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外国人雇用の助成金・補助金まとめ2026|人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)で最大80万円

雇用保険の適用事業の事業主で、雇用保険被保険者となる外国人労働者(特別永住者および在留資格「外交」「公用」を除く)を直接雇用し、外国人雇用状況届…

この記事の結論

対象者雇用保険の適用事業の事業主で、雇用保険被保険者となる外国人労働者(特…
補助額・給付額
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重要ポイント(結論)

外国人を雇用する企業が使える助成金・補助金の全国横断まとめ(令和8年度)。軸となる人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は1制度導入につき20万円・上限80万円で事業主(企業)単位の支給。イ雇用労務責任者の選任とロ就業規則等の多言語化が必須、加えてハ苦情・相談体制の整備/ニ一時帰国のための休暇制度の整備/ホ社内マニュアル・標識類等の多言語化から1つ以上を新たに導入する。計画は計画期間初日の6か月前〜1か月前に都道府県労働局へ提出し、計画期間は3か月以上1年以内。措置の実施日の翌日から6か月の外国人労働者離職率15%以下(対象2〜10人なら離職者1人以下)が支給要件で、算定期間末日の翌日から2か月以内に支給申請する。外国人労働者雇用労務責任者講習を受講し実施日の前日から6か月前までに解雇等がなければ、離職率確認なしで実施日の翌日から2か月以内に申請できる。特定技能外国人を雇用する事業所と技能実習の監理団体は苦情・相談体制の整備を選べない。横断制度としてキャリアアップ助成金(正社員化コース、有期→正規で中小最大80万円)、人材開発支援助成金(人材育成支援コース、経費助成45%/有期契約労働者等70%・賃金助成800円)、自治体独自制度(東京都の研修等支援助成金は経費1/2・最大25万円、大阪府は参加費無料の支援事業)を整理。

詳細解説

この記事の結論(30秒サマリー)

  1. 外国人雇用そのものに出る国の助成金の本命は人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)。支給額は1制度導入につき20万円、上限80万円で、事業所単位ではなく事業主(企業)単位の支給です。
  2. もらえる条件は「外国人を雇っていること」ではありません。雇用労務責任者の選任就業規則等の多言語化を必ず入れたうえで、苦情・相談体制/一時帰国休暇/社内マニュアル等の多言語化から1つ以上を新たに導入し、外国人労働者離職率15%以下を達成して初めて支給されます。
  3. 特定技能外国人を雇う事業所と技能実習の監理団体は「苦情・相談体制の整備」を選べません。ここを知らずに計画を出すと、認定段階で組み替えになります。在留資格によって選べる措置が変わるのがこのコース最大の落とし穴です。
  4. 外国人「専用」ではないが実際に効くのが、キャリアアップ助成金(正社員化コース)と人材開発支援助成金。どちらも対象は雇用保険被保険者で、国籍そのものは要件になっていません。ただし在留資格の在留期間に上限がある人は正社員化と相性が悪く、実務上の判断が要ります。
  5. 自治体側は「現金の補助金」と「無料の支援事業」に二極化しています。東京都の研修等支援助成金は経費の1/2・最大25万円、大阪府の令和8年度事業は補助金ではなく参加費無料のマッチング支援です。同じ「支援」でも中身がまったく違います。
2,571,037人外国人労働者数(令和7年10月末時点・過去最多)
20万円/制度就労環境整備助成コースの単価(上限80万円)
15%以下支給に必要な外国人労働者離職率

外国人雇用の助成金は「採用した瞬間」ではなく「辞めさせない仕組み」に出る

外国人を採用したから助成金が出る、という制度は国にはありません。厚生労働省が用意している外国人向けの助成は、採用後に職場の側を作り替えたかどうかを見ています。この設計思想を理解しないまま「外国人 助成金」で探すと、要件がまったく噛み合わずに時間を溶かします。

背景にあるのは雇用の実態です。厚生労働省が令和8年1月30日に公表した「外国人雇用状況」の届出状況(令和7年10月末時点)によると、外国人労働者数は2,571,037人で対前年11.7%増(+268,450人)、外国人を雇用する事業所数は371,215所で同8.5%増(+29,128所)といずれも届出義務化以降で過去最多です。在留資格別では「専門的・技術的分野の在留資格」が865,588人(前年比20.4%増)と最大で、身分に基づく在留資格645,590人、技能実習499,394人、資格外活動449,324人、特定活動111,074人と続きます。国籍別ではベトナム605,906人(23.6%)、中国431,949人(16.8%)、フィリピン260,869人(10.1%)の順です。

