この記事の結論
補助金の概要 対象・上限額・申請期限・関連制度を確認
有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者を正規雇用労働者等へ転換する…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者を正規雇用労働者…
- 補助上限
- 有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)
- 補助率・給付条件
- 有期→正規:重点支援対象者80万円/60万円(中小/大企業)、左記以外40万円/30万円。無期→正規:重点支援対象者40万円/30万円、左記以外20万円/15万円(1人あたり)。事業所加算は正社員転換等制度加算20万円/15万円、多様な正社員制度加算40万円/30万円、情報公表加算(令和8年度新設)20万円/15万円
- 公募期間
- 通年(各コース実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要。支給申請は正社員転換後6か月分の賃金支払い日の翌日から2か月以内)
- 実施機関
- 厚生労働省
- 申請方法
- オンライン申請
- 公募要領
- 公募要領(公式)
- 最大有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)まで補助される制度です
- 厚生労働省が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 専門家への無料相談に対応しています
詳細解説
重要ポイント(結論)
令和8年度のキャリアアップ助成金 正社員化コースに「情報公表加算」が新設され、1事業所あたり最大20万円(大企業15万円)が上乗せされます。
令和7年度7月版のリーフレットには存在しなかった加算が、令和8年4月8日付のリーフレットで新たに追加されました。既存の正社員転換等制度加算・多様な正社員制度加算とあわせると、1事業所が受け取れる加算の合計は最大80万円(大企業60万円)まで拡大しています。
制度概要
キャリアアップ助成金は、有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者の正社員化や処遇改善に取り組んだ事業主を、厚生労働省が助成する制度です。正社員化コースは、このうち「有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換した場合」に支給されるコースで、キャリアアップ助成金の中核をなす区分です。
この制度は競争的な補助金ではなく、要件に該当し、事前にキャリアアップ計画を提出したうえで実際に転換・賃上げを実施すれば受給できる仕組みです。採択率という概念はなく、審査のポイントは計画の事前提出漏れや就業規則の未整備、賃金増額要件の未達成といった「対象外・不支給になる落とし穴」を避けられるかどうかにあります。
この制度は早い者勝ちの先着順ではありません。要件を満たして計画どおりに転換・賃上げを行えば、予算の範囲内で支給されます。ただし転換前日までのキャリアアップ計画提出を忘れると、それだけで対象外になります。
情報公表加算の20万円は、正社員化さえすれば自動でもらえるんですか?
いいえ、自動ではありません。情報公表加算は、非正規雇用労働者の正社員転換等に関する情報(制度の概要、直近3事業年度の転換実績、転換までに要した期間など)を、自社のウェブサイトまたは職場情報総合サイト「しょくばらぼ」で公表した場合にのみ加算される仕組みです。転換を実施しただけでは支給対象になりません。
情報公表加算:「しょくばらぼ」公表までの実務ステップ
公表先の職場情報総合サイト「しょくばらぼ」は、思い立ってすぐに掲載できるわけではありません。利用者登録の審査だけで数日かかるため、支給申請の1〜2週間前には着手しておく必要があります。画面操作の流れは次のとおりです。
- 仮登録「企業利用者申請仮登録ページ」で担当者のメールアドレスを入力し登録します。
- 本登録の申請登録したメールアドレス宛に届くURLからアクセスし、本登録の申請内容を入力します。審査には数日を要します。
- 企業ログイン審査完了後にメールで届く利用者IDと初期パスワードで「企業ログイン」画面にアクセスします。
- 情報入力「企業情報入力」「企業独自情報入力」の画面で、正社員転換等の制度概要・直近3事業年度の転換実績・転換までに要した期間などの必須項目を入力します(女性の活躍推進企業データベース等の他サイトに登録済みの場合は「企業独自情報入力」画面のみで完了することもあります)。
- 公開入力後、サイトへの掲載までさらに目安5営業日ほどかかります。
TL;DR — 5秒でわかるまとめ
- 正社員化コースの基本額は有期→正規で1人あたり最大80万円(重点支援対象者・中小企業)
