既存ビルの脱炭素化で最大3億円を支援

環境省が主導する「脱炭素ビルリノベ事業(業務用建築物の脱炭素改修加速化事業)」は、既存のオフィスビルやホテル等の省エネ改修を支援する大型補助金です。先進的な技術導入により、最大3億円(補助率2/3)の受給が可能となり、資産価値の向上と光熱費削減を同時に実現できます。

脱炭素ビルリノベ補助金(先進モデル導入事業)の概要

本事業は、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、既存の業務用建築物においてCO2排出削減効果の高い改修を行う事業者を支援するものです。単なる設備更新ではなく、外皮の断熱化や先進的なエネルギー管理システムの導入が求められる「先導的なモデルケース」を対象としています。

項目詳細内容
補助上限額3億円(下限200万円)
補助率1/3 ~ 2/3(設備により異なる)
対象建築物事務所、ホテル、病院、学校、店舗等の既存業務用建築物
申請方法jGrantsによる電子申請

⚠️ 募集ステータスに関する注意

令和7年度(2025年度)の2次公募は2025年11月7日をもって終了しました。現在は次年度(令和8年度)の予算確定および公募開始を待つフェーズです。例年、春から夏にかけて公募が開始されるため、今からZEBプランナーとの連携を開始することが推奨されます。

補助対象者と対象建築物の条件

本補助金は、民間企業だけでなく幅広い法人が対象となります。自社所有ビルだけでなく、テナントが入居する貸しビルや、リース・ESCO事業を活用した改修も対象に含まれます。

✅ 対象となる主な事業者

  • 民間企業・個人事業主(青色申告者)
  • 社会福祉法人・医療法人・学校法人
  • 一般社団法人・財団法人
  • 地方公共団体・独立行政法人

対象となる建築物は、既に竣工している「既存の業務用建築物」です。新築建築物は対象外となる点に注意してください。また、改修後に住宅として使用する部分(職住一体型ビルなど)は、按分計算が必要になる場合があります。

補助率と対象設備の詳細

導入する設備や技術の「先進性」によって補助率が変動します。最も高い2/3の補助率を得るには、環境省が指定する先進的な技術や建材の導入が必須となります。

区分主な対象設備補助率
先進技術CO2濃度連動外気制御、高性能断熱材、省CO2型コンクリート等2/3
外皮(窓)断熱窓、二重サッシ化1/2
標準設備高効率空調、LED照明、給湯機、BEMS(エネルギー管理システム)1/3

採択のための必須要件(省エネ性能)

本補助金は非常に審査が厳しく、以下の省エネ基準をクリアする設計が求められます。これらの計算には専門的な知識が必要なため、ZEBプランナー等のコンサルティングを受けるのが一般的です。

要件1:外皮性能
改修後のBPI(Building Pal Index)が1.0以下であること

要件2:エネルギー削減率
事務所等は40%以上、ホテル・病院等は30%以上の削減

要件3:BELS認証
第三者機関によるBELS評価書の取得・提出

申請から補助金受領までの5ステップ

申請から補助金受領までは約1年以上の期間を要します。特に「交付決定」を受ける前に発注・契約を行うと、補助対象外となるため厳禁です。

1

事前準備

GビズID取得・ZEB設計

2

交付申請

jGrantsより書類一式提出

3

交付決定

審査通過後、契約・工事開始

4

実績報告

工事完了・支払後に報告

5

補助金受領

確定通知を経て入金

【2026年度の見通し】募集終了時の代替案

現在、脱炭素ビルリノベ補助金の公募が終了している場合、以下の類似補助金の活用を検討してください。これらは通年、あるいは異なるサイクルで募集されることが多い施策です。

補助金名特徴
既存建築物省エネ化推進事業国土交通省管轄。バリアフリー化等と併せた改修に強い。
ZEB実証事業より高度なZEB化を目指す場合に適しており、補助額も大きい。
省エネ補助金(経産省)工場や事業所の生産設備更新を含めた省エネ化に最適。

よくある質問(FAQ)

Q. テナントビルですが、一部のフロアだけの改修でも対象になりますか?
A. はい、対象となります。ただし、建物全体のエネルギー計算が必要になる場合や、改修範囲に応じた按分計算が求められることがあります。
Q. 太陽光発電設備の導入費用は補助対象になりますか?
A. 本事業(先進モデル導入事業)では、再生可能エネルギー発電設備自体は補助対象外です。主に外皮の断熱化や空調・照明等の省エネ設備が対象となります。
Q. 申請には必ずZEBプランナーを介さなければなりませんか?
A. 必須ではありませんが、BPI計算やエネルギー削減率の算定、BELS認証の取得には高度な専門知識が必要です。多くの採択事例ではZEBプランナーや専門の設計事務所が関与しています。

まとめ:次期公募に向けた早期準備を

脱炭素ビルリノベ補助金は、既存ビルの価値を底上げする非常に強力なツールです。最大3億円という大型の支援は、ビルの長寿命化とランニングコスト削減を同時に狙うオーナーにとって大きなメリットとなります。

現在は令和7年度の公募が終了していますが、環境省の脱炭素化に向けた方針は継続される見込みです。次期公募で確実に採択を勝ち取るためには、建物の現状診断と省エネ計算を早期に開始し、予算確保の準備を進めることが成功の鍵となります。

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