つまり「一部の大企業の話」ではなく、37万事業所が当事者になっています。そして人数が増えるほど、労働条件の説明不足や相談窓口の不在によるトラブル、そして早期離職が現実の損失になります。国の助成金がすべて離職率就業規則の多言語化に紐づいているのは、そこが痛点だからです。

読者

技能実習生を3人受け入れたばかりです。受け入れ費用そのものを補助してくれる国の制度はないんでしょうか。

中小企業診断士

受入れ費用そのものを国が直接補助する助成金は用意されていません。国の助成は「受け入れたあとに、労務管理の仕組みを整えた費用」に出ます。逆に言えば、翻訳料や相談窓口の外部委託料といった、これから確実に発生する支出のほうを回収できる設計です。先に見積書を取る順番だけは間違えないでください。計画を労働局へ出す前に外部委託してしまうと、その分は対象外になります。

もうひとつ、助成金の前提として全事業主に課されている義務があります。外国人雇用状況の届出です。厚生労働省は「全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要」と明示しており、対象外は特別永住者と在留資格「外交」「公用」の人だけ。届出を怠ると30万円以下の罰金の対象になります。就労環境整備助成コースは「外国人雇用状況届出を適正に届け出ている事業主であること」を支給要件に置いているので、この届出が抜けている時点で助成金の話は始まりません。

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)を数字で押さえる

令和8年4月1日現在のガイドブックに基づく、本コースの骨格です。支給額は1制度導入につき20万円、上限額80万円。この助成金は事業主単位(企業単位)で支給され、事業所単位ではありません。支店ごとに何度も受けられる制度ではない、という点をまず押さえてください。

対象になる「外国人労働者」の定義も明確です。①外国人雇用状況届出の対象となる者、②事業主に直接雇用され労働契約を締結している者、③雇用保険の被保険者(短期雇用特例被保険者・日雇労働被保険者を除く)——この3つすべてに該当すれば、在留資格にかかわらず対象になります。派遣で受け入れている外国人や、業務委託の個人事業主は②で外れます。

就労環境整備措置必須/選択満たすべき内容(ガイドブック記載)「実施日」の考え方
イ 雇用労務責任者の選任必須事業所ごとに選任し氏名を掲示等で周知/計画期間中に外国人労働者と1回以上面談し結果を書面化/労働基準監督署等の関係行政機関の案内を周知1回目の面談を実際に行った日(複数人なら最も遅い人の1回目面談日)
ロ 就業規則等の多言語化必須就業規則・労働協約・労働条件通知書・雇用契約書のいずれかを母国語その他使用言語または平易な(易しい)日本語で記載し周知多言語化した就業規則等を外国人労働者に周知した日
ハ 苦情・相談体制の整備ハ〜ホから1つ以上就業規則または労働協約を変更して苦情・相談体制を新たに定め、利用方法等を周知/支給申請日に継続運用苦情・相談体制の内容を外国人労働者に周知した日(規則の周知日ではない)
ニ 一時帰国のための休暇制度の整備ハ〜ホから1つ以上年次有給休暇とは別に、一時帰国のための有給休暇を就業規則等で新設/1年に1回以上、連続5日以上取得できること対象者が連続5日以上の有給休暇を実際に取得した最後の日
ホ 社内マニュアル・標識類等の多言語化ハ〜ホから1つ以上就業規則等を除く労使協定・寄宿舎規則・安全衛生/ハラスメント/福利厚生のマニュアル・標識類(動画を含む)を新たに多言語化し周知多言語化した社内マニュアル・標識類等を周知した日

ここで多くの事業主が誤解するのが「導入日」と「実施日」の違いです。導入日は書類が完成・施行された日、実施日は外国人労働者に届いた日。そして助成金のスケジュールを決めるのは実施日のほうです。実施日の翌日から6か月間が離職率算定期間になり、その末日の翌日から2か月以内が支給申請期間になります。翻訳が納品された日で6か月を数え始めてしまうと、申請期限の計算が丸ごとずれます。

