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クマ対策の補助金 全国まとめ2026|電気柵・果樹伐採の支援制度

この記事の結論

対象者公募要領で対象条件をご確認ください
補助額・給付額
申請時期公募要領・公式情報をご確認ください
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補助金の概要 対象・上限額・申請期限・関連制度を確認

重要ポイント(結論)

クマ対策の補助金は「国→都道府県・市町村→個人」の三層構造。環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金は交付対象事業者が都道府県(間接交付対象者は市町村)、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金は事業実施主体が都道府県・地域協議会で、いずれも個人が直接申請する制度ではない。個人・農家・自治会が使えるのは市区町村独自の補助で、電気柵は札幌市が購入額の1/2・上限4万円(家庭菜園を行う市民、法人を除く)、上田市が資材費の3/10以内・上限7万円、軽井沢町が資材経費の1/2で営農者30万円・準営農者5万円・農業集団100万円、富良野市が資材費3/5以内(認定農業者3戸以上の団体)。誘引木の伐採は鹿角市が1本25,000円上限(1/2)、大仙市が委託料の1/2以内・上限5万円(1人1回限り・自己施工分は対象外)、会津美里町が1本5,000円定額・年度25,000円上限。クマ類は令和6年4月に四国の個体群を除いて指定管理鳥獣に追加された。環境省速報値では令和7年度の人身被害が216件・238人・死亡13人で平成20年度以降最多、令和8年度は7月末時点で49件・53人・死亡6人。最大の不採択要因は交付決定前の着手で、対象鳥獣にクマを含まない制度に申請する誤りも多い。

詳細解説

2026年(令和8年)に入ってもクマの出没は収まっていません。環境省が令和8年8月12日に更新した速報値では、令和7年度のクマ類による人身被害は216件・238人(うち死亡13人)と、統計が公表されている平成20年度以降で最多を記録しました。令和8年度も7月末時点で49件・53人(うち死亡6人)が報告されており、被害の場は農地だけでなく住宅地の庭先まで広がっています。

そこで多くの人が調べるのが「電気柵の設置や、庭の柿の木の伐採に補助金は使えるのか」という点です。結論を先に書きます。国の2つの交付金(環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金と、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金)は、いずれも交付対象が都道府県・市町村・地域協議会であり、個人が直接申請できる制度ではありません。個人・農家・自治会が実際に窓口で申請できるのは、それらの交付金や自治体の単独予算を原資にした市区町村独自の補助制度です。

この記事では、環境省の被害統計を出発点に、「誰が使えるか」別の使い分け、実在する7自治体の補助額の実額比較、そして申請でつまずく不採択・落とし穴までを、すべて公式ページで確認した一次情報だけで整理します。

この記事の結論(先に5つだけ)

  1. 国の交付金2本は自治体向け。個人が直接申請する窓口は存在しない
  2. 個人が使えるのは市区町村の独自補助。電気柵は補助率3/10〜3/5、上限4万円〜100万円と自治体差が大きい
  3. 庭のカキ・クリの伐採費用にも補助がある。1本25,000円上限(鹿角市)、1本5,000円定額(会津美里町)など
  4. 農家は市町村の地域協議会経由で侵入防止柵の整備を受けられる。個人申請ではなく協議会への参加が入口
  5. 最大の不採択理由は「購入・伐採してから申請した」。ほぼ全ての制度が事前申請・交付決定前の着手を認めない

2026年のクマ被害はどこまで増えた? 環境省の速報値で見る実態

環境省の速報値によれば、令和7年度の人身被害は216件・238人・死亡13人で、直前の令和6年度(82件・85人・死亡3人)の約2.8倍にあたります。死亡者13人は、環境省が公表している平成20年度以降のどの年度よりも多い数字です。

216件令和7年度の人身被害件数(過去最多)
238人同年度の被害人数(うち死亡13人)
49件令和8年度(7月末時点)の被害件数

年度ごとの推移は次のとおりです。クマの被害は毎年同じように起きるのではなく、ブナなどの堅果類が凶作になった年に跳ね上がる「隔年型」の動きをします。だからこそ、出没が落ち着いた年に柵と誘引物の対策を仕込んでおくことが効きます。

