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この記事の結論
対象者介護サービス事業所・介護保険施設(訪問介護・通所介護・特別養護老人ホ…
補助額・給付額最大600万円(業務改善助成金)(補助率 介護職員等処遇改善加算=総単位数×加算区分別加算率(令和8年6月以降、訪問介護Ⅰロ28.7%・介護老人福祉施設Ⅰロ17.6%・訪問看護1.8%など)/業務改善助成金=助成率3/4(事業場内最低賃金1,050円以上)〜4/5(1,050円未満)、上限600万円/介護テクノロジー導入支援事業=補助率1/2を下限、共通要件充足で3/4を下限/中小企業省力化投資補助金(一般型)=補助率1/2(小規模等2/3)、従業員規模別に750万円〜8,000万円)
申請時期募集中(締切まで369日)
まずやること公式ページで最新情報・対象条件を確認
補助金の概要 対象・上限額・申請期限・関連制度を確認
介護サービス事業所・介護保険施設(訪問介護・通所介護・特別養護老人ホ…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 介護サービス事業所・介護保険施設(訪問介護・通所介護・特…
- 補助上限
- 最大600万円(業務改善助成金)
- 補助率・給付条件
- 介護職員等処遇改善加算=総単位数×加算区分別加算率(令和8年6月以降、訪問介護Ⅰロ28.7%・介護老人福祉施設Ⅰロ17.6%・訪問看護1.8%など)/業務改善助成金=助成率3/4(事業場内最低賃金1,050円以上)〜4/5(1,050円未満)、上限600万円/介護テクノロジー導入支援事業=補助率1/2を下限、共通要件充足で3/4を下限/中小企業省力化投資補助金(一般型)=補助率1/2(小規模等2/3)、従業員規模別に750万円〜8,000万円
- 公募期間
- 2027年7月31日締切(予定)
- 実施機関
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課
- 申請方法
- オンライン申請
- 必要書類
- 処遇改善計画書(別紙様式2-1・2-2・2-3)、処…
- 公募要領
- 公募要領(公式)
- 最大600万円(業務改善助成金)まで補助される制度です
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
詳細解説
介護事業所の管理者と事務担当者にとって、2026年度(令和8年度)は例年より段取りが重い一年になる。介護報酬が令和9年度改定を待たずに期中改定され、介護職員等処遇改善加算の対象が「介護職員」から「介護従事者」へ広がり、令和8年6月からは訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援にも処遇改善加算が新設された。さらに物価高騰対策の支援金は自治体ごとに名称も単価も締切も違い、国の事業者向け補助金は「そもそも社会福祉法人が申請できるのか」から確認しないと動けない。この記事は、利用者に案内する給付金ではなく事業所自身が受け取るお金と、そのために提出する書類を、年間カレンダーの形で一本にまとめたものだ。2026年7月27日時点で公表されている公式資料をもとに、提出期限・加算率・自治体支援金の実額まで具体的に示す。
この記事の要点(TL;DR)
2026年度、事業所が押さえる5つ
- 令和8年度の処遇改善計画書の提出期日は令和8年4月15日。4月・5月分と6月以降分をまとめて1回で提出する(加算新設サービスのみの事業者は6月15日)。
- 令和8年度分の実績報告書の提出期日は令和9年7月31日。根拠資料は2年間保存が必要。
- 令和8年6月以降は加算区分が「Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ・Ⅲ・Ⅳ」に細分化され、訪問介護のⅠロは28.7%まで上がった。
- 物価高騰対策の支援金は自治体独自。東京都・神戸市・香美市で単価も締切もまったく違う。
- 国の補助金は法人形態で可否が分かれる。社会福祉法人は省力化投資補助金の対象、医療法人は原則対象外という線引きがある。
自事業所がどの制度に当てはまるか短時間で当たりを付けたいときは、条件を入力して使える制度を絞り込める補助金診断から入ると、この記事のどのセクションを読めばよいかが先に分かる。
まず「利用者向け」と「事業所向け」を切り分ける
介護の補助金・給付金は、お金の受け取り手が誰かで完全に別ジャンルになる。ここを混ぜると、探す窓口も様式も間違える。
利用者向け(読者=ケアマネ・相談員)
- 高額介護サービス費、福祉用具購入費、住宅改修費
