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医療機関・薬局の医事、会計、レセプト担当者(高額療養費の区分に関わる特記事項コードを判定する方)
厚生労働省
制度の解説(申請の受付はありません)
確認日と一次情報をご確認ください
医療機関・薬局の医事、会計、レセプト担当者(高額療養費の区分に関わる特記事項コードを判定…
詳細解説
本記事にはプロモーションを含みます。
レセプトの特記事項欄で高額療養費の区分を示すコードは、26 区ア〜30 区オ、31 多ア〜35 多オ、41 区カ〜44 多キの14個です。2026年8月1日の改正(保医発0729第2号)で文が変わったのは30〜35と43・44の8つで、中心は「35 多オ」に70歳以上の低所得者Ⅱが加わったことです。
対象は、病院・診療所・薬局の医事、会計、レセプト担当者です。患者向けの限度額の説明ではなく、窓口で確認した証と所得区分から、どのコードを特記事項欄に書くかを決める記事です。多数回のコード(31〜35・43・44)は、難病法などの公費負担医療で、入院、かつ自院の高額療養費が直近12か月で4月目以上の患者に限ります。
高額療養費に関わるのは次の14コードです。表は2026年10月12日時点の、令和8年3月27日付の記載要領(保医発0327第2号の別添1)と7月29日付の改正通知(保医発0729第2号)に基づきます。所得の線は3月27日版の文です。
| コード・略号 | 70歳未満の所得の線 | 70歳以上の所得の線 | 8月改正で変わったか |
|---|---|---|---|
| 26 区ア | 標準報酬月額83万円以上(国保は旧ただし書き所得901万円超) | 標準報酬月額83万円以上(国保・後期は課税所得690万円以上) | 対象外 |
| 27 区イ | 標準報酬月額53万〜79万円(国保は旧ただし書き所得600万円超〜901万円以下) | 標準報酬月額53万〜79万円(国保・後期は課税所得380万円以上)。認定証の適用区分は現役並みⅡ | 対象外 |
| 28 区ウ | 標準報酬月額28万〜50万円(国保は旧ただし書き所得210万円超〜600万円以下) | 標準報酬月額28万〜50万円(国保・後期は課税所得145万円以上)。認定証の適用区分は現役並みⅠ | 対象外 |
| 29 区エ | 標準報酬月額26万円以下(国保は旧ただし書き所得210万円以下) | 高齢受給者証の一部負担金の割合が2割(国保は課税所得145万円未満) | 対象外 |
| 30 区オ | 低所得者の世帯(適用区分オ) | 低所得者の世帯(適用区分ⅠまたはⅡ) | 変更あり。70歳以上の②に「35に該当する場合を除く」が加わった |
| 31 多ア | 26 区アと同じ線で多数回 | 26 区アと同じ線で多数回(適用区分Ⅵ) | 変更あり。判定に使う証の組み合わせが増えた |
| 32 多イ | 27 区イと同じ線で多数回 | 27 区イと同じ線で多数回(現役並みⅡ) | 変更あり。判定に使う証の組み合わせが増えた |
| 33 多ウ | 28 区ウと同じ線で多数回 | 28 区ウと同じ線で多数回(現役並みⅠ) | 変更あり。判定に使う証の組み合わせが増えた |
| 34 多エ | 29 区エと同じ線で多数回 | 29 区エと同じ線で多数回(高齢受給者証2割) | 変更あり。判定に使う証の組み合わせが増えた |
| 35 多オ | 低所得者の世帯(オ)で多数回 | 低所得者Ⅱで多数回(8月から追加。低所得Ⅰは含まない) | 変更あり。70歳以上の低所得者Ⅱが加わった |
| 41 区カ | 後期高齢者医療のコードのため該当なし | 後期高齢者医療。課税所得28万円以上145万円未満で、年金収入とその他の合計所得金額が単身世帯200万円以上(後期高齢者が2人以上の世帯は320万円以上)。一部負担金は2割 | 対象外。②に「適用区分(Ⅲ)の記載のある」の文が残る |