- 令和8年度から情報公表加算(1事業所20万円、大企業15万円)が新設された
- 既存の正社員転換等制度加算(20万円)・多様な正社員制度加算(40万円)とあわせ、加算合計は最大80万円/事業所
- 正社員転換後6か月の賃金が、転換前6か月と比較して3%以上増額していることが必須要件
- キャリアアップ計画は転換の前日までに提出必須。出し忘れは即対象外になる

対象者と助成額【令和8年度】

正社員化コースの助成額は、転換のパターン(有期→正規/無期→正規)と対象者が「重点支援対象者」に該当するか、企業規模(中小企業/大企業)の3つの軸で決まります。重点支援対象者とは、雇入れから3年以上の有期雇用労働者、または雇入れから3年未満でも過去5年間の正規雇用期間が1年以下かつ過去1年間正規雇用されていない者、派遣労働者や母子家庭の母等を指します。
対象者・対象事業
対象地域(全国)
- 目的
- 人材育成・雇用
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者を正規雇用労働者等へ転換する中小企業・大企業
- 補助上限
- 有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)
- 難易度
- 中級
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
該当する(重点支援対象者)
- 雇入れから通算3年以上の有期雇用労働者
- 雇入れから3年未満でも、過去5年間の正規雇用期間が通算1年以下、かつ直近1年間は正規雇用されていない者
- 派遣労働者
- 母子家庭の母・父子家庭の父等
該当しない
- 雇入れから3年未満で、過去5年間の正規雇用期間が通算1年を超える者
- 直近1年以内に正規雇用労働者として雇用されていた者
- 上記のいずれにも当てはまらない一般の有期雇用労働者
| 転換パターン | 重点支援対象者(中小企業) | 左記以外(中小企業) | 大企業(重点支援対象者/左記以外) |
|---|---|---|---|
| 有期雇用 → 正規雇用 | 80万円 | 40万円 | 60万円 / 30万円 |
| 無期雇用 → 正規雇用 | 40万円 | 20万円 | 30万円 / 15万円 |
| 正社員転換等制度加算(事業所) | 20万円(新規に転換制度を規定し転換した場合) | 15万円 | |
| 多様な正社員制度加算(事業所) | 40万円(勤務地限定・職務限定・短時間正社員のいずれか新設) | 30万円 | |
| 情報公表加算(事業所・令和8年度新設) | 20万円(転換実績等をしょくばらぼ等で公表) | 15万円 | |
正規雇用労働者には「多様な正社員(勤務地限定・職務限定・短時間正社員)」への転換も含まれます。3つの事業所加算はいずれも1事業所につき1回のみで、初めて制度を規定・公表した年度にしか申請できません。とくに多様な正社員制度加算(40万円)は、勤務地限定正社員・職務限定正社員・短時間正社員のいずれかの区分を就業規則等に新たに規定し、実際に運用を開始していることが前提です。対象者を転換するだけでは加算されず、就業規則の改定や労働基準監督署への届出まで必要になるため、正社員転換等制度加算より整備の負荷が大きい点に注意してください。
雇入れから3年以上の有期雇用労働者、または派遣労働者・母子家庭の母等・人材開発支援助成金の特定訓練修了者が該当します。中小企業なら有期→正規で80万円/人と、通常より2倍の助成額です。
雇入れから3年未満で正規雇用歴がある場合など、重点支援対象者の条件に当てはまらない有期雇用労働者は、中小企業で有期→正規40万円/人となります。それでも事業所加算3種は同様に申請できます。
申請・手続きの流れ

正社員化コースは、転換を実施する前日までにキャリアアップ計画を提出していないと、それだけで支給対象外になります。書類の準備は転換予定日の1〜2か月前から始めるのが安全です。
- キャリアアップ計画の作成・提出(転換実施日の前日まで)。窓口への持参・郵送・電子申請のいずれかで、管轄の労働局またはハローワークへ提出します。
- 就業規則等の改定。正社員転換に関する規定がない場合は、あわせて転換規定を整備します。加算を狙う場合はこの段階で正社員転換等制度・多様な正社員制度も規定します。
- 就業規則等に基づく正社員転換。規定どおりのタイミングと手続きで、対象労働者を正規雇用労働者等へ転換します。
- 正社員転換後6か月分の賃金の支払い。転換前6か月の賃金と比較して3%以上増額している必要があります。
- 情報公表加算を狙う場合は、この間に転換実績等の情報を自社サイトまたは「しょくばらぼ」で公表しておきます。
- 支給申請書の提出。転換後6か月の賃金を支払った日の翌日から起算して2か月以内に、必要書類を添えて申請します。
- 労働局による審査・支給決定を経て、助成金が振り込まれます。
賃金3%以上増額の要件は、基本給だけで判定されますか?