- おむつ代助成、緊急通報装置の貸与
- 窓口は市区町村の介護保険担当
- 詳細はケアマネが利用者に案内できる給付金一覧2026にまとめている
事業所向け(この記事)
- 介護職員等処遇改善加算、生産性向上推進体制加算
- 自治体の物価高騰・光熱費支援金
- 介護テクノロジー導入支援事業、業務改善助成金
- 窓口は都道府県知事等(指定権者)・都道府県労働局
よくある取り違え
利用者の福祉用具購入費の助成と、事業所が見守り機器を買うときの介護テクノロジー導入支援事業は、名前が似ていても制度も窓口もまったく別である。前者は市区町村の介護保険給付、後者は都道府県の基金事業だ。
2026年度(令和8年度)介護事業所の年間カレンダー
介護事業所の事務は「加算の届出」「実績の報告」「自治体支援金の公募」「労働局の助成金」が別々のカレンダーで動く。1枚に並べると、抜けやすい山が7月と翌年7月に集中していることが分かる。
| 時期 | やること | 提出先 |
|---|---|---|
| 令和8年4月1日〜4月15日 | 処遇改善加算の体制届出(新規算定・区分変更)。計画書の期日に合わせて4月15日まで受け付ける運用も可 | 都道府県知事等(指定権者) |
| 令和8年4月15日 | 処遇改善計画書(別紙様式2-1〜2-3)の提出。4月・5月分と6月以降分をまとめて1回で提出 | 都道府県知事等(指定権者) |
| 令和8年5月15日/6月1日 | 加算新設サービスのみの事業者の体制届出(居宅系は5月15日、施設系は6月1日) | 都道府県知事等(指定権者) |
| 令和8年6月15日 | 訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援など加算新設事業所のみの事業者の計画書提出 | 都道府県知事等(指定権者) |
| 令和8年7月〜10月 | 自治体の物価高騰対策支援金の申請(東京都7月22日〜10月30日、神戸市7月6日〜9月30日、香美市7月24日〜8月31日) | 都道府県・市区町村の福祉/介護保険担当 |
| 令和8年9月1日〜 | 業務改善助成金の交付申請受付開始(事業場内最低賃金を50円以上引き上げる場合) | 都道府県労働局 |
| 都道府県の公募期(年1〜2回) | 介護テクノロジー導入支援事業(介護ロボット・ICT・見守り機器)の申請 | 都道府県の介護人材確保担当課 |
| 変更が生じた都度 | 変更届出書(別紙様式4)。居宅系は算定開始月の前月15日、施設系は算定開始月の1日まで | 都道府県知事等(指定権者) |
| 令和9年3月末 | 令和8年度特例要件で誓約した取組の完了(キャリアパス要件の整備、ケアプランデータ連携システムの利用開始など) | 事業所内で完了し実績報告書で報告 |
| 令和9年7月31日 | 令和8年度分の実績報告書(別紙様式3-1・3-2)の提出。根拠資料とあわせて2年間保存 | 都道府県知事等(指定権者) |
実績報告の期日はこう決まる
実績報告書の提出期日は「各事業年度における最終の加算の支払があった月の翌々月の末日」。令和9年3月分の加算が令和9年5月に支払われるため、通常は令和9年7月31日になる。年度末ではないので、3月に「もう終わった」と処理してしまう失敗が起きやすい。
介護職員等処遇改善加算の段取りと令和8年度の変更点
介護職員等処遇改善加算とは、事業所のサービス別基本報酬に各種加算減算を加えた1か月あたりの総単位数に、加算区分とサービス類型別の加算率を乗じて算定し、その額に相当する職員の賃金改善を義務づける加算である。令和8年度は期中改定が入り、令和8年4月・5月と令和8年6月以降で加算率表そのものが切り替わった。
月1.0万円介護従事者へ幅広く(3.3%)
月0.7万円生産性向上・協働化への上乗せ(2.4%)
最大月1.9万円定期昇給0.2万円込みの賃上げ規模(6.3%)
令和8年6月以降のサービス類型別加算率(抜粋)
| サービス区分 | Ⅰイ | Ⅰロ | Ⅱイ | Ⅱロ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 訪問介護 | 27.0% | 28.7% | 24.9% | 26.6% | 20.7% | 17.0% |
| 通所介護 | 11.1% | 12.0% | 10.9% | 11.8% | 9.9% | 8.3% |
| 地域密着型通所介護 | 11.7% | 12.7% | 11.5% | 12.5% | 10.5% | 8.9% |
| 認知症対応型共同生活介護 | 21.0% | 22.8% | 20.2% | 22.0% | 17.9% | 14.9% |
