育児休業等終了時報酬月額変更届の書き方・記入例|デメリットと4月復帰・パート
詳細解説
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育児休業等終了時報酬月額変更届は、育児休業から復帰したあとの給与に合わせて、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額を改定してもらうための届書です。育児休業等の終了日に3歳未満の子を養育している被保険者が申し出て、事業主が日本年金機構へ出します。申出者欄の□には必ず本人がチェックを付け、被保険者欄などは事業主が書きます。
日本年金機構の記入例は、10月末に育休を終えた1パターンだけです。この記事では、4月復帰、月の途中で復帰して17日未満の月がある場合、短時間労働者、パートの記入例を足しました。終了日と3か月の給与を入れると、⑧⑨⑩⑮に書く値と、申出の要件のうち等級の差を満たすかが分かる道具もあります。
先に結論
- 出すのは事業主です。育児休業等の終了日に3歳未満の子を養育している被保険者本人の申出を受けて提出します(様式と提出先)。
- 4月復帰(終了日の翌日が4月)なら、4月・5月・6月の報酬をもとに7月の標準報酬月額から改定されます(状況別の記入例)。
- 標準報酬月額が下がれば保険料は下がりますが、傷病手当金・出産手当金の額は下がることがあります(デメリット)。
- 添付書類は原則不要です(提出方法)。
様式ガイド健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者育児休業等終了時報酬月額相当額変更届
- 発行元
- 日本年金機構
- 様式の版
- 様式コード2222・全2ページ(様式ページの2025年12月25日更新時点の現行PDF)
- 提出
- 被保険者の申出を受けた事業主が、速やかに提出。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所。電子申請・郵送・窓口持参
日本年金機構の様式です。健康保険組合に加入している事業所は、加入先の組合の案内も確認してください。船員保険は別の様式です。
出典:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届」(新しいタブで開きます)。公式の様式を改変せずに掲載しています。様式が改訂されたときは出典のページの最新版を使ってください。
この記事で分かること
- 様式に赤字で書き込んだ記入例と、提出者記入欄・申出者欄・①〜⑱の書き方
- 公式の記入例にない、4月復帰・17日未満の月がある場合・短時間労働者・パートの記入例
- 終了日と給与を入れると ⑧⑨⑩⑮ の値と、申出できるかの目安(従前と1等級以上の差があるか)が出る道具
- 出す前に知っておきたい注意点(手当金・年金への影響)と、書き間違えやすい8つのポイント
どの様式を使う?どこでダウンロードする?
使うのは日本年金機構の1種類の様式です。70歳以上の被用者も同じ届書を使います。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 様式名 | 健康保険・厚生年金保険 育児休業等終了時報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者育児休業等終了時報酬月額相当額変更届(様式コード2222・全2ページ) | 様式PDF |
| 入手先 | 日本年金機構「6-5:育児休業等終了後に受け取る報酬に変動があったとき」の様式ページ(PDF・エクセル・記入例) | 様式ページ |
| 提出先 | 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 制度ページ |
| 記入者 | 申出者欄の□のチェックは必ず被保険者本人。そのほかの欄は事業主が書く | 様式2ページ |
| 提出時期 | 速やかに | 制度ページ |
| 提出方法 | 電子申請、郵送、窓口持参 | 制度ページ |
| 添付書類 | 原則不要 | 制度ページ |
この届を出せるのはどんなとき?
育児休業等の終了日に3歳未満の子を養育している被保険者が、次の2つを満たすときに申し出ることができます。通常の月額変更届(随時改定)と違い、基本給などの固定的賃金が変わっていなくても改定されます。
| 比べる点 | 育児休業等終了時改定(この届) | 随時改定(月額変更届) |
|---|---|---|
| 固定的賃金の変動 | なくてもよい | 必要 |
| 従前の標準報酬月額との差 | 1等級以上 | 2等級以上 |
| 基礎日数 | 3か月のうち17日以上の月が1か月以上(短時間労働者は11日。パートで3か月とも17日未満なら15日) | 3か月とも17日以上(短時間労働者は11日) |
| 届け出るきっかけ | 被保険者本人の申出 | 要件に当たれば事業主が届け出る |
| 改定される月 | 終了日の翌日が属する月から4か月目 | 変動後の報酬を初めて受けた月から4か月目 |
育児休業等を終了した日の翌日に、引き続いて産前産後休業を始めた場合は、この申出はできません。標準報酬月額が上がる場合も下がる場合も、1等級以上の差があれば改定の対象です。固定的賃金が変わって2等級以上の差が出たときの手続きは、被保険者報酬月額変更届の書き方で説明しています。
根拠:様式1・2ページ、日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」「随時改定(月額変更届)」、健康保険法第43条の2
書き始める前に何を用意する?