厚生労働省のリーフレットでは「正社員転換前6か月と比較して3%以上賃金の増額が必要」とされており、手当や賞与を含めた実際の支給額の総額で判定される運用が一般的です。ただし細目(対象となる手当の範囲等)は最新の支給要領での確認が必要です。転換のタイミングで基本給のみを引き上げると要件を満たさない場合があるため、諸手当も含めた年収ベースで試算しておくことをおすすめします。
いくらもらえる?正社員化3名+加算フル活用の早見表

中小企業が有期雇用労働者3名(うち2名が重点支援対象者、1名が左記以外)を正社員化し、初めて正社員転換等制度・多様な正社員制度・情報公表加算の3つの事業所加算をすべて満たした満額モデルケースで試算します。これは事業所加算3種を同一年度中にすべて新規に整備できた場合の理論上の上限額であり、就業規則の改定が間に合わないなど実際には一部の加算のみで着地する事業所が多い点にご留意ください。
| 項目 | 内訳 | 金額 |
|---|---|---|
| 重点支援対象者の転換 | 80万円 × 2名 | 160万円 |
| 左記以外の転換 | 40万円 × 1名 | 40万円 |
| 正社員転換等制度加算 | 1事業所1回のみ | 20万円 |
| 多様な正社員制度加算 | 1事業所1回のみ | 40万円 |
| 情報公表加算(令和8年度新設) | 1事業所1回のみ | 20万円 |
| 合計 | 3名の転換+加算3種 | 280万円 |
情報公表加算がなかった令和7年度時点では、同じケースの事業所加算合計は60万円(正社員転換等制度20万円+多様な正社員制度40万円)でした。令和8年度は情報公表加算20万円の新設分だけ事業所側の受給額が底上げされています。実際の支給額は対象者の内訳や賃金額によって変動するため、上記はあくまでモデルケースです。
より現実的なケース:重点支援対象者2名+情報公表加算のみ
多様な正社員制度加算(40万円)や正社員転換等制度加算(20万円)は、就業規則の改定や新たな制度の規定が前提となるため、転換と同じ年度中に整備しきれない事業所も少なくありません。就業規則の手当てをせず、転換の実施と情報公表加算のみで着地する現実的なケースを試算すると、次のとおりです。
| 項目 | 内訳 | 金額 |
|---|---|---|
| 重点支援対象者の転換 | 80万円 × 2名 | 160万円 |
| 情報公表加算 | 1事業所1回のみ | 20万円 |
| 合計 | 2名の転換+加算1種 | 180万円 |
正社員転換等制度加算・多様な正社員制度加算は、就業規則等への規定整備が完了していれば上乗せで狙えます。しかし転換の実務を先行させる場合は、この180万円前後が現実的な着地点になります。自社が280万円の満額モデルと180万円の現実的なケースのどちらに近いかは、就業規則の整備状況で変わります。
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申請でよくある失敗・対象外になる落とし穴
正社員化コースは要件該当と計画の事前提出で受給できる制度ですが、順序や書類の不備による不支給・対象外の事例が少なくありません。代表的な落とし穴を4つ紹介します。
- キャリアアップ計画の提出を転換後に行ってしまう「転換してから慌てて計画を出した」というケースは、それだけで対象外になります。計画は必ず転換実施日の前日までに提出してください。
- 賃金3%増額の基準を勘違いする転換した月の給与だけで判定するのではなく、転換後6か月分と転換前6か月分の比較です。一時的な手当だけで3%を満たしたつもりでも、6か月平均で届かず不支給になる失敗が見られます。
- 就業規則の整備を後回しにする正社員転換に関する規定が就業規則等にないまま転換すると、審査で対象外と判断されるやりがちなミスです。転換前に規定を整備し、労働基準監督署への届出も済ませておく必要があります。
- 情報公表加算の公表内容が要件を満たしていない「しょくばらぼ」等に何か掲載すればよいわけではなく、制度の概要・直近3事業年度の転換実績・転換までの期間など所定の項目を公表する必要があります。見落としがちなポイントなので、公表前に最新の様式を確認してください。
正社員化コース
有期雇用労働者等を正規雇用労働者等へ転換した場合に支給。基本額は1人あたり20万〜80万円+事業所加算最大80万円。
障害者正社員化コース
障害のある有期雇用労働者等を対象とした別区分。重度身体・知的・精神障害者の場合は有期→正規で最大120万円(中小企業)と、正社員化コースより高額。
他制度との比較
| 制度名 | 対象 | 助成額の目安 | 実施主体 |