| 介護老人福祉施設 | 16.3% | 17.6% | 15.9% | 17.2% | 13.6% | 11.3% |
| 介護老人保健施設 | 9.0% | 9.7% | 8.6% | 9.3% | 6.9% | 5.9% |
| 介護医療院 | 6.2% | 6.6% | 5.8% | 6.2% | 4.7% | 4.0% |
令和8年4月・5月は旧来の4区分(Ⅰ24.5%/Ⅱ22.4%/Ⅲ18.2%/Ⅳ14.5%=訪問介護の場合)で算定し、6月から上の表に切り替わる。ロ区分は「令和8年度特例要件」を満たす事業所だけが取れる上乗せ区分で、訪問介護なら1.7ポイント差が付く。
令和8年6月から新設された3サービス
1.8%(介護予防)訪問看護
1.5%(介護予防)訪問リハビリテーション
2.1%居宅介護支援・介護予防支援
これまで処遇改善加算の対象外だった3サービスに、令和8年6月から加算が設けられた。区分は分かれておらず一律の加算率で、この3サービスのみを運営する事業者は計画書の提出期日が6月15日にずれる。区分ごとの要件と誓約の使い方は、本サイトの臨時改定ガイドで条文レベルまで整理しているので、計画書を書く前に一度通しておきたい。
令和8年度特例要件(Ⅰロ・Ⅱロの条件)
次のいずれかを満たすこと。(ア)ケアプランデータ連携システムを利用している(未利用でも加入・利用を誓約すれば申請時点で充足扱い)、(イ)生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡを算定している、(ウ)法人が社会福祉連携推進法人に所属している。誓約した場合は令和9年3月末までに実行し、実績報告書で報告する必要がある。
物価高騰・光熱費の支援金は自治体ごとに別物
物価高騰対策の支援金は国の重点支援地方交付金を財源に、都道府県・市区町村がそれぞれ設計している。名称・単価・基準日・締切がすべて違うため、「近隣の事業所が受け取った額」を自事業所に当てはめると計算が合わない。実在する3自治体の令和8年度の条件を並べる。
| 自治体 | 制度名 | 支給単価(抜粋) | 申請期間 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 介護サービス事業所物価高騰緊急対策支援金事業(令和8年1月〜6月分) | 通所介護・通所リハ:定員1人あたり月1,607円/短期入所生活介護:1事業所あたり月4,800円/訪問介護等:1事業所あたり月14,750円/居宅介護支援:1事業所あたり月2,950円 | 令和8年7月22日〜10月30日 |
| 神戸市 | 2026(令和8)年度物価高騰対策支援給付金【事業所向け】 | 入所施設:1人あたり66円/日、通所施設:1人あたり22円/日、訪問系:1事業所あたり27,500円 | 2026年7月6日〜9月30日 |
| 香美市(高知県) | 令和8年度香美市社会福祉施設等物価高騰対策支援金 | 認知症対応型共同生活介護:1事業所30万円/地域密着型通所介護・小規模多機能:各20万円/居宅介護支援:10万円 | 令和8年7月24日〜8月31日(必着) |
東京都は「定員1人あたり月額×対象月数」、神戸市は「1人あたり日額」、香美市は「1事業所あたり定額」と、単価の建て方そのものが違う。東京都は法人単位の申請で、事前入力シート作成→事前申請フォーム→jGrantsまたは郵送という二段構えになっている。他自治体の設計例は介護施設 物価高騰補助金2026 5自治体一覧で比較でき、記入で迷う定員数・常勤換算数の書き分けは、本サイトの申請書の書き方ガイドに実例を載せている。
対象者・対象事業
対象地域(全国)
- 目的
- 介護支援
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 介護サービス事業所・介護保険施設(訪問介護・通所介護・特別養護老人ホーム・グループホーム等)を運営する法人の管理者および事務担当者。処遇改善加算の計画書・実績報告書は事業者(法人)単位で一括作成が可能
- 補助上限
- 最大600万円(業務改善助成金)
- 難易度
- 3
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
基準日を読み違えると全額もらえない
香美市は「令和8年7月1日時点で市内で対象事業を実施していること」に加え、「令和8年4月1日〜6月30日にサービス実績があること」を要件にしている。7月に開設した事業所は基準日を満たさず対象外になる。神戸市は逆に「2026年9月30日までに事業開始」と後ろ倒しの設計で、同じ物価高騰支援金でも判定日が3か月ずれる。