年度被害件数被害人数うち死亡者根拠資料
令和4年度71件75人2人環境省「クマ類による人身被害について[速報値]」(令和8年8月12日更新)
令和5年度198件219人6人同上
令和6年度82件85人3人同上
令和7年度216件238人13人同上
令和8年度(7月末時点)49件53人6人同上

令和7年度の内訳を種類別に見ると、ツキノワグマが211件・232人・死亡11人、ヒグマが5件・6人・死亡2人です(環境省の再掲値と合計値から算出)。ヒグマは件数こそ少ないものの、被害1件あたりの死亡率が突出しており、北海道の対策が捕獲主体になる理由がここにあります。

都道府県別では、上位8県だけで全国216件のうち178件、実に82.4%が集中しています(環境省の都道府県別速報値から集計)。「自分の地域は関係ない」と判断する前に、下の表で自県の実数を確認してください。

都道府県件数人数うち死亡者根拠資料
秋田59件67人4人環境省「クマ類による人身被害について[速報値]R01-」令和7年度欄
岩手39件40人5人同上
福島21件24人0人同上
新潟16件17人0人同上
山形12件12人0人同上
長野11件16人1人同上
群馬10件12人0人同上
青森10件10人0人同上

なお環境省は、千葉・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄の各県について「近年クマの目撃・捕獲実績がないため表示していません」と注記しています。これらの県では、そもそもクマ向けの補助制度が用意されていない可能性が高いと考えてください。北海道のヒグマ対策の全体像は北海道 ヒグマ対策事業補助金の解説記事で、道が市町村に出している補助の中身まで確認できます。

クマ対策の補助金は誰が使える? 国の交付金は個人に直接下りない

クマ対策の補助金は、「国 → 都道府県・市町村 → 個人」という三層構造になっています。国の2つの交付金の交付対象事業者は、環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金が都道府県(間接交付対象者が市町村)、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金が都道府県・地域協議会です。いずれも個人が申請書を出す先ではありません

そのうえで、あなたの立場によって使うべき入口が変わります。下の表で自分の行だけを読んでください。

あなたの立場使える主な制度申請先典型的な支援内容根拠資料
個人宅(家庭菜園・庭の果樹)市区町村の単独補助(家庭菜園用電気柵の購入補助、誘引樹木の伐採補助)市区町村の環境課・農林課に直接電気柵の購入費1/2・上限4万円(札幌市)/カキ・クリの伐採委託料1/2・上限5万円(大仙市)札幌市・大仙市の各交付要綱
農家・農業者(耕作している農地がある)市町村の鳥獣被害防止施設設置補助+地域協議会経由の鳥獣被害防止総合対策交付金市町村の農林担当課、または地域の鳥獣被害防止対策協議会電気柵・防護ネット等の資材費補助(上田市は3/10以内・上限7万円)、協議会経由の侵入防止柵整備上田市告示、農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金」
自治会・町内会・農業集団集落単位の柵整備補助(団体枠は上限が桁違いに大きい)市町村の担当課。要件として構成戸数が課されることが多い軽井沢町は農業集団枠が上限100万円、富良野市は認定農業者3戸以上の団体で資材費3/5以内軽井沢町・富良野市の各公式ページ
都道府県・市町村(参考)指定管理鳥獣対策事業交付金/鳥獣被害防止総合対策交付金環境省・農林水産省出没防止対策事業は2/3以内、捕獲等事業は1/2以内(要件を満たせば2/3以内)環境省「政府によるクマ被害対策 支援メニュー一覧」令和8年1月時点版
読者

