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この記事のポイント(令和8年度・最終更新: 2026-07-18)
物価とエネルギー価格の高騰は、利用料や公定価格をすぐには引き上げられない社会福祉施設・介護事業所・保育所・医療機関の経営を直撃しています。大分県は令和8年度、こうした施設が物価高騰下でも安定してサービスを提供できるよう、電気代や食材費の高騰相当額を定額で支援する「社会福祉施設等物価高騰対策緊急支援補助金」を実施しました。実施主体は大分県ですが、豊後大野市内の対象施設も当然に申請対象で、豊後大野市も市公式サイトで申請受付を周知していました。申請先や問い合わせ先は市役所ではなく大分県である点を、最初に押さえておきましょう。
この補助金の最大の特徴は、補助対象経費に対する補助率(1/2など)ではなく、施設の種別・定員・病床数・実員に応じた「定額」で交付される点です。領収書の積み上げや経費按分が不要なため、事務負担が比較的軽く、要件を満たせば原則として交付される設計になっています。
豊後大野市は中山間地域を多く抱え、高齢化率も高い地域です。特別養護老人ホームやデイサービス、訪問介護といった高齢者福祉サービスが地域の暮らしを支える基盤になっており、燃料費・電気代・食材費の上昇はそのまま事業運営の圧迫要因になります。定員に応じた入所施設向けの単価が最も手厚く設定されているのは、こうした地域の実情を踏まえた設計と言えます。市内で複数拠点を運営する社会福祉法人にとっては、拠点ごとに漏れなく申請することが交付額を最大化するポイントでした。
また、令和6年度にも大分県は同種の「物価高騰対策緊急支援(福祉・医療・私学等)」を実施しており、今回の令和8年度制度はその流れをくむものです。過去の実施実績があるため、次年度以降も物価高騰が続く場合には同様の緊急支援が組まれる可能性があります。今回間に合わなかった施設も、制度の枠組みと必要書類を把握しておけば、次回の受付開始時にすばやく申請できます。
豊後大野市で小規模なデイサービスを運営しています。これは市の補助金ですか、それとも県の補助金ですか?
実施主体は大分県で、窓口も大分県の高齢者福祉課です。豊後大野市内の施設であれば県の制度に直接申請します。通所の福祉施設は1施設あたり82,000円が定額で支給される区分にあたります。
物価高騰対策の給付・補助は全国で乱立していますが、多くは「非課税世帯向けの現金給付」や「中小企業向けの経費補助」です。本制度は社会福祉施設・医療・私学という『サービス提供事業者』に的を絞り、しかも定員・病床という運営規模に連動した定額で支援する点が独自です。利用者から料金を取りにくい公共性の高い施設ほど手厚くなる設計で、こども食堂や放課後児童クラブといった地域の居場所も対象に含めているのが特徴です。
一方で、令和8年3月2日以降に新規開設した施設や、休止・廃止した施設、そして物価高騰を理由に利用者負担を引き上げた施設は対象外とされます。「値上げして利用者に転嫁したのなら公費支援は不要」という考え方が明確に組み込まれており、ここが他制度と異なる注意点です。
もう一つの独自性は、使途を限定しない定額給付である点です。多くの補助金は「対象経費に対して何割」という補助率方式のため、対象経費の証憑を集め、按分計算し、実績報告で精算する必要があります。本制度は施設種別ごとの単価に定員・病床・実員を掛けるだけで金額が確定し、電気代・食材費に充てたことを証明する義務がありません。これは日々の運営に追われる福祉・医療現場の事務負担を軽くする、現場思いの設計です。交付申請書が実績報告書を兼ねているのも、手続きを一度で完結させる工夫と言えます。
さらに、対象施設の裾野が広いのも特徴です。介護・障害・保育・医療といった認可事業所だけでなく、こども食堂や放課後児童クラブといった地域の任意性の高い居場所まで対象に含めています。物価高騰は制度の枠組みを問わず地域の支え合いを直撃するため、公的サービスの外縁にある活動も取りこぼさないという県の姿勢が読み取れます。
交付額は下表の単価に、各施設の定員・許可病床数・実員を乗じて算定されます。定額のため、実際の電気代・食材費の増加額を証明する必要はありません。
| 施設・事業所の種別 | 単価 | 算定の基準 |
|---|---|---|
| 診療所(4床未満) | 45,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 病院・診療所(4床以上) | 20,000円/許可病床 | 許可病床数に応じる |
| 薬局・施術所・助産所 | 20,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 高齢者・障害福祉施設(入所) | 18,000円/定員 | 入所定員に応じる |
| 高齢者・障害福祉施設(通所) | 82,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 高齢者・障害福祉施設(訪問) | 25,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 保育所等 | 4,000円/定員 | 3月1日基準の定員 |
| こども食堂 | 30,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 放課後児童クラブ | 50,000円/施設 | 1施設あたり定額 |
| 私立小学校 | 4,000円/実員 | 児童の実員 |
| 私立中学・高等学校等 | 1,000円/実員 | 生徒の実員 |
例えば入所定員50人の特別養護老人ホームであれば18,000円×50人=90万円、許可病床30床の病院であれば20,000円×30床=60万円と、規模が大きい入所・入院施設ほど交付額が大きくなります。通所デイサービスや訪問介護のように「1施設あたり定額」の区分では、事業所単位でそれぞれ申請できます。
対象者・対象事業
対象地域(大分県)
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
実際にどの程度の金額になるのか、市内でよくある施設規模を想定して試算してみます(いずれも単価×規模の定額計算で、あくまで概算です)。
このように、入所・入院系は規模連動で数十万〜百万円超、通所・訪問・こども食堂などは1施設あたりの定額という二段構えになっています。自施設がどの区分に当たるかを最初に正しく見極めることが、交付額を取りこぼさない最大のコツです。
大分県は幅広い施設を対象にしています。豊後大野市内で該当し得る主な類型は次のとおりです。
豊後大野市の事業者へ:複数の事業所を運営している法人は、事業所ごとに区分と単価が異なります。1つの申請にまとめず、事業所単位で交付額を積み上げて確認してください。
訪問介護と通所介護を同じ法人で運営しています。1枚の申請書にまとめて出すべきですか?それとも別々ですか?