| 42 区キ | 後期高齢者医療のコードのため該当なし | 後期高齢者医療。課税所得28万円未満(低所得者の世帯を除く)、または28万円以上145万円未満で合計所得金額が単身世帯200万円未満(2人以上の世帯は320万円未満)。一部負担金は1割 | 対象外。②に「適用区分(Ⅲ)の記載のある」の文が残る |
| 43 多カ | 後期高齢者医療のコードのため該当なし | 41 区カと同じ線で多数回 | 変更あり。「適用区分(Ⅲ)の記載のある」が削られた |
| 44 多キ | 後期高齢者医療のコードのため該当なし | 42 区キと同じ線で多数回 | 変更あり。「適用区分(Ⅲ)の記載のある」が削られた |
31〜35・43・44の「多数回」は、難病法による特定医療、特定疾患治療研究事業、小児慢性特定疾病医療支援、肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業に係る公費負担医療のうち、入院に限り、自院における高額療養費の支給が直近12か月間で4月目以上の場合です。70歳以上と後期高齢者医療のコード(31〜35の70歳以上、43、44)は、小児慢性特定疾病医療支援が除かれています。肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業は34と35に限ります。
低所得の区分を決める住民税の非課税は、住民税の決定通知書の見方で確認できます。がんなどで長く通院する患者が使う制度はがんと診断されたら使える制度まとめにあります。
改正通知(保医発0729第2号、令和8年7月29日付、8月1日適用)は、70歳以上の低所得者Ⅱ区分に多数回該当(24,600円)が設けられたことに伴い、公費負担医療で自院の高額療養費が直近12か月で4月目以上のときは「35 多オ」を書く、と定めています。あわせて、別紙1のⅡ第3の2(13)の表のコード30〜35・43・44と、(26)の記載の文例が改められました。比べると、変わったのは35だけではありません。
改正通知は医科の表(別紙1のⅡ第3の2(13))と記載例(26)のほか、歯科(Ⅲ第3の2(37))と調剤(Ⅳ第2の2(30))の同じ趣旨の箇所も改めています。
| コード | 改正前(3月27日版) | 改正後(7月29日の通知) |
|---|---|---|
| 30 区オ | 70歳未満はオ、70歳以上はⅠまたはⅡの認定証(情報)、または同じ区分の記載のある特定医療費受給者証等 | 同じ。70歳以上の②に「特記事項35に該当する場合を除く」が加わった |
| 31 多ア〜34 多エ | 多数回の判定に使うのは、適用区分(ア〜エ、70歳以上はⅥ〜Ⅲ)の記載のある特定医療費受給者証等が提示された場合 | 加えて、限度額適用認定証(区分)の提示または認定証情報の提供と、特定医療費受給者証等の提示がそろえばよい。70歳以上は、高齢受給者証・後期高齢者医療資格確認書・現役並みの認定証など該当する証と受給者証の組み合わせも認められた |
| 35 多オ | 70歳未満の低所得(オ)だけ | ①70歳未満の低所得(オ)に加え、②70歳以上の低所得者Ⅱ(認定証(情報)と受給者証、または適用区分Ⅱの記載のある受給者証)。小児慢性特定疾病医療支援を除く |
| 43 多カ・44 多キ | 後期高齢者医療資格確認書(2割/1割)かつ「適用区分(Ⅲ)の記載のある」特定医療費受給者証等 | 「適用区分(Ⅲ)の記載のある」が削られ、特定医療費受給者証等の提示でよい |
| 41 区カ・42 区キ | 多数回でない月のコード。②に「適用区分(Ⅲ)の記載のある」の文 | 改正対象外。3月27日版の文のまま |
公式資料で読み違えやすい点
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
名古屋市では令和8年3月交付分から受給者証の適用区分の記載を廃止しており、この改正はその扱いとかみ合います。ただし、改正通知は記載廃止を改正理由として書いていません。
次のチェックで、多数回のコード(31〜35・43・44)を検討する条件がそろっているかを確かめられます。