ニュースで「国がクマ対策に交付金を出す」と聞きました。自分の家の庭にも申請できるのでしょうか。

専門家

できません。環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金は交付対象事業者が都道府県、間接交付対象者が市町村と要綱で定められています。個人が受け取れるのは、その財源で市町村が独自に作った補助金のほうです。まずお住まいの市区町村のサイトで「電気柵 補助」「誘引木 伐採 補助」と検索してください。

対象者・対象事業

対象地域(全国)

目的
農業支援
対象地域
全国
対象者
全国の市区町村制度を横断して整理した記事です。国の交付金(環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金、農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金)は都道府県・市町村・地域協議会が交付対象で、個人の申請窓口はありません。個人が申請できるのは市区町村独自の補助で、補助率・上限額・対象鳥獣・申請時期がすべて自治体ごとに異なります。
補助上限
難易度
中級

詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。

自分がどの制度に該当するかを一度で絞り込みたい場合は、3分で対象制度を絞り込む無料診断で世帯条件から候補を出し、その結果を持って市区町村の窓口に相談するのが最短です。

山あいで電気柵を使う人が、あわせて備えているもの

PR 電気柵は乾電池やバッテリーで動くため、電源が切れた瞬間に「ただの紐」になります。加えて、クマの出没が増える地域は山間部と重なり、台風や大雪で停電しやすい地域とも重なります。夜明け前の見回り、屋外の投光器、停電時の冷蔵庫の維持まで含めて考えると、大容量のポータブル電源を1台持っておく発想は現実的です。防災備蓄としても二重に使えます。

向いている人

  • 山際の畑や果樹園で電気柵・センサーカメラを使う
  • 停電が年に数回起きる中山間地域に住んでいる
  • 早朝・夜間の見回りで投光器やライトを使う

向いていない人

  • 電気柵を自治体から貸与され電源も含めて支給される
  • 常時商用電源が取れる場所にしか柵を張らない
  • すでに家庭用蓄電池を設置済み

便益:コンセント式の機器をそのまま屋外で使えるため、電気柵の電源装置・監視カメラ・投光器を1台でまかなえます。補助金の対象になるのは原則として柵の資材費までで、電源のバックアップまでは面倒を見てくれません。そこは自前で埋める領域です。

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国の2つの交付金は何を支援している? 環境省と農林水産省の役割分担

クマ類は令和6年4月に、四国の個体群を除くクマ類(ヒグマ及びツキノワグマ)が指定管理鳥獣に追加されました。これによって、それまでニホンジカ・イノシシだけだった環境省の交付金がクマにも使えるようになったのが、現在の支援体制の起点です。2つの交付金の違いは、ざっくり言えば環境省=人の生活圏を守る/農林水産省=農地と農作物を守るです。

比較項目指定管理鳥獣対策事業交付金(環境省)鳥獣被害防止総合対策交付金(農林水産省)根拠資料
交付対象事業者都道府県(間接交付対象者は市町村)都道府県・地域協議会環境省「政府によるクマ被害対策 支援メニュー一覧」令和8年1月時点版
守る対象市街地・集落など人の生活圏農地・農作物同上
柵まわりの支援出没防止対策事業として侵入防止柵の設置費用侵入防止柵の整備(トリップラインによる二重化を含む)同上
誘引物・緩衝帯放任果樹等の誘引物の除去、緩衝帯の整備に必要な経費藪の刈り払いと柵の一体整備、設置・撤去が容易な一時的電気柵同上
交付割合出没防止対策事業は2/3以内(間接交付時は国2/3以内・都道府県1/6以上)、捕獲等事業は1/2以内定額、2分の1以内等環境省支援メニュー一覧/農林水産省「鳥獣被害防止総合対策交付金(令和7年度補正予算)」
その他の対象クマスプレー・クマ鈴・追い払い用花火の購入、パトロールの日当、普及啓発の印刷費クマスプレーの導入、ICT機器(電気柵の通電状況の遠隔監視・センサーカメラ・ドローン)同上