- 育児休業等を終了した日(⑦)と、子の氏名・生年月日(⑤⑥)
- 終了日の翌日が属する月から3か月分の賃金台帳(支給月・給与計算の基礎日数・通貨と現物の額)
- 従前の標準報酬月額(健康保険・厚生年金保険。⑫に千円単位で書く)
- 被保険者整理番号、個人番号または基礎年金番号(10桁・左詰め)、事業所整理記号
- 給与の締切日と支払日(当月払いか翌月払いか)
日付は年・月・日を2桁ずつで書きます。様式2ページ目の生年月日の見本は、昭和63年5月3日を「6 3 0 5 0 3」と書いています。育休中の保険料免除の届書は育児休業等取得者申出書の書き方、標準報酬月額が下がる人があわせて出す申出書は養育期間標準報酬月額特例申出書の書き方にまとめています。
提出者記入欄と申出者欄の書き方:□のチェックは必ず本人
ここからは、令和8年9月30日に育児休業を終え、10月から短時間勤務で復帰した従業員の記入例で説明します。給与は月末締め・当月25日払いで、従前の標準報酬月額は健康保険・厚生年金保険とも300千円です。
(新しいタブで開きます)提出日提出日:事業主が年金事務所などへ提出する日を書く
左上の「令和 年 月 日提出」には、事業主が被保険者からの申出を受けて、年金事務所や事務センターへ提出した日を書きます。3か月目の給与を支払って⑧〜⑩が確定したあとの日付になります。
記入例:令和9年1月12日
根拠:公式記入例 ❶
整理記号事業所整理記号:新規適用時などに付された記号を書く
新規適用時または名称・所在地変更時に付された記号を書きます。様式2ページ目の見本は「01-イロハ」で、公式の記入例はこの欄を必ず書くとしています。
記入例:12-サンプ(架空)
根拠:様式2ページ「提出者記入欄」、公式記入例 ❷
事業所事業所情報:所在地・名称・事業主氏名・電話番号を書く
事業所の郵便番号・所在地・名称・事業主の氏名・電話番号を書きます。枠の最上段の「届書記入の個人番号に誤りがないことを確認しました。」は印刷済みの文言です。
記入例:株式会社サンプル商事/代表取締役 鈴木 一郎(架空)
根拠:様式1ページ、公式記入例 ❸
申出者申出者欄:□のチェックは必ず本人。日付・住所・氏名を書く
被保険者の住所・氏名を書きます。被保険者の提出意思を確認するための欄なので、「育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定について申出します。」の□には、必ず被保険者本人がチェックを付けます。右上の日付は、この届書を被保険者が事業主に提出する日です。
記入例:□にチェック/令和9年1月8日/山田 花子/090-XXXX-XXXX(架空。住所も書く)
根拠:様式2ページ「申出者欄」、公式記入例 ❹
会社が全部書いて出してはいけませんか?
この届は被保険者本人の申出にもとづく手続きです。様式の記入方法は、□には必ず被保険者本人がチェックを付けるよう求めています。標準報酬月額が下がると影響が出る給付もあるので、本人が内容を確かめてから申し出ます。
提出者記入欄・申出者欄のポイント
- 申出者欄の□のチェックは、必ず被保険者本人が付ける
- 申出者欄の日付は本人が事業主へ出した日、左上の提出日は事業主が提出した日
- 事業所整理記号は必ず書く
被保険者欄①〜⑦の書き方:本人と子の情報、育休の終了日
(新しいタブで開きます)①被保険者整理番号:資格取得時に払い出された番号を書く
資格取得時に払い出された被保険者整理番号を、必ず書きます。
記入例:12
根拠:様式2ページ ①、公式記入例 ❺
②個人番号[基礎年金番号]:本人確認のうえ、どちらかを書く
本人確認を行ったうえで、個人番号を書きます。基礎年金番号を書くときは、基礎年金番号通知書などに載っている10桁を左詰めで書きます。
記入例:XXXXXXXXXXXX(架空)
根拠:様式2ページ ②、公式記入例 ❻
③被保険者氏名:住民票どおりの氏名、フリガナはカタカナ
氏名は住民票に登録されているものと同じ氏名を書きます。フリガナはカタカナで正確に書きます。
記入例:山田 花子(ヤマダ ハナコ)
根拠:様式2ページ ③
④被保険者生年月日:年号を○で囲み、年月日を書く
年号は該当する番号を○で囲み、年月日を2桁ずつ書きます。
記入例:平成4年5月12日(7.平成に○、「04」「05」「12」)
根拠:様式2ページ ④
⑤子の氏名:育児休業の対象になった子の氏名を書く
養育している3歳未満の子の氏名とフリガナを書きます。様式2ページ目の記入方法に⑤の説明はありませんが、公式の記入例は子の氏名を書いています。
記入例:山田 太郎(ヤマダ タロウ)