区分が異なるので、通所(82,000円/施設)と訪問(25,000円/施設)はそれぞれの事業所として算定します。1つにまとめると交付額を取りこぼす可能性があるため、事業所ごとに単価を確認して積み上げるのが正解です。
定額かつ採択率が高い制度ですが、次の点を誤ると却下や不交付につながります。よくあるミスと落とし穴を整理します。
対象外・不交付になりやすいNGケース
特に「利用者負担を引き上げていないか」は誓約事項として問われる制度が多く、安易な自己判断は禁物です。給食費の改定など、値上げに該当するか迷う場合は、申請前に大分県の高齢者福祉課へ確認するのが確実です。
本制度は受付を終了していますが、物価高騰下の福祉・医療事業者が検討できる支援は他にもあります。地域や制度ごとの違いを俯瞰しておきましょう。
| 制度・支援 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大分県 社会福祉施設等物価高騰対策緊急支援補助金(本制度) | 福祉・医療・私学・こども食堂等 | 施設種別ごとの定額支援。受付終了。 |
| 他自治体の介護施設向け物価高騰補助 | 介護施設 | 定員連動・光熱費実費など自治体で設計が異なる。 |
| 医療機関向け物価高騰支援金 | 病院・診療所・薬局 | 電気使用量や受電区分に応じた区分がある。 |
| 非課税世帯向け物価高騰給付金 | 個人・世帯 | 事業者ではなく利用者・住民が対象。 |
以下の質問に答えて、本制度(または類似制度)の対象になり得るかを確認してください。
物価高騰・介護・医療の負担軽減に使える実在の制度をまとめました。申請書の書き方や自治体比較の記事も参考にしてください。
Q. 豊後大野市の施設ですが、申請先は市役所ですか?
A. いいえ。実施主体は大分県で、申請先・問い合わせ先は大分県の高齢者福祉課(コールセンター097-574-7028)です。豊後大野市は市公式サイトで周知していただけで、審査は県が行います。
Q. 電気代や食材費の領収書は必要ですか?
A. 不要です。本制度は実費精算ではなく施設種別ごとの定額支援のため、定員・病床数・実員が確認できれば領収書の提出は求められません。
Q. 通所と訪問の両方を運営しています。両方申請できますか?
A. できます。区分が異なる事業所はそれぞれ単価が設定されているため、通所(82,000円/施設)と訪問(25,000円/施設)を別々に算定して申請できます。
Q. 給食費を値上げしたのですが対象になりますか?
A. 物価高騰を理由に利用者負担を引き上げた施設は対象外とされています。値上げに該当するか判断に迷う場合は、申請前に大分県の高齢者福祉課へ必ず確認してください。誤った自己判断は不交付・返還のリスクになります。
Q. 次回の募集はありますか?
A. 大分県は物価高騰の状況に応じて年度ごとに同種の緊急支援を実施してきた経緯があります(令和6年度にも同様の補助がありました)。次年度以降の再実施は予算次第のため、大分県公式ページと豊後大野市の事業者向けお知らせを定期的に確認するのが確実です。
今回申請できた施設も、受付に間に合わなかった施設も、次回に備えて次の準備をしておくと有利です。
本制度は令和8年7月17日で受付を終了しました。次回募集や、医療・介護向けの他の物価高騰支援を検討する場合は、上の関連制度カードと「補助金かんたん診断」から自施設に合う制度を確認してください。物価高騰は一過性ではなく構造的なコスト増として続く可能性が高く、補助金頼みだけでなく、省エネ設備への切り替えや食材の共同購入など、施設単位での恒常的なコスト対策も並行して進めておくことが、次年度以降の経営安定につながります。
最終更新: 2026-07-18(令和8年度・2026年時点の情報です。制度の最新状況は大分県公式ページで必ずご確認ください)
対象・申請情報まとめ
詳細条件は公募要領で確認してください。
この補助金のポイント
| 補助対象経費 | 電気代・食材費等の物価高騰の影響を受けた経費(定額支援のため使途は限定されない)。 詳細を見る › |
|---|---|
| 公募期間 | 2026年7月17日締切(予定) |
| 実施機関 | 大分県 高齢者福祉課(豊後大野市内の社会福祉施設等が対象) |
| 採択率 | 100% ※過去公募実績 |
| 主要スケジュール |
|
| 申請方法 | オンライン申請 |
| 必要書類 | 交付申請書兼実績報告書、受取口座が確認できる書類(通帳の写し等)、施設の定員・病… 詳細を見る › |
| 公募要領 |
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編集: 補助金図鑑 編集部
中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。