とくに実務で効いているのが、農林水産省のクマ特別対策です。通常メニューでは捕獲活動の支援が定額・上限単価8千円/頭ですが、クマ特別対策では頭数払いの設定単価が平均で約2万円まで引き上げられ、さらに市町村が平均約3万円を上乗せしている例があります。捕獲機材も、通常は補助率1/2以内・上限単価119千円/基のところ、クマ用の大型箱わなは上限単価なし・定額で支援されます。実施地域は北海道を中心に全国19県・市町村で、岩手県一関市、秋田県鹿角市、秋田県北秋田市、兵庫県(淡路島地域を除く38市町・県が事業実施主体)などが名を連ねます。

柵の作り方にも国のノウハウが反映されています。電気柵の外側にもう1本補強線を張る「トリップライン」は、クマが柵の下を掘って侵入する行動を止める方法で、長野県下高井郡木島平村池の平地区では追加整備後に掘っての侵入が無くなったと報告されています。単に柵を買うだけでなく、この張り方まで含めて市町村の担当課に相談する価値があります。実際の市町村補助の水準は、八幡平市の電気柵設置助成金(最大50万円)の記事のように、自治体によって桁が変わります。

電気柵と果樹伐採の補助はいくら出る? 7自治体の実額比較

ここが本記事の中心です。公式ページで金額を確認できた7自治体を、対象者・補助率・上限額で並べます。同じ「電気柵の補助」でも、上限が4万円の自治体と100万円の自治体が実在します。

自治体制度名誰が使えるか補助率上限額根拠資料
北海道 札幌市家庭菜園用電気柵の購入補助市内に住み市内で家庭菜園を行う市民(法人を除く)購入金額(税込)の1/24万円札幌市環境局環境共生担当課の公式ページ
北海道 富良野市令和8年度 鳥獣被害対策緊急支援事業(電気柵設置補助金)市内認定農業者3者(3戸)以上で組織されている団体資材購入経費の3/5以内(施工費は対象外)参加農業者1戸あたり1,000mまで富良野市経済部農林課の公式ページ
長野県 軽井沢町農作物への被害防止用電気柵設置の補助金町内に住所を有する営農者・準営農者(自家菜園耕作者)・営農団体・農業集団資材経費の1/2営農者30万円/準営農者5万円/農業集団100万円(同一年度1回)軽井沢町環境課野生鳥獣対策係の公式ページ
長野県 上田市鳥獣被害防止施設設置補助金個人等の畑で防護柵を設置する者(対象はイノシシ・ニホンジカ等)資材費の10分の3以内70,000円上田市森林整備課の公式ページ・同市告示
秋田県 大仙市誘引樹木伐採事業補助金対象樹木の所有者、または所有者の同意を得た個人・団体業者への委託料の1/2以内(運搬・処分費と自己施工分は対象外)5万円(1補助対象者につき1回限り)大仙市誘引樹木伐採事業補助金交付要綱
秋田県 鹿角市緊急ツキノワグマ誘引樹木伐採事業費補助金市内に住所を有し、樹木を所有または所有者の同意を得て管理する個人もしくは団体1/2(千円未満切捨)伐採した樹木1本につき25,000円鹿角市農地林務課鳥獣対策班の公式ページ
福島県 会津美里町有害鳥獣誘引木伐採事業補助金町内に誘引樹木を所有し、自らまたは委託で伐採・処分を行う個人・団体1本あたり5,000円の定額年度内1世帯または1団体につき25,000円(5本分)会津美里町農林振興課林政係の公式ページ

この7件を並べて見えてくる傾向を3つ挙げます。

7自治体の比較から読み取れること

  • 個人単独で使えるのは「家庭菜園型」と「伐採型」。柵の高額枠(30万〜100万円)は営農者・団体に限られる
  • 伐採補助は「委託料」が対象で、自分で切ると出ない自治体がある(大仙市は自己施工分を明確に除外)。会津美里町のように本数×定額で自己施工も想定した設計もある
  • 電気柵補助の対象鳥獣にクマが入っていない自治体がある。上田市の制度はイノシシ・ニホンジカ等が対象と明記されており、クマ被害を理由に申請できるとは限らない