根拠:様式1ページ、公式記入例
⑥子の生年月日:年号を○で囲み、年月日を書く
子の生年月日を、年号(7.平成/9.令和)を○で囲んで書きます。この届を出せるのは、育児休業等の終了日に3歳未満の子を養育している場合です。
記入例:令和7年10月20日(9.令和に○、「07」「10」「20」)
根拠:様式1ページ、公式記入例
⑦育児休業等終了年月日:育児休業を終了した日を書く
育児休業を終了した日付を書きます。復帰した日ではなく、休業の最後の日です。この日の翌日が属する月が、⑧の1か月目と⑮の起点になります。
記入例:令和8年9月30日(「08」「09」「30」)
根拠:様式2ページ ⑦、公式記入例 ❼
①〜⑦のポイント
- ①被保険者整理番号と②個人番号(または基礎年金番号)は必ず書く
- ⑦は休業の最後の日。10月1日に復帰したなら9月30日
- ⑦の翌日が属する月から、⑧の3か月と⑮の4か月目を数える
被保険者欄⑧〜⑱の書き方:3か月の報酬と改定年月
(新しいタブで開きます)⑧給与支給月及び報酬月額:終了日の翌日が属する月から3か月を書く
支給月には、育児休業等終了日の翌日の属する月から3か月を書きます。「給与計算の基礎日数」は、月給者は暦日数、日給者は出勤日数など、給与支払の対象となった日数です(給与支払日ではありません)。㋐通貨には金銭で支払われた報酬の合計、㋑現物には食事・住宅・定期券など金銭以外で支払われたものの額、㋒合計には㋐と㋑の合計を書きます。
月給者で欠勤日数分だけ給与が差し引かれる場合は、就業規則などで会社が定めた日数から欠勤日数を引いた日数を書きます。現物の額は、厚生労働大臣が定める価額にもとづきます。
記入例:10月・31日・236,000円/11月・30日・240,500円/12月・31日・238,300円(㋑現物は0円)
根拠:様式2ページ ⑧、公式記入例 ❽❾
基礎日数が17日に満たない月は、書かなくてよいですか?
⑧には3か月とも書きます。公式の記入例でも、1か月目は基礎日数0日・0円と書いたうえで、⑨の総計から外しています。17日未満の月を外すのは、⑨総計と⑩平均額の計算のときです。
⑨総計:基礎日数が17日以上の月の㋒合計を足す
「給与計算の基礎日数」が17日以上の月(短時間労働者は11日以上の月)の㋒合計を総計した金額を書きます。パートで3か月の間に17日以上の月がない場合は、15日以上の月の㋒合計を総計します。
記入例:714,800円(236,000+240,500+238,300)
根拠:様式2ページ ⑨、公式記入例 ❿
⑩平均額:総計を対象の月数で割り、1円未満を切り捨てる
⑨の総計を、基礎日数が17日以上の月数(短時間労働者は11日以上の月数)で割った金額を書きます。1円未満は切り捨てます。
記入例:238,266円(714,800÷3=238,266.66…)
根拠:様式2ページ ⑩、公式記入例 ⓫
⑪修正平均額:さかのぼった昇給の差額があるときだけ書く
昇給がさかのぼったために、対象月の中に差額分が含まれている場合に、差額分を除いた平均額を書きます。該当しなければ空欄です(公式の記入例も空欄)。
根拠:様式2ページ ⑪、公式記入例
⑫従前標準報酬月額:健康保険と厚生年金保険を千円単位で書く
従前の標準報酬月額を、「健」(健康保険)と「厚」(厚生年金保険)に分けて千円単位で書きます。
記入例:健 300千円・厚 300千円
根拠:様式2ページ ⑫、公式記入例 ⓬
⑬昇給降給:昇給・降給のあった月と区分を書く
昇給または降給のあった月を書き、「1.昇給」「2.降給」の該当する区分を○で囲みます。公式の記入例は空欄です。
根拠:様式2ページ ⑬、公式記入例
⑭遡及支払額:さかのぼって支払った差額があるときに書く
遡及分の支払があった月と、その月に支払われた遡及差額分を書きます。該当しなければ空欄です。
根拠:様式2ページ ⑭
⑮改定年月:終了日の翌日が属する月から4か月目を書く
標準報酬月額が改定される年月を書きます。育児休業等終了年月日の翌日が属する月から4か月目で、⑧に書いた3か月目の翌月です。
記入例:令和9年1月(終了日の翌日は令和8年10月1日。10月から数えて4か月目)
根拠:様式2ページ ⑮、公式記入例 ⓭
⑯給与締切日・支払日:締切日と、当月・翌月どちらの何日払いかを書く
給与の締切日を書きます。締切日が月末の場合は「末日」と書くと、様式2ページ目にあります(公式の記入例は「月末」と記入)。支払日は「当月」「翌月」の該当するほうを○で囲み、日を書きます。
記入例:締切日 末日/支払日 当月25日
根拠:様式2ページ ⑯、公式記入例 ⓮