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助成金は「後払い+内訳が明確な証憑」が前提。経理側を先に整えるほど通りやすい

就労環境整備助成コースは、翻訳会社や社労士への委託料を先に自社で支払い、あとから助成される後払いの制度です。支給申請では領収書の写しに加えて「導入・実施に要した費用の合計額のほか、内訳が明確に記載されているもの」の提出が求められ、計画申請の段階でも同じ粒度の見積書が要ります。外国人雇用は入社手続き・在留期限管理・給与計算・年末調整と事務が積み上がる領域なので、証憑と支払記録がクラウド上で日付順に残る状態を先に作っておくと、申請のたびに書類を探す時間がなくなります。クラウド会計はIT導入補助金の対象ツールとしても選ばれており、導入費用そのものを圧縮できる場合があります。

向いている人

  • 翻訳・相談窓口の外部委託費を助成金で回収したいが、証憑管理が紙とExcelのまま
  • 外国人従業員が増えて給与・社会保険の事務が属人化している
  • 複数の助成金を並行申請する予定で、経費の内訳を制度ごとに切り分けたい

向いていない人

  • すでにクラウド会計を導入し、委託先ごとの内訳が出力できている
  • 今回は自社翻訳のみで外部委託費が発生しない

クラウド会計freee/銀行・カード連携で証憑と支払を自動で突合/IT導入補助金の対象ツールとしての導入相談にも対応。

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外国人雇用で使える助成金・補助金を4系統で比較する

外国人雇用の資金調達は、次の4系統に整理すると迷いません。上限額の大きさで選ぶのではなく、自社がいま解こうとしている課題で選ぶのが正解です。

系統/制度名誰の・何に出るか上限額・助成率(令和8年度)外国人雇用での主な要件・注意点
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)外国人の定着に向けた職場側の仕組みづくり1制度20万円・上限80万円(企業単位)イ・ロ必須+ハ〜ホから1つ以上。外国人労働者離職率15%以下。計画は期間初日の6か月前〜1か月前に提出
キャリアアップ助成金(正社員化コース)有期・短時間・派遣で働く人の正社員化有期→正規で中小80万円(重点支援対象者)/左記以外40万円、無期→正規で40万円/20万円。制度新規規定20万円等の加算あり対象は雇用保険被保険者。各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要。在留期間に上限がある在留資格では正社員化の設計自体が難しい
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)職務に関連した知識・技能の訓練費と訓練中の賃金経費助成45%(有期契約労働者等は70%)、賃金助成800円/時。1人1訓練の経費上限は訓練時間で15万〜50万円、1事業所1年度1,000万円対象労働者は雇用保険被保険者。10時間以上のOFF-JT。計画は訓練開始日の6か月前〜1か月前に提出
自治体独自の外国人雇用支援日本語教育費の補助、または無料のマッチング・セミナー例:東京都は経費の1/2・最大25万円(一般コース標準プラン)。大阪府は参加費無料の支援事業で現金補助なし所在地・事業所要件があり全国一律ではない。国の助成金と対象経費が重なる場合は併給調整の確認が必須

キャリアアップ助成金の「重点支援対象者」は、a. 雇入れから3年以上の有期雇用労働者b. 雇入れから3年未満で、過去5年間に正規雇用労働者だった期間が1年以下かつ過去1年間に正規雇用されていない有期雇用労働者c. 派遣労働者・母子家庭の母等・人材開発支援助成金の特定訓練修了者のいずれかです。長く有期で働いてもらっている外国人スタッフはaに該当しやすく、単価が2倍(40万円→80万円)変わります。詳しい要件と令和8年度に新設された情報公表加算についてはキャリアアップ助成金 正社員化コースの解説記事で確認してください。

訓練系では、令和8年度に新設された45歳以上向けの枠も外国人労働者に使える可能性があります。制度の中身は人材開発支援助成金 中高年齢者実習型訓練の記事に、DXや新事業展開に伴う訓練であれば人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の記事にまとめています。