3つ目は特に見落とされます。同じ「鳥獣被害防止」の看板でも、要綱の対象鳥獣にクマが列挙されていなければ、クマ対策としては使えません。上田市の制度の詳細は上田市 鳥獣被害防止施設補助金(上限7万円)の記事で対象経費まで確認できます。自分の市町村の要綱を読むときは、必ず「対象鳥獣」の条文を最初に探してください

読者

庭の柿の木を切りたいのですが、自分でチェーンソーを持っています。自分で切っても補助は出ますか。

専門家

自治体によって真逆です。大仙市の要綱は補助対象経費を「業者に対する委託料」と限定し、自己施工分は除いています。一方、会津美里町は1本5,000円の定額なので自己施工でも成り立つ設計です。鹿角市は委託料と処分料の合計から「伐採により得た収入」を差し引いた額が基礎になります。要綱の「補助対象経費」の条文を先に読んでから、業者に見積もりを取るか自分で切るかを決めてください。

関連する補助金・助成金

申請でよくある不採択・落とし穴

クマ対策の補助金は競争的な審査で順位が付く制度ではなく、要件を満たさない申請が形式で弾かれるタイプです。つまり不採択の理由はほぼ手続き上のミスに集約されます。実際の要綱・公式ページから読み取れる落とし穴を、頻度が高い順に整理しました。

落とし穴何が起きるか回避策根拠資料
交付決定前に買ってしまう購入済みの資材は対象外となり全額自己負担。事後申請では救済されない見積書の段階で窓口へ。上田市は補助金額5万円以上なら事前申請が必要、5万円未満でも事前連絡が求められる上田市森林整備課の公式ページ
単独で申請してしまう(団体要件)個人名義の申請が受理されない。富良野市は「市内認定農業者3者(3戸)以上で組織されている団体」が対象近隣農家と協議会・団体を組んでから申請する。市町村の農林課が組成を仲介してくれる場合がある富良野市経済部農林課の公式ページ
自己施工したのに委託型の補助に申請する補助対象経費がゼロと判断され差し戻し要綱の「補助対象経費」を確認。大仙市は運搬・処分費と自己施工分を除外大仙市誘引樹木伐採事業補助金交付要綱
対象鳥獣にクマが入っていない制度に申請するクマ被害を理由とした申請が要件不適合で不採用になる要綱の対象鳥獣を先に読む。クマ専用の伐採補助が別立てで用意されている自治体が多い上田市・鹿角市の各公式ページ
申請期間を過ぎる年度内でも受付終了。札幌市は令和8年9月15日必着、富良野市は令和8年8月31日まで春のうちに窓口へ。予算枠に達した時点で締め切る制度が多い札幌市・富良野市の各公式ページ
営利目的の樹木を申請する収穫・販売目的の果樹は誘引木伐採の対象から外れる大仙市は「営利目的の植付けを除く」と明記。出荷している果樹園は農業側の制度を使う大仙市誘引樹木伐採事業補助金交付要綱
1人1回・年度1回の制限を見落とす2回目の申請が受理されない大仙市は1補助対象者につき1回限り、軽井沢町は同一年度1回限度、会津美里町は年度内5本分まで各自治体の要綱・公式ページ

注意点:柵を張っただけでは効かない

環境省の支援メニューでは、緩衝帯の整備について「個体数が多すぎる状況においては防除策の決定打とはならない」と率直に書かれています。誘引物(放任果樹・生ごみ・ペットフード)の除去と、藪の刈り払い、そして柵の一体的な整備をセットで行うことが前提です。柵の資材費だけを補助で賄って満足すると、翌年また同じ被害が出ます。