国の事業者向け補助金は介護事業所で使えるのか
中小企業庁や労働局の補助金・助成金は「会社と個人事業主が対象」という先入観があるが、実際には法人形態ごとに可否が細かく分かれている。ここを確認せずに準備を進めるのが、時間を最も無駄にする失敗パターンだ。
| 制度 | 介護事業所での可否 | 上限額・補助率 | 実施主体 |
|---|---|---|---|
| 中小企業省力化投資補助金(一般型) | 社会福祉法人・特定非営利活動法人は対象。医療法人は原則対象外(歯科医業を営む医療法人のみ追加) | 従業員5人以下750万円〜101人以上8,000万円、補助率1/2(小規模等2/3) | 中小企業基盤整備機構 |
| デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金) | 医療・介護・保育等のサービス業が対象業種に含まれる | 枠により異なる(公募要領で要確認) | 中小企業庁 |
| 業務改善助成金 | 中小企業・小規模事業者であれば対象。事業場ごとに申請 | 最大600万円、助成率は事業場内最低賃金1,050円未満で4/5、1,050円以上で3/4 | 都道府県労働局 |
| 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース) | 自社職員が家族介護で休業した場合に対象。介護事業所も一事業主として使える | 介護休業40万円、介護両立支援制度20〜25万円、介護休暇制度有給化支援30万円 | 都道府県労働局 |
省力化投資補助金は送迎車両の管理システムや厨房設備の省力化など、介護現場で使える投資が想定しやすい。制度の全体像は中小企業省力化投資補助金の申請要件と補助額に、IT系の枠組みはDX・IT導入補助金まとめ2026に整理してある。職員の資格取得を支援したい場合は、足立区 介護職員資格取得助成金のように自治体独自の助成が用意されていることも多い。
業務改善助成金は「9月1日から」
令和8年度の業務改善助成金は、交付申請の受付開始が令和8年9月1日。2026年7月27日時点ではまだ受付前で、賃金引上げ期間は「申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日」まで、事業完了期限は交付決定年度の1月31日または同年11月30日のいずれか早い日となる。設備の見積取得を先に済ませておくと初動が速い。
職員の福利厚生や地域貢献の財源としては、民間助成財団の枠も見落とせない。社会福祉助成金2026では、社会福祉法人・NPOが応募できる民間助成の締切を時系列でまとめている。両立支援等助成金【有給介護休暇制度支援区分】は令和8年度の新設区分で、介護休暇を有給化した事業主に30万円が1回限り支給される。
介護テクノロジー導入支援事業は都道府県が窓口
介護ロボット・見守り機器・介護記録ソフトの導入費を補助するのが介護テクノロジー導入支援事業だ。財源は地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)で、実施主体は都道府県。国の事業スキーム上の枠は次のとおりで、実際の上限額・公募時期・様式は都道府県の実施要綱で決まる。
上限100万円移乗支援・入浴支援ロボット
上限30万円上記以外の介護ロボット
100〜250万円ICT導入(職員数1〜10人100万円、31人〜250万円)
補助率は原則1/2を下限とし、次の共通要件を満たす場合は3/4を下限に引き上がる。(1)職場環境の改善を図り収支が改善した場合に職員賃金へ還元することを導入効果報告に明記、(2)第三者による業務改善支援を受けること、(3)見守り機器・インカム等のICT機器・介護記録ソフトの3点を活用すること(入所・泊まり・居住系に限る)、(4)従前の人員体制の効率化を行うこと、(5)利用者のケアの質の維持向上や職員の負担軽減に資する取組を予定していること。
対象機器の確認方法
介護ロボットは「介護テクノロジー利用における重点分野」に該当するものが対象で、公益財団法人テクノエイド協会の福祉用具情報システム(TAIS)に掲載されているかどうかで確認できる。介護ソフトは厚生労働省の「介護記録ソフト機能調査結果」で対象可否を照合する。カタログに載っていない機器は、性能が高くても補助対象外になる。
在宅系サービスでは「ケアプランデータ連携システムの利用開始」が要件に入るため、処遇改善加算Ⅰロ・Ⅱロの令和8年度特例要件と同じ取組で二重に効く。導入計画を立てるときは、加算とテクノロジー補助の要件表を並べて設計したほうが効率がよい。
申請でよくある不採択・落とし穴