誰が対象になる?在留資格で使える制度が変わる

ここが本記事でもっとも実務的な部分です。就労環境整備助成コースの外国人労働者の定義は「在留資格にかかわらず」ですが、選べる措置は在留資格で変わります。ガイドブックは、就労環境整備計画の提出日から支給申請日までの間に新たに整備された苦情・相談体制が、特定技能外国人を雇用する事業所に設けられたもの、または技能実習の監理団体に設けられたものである場合、その措置は対象にならないと明記しています。特定技能・技能実習では受入れ機関側に支援・相談体制がすでに義務づけられているためで、これらの事業所は「ニ 一時帰国のための休暇制度の整備」または「ホ 社内マニュアル・標識類等の多言語化」を選ぶよう案内されています。

対象者・対象事業

対象地域(全国)

目的
中小企業支援
対象地域
全国
対象者
雇用保険の適用事業の事業主で、雇用保険被保険者となる外国人労働者(特別永住者および在留資格「外交」「公用」を除く)を直接雇用し、外国人雇用状況届出を適正に行っている事業主
補助上限
難易度
中級

詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。

在留資格の区分就労環境整備助成コースの対象選べるハ〜ホの措置正社員化・訓練系との相性
技術・人文知識・国際業務、経営・管理など就労系対象(雇用保険被保険者であること)ハ・ニ・ホのいずれも可無期・正規への転換が可能。キャリアアップ助成金と最も相性が良い
特定技能1号対象ハは不可。ニまたはホを選ぶ在留期間に上限があるため正社員化の設計は要検討。特定技能2号への移行とセットで考える
技能実習(監理団体に設けた体制の場合)対象ハは不可。ニまたはホを選ぶ在留期間の上限があり正社員化は困難。人材開発支援助成金の訓練で対応
永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者(身分に基づく在留資格)対象ハ・ニ・ホのいずれも可就労制限がなく、正社員化・訓練系のすべてを設計しやすい
留学・家族滞在(資格外活動許可でのアルバイト)雇用保険被保険者でなければ対象外週の労働時間の制約があり、正社員化・訓練系ともに実質的に対象外

在留資格の区分そのものは出入国在留管理庁の在留資格一覧表が一次情報です。活動に基づく在留資格と、永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者という身分・地位に基づく在留資格では、就労制限の有無が根本的に違います。助成金の可否を判断する前に、まず在留カードで資格と在留期間を確認してください。

申請でよくある不採択・落とし穴

就労環境整備助成コースは、金額の割に確認項目が多く、実務でつまずく箇所が決まっています。以下は要領・ガイドブックの記載から逆算した典型的な失敗パターンです。

この6つで不支給・差し戻しになる

  1. 計画を出す前に外部委託してしまう。計画を都道府県労働局等に提出するより前に、就労環境整備措置に係る業務を外部機関等に委託した場合や、助成金を受けるために導入する措置に係る費用(預かり金を含む)を支払った場合は対象外です。「翻訳会社に先に発注してから相談に行く」が最も多い事故です。
  2. 計画の提出期限を逃す。計画は就労環境整備計画期間の初日からさかのぼって6か月前の日から1か月前の日までに提出します。期間の初日の直前に思い立っても間に合いません。
  3. 特定技能・技能実習の事業所が「苦情・相談体制の整備」を選ぶ。前章のとおり対象外です。計画段階で気づけば措置の変更で済みますが、実施後に判明するとその措置分の20万円が消えます。
  4. 一時帰国休暇を年次有給休暇で代用する。労働基準法第39条の年次有給休暇として与えられるものは除かれます。連続5日以上の有給休暇を年1回以上取得できる制度を、就業規則または労働協約の変更で新たに定める必要があります。
  5. 離職率要件を見落とす。措置の実施日の翌日から6か月の外国人労働者離職率が15%以下(算定期間初日の外国人労働者数が2人以上10人以下なら離職者1人以下)で、かつ算定期間末日まで継続雇用している外国人労働者が1人以上必要です。加えて、計画期間初日の前日から6か月前の日から計画期間末日までの間に、全事業所で雇用保険被保険者である外国人労働者を解雇等していないことも要件です。
  6. 3年ルールを忘れて再申請する。過去に本コースを受給している事業主は、最後の支給決定日の翌日から3年が経過していないと新たな計画を提出できません。計画提出中の事業主も同様に、支給決定日の翌日から3年経過後まで次の計画は出せません。