|---|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 正社員化コース | 非正規雇用労働者を正規雇用へ転換する事業主(全国) | 1人20万〜80万円+加算最大80万円/事業所 | 厚生労働省 |
| キャリアアップ助成金 短時間労働者労働時間延長支援コース | 短時間労働者の労働時間延長・賃上げに取り組む事業主 | 最大75万円/人 | 厚生労働省 |
| 東京都 正社員化支援助成金 | 都内中小企業で非正規を正社員化する事業主 | 最大190万円/人 | 東京都(東京しごと財団) |
| キャリアアップ助成金 賃金規定等改定コース | 非正規雇用労働者の基本給を3%以上増額改定する事業主 | 1人4万〜7万円+加算 | 厚生労働省 |
東京都の正社員化支援助成金は国のキャリアアップ助成金に上乗せして活用できる代表例で、都内中小企業であれば国の正社員化コースと併用して受給額を大きく積み増せます。全国の中小企業は国の制度が基本となり、賃上げそのものを目的とする場合は賃金規定等改定コースとの使い分けが必要です。

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受給・手続き後にやること
- 就業規則・賃金台帳の保管転換後の就業規則、賃金台帳、出勤簿等の証拠書類を一定期間(目安5年間)保管し、労働局の調査に備えます。
- 情報公表内容の維持・更新情報公表加算を受けた場合、公表した情報が古いままにならないよう、転換実績等を定期的に更新します。
- 次の対象者の計画的な転換1年度あたりの支給人数には上限があるため、複数名を正社員化する場合は年度をまたいだ計画を立てておくとスムーズです。
最終更新:2026年7月12日/本記事は令和8年度の厚生労働省公表資料(令和8年4月8日付リーフレット等)にもとづく解説です。支給要件・加算の詳細は改定される場合があるため、申請前に必ず最新の公式情報をご確認ください。本記事は制度公表資料にもとづく解説であり、個別の判断は管轄の労働局・ハローワークにご確認ください。
出典
補助金の概要
対象・申請情報まとめ
詳細条件は公募要領で確認してください。
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者を正…
- 補助上限
- 有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)
- 公募期間
- 通年(各コース実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要。支給申請は正社員転換後6か月分の賃金支払い日の翌日から2か月以内) 常時受付 / 要確認
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- 最大有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)まで補助される制度です
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- 最大有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)まで補助される制度です
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| 公募期間 | 通年(各コース実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が必要。支給申請は正社員転換後6か月分の賃金支払い日の翌日から2か月以内) 常時受付 / 要確認 |
|---|---|
| 実施機関 | 厚生労働省 |
| 主要スケジュール |
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| 申請方法 | オンライン申請 公式申請ページへ |
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この補助金のまとめ
- 最大有期→正規80万円/人(重点支援対象者・中小企業)+事業所加算最大80万円(情報公表加算20万円含む)まで補助される制度です
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編集: 補助金図鑑 編集部
中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。