70歳以上で35 多オになるのは、低所得者Ⅱの限度額適用認定証または限度額適用・標準負担額減額認定証(適用区分Ⅱ)の提示・情報提供と受給者証の提示がそろう場合か、適用区分Ⅱの記載のある受給者証が提示された場合で、かつ多数回の条件を満たすときです。厚生労働省の限度額表(令和8年8月〜令和9年7月)では、70歳以上の「住民税非課税」の行に多数回該当24,600円が入り、「住民税非課税(所得が一定以下)」の行は多数回の欄が「-」です。通知が低所得者Ⅱだけを35に入れていることと符合します。
次の5人は、条件に当てはめて作った架空の例です。全員、難病法の公費負担医療で入院し、「自院で4月目」は自院の高額療養費の支給が直近12か月間で4月目に当たる月を指します。
45歳の協会けんぽ加入者は、標準報酬月額が30万円で28万〜50万円に当たり、区分ウです。指定難病で入院し、(名古屋市のように)区分の記載がない受給者証を持ち、マイナ保険証で限度額情報が提供されています。自院で4月目になった2026年9月診療分は、認定証情報と受給者証の組み合わせで判定する「33 多ウ」です。1〜3月目は「28 区ウ」です。改正前の文の多ウは「適用区分(ウ)の記載のある」受給者証が条件だったので、区分の記載がない受給者証ではこの組み合わせは使えませんでした。
73歳の国保加入者で、住民税非課税の低所得者Ⅱです。難病で入院し、自院で4月目に当たるのが2026年9月診療分なら、多数回該当(24,600円)の対象で「35 多オ」です。8月1日適用の改正前の取扱いでは、多オは70歳未満だけだったため、同じ状態でも「30 区オ」でした。
72歳の低所得者Ⅰです。入院で自院4月目という条件は2人目と同じですが、厚生労働省の限度額表(令和8年8月〜令和9年7月)の70歳以上「住民税非課税(所得が一定以下)」の行は月15,700円で多数回該当の額が「-」(設定なし)の区分で、35 多オの70歳以上は低所得者Ⅱだけなので、多数回の月も「30 区オ」のままです。
78歳の後期高齢者医療の被保険者で、課税所得が100万円、年金収入とその他の合計所得金額が単身で220万円なので、2割負担で41 区カの所得の線(課税所得28万円以上145万円未満、単身200万円以上)に当たります。区分の記載のない難病の受給者証を持ち、自院で4月目なら改正後は「43 多カ」です。改正前は「適用区分(Ⅲ)の記載のある」受給者証が条件でした。1〜3月目は「41 区カ」ですが、41の②には(Ⅲ)の記載のある受給者証の文が残っており、区分の記載がない受給者証でこの文をどう当てはめるかは、通知に書かれていません。
受給者証にも区分の記載がありません。名古屋市が指定医療機関に出した案内では、70歳未満はウとして扱い、特記事項は不要とされています。他の自治体が同じ扱いとは限りません。
| 患者 | 決め手 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 1人目 45歳・区分ウ | 自院で4月目、区分の記載のない受給者証+認定証情報(2026年9月診療分) | 33 多ウ(1〜3月目は28 区ウ) |
| 2人目 73歳・低所得Ⅱ | 自院で4月目が2026年9月診療分(改正後) | 35 多オ |
| 3人目 72歳・低所得Ⅰ | 35 多オの70歳以上はⅡだけ | 30 区オ |
| 4人目 78歳・後期2割 | 自院で4月目、区分の記載のない受給者証 | 43 多カ(1〜3月目は41 区カ。区分の記載がない受給者証での41の当てはめは通知に記載なし) |
| 5人目 40代・確認不可 | 名古屋市の案内ではウ扱い | 不要 |
名古屋市は、令和8年3月交付分の特定医療費受給者証から、健康保険法施行規則等の一部改正により高額療養費の適用区分(所得区分)の記載を廃止しました。同年2月までに交付した受給者証には区分が書かれており、変更があった場合でも変更交付はしないとされています。適用区分は、マイナ保険証によるオンライン資格確認や限度額適用認定証などで確認する扱いです。