処遇改善加算は競争的な補助金ではないが、要件を満たしていないと判断されれば既に支給された加算を遡って返還させられる。都道府県知事等は、算定額に相当する賃金改善が行われていない場合、賃金水準の引下げを行いながら特別事情届出書を提出していない場合、虚偽・不正の手段で加算を受けた場合に、加算の一部または全部の返還・取消しができると定められている。ここでは実務で差し戻しや返還につながりやすい6つの落とし穴を挙げる。
- 実績報告の期限徒過:期日は年度末ではなく令和9年7月31日。年度をまたぐため担当者交代で引き継がれず、提出漏れになる事例が多い。
- 誓約した取組の未実行:令和8年度特例要件やキャリアパス要件を「令和9年3月末までに整備する」と誓約して算定を開始したのに、実際には整備せず実績報告書で報告できない。誓約は要件を先送りする仕組みではなく、期限付きの約束である。
- 賃金改善の配分の偏り:一部の職員に加算原資を集中させる、同一法人内の一部事業所だけに集中させるなど、職務内容や勤務実態に見合わない著しく偏った配分は認められない。
- 賃金水準の引下げと届出漏れ:経営悪化で賃金水準を下げる場合は特別事情届出書(別紙様式5)が必須。年度を超えて引き下げが続くなら翌年度も再提出が要る。届出なしの引下げは返還事由に直結する注意点だ。
- 月額賃金改善要件の誤解:処遇改善加算Ⅳの加算額の2分の1以上を基本給等の改善に充てる要件で、Ⅳ以外を算定する場合も「仮にⅣを算定した場合に見込まれる加算額」の2分の1以上が基準になる。一時金だけで積んで差し戻しになるケースが典型的なNG事例だ。
- 変更届の出し遅れ:算定区分の変更や事業所の増減があった場合、居宅系は算定開始月の前月15日、施設系は算定開始月の1日までに変更届出書を出す。入居継続支援加算・日常生活継続支援加算を算定できない状態が3か月以上続いた場合も届出が必要になる。
読読者
加算で入ったお金を、来年度の賞与にまとめて配ろうと考えています。これは問題ありませんか。
専専門家
賞与も賃金改善の対象に含められますが、令和8年度に令和7年度より増えた加算額については、過去の賃金改善の実績にかかわらず新規の賃金改善を実施する必要があり、原則はベースアップで行うとされています。賞与だけで処理すると月額賃金改善要件を満たせず、実績報告で差し戻しになりやすい形です。賃金表を改訂して基本給を上げ、足りない分を手当や一時金で補う順序が安全です。
物価高騰支援金でありがちな失敗
自治体支援金は「交付決定前の発注」が対象外になる設計が多く、先に機器を買ってから申請すると経費が落ちない。また常勤換算数や定員を誤って書くと支給額そのものがずれ、後日返還を求められる。申請書を出す前に、介護給付費の請求データと定員数の突合を必ず行いたい。
対象になる職員・ならない職員
令和8年度の最大の変更点は、処遇改善加算の対象が介護職員のみから介護従事者へ拡大したことだ。ただし「事業所内で柔軟に配分してよい」という原則と、「著しく偏った配分は認めない」という制約が同時にかかるため、配分ルールは文書で決めておく必要がある。
配分してよい・すべき
- 介護職員(特に経験・技能のある介護職員を重視)
- 介護福祉士かつ勤続10年以上を基本とする層(法人裁量で設定可)
- 令和8年度からは介護従事者へ幅広く
- 賃金改善に伴う法定福利費等の事業主負担増加分も算定額に含められる
注意が必要
- 退職手当は「賃金」に含まれない
- 一部の職員・一部の事業所への集中配分
- 特定した賃金項目の水準を下げること(特別事情届出書を出す場合を除く)
- 賃金体系が未整備のまま一時金だけで処理すること
読読者
キャリアパス要件Ⅳの「年額440万円以上が1人以上」が、小規模事業所ではどうしても達成できません。
専専門家
通知には例外が明記されています。小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合、職員全体や地域の賃金水準が低く直ちに440万円まで引き上げるのが困難な場合、規程整備や実務経験の蓄積に一定期間を要する場合は、合理的な説明があれば例外として扱われます。ただし「説明できる状態」であることが前提なので、理由と改善見込みを計画書に文章で残しておいてください。
職場環境等要件は区分で必要数が変わる
加算Ⅰ・Ⅱ(Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅱイ・Ⅱロ)は5区分ごとに2以上の取組、加算Ⅲ・Ⅳは各区分1以上。加えてⅠ・Ⅱは「生産性向上のための取組」から3以上(うち指定の2項目のいずれか必須)、Ⅲ・Ⅳは2以上が必要で、Ⅰ・Ⅱは取組内容の公表(介護サービス情報公表制度の「事業所の特色」欄への記載等)も義務になる。