補助金を使うまでの進め方は? 5ステップで整理

個人・農家に共通する流れは次の5段階です。ステップ2より先に資材を買わないことだけ守れば、大きな失敗はしません。

  1. 自分の立場と制度を特定する:住んでいる市区町村の公式サイトで「電気柵 補助」「誘引木 伐採 補助」「鳥獣被害防止 補助」を検索し、要綱の「対象者」「対象鳥獣」「補助対象経費」の3条文を読む
  2. 窓口に事前相談し、見積書を取る:農地なら農林課、住宅地の樹木なら環境課・林政係が一般的。この段階で交付決定前の着手が禁止されているかを必ず確認する
  3. 交付申請書を提出する:一般的な添付書類は、対象物の写真と位置図、業者の見積書写し、所有者でない場合は同意書。鹿角市・大仙市はこの構成
  4. 交付決定通知を受け取ってから着手する:ここで初めて資材を購入し、柵を設置し、あるいは伐採を委託する
  5. 実績報告書を出して精算を受ける:領収書、施工前後の写真、電気柵なら設置延長のわかる図面。年度末に集中するので早めに出す

農家で規模の大きい柵を整備したい場合は、この流れとは別に地域の鳥獣被害防止対策協議会に参加するルートがあります。農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金は事業実施主体が都道府県・地域協議会なので、協議会の事業計画に自分の農地を載せてもらうのが入口です。協議会経由なら資材が現物で支給される形になり、自己負担が大きく下がる例があります。

自宅のクマリスクを3分でセルフチェック

補助金を探す前に、自分の家が本当に対策の優先度が高いのかを確認します。下のチェックは、環境省・農林水産省の支援メニューが挙げる誘引要因(放任果樹、藪、生ごみ等の誘引物、農地の存在)をそのまま項目にしたものです。該当が多いほど、誘引物の除去と柵の設置を急ぐべき状態です。

3つ以上該当した場合は、まず誘引物の除去(果樹の伐採・落果の片付け・生ごみの屋内保管)から着手してください。柵より先にこちらが効きます。伐採費用は上の比較表のとおり補助対象になる自治体があります。

あわせて確認したい暮らし・住まいの補助制度

クマ対策は単体ではなく、屋外まわりの環境整備とセットで考えると費用対効果が上がります。生ごみの屋外放置はクマの代表的な誘引物なので、処理機の補助は実質的なクマ対策にもなります。

北海道 ヒグマ対策事業補助金道が市町村に出す補助。ゾーニング計画・春期管理捕獲・緊急銃猟の費用支援まで
八幡平市 有害鳥獣対策事業補助金(電気柵)最大50万円。市町村の柵補助として上限が大きい実例
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クマ対策の補助金でよくある疑問

Q. 国の交付金を個人が直接もらう方法は本当にないのですか?

ありません。環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金は交付対象事業者が都道府県、間接交付対象者が市町村と定められています。農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金も事業実施主体は都道府県・地域協議会です。個人が受け取れるのは、これらを財源に市区町村が作った補助金か、市町村の単独予算による補助です。

Q. 家庭菜園でも電気柵の補助は使えますか?

自治体によります。札幌市は「市内に住み市内で家庭菜園を行う市民(法人を除く)」を対象に購入金額の1/2・上限4万円を補助しています。軽井沢町も自家菜園耕作者を「準営農者」として上限5万円で対象にしています。一方、富良野市のように認定農業者3戸以上の団体に限る制度もあります。

Q. 庭のカキやクリを切るだけで補助が出るのですか?

出ます。クマを人里に引き寄せる「誘引木」の伐採は、環境省・農林水産省の両方が支援メニューに挙げている正式な対策です。鹿角市は1本あたり25,000円を上限に伐採作業委託料の1/2、大仙市は委託料の1/2以内で上限5万円、会津美里町は1本5,000円の定額で年度内25,000円までを補助しています。

Q. クマスプレーや熊鈴の購入費は補助されますか?

環境省の出没防止対策事業の対象経費には「侵入防止柵の設置やクマスプレー、クマ鈴、追い払い用花火等の購入費用」が明記されています。ただしこれは都道府県・市町村向けの交付金であり、個人が買う分を直接補助する制度は一般的ではありません。農林水産省も農業者や捕獲従事者の安全確保のためクマスプレーの導入を交付金で支援していますが、支給ルートは市町村・実施隊を通じたものです。