もうひとつ、注意点として押さえておきたいのが他制度との併給です。ガイドブックは「支給対象となる就労環境整備措置の導入等に対して、他の助成金等を受けている場合は、この助成金の支給を受けることができない、又は、どちらか一方を選択していただくことがあります」と明記しています。東京都の研修等支援助成金で日本語教育費を、国の助成金で翻訳費を、と経費を切り分けて申請するのが実務の作法です。同じ領収書を2つの制度に出すと、どちらも危うくなります。

就労環境整備計画から支給までの流れ

ガイドブックが示す標準スケジュールは、計画期間を2026年8月1日〜2027年7月31日、計画認定申請を2026年6月1日に行う例で説明されています。この場合、措置の実施日が2027年6月30日なら離職率算定期間は2027年7月1日〜12月31日、支給申請期間は2028年1月1日〜2月29日です。着手から入金まで1年半以上かかる制度だと理解して動いてください。

  1. 就労環境整備計画書(様式第a-1号)を作成する。導入する措置の概要票(別紙1・別紙2)、事業所における外国人労働者名簿(別紙3)、事業所確認票(様式第a-2号)、多言語化予定の就業規則等を添付します。外部委託する場合は見積書の写し(1社分で可・内訳が明確なもの)も必要です。
  2. 計画期間の初日の6か月前〜1か月前に、本社所在地を管轄する都道府県労働局へ提出する。計画期間は3か月以上1年以内。計画開始日は、最初に措置を導入するとした月の初日になります。
  3. 認定通知書を受け取り、計画どおりに措置を導入する。認定された計画と違う措置を入れた、対象事業所に導入しなかった、といった場合は原則として支給対象外です。変更が必要なら変更書を期限内に提出します。
  4. 導入した措置を外国人労働者に実施する。雇用労務責任者の面談を行い結果を書面化し、多言語化した規程を周知します。この「実施日」から6か月が離職率算定期間です。
  5. 離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内に支給申請する。支給申請書(様式第a-6号)、離職理由等が分かる書類、面談結果一覧表(別紙3)、多言語化した就業規則等と多言語化前の就業規則等、外部委託費の領収書の写しなどを提出します。
  6. 支給決定を受ける。1制度20万円・上限80万円。書類の写しは支給決定日の翌日から5年間保管します。予算の範囲内で支給される制度である点も明記されています。

なお近道が1つだけ用意されています。外国人労働者雇用労務責任者講習を受講し、かつ措置の実施日の前日から起算して6か月前までに外国人労働者を解雇等していない場合は、措置の実施日の翌日から2か月以内に支給申請でき、離職率要件の確認も不要になります(支給決定自体は計画期間末日以降)。同じ例で言えば支給申請期間が2028年1月ではなく2027年7月に前倒しになります。講習の受講だけで半年早く着金するので、受講しない理由はほぼありません。

自社はどの制度を使える?対象診断チェック

就労環境整備助成コースを軸に、自社が今すぐ計画を出せる状態かを判定します。1つでも欠けている項目があれば、そこが着手の順番です。

就業規則の多言語化と母国語相談体制は、どこまでやれば要件を満たすか

助成金の可否を分けるのは金額ではなく、この章の実務判断です。ガイドブックの文言は短いのに、現場でやるべきことは多岐にわたります。

多言語化の定義は「母国語」に限られません。ガイドブックは、就業規則等および社内マニュアル・標識類等について「その雇用する外国人労働者の母国語その他の当該外国人労働者が使用する言語又は平易な(易しい)日本語を用いて記載すること等」と定義しています。つまりやさしい日本語版でも要件を満たします。ベトナム語・ネパール語・インドネシア語が混在する職場で全言語版を作るのは現実的でないため、実務では「共通言語として英語+やさしい日本語」に寄せる設計が取られます。厚生労働省はモデル就業規則のやさしい日本語版を公開しており、これを土台にすると翻訳費を大きく圧縮できます。

ハまたはニを導入するなら、多言語化の順番を間違えないでください。ガイドブックは、就業規則または労働協約を多言語化する場合で「ハ 苦情・相談体制の整備」または「ニ 一時帰国のための休暇制度の整備」を導入するときは、就業規則等に当該変更内容を反映させたものを多言語化するよう求めています。日本語版を先に改定し、それを翻訳する——この順序を逆にすると、多言語版に新制度が載っておらず、支給申請時に整合しません。翻訳会社への発注は「日本語版の改定確定後」が鉄則です。

