク・Y!mobile：60歳以上向けキャンペーン

自治体補助金とキャリアキャンペーンの比較

よくある質問（FAQ）

まとめ：今すぐ始める3つのアクション

2026年3月のドコモ3Gサービス終了を前に、今がスマートフォンへの乗り換えを検討する絶好のタイミングです。自治体の補助金を活用すれば、経済的な負担を抑えながら、安心してスマホデビューを果たすことができます。

本記事の情報は2025年11月時点のものです。補助金制度は予告なく変更・終了する場合があります。申請前に必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。