Q. 電気柵を設置すればクマは完全に防げますか?

防げません。農林水産省の資料では、農作物への執着が強い場合に柵の下部を掘り起こして侵入する事例が挙げられており、その対策として電気柵の外側にもう1本張る「トリップライン」が紹介されています。長野県木島平村池の平地区ではトリップライン追加後に掘っての侵入が無くなったと報告されています。柵は誘引物の除去・緩衝帯整備とセットで初めて機能します。

補助金を受けた後にやること

交付決定と精算で終わりにしないでください。次の3つを年内に済ませておくと、翌年の被害と手間が確実に減ります。

①通電チェックの習慣化

電気柵は通電していなければ効果がゼロです。農林水産省はICT機器による遠隔の通電監視を交付金の支援対象に挙げています。個人なら週1回の電圧測定を固定曜日に決めてしまうのが現実的です。

②誘引物の年間カレンダー化

カキ・クリの落果期、生ごみの排出日、収穫残さの処理日を1枚にまとめます。誘引物の管理は年1回の伐採より、通年の片付けのほうが効きます。

③翌年度予算の告知を待つ位置に立つ

多くの制度は予算枠に達した時点で締め切ります。市区町村の広報とメール配信に登録し、4〜5月の告知を逃さないようにしてください。

設置後も条件は変わります。世帯構成や住まいの状況が変わったときは、条件を入れ直して対象制度を無料で再診断すると、その時点で使える制度を取りこぼしません。

出典

最終更新:2026年8月14日(令和8年8月14日) 被害統計は環境省が令和8年8月12日に更新した速報値に基づきます。金額・要件は各自治体の交付要綱が優先します。

補助金の概要

要点

対象・申請情報まとめ

詳細条件は公募要領で確認してください。

対象地域
全国
対象者
全国の市区町村制度を横断して整理した記事です…
補助上限
公募期間
通年募集 / 詳細は事務局へ 常時受付 / 要確認
公募期間 通年募集 / 詳細は事務局へ 常時受付 / 要確認
ありません。環境省の指定管理鳥獣対策事業交付金は交付対象事業者が都道府県、間接交付対象者が市町村と定められています。農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金も事業実施主体は都道府県・地域協議会です。個人が受け取れるのは、これらを財源に市区町村が作った補助金か、市町村の単独予算による補助です。
自治体によります。札幌市は「市内に住み市内で家庭菜園を行う市民(法人を除く)」を対象に購入金額の1/2・上限4万円を補助しています。軽井沢町も自家菜園耕作者を「準営農者」として上限5万円で対象にしています。一方、富良野市のように認定農業者3戸以上の団体に限る制度もあります。
出ます。クマを人里に引き寄せる「誘引木」の伐採は、環境省・農林水産省の両方が支援メニューに挙げている正式な対策です。鹿角市は1本あたり25,000円を上限に伐採作業委託料の1/2、大仙市は委託料の1/2以内で上限5万円、会津美里町は1本5,000円の定額で年度内25,000円までを補助しています。
環境省の出没防止対策事業の対象経費には「侵入防止柵の設置やクマスプレー、クマ鈴、追い払い用花火等の購入費用」が明記されています。ただしこれは都道府県・市町村向けの交付金であり、個人が買う分を直接補助する制度は一般的ではありません。農林水産省も農業者や捕獲従事者の安全確保のためクマスプレーの導入を交付金で支援していますが、支給ルートは市町村・実施隊を通じたものです。
防げません。農林水産省の資料では、農作物への執着が強い場合に柵の下部を掘り起こして侵入する事例が挙げられており、その対策として電気柵の外側にもう1本張る「トリップライン」が紹介されています。長野県木島平村池の平地区ではトリップライン追加後に掘っての侵入が無くなったと報告されています。柵は誘引物の除去・緩衝帯整備とセットで初めて機能します。

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