関連する補助金・助成金

雇用労務責任者は「置くだけ」では足りません。要件は3つで、①事業所ごとに選任し氏名を掲示等で周知、②計画期間中に外国人労働者と1回以上の面談(テレビ電話も可)を行い結果を書面化、③労働基準法その他の労働関係法令(最低賃金法、労働安全衛生法など)違反を受けた場合に相談できる関係行政機関(労働基準監督署等)の案内を周知。③は見落とされがちですが、社内の相談窓口だけでなく外部の行政機関の案内まで周知して初めて要件を満たします。なお雇用労務責任者に国籍・就労年数の基準はなく、人事課長等の兼任も可能ですが、1人が複数事業所の雇用労務責任者を兼ねることはできません。事業所が5つあれば5人必要です。

苦情・相談体制は「新たに定めて、継続運用」が条件です。支給対象例として、事業所内への相談窓口の設置、外部機関等の通訳が同席する個別面談、外部委託による苦情・相談専用の電話やメールアドレスの開設が挙げられています。すでに日本人向けの相談窓口がある企業でも、外国人労働者の苦情・相談に応じるものとして就業規則または労働協約に新設し、利用方法を周知する必要があります。そして支給申請日時点で継続して運用していることが要件です。開設だけして運用実績がない状態では通りません。

読者

一時帰国休暇の制度を作ったのですが、本人の都合で今年度は誰も取得しませんでした。この措置分は全部だめになりますか。

中小企業診断士

その措置分は支給されませんが、事業主として失格になるわけではありません。ガイドブックは「計画期間内において、外国人労働者の都合により当該措置による有給休暇の取得者がいない場合、その事実のみをもって直ちに支給対象事業主に該当しなくなるわけではない」と明記しています。他の措置の実施が完了していれば支給対象事業主に該当し、実施が完了した措置を対象とした額に限り支給されます。取得の確実性に不安があるなら、ニではなくホ(社内マニュアル・標識類等の多言語化)を選ぶほうが読みやすい設計です。

自治体独自の外国人雇用支援は「現金の補助金」と「無料の支援事業」に分かれる

自治体の外国人材支援は名前が似ていても中身がまったく違います。現金が出るタイプと、無料で使える支援サービスのタイプがあり、後者を補助金だと思って探すと見つかりません。令和8年度に動いている代表的な2例を挙げます。

自治体・事業名類型支援の内容と金額期間・対象
東京都「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」現金の助成金一般コースは経費の1/2で標準プラン最大25万円・短時間プラン最大15万円。ウクライナ避難民採用企業コースは10/10で最大50万円・30万円令和8年4月9日〜令和9年1月14日。対象経費は日本語教育等に係る報償費・消耗品費・旅費・印刷製本費・委託料・使用料及賃借料
大阪府「令和8年度外国人材活躍・定着促進事業」無料の支援事業(現金補助なし)合同企業説明会、職場環境整備セミナー、採用直結型就業体験、オンラインマッチングシステムの運用。参加費用は無料府内企業は令和8年5月29日〜令和9年3月12日、外国人留学生等は令和8年6月15日〜同日まで

自治体制度は所在地要件が絶対なので、まずは「本社所在地の都道府県+外国人材+助成」で自治体公式サイトを確認するのが最短です。介護分野では大阪府・愛知県のように外国人介護人材の受入れ促進事業を別立てで用意している自治体もあり、業種によって窓口が労働部局ではなく福祉部局になる点にも注意してください。

よくある疑問に答える

技能実習生や特定技能外国人でも、就労環境整備助成コースの対象になりますか

なります。対象となる「外国人労働者」は、外国人雇用状況届出の対象で、事業主に直接雇用され、雇用保険被保険者であれば在留資格にかかわらず該当します。ただし特定技能外国人を雇用する事業所と技能実習の監理団体は「ハ 苦情・相談体制の整備」を措置として選べないため、「ニ 一時帰国のための休暇制度の整備」または「ホ 社内マニュアル・標識類等の多言語化」を選ぶことになります。