必要書類チェックリスト
処遇改善加算の計画書提出と、都道府県からの資料提示要求に備えて保管すべき書類をまとめた。チェックを付けながら手元の状態を確認してほしい。
添付は求められないが保管は必須
厚生労働省は文書負担軽減の観点から、計画書・実績報告書の内容を証明する資料について「届出時に全ての事業者から一律に添付を求めてはならない」としている。一方で、事業者側には適切な保管と、求めがあった場合の速やかな提示が義務づけられている。別紙様式への押印は不要。
併用できる制度・関連する支援
2026年度に介護事業所が使える制度は、加算・自治体支援金・国の補助金・民間助成の4層で構成される。自事業所の状況に近いものから確認したい。
介護職員等処遇改善加算 臨時改定ガイド【令和8年度】区分別加算率と要件・誓約の使い方/計画書4月15日・実績報告令和9年7月31日/受付中
介護施設 物価高騰補助金2026 5自治体一覧自治体ごとの単価・基準日・締切を横並び比較/定額支給/自治体により受付中
介護施設 物価高騰補助金 申請書の書き方ガイド定員・常勤換算の書き分けと記入例/差し戻しが多い欄の対処/通年で利用可
中小企業省力化投資補助金社会福祉法人が対象/従業員規模別に750万円〜8,000万円・補助率1/2(小規模等2/3)
DX・IT導入補助金まとめ2026介護ソフト・記録システムの導入に使える枠を整理/申請はIT導入支援事業者と共同
両立支援等助成金【有給介護休暇制度支援区分】介護休暇を有給化した事業主に30万円/1事業主1回限り/令和8年度の新設区分
足立区 介護職員 資格取得助成金職員の初任者研修・実務者研修の受講費を区が助成/自治体独自制度の代表例
社会福祉助成金2026社会福祉法人・NPOが応募できる民間助成財団の公募を締切順に整理
ケアマネが利用者に案内できる給付金一覧2026利用者本人・家族が受け取れる制度/事業所向けとは窓口も様式も別
高齢者の福祉用具購入費助成利用者向けの介護保険給付/事業所の機器導入補助と混同しやすい制度
掲載制度をサービス種別や地域から探したい場合は補助金・助成金の制度一覧を、制度選びの考え方から読みたい場合は介護・福祉分野の解説コラムを参照してほしい。
よくある質問
計画書を出し忘れました。今から令和8年度の加算は取れますか。
処遇改善計画書は「当該事業年度において初めて処遇改善加算を算定する月の前々月の末日まで」に提出するのが原則です。したがって出し忘れた月から遡って算定することはできませんが、以後の月については前々月末までに提出すれば算定を開始できます。都道府県知事等が確認事務の時間を確保できる場合に期日を延長することは認められているため、まず指定権者に相談してください。
複数の事業所を運営しています。計画書は事業所ごとに作るのですか。
別紙様式2・3は事業者(法人)単位で一括して作成して差し支えありません。ただし提出は、各事業所の指定権者である都道府県知事等それぞれに対して、期日までに行う必要があります。記載事項は「提出先」の項目以外は同一内容で構いません。
令和8年6月からの加算率アップ分は、そのまま利益にしてよいですか。
できません。令和8年度に令和7年度と比較して増加した加算額は、新規算定・上位区分への移行・改定による加算率引上げのいずれによるものでも、過去の賃金改善の実績にかかわらず新規に賃金改善を実施しなければならないと通知に明記されています。実施していない場合は返還の対象になります。
自治体の物価高騰支援金と、国の処遇改善加算は併給できますか。
目的も財源も異なるため、原則として両方を受けられます。ただし自治体支援金の実施要綱で「他の補助金と同一の経費に重複して充当しないこと」が定められている場合があるため、光熱費・食材費など対象経費の切り分けを申請時に整理しておく必要があります。
医療法人立の通所介護でも省力化投資補助金は使えますか。
中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助対象事業者は中小企業者、小規模企業者・小規模事業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、社会福祉法人です。医療法人は原則として対象外で、歯科医業を営む医療法人のみが対象に追加されています。医療法人立の事業所は、業務改善助成金や介護テクノロジー導入支援事業を先に検討してください。
受給後にやるべきこと
加算も支援金も、受け取った後の管理まで含めて一つの業務だ。年度をまたぐ作業が多いため、担当者の異動時に引き継ぐ前提でファイルを作っておきたい。