名古屋市の案内では、患者が資格確認書を持参したときは原則として、資格確認端末で保険者番号を入力すると資格情報を取り込めます。この場合、限度額適用区分情報の提供には、毎回、窓口職員などが口頭等で患者の同意を取る必要があります。
| 患者の区分(オンライン資格確認等ができない場合) | 適用区分 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 70歳未満 | ウ | 不要 |
| 70歳以上の一般(70〜74歳) | エ | 要 |
| 70歳以上の一般(後期高齢者医療の2割) | カ | 要 |
| 70歳以上の一般(後期高齢者医療の1割) | キ | 要 |
| 70歳以上の現役並み所得者(高齢受給者証等で医療機関が確認できた場合) | ア | 要 |
上の表は名古屋市の指定医療機関向け案内の内容で、他の自治体の扱いは各自治体の案内を見る必要があります。
3月27日版の表にある、ほかのコードです。内容は原文の要旨です。
| コード | 略号 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 01 | 公 | 医療保険単独・後期高齢者医療単独の者で、公費負担医療の費用額が法令の定める金額を超える場合 |
| 02 | 長 | 高額長期疾病などの特定疾病療養受療証を出した患者の負担額が、法令の定める金額を超えた場合 |
| 03 | 長処 | 慢性腎不全のCAPD患者で、同一月の投薬が院外処方箋のみで負担額を受領しない場合 |
| 04 | 後保 | 公費負担医療のみで、請求点数を高齢者医療確保法の規定による医療の提供とする場合 |
| 07・08 | 老併・老健 | 介護老人保健施設の入所者を、併設の医療機関(07)・併設以外の医療機関(08)で算定した場合 |
| 09 | 施 | 特別養護老人ホーム等の入所者について診療報酬を算定した場合 |
| 10 | 第三 | 第三者の不法行為(交通事故等)による疾病・負傷と認められる場合 |
| 11・12 | 薬治・器治 | 治験の診療報酬の請求(薬物=11、機械器具等=12) |
| 13 | 先進 | 先進医療を実施した場合 |
| 14 | 制超 | 制限回数を超えて行う診療の請求 |
| 16 | 長2 | 特定疾病療養受療証の患者の負担額が、第42条第9項第2号の金額を超えた場合 |
| 21 | 高半 | 自己負担限度額特例対象被扶養者等の場合 |
| 25 | 出産 | 出産育児一時金等の直接支払制度を利用する者の出産に係る請求 |
| 36 | 加治 | 加工細胞等に係る治験の請求 |
| 37 | 申出 | 患者申出療養 |
| 38・39 | 医併・医療 | 介護医療院の入所者を、併設の医療機関(38)・併設以外の医療機関(39)で算定した場合 |
奈良県国民健康保険団体連合会の一覧には、このほか20 二割、40 加算(歯科のみ)、90 被災、91 労災、93 免除、94 支払猶予、95 減額、96 災1、97 災2などのコードが載っています。条件は3月27日版の原文では確かめていません。
改正通知は、令和9年8月1日施行の高額療養費制度の見直しでも、所得区分の細分化等に伴い記載要領通知の一部を改正する予定としています。どのコードがどう変わるかは、2026年10月12日時点で公表されていません。厚生労働省の概要資料の限度額表は、令和9年8月以降、現在の区分より細かい年収帯に分かれています。今回のように区分コードの文が変わる可能性があるため、令和9年8月診療分の請求の前に、新しい通知の該当コードを読み直してください。
自院で使える補助金や支援制度は、条件を入れるだけで候補が出る補助金診断で当たりを付けられます。
最終更新:2026年10月12日(令和8年8月1日適用の保医発0729第2号まで反映)
| 確認する時期 | 提出先:厚生労働省 |
|---|---|
| 確認主体 | 厚生労働省 |
編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。