上限80万円ということは、措置を4つ入れれば満額ですか

支給額は1制度導入につき20万円で、上限額は80万円と定められています。単価と上限から逆算すると4制度分が上限になりますが、実施が完了した措置分しか支給されません。前述のとおり一時帰国休暇の取得者が出なかった場合、その措置分は支給対象外となり、他の完了した措置分のみが支給されます。

助成金の入金までどのくらいかかりますか

ガイドブックの例では、計画認定申請から支給申請期間の開始まで約1年7か月かかります。外国人労働者雇用労務責任者講習を受講し、措置の実施日の前日から6か月前までに解雇等がない場合は、実施日の翌日から2か月以内に申請でき、約半年前倒しになります。いずれも支給決定は就労環境整備計画期間の末日以降です。審査は確認項目が多く、支給可否の決定までに時間がかかる場合があると明記されています。

外国人スタッフの日本語研修に人材開発支援助成金は使えますか

人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の人材育成訓練は「10時間以上のOFF-JTによる訓練」で、対象労働者は雇用保険被保険者です。国籍要件はありません。ただし助成対象は「その職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練」であり、日本語研修が職務関連性を満たすかは訓練内容によって判断が分かれます。カリキュラムを作った段階で管轄労働局に事前確認してください。経費助成は正規雇用労働者等45%・有期契約労働者等70%、賃金助成は1人1時間あたり800円(いずれも中小企業)で、賃金要件・資格等手当要件を満たすと加算されます。

外国人雇用状況の届出をうっかり忘れていました。助成金は諦めるべきですか

就労環境整備助成コースの対象事業主要件に「外国人雇用状況届出を適正に届け出ている事業主であること」が含まれているため、まず届出を正しい状態に戻すのが先です。届出は全事業主の義務で、怠った場合は30万円以下の罰金の対象になります。届出はハローワークで受け付けており、雇用保険被保険者は資格取得届・喪失届が届出を兼ねます。過去分の是正を含めて管轄のハローワークへ相談してください。

支給決定のあとにやること

入金されて終わりではありません。就労環境整備助成コースは都道府県労働局に提出した支給申請書・添付書類の写しを支給決定日の翌日から5年間保管する義務があります。国の助成金であるため、受給した事業主は国の会計検査の対象となることがあり、その際は原本の確認に協力を求められます。

また、次の計画を出せるのは最後の支給決定日の翌日から3年経過後です。3年に一度しか使えない制度なので、80万円の上限を取り切る措置の組み合わせを一度で設計しておくのが得策です。並行して、正社員化はキャリアアップ助成金、訓練は人材開発支援助成金、賃上げは業務改善助成金というように、別系統の助成金を年度ごとにずらして使うロードマップを引くと、外国人雇用に関する投資が途切れません。最低賃金の引き上げ局面では、外国人スタッフの賃金水準も同時に上がります。最低賃金1,500円時代の企業対応と使える助成金を先に読んでおくと、原資の設計が立てやすくなります。

あわせて確認したい制度

キャリアアップ助成金 正社員化コース【令和8年度版】有期→正規で中小最大80万円。重点支援対象者の判定と情報公表加算20万円の要件

人材開発支援助成金 中高年齢者実習型訓練【令和8年度新設】45歳以上を対象としたOJT+OFF-JT。経費助成60%+OJT実施助成の新枠

人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)新事業展開・DXに伴う訓練が対象。外国人スタッフの技能転換にも使える

特定技能2号への移行要件と外国人材の定着支援【2026年版】在留期間の上限がある人材を長期戦力にする道筋。就労環境整備とセットで検討する

業務改善助成金 令和8年度の変更点【完全解説】最大600万円。賃上げと設備投資をまとめて支援。外国人を含む全従業員が対象

最低賃金1,500円時代の企業対応と使える助成金【2026年10月改定】賃金水準の引き上げ局面で外国人雇用のコストをどう設計するか

出典

最終更新:2026年8月14日(令和8年度・令和8年4月1日現在のガイドブックに基づき作成)

補助金の概要

要点

対象・申請情報まとめ

詳細条件は公募要領で確認してください。

対象地域
全国
対象者
雇用保険の適用事業の事業主で、雇用保険被保険…
補助上限
公募期間
通年募集 / 詳細は事務局へ 常時受付 / 要確認
公募期間 通年募集 / 詳細は事務局へ 常時受付 / 要確認

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