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厚生年金保険に加入して働く60歳以上の老齢厚生年金受給者
重要ポイント(結論)
在職老齢年金の支給停止基準額は令和8年4月から月65万円に引き上げ
基本月額(老齢厚生年金月額)と総報酬月額相当額(賃金+賞与相当)の合計が65万円を超えた場合のみ、超過分の半分が支給停止される仕組みです。令和7年度までの51万円基準より大幅に緩和され、働くシニアが年金を全額受け取れるケースが増えます。


在職老齢年金とは、厚生年金保険に加入しながら働く60歳以上の人が老齢厚生年金を受け取る際、賃金と年金の合計額が一定の基準額を超えると年金の一部が支給停止される仕組みです。この基準額は「支給停止調整額」と呼ばれ、令和8年4月1日から月51万円が月65万円に引き上げられました。今回の見直しは令和7年6月13日に成立した年金制度改正法にもとづくもので、働く意欲のある高齢者がより長く、より多く働きやすい環境を整える狙いがあります。
対象になるのは、厚生年金保険に加入して働きながら老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取っている65歳以上の人、および60〜64歳で「特別支給の老齢厚生年金」を受け取っている人です。老齢基礎年金は在職老齢年金の対象外で、就労による収入があっても満額が支給されます。基準額の引き上げにより、これまで年金の一部が止まっていた人の多くが全額受給できるようになる見込みです。
社会保険労務士
在職老齢年金の基準額について、ネット上にはまだ「62万円」という情報が多く残っていますが、これは令和7年6月に成立した法律で決まった当初の法定額です。その後、名目賃金の変動率に応じた毎年度の自動改定が適用され、実際に令和8年度から適用されるのは「65万円」です。古い情報のまま試算しないよう注意してください。
相談者
62万円と65万円、どちらが正しいのか分からず不安でした。令和8年度は65万円が基準になると覚えておけば大丈夫ですね。
TL;DR — 5秒でわかるまとめ

在職老齢年金の支給停止額は、「基本月額(老齢厚生年金の月額)」と「総報酬月額相当額(その月の標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額の合計÷12)」の合計をもとに計算します。合計が65万円以下なら年金は全額支給、65万円を超える場合は超過分の1/2が支給停止されます(停止額は基本月額が上限)。以下は、基本月額(老齢厚生年金月額)を10万円と仮定した場合の試算例です。実際の金額は個人の年金加入記録によって異なります。
| 総報酬月額相当額(賃金+賞与相当) | 支給停止額 | 実際に受給できる年金月額 |
|---|---|---|
| 30万円 | 0円(合計40万円で基準額以下) | 10万円(全額) |
| 46万円 | 0円(合計56万円で基準額以下) | 10万円(全額) |
| 55万円 | 0円(合計65万円でちょうど基準額) | 10万円(全額) |
| 60万円 | 2.5万円(合計70万円、超過5万円の1/2) | 7.5万円 |
| 70万円 | 7.5万円(合計80万円、超過15万円の1/2) | 2.5万円 |
| 75万円 | 10万円(基本月額が上限で全額停止) | 0円 |
※総報酬月額相当額=その月の標準報酬月額(賃金)+直近1年間の標準賞与額の合計÷12。賞与のある人は賞与分も含めて計算します。賞与を除いた月給だけで試算すると、実際より低めの金額になり注意が必要です。
対象者・対象事業
対象地域(全国)
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
厚生労働省が示す例でも、基本月額10万円・賃金46万円のケースは、改正前(51万円基準)は月2.5万円の支給停止でしたが、改正後(65万円基準)は全額支給に変わります。基準額が上がるほど、支給停止の対象になる人が減り、停止額も小さくなる仕組みです。
「自分の年金がいくらなら、賃金をどこまで増やしても支給停止が始まらないか」を、基本月額(老齢厚生年金の月額)別にまとめました。支給停止が始まる総報酬月額相当額は「65万円-基本月額」、年金が全額停止になる総報酬月額相当額は「65万円+基本月額」で計算できます。
| 基本月額(老齢厚生年金月額) | 支給停止が始まる総報酬月額相当額 | 年金が全額停止になる総報酬月額相当額 |
|---|---|---|
| 5万円 | 60万円超 | 70万円以上 |
| 8万円 | 57万円超 | 73万円以上 |
| 10万円 | 55万円超 | 75万円以上 |
| 13万円 | 52万円超 | 78万円以上 |
| 15万円 | 50万円超 | 80万円以上 |
| 20万円 | 45万円超 | 85万円以上 |
例えば老齢厚生年金の基本月額が13万円の人は、総報酬月額相当額(賃金+賞与相当)が52万円を超えるまでは年金を1円も減らされずに働けます。「ねんきんネット」で自分の基本月額を確認し、この表に当てはめると、無理に労働時間を減らす前に目安がつかめます。
厚生年金保険に加入しながら働き、老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取っている65歳以上の人が対象です。基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えた月だけ、超過分の半分が自動的に支給停止されます。
生年月日によっては60〜64歳で「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる人がいます。この年金も65歳以上と同じ基準額(65万円)で在職老齢年金の調整対象になるため、勘違いしやすいポイントです。
厚生年金保険に加入していない自営業やフリーランスは、在職老齢年金の対象外です。国民年金(老齢基礎年金)はいくら収入があっても満額支給され、就労収入による減額はありません。
基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円ぎりぎりの場合、働き方を変えるべきですか?
65万円を超えても超過分の半分だけが支給停止されるため、超えたからといって年金が大きく減るわけではありません。働き方を大きく変える前に「ねんきんネット」で見込み額を試算し、勤務時間を減らして手取りが逆転しないか確認することをおすすめします。