- 賃金改善の方法を、処遇改善計画書を用いるなどして全職員に周知する。職員から照会があった場合は書面で分かりやすく回答する。
- 加算額と実際の賃金改善額の突合表を毎月更新する。年度末にまとめて作ると誤差の原因が追えなくなる。
- 令和9年3月末までに、誓約した取組(キャリアパス要件の整備、ケアプランデータ連携システムの利用開始など)を完了させ、証跡を保存する。
- 令和9年7月31日までに実績報告書を提出し、根拠資料とあわせて2年間保存する。
- 自治体支援金は交付決定通知・実績報告・精算の3点セットで保管し、対象経費の領収書を制度ごとに分けておく。
次年度に向けて自事業所の条件で使える制度を洗い出す診断を年1回まわしておくと、公募開始前に準備を始められる。制度は毎年入れ替わるため、最新の制度一覧とあわせて確認してほしい。
自事業所で使える制度を3分で洗い出す介護分野の制度一覧から候補を絞り込む
出典
- 厚生労働省老健局長通知「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年度分)」老発0313第6号(2026年7月27日閲覧)
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」
- 厚生労働省老健局「介護テクノロジー導入支援事業(地域医療介護総合確保基金)」
- 厚生労働省「介護テクノロジーの利用促進」
- 厚生労働省「令和8年度業務改善助成金のご案内」
- 厚生労働省「2026(令和8)年度両立支援等助成金のご案内」
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金(一般型)とは」
- 東京都福祉局「介護サービス事業所物価高騰緊急対策支援金事業(令和8年1月分から6月分まで)」
- 神戸市「2026(令和8)年度物価高騰対策支援給付金【事業所向け】」
- 香美市「令和8年度香美市社会福祉施設等物価高騰対策支援金」
最終更新:2026年7月27日
本記事は補助金図鑑 編集部が公表資料をもとに作成しています。制度は改正される場合があるため、申請前に必ず各実施主体の最新の実施要綱をご確認ください。
補助金の概要
要点
対象・申請情報まとめ
詳細条件は公募要領で確認してください。
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 介護サービス事業所・介護保険施設(訪問介護・…
- 補助上限
- 最大600万円(業務改善助成金)
- 公募期間
- 2027年7月31日締切(予定) 締切まで 369日
- 実施機関
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課
- 主要スケジュール
- 締切日 2027年7月31日 全スケジュール ›
- 申請方法
- オンライン申請 公式申請ページへ
- 必要書類
- 処遇改善計画書(別紙様式2-1・2-… 詳細を見る ›
- 公募要領
- PDF 公募要領(公式)
- 最大600万円(業務改善助成金)まで補助される制度です
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
POINT!
この補助金のポイント
- 最大600万円(業務改善助成金)まで補助される制度です
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
| 補助対象経費 | 処遇改善加算=介護職員その他の職員の基本給・手当・賞与等(退職手当を除く)の賃金改善および当該改善に… 詳細を見る › |
|---|---|
| 公募期間 | 2027年7月31日締切(予定) 締切まで 369日 |
| 実施機関 | 厚生労働省 老健局高齢者支援課 |
| 採択率 | 100% ※過去公募実績 |
| 主要スケジュール |
|
| 申請方法 | オンライン申請 公式申請ページへ |
| 必要書類 | 処遇改善計画書(別紙様式2-1・2-2・2-3)、処遇改善計画書のチェックリスト… 詳細を見る › |
| 公募要領 |
SUMMARY
この補助金のまとめ
- 最大600万円(業務改善助成金)まで補助される制度です
- 厚生労働省 老健局高齢者支援課が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
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編集: 補助金図鑑 編集部
中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。