対象判定チェック
在職老齢年金は仕組みが分かりにくく、勘違いによる失敗や見落としが起こりやすい制度です。基準額が引き上げられた今だからこそ、次のような落とし穴に注意してください。
在職老齢年金以外にも、60歳以降の働き方や収入に関わる公的な制度があります。対象年齢や調整の考え方が異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。
| 制度 | 対象者 | 収入による調整の考え方 |
|---|---|---|
| 在職老齢年金 | 60歳以上で厚生年金に加入し、老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給する人 | 基本月額+総報酬月額相当額が65万円超で超過分の1/2を支給停止 |
| 特別支給の老齢厚生年金 | 生年月日等の要件を満たす60〜64歳の受給者 | 在職老齢年金と同じ基準額(65万円)で調整 |
| 老齢基礎年金 | 65歳以上の受給者全般 | 就労収入の多寡にかかわらず満額支給(調整対象外) |
| 高年齢雇用継続給付 | 60〜64歳で雇用保険に加入し、60歳到達時から賃金が低下した人 | 年金の支給停止とは別制度で、雇用保険から賃金低下に応じた給付を受け取る |

在職老齢年金を受け取るための申請は必要ですか?
原則として不要です。厚生年金保険に加入して働いていれば、勤務先からの届出にもとづき日本年金機構が標準報酬月額などを把握し、在職老齢年金の支給停止額を自動的に計算します。
支給停止基準額が65万円に引き上げられたのはいつからですか?
令和8年(2026年)4月1日からです。令和7年度までの基準額は月51万円でしたが、令和7年6月13日に成立した年金制度改正法にもとづき引き上げられました。
令和8年度の基準額は62万円ですか、それとも65万円ですか?
令和7年6月に成立した法律で定められた法定の基礎額は62万円でしたが、その後、名目賃金の変動率に応じた自動改定が適用され、令和8年1月23日に厚生労働省が公表した令和8年度の実際の基準額は「65万円」です。
老齢基礎年金も在職老齢年金の対象になりますか?
なりません。在職老齢年金の調整対象は老齢厚生年金(報酬比例部分)のみで、老齢基礎年金は就労による収入があっても満額が支給されます。
自営業やフリーランスも在職老齢年金の対象外になりますか?
はい、原則として対象外です。在職老齢年金は厚生年金保険に加入して働く人を対象とする制度のため、厚生年金に加入しない自営業・フリーランスの老齢基礎年金・老齢厚生年金は、就労収入による支給調整を受けません。
最終更新:2026年7月11日/本記事は令和8年度の情報にもとづきます。制度の詳細は必ず日本年金機構・厚生労働省の公式ページでご確認ください。
対象・申請情報まとめ
詳細条件は公募要領で確認してください。
この補助金のポイント
| 公募期間 | 随時(申請手続き不要・自動計算、令和8年4月1日施行) 常時受付 / 要確認 |
|---|---|
| 実施機関 | 日本年金機構 / 厚生労働省 |
| 主要スケジュール |
|
| 申請方法 | オンライン申請 公式申請ページへ |
| 公募要領 |
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編集: 補助金図鑑 編集部
中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。