⑰備考:70歳以上・短時間労働者・パートなどに当たるときに○で囲む
「1.70歳以上被用者」「2.二以上勤務被保険者」「3.短時間労働者(特定適用事業所等)」「4.パート」に当たるときは、番号を○で囲みます。1〜5のどれにも当たらなければ何も書きません。
3か月の間に被保険者区分(一般と短時間労働者)が変わったときは、「5.その他」を○で囲み、区分が変わったあとの賃金が支払われた月と、変更後の被保険者区分を書きます。
様式の「短時間労働者」は、1週間の所定労働時間または1か月の所定労働日数が正社員の4分の3未満で、週20時間以上勤務し、特定適用事業所などに使用されている人です。「パート」は、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上の短時間就労者です。
根拠:様式2ページ ⑰・お知らせ、日本年金機構「詳細説明(ケース6-5)」
⑱月変該当の確認:産前産後休業を続けて開始していないことを確かめる
育児休業等を終了した翌日に、引き続いて産前産後休業を開始していないことを確かめ、「開始していません」の□にチェックを付けます。引き続き産前産後休業を開始している場合は、保険料免除が適用されるため、月額変更には該当しません。
記入例:「開始していません」の□にチェック
根拠:様式2ページ ⑱、公式記入例 ⓯
⑧〜⑱のポイント
- ⑧は3か月とも書き、⑨⑩は基礎日数が基準以上の月だけで計算する
- ⑩の平均額は1円未満を切り捨てる
- ⑮は⑧の3か月目の翌月
- ⑪⑬⑭は該当するときだけ書く
状況別の記入例:4月復帰・17日未満の月・短時間労働者・パート
公式の記入例にない4つの場面を、同じ様式に書き込みました。金額と日数は架空の例です。
4月に復帰した場合(3月31日に育休を終了)
⑦が令和9年3月31日なら、翌日の4月1日が属する4月から数えて、⑧の支給月は4月・5月・6月、⑮の改定年月は令和9年7月です。日本年金機構も、終了日の翌日の属する月が4月である場合は7月の標準報酬月額から改定されると案内しています。
(新しいタブで開きます)7月から12月に改定された標準報酬月額は、再び随時改定などがない限り、翌年の8月までの各月に適用されます。この例の7月改定なら、令和10年8月までです。
月の途中で復帰し、17日未満の月がある場合
令和8年10月15日に育休を終え、給与が月末締め・翌月10日払いの会社の例です。⑧の支給月は10月・11月・12月で、10月に支払う給与は基礎日数0日、11月に支払う給与は欠勤控除後の日数が11日でした。17日以上は12月だけなので、⑨総計は238,000円、⑩平均額も238,000円(1か月で割る)です。
(新しいタブで開きます)3か月とも17日未満(パートは15日未満、短時間労働者は11日未満)だと、基準を満たす月がないため、育児休業等終了時改定は行われません。
短時間労働者(特定適用事業所等)の場合
⑰の「3.短時間労働者」を○で囲みます。基礎日数は11日以上の月が対象です。この例は12日・13日・10日なので、10月と11月の2か月で⑨総計202,500円、⑩平均額101,250円になります。
(新しいタブで開きます)パート(短時間就労者)で3か月とも17日未満の場合
⑰の「4.パート」を○で囲みます。17日以上の月が1か月でもあれば、その月だけで計算します。3か月とも17日未満なら、15日以上の月で計算します。この例は16日・15日・14日なので、10月と11月の2か月で⑨総計295,000円、⑩平均額147,500円です。
(新しいタブで開きます)根拠:様式2ページ ⑧⑨⑩⑰・お知らせ、日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」
終了日と給与を入れると、⑧⑨⑩⑮と申出できるかが分かる
育児休業等の終了日を入れると、⑧に書く3か月と⑮の改定年月が出ます。3か月の基礎日数と㋒合計、従前の標準報酬月額を入れると、⑨総計・⑩平均額と、従前と1等級以上の差があるかどうかも出ます。
⑧の支給月は、育児休業等終了日の翌日の属する月から3か月です。⑨総計と⑩平均額は、基礎日数が17日以上の月(短時間労働者は11日以上。パートで3か月とも17日未満なら15日以上)だけで計算し、平均額は1円未満を切り捨てます。⑮は終了日の翌日が属する月から4か月目です。
育児休業等の終了日ごとの早見表(⑧の支給月と⑮の改定年月)を開く
| 育児休業等の終了日 | ⑧ 支給月に書く3か月 | ⑮ 改定年月 |
|---|---|---|
| 令和8年10月31日 | 11月・12月・1月 | 令和9年2月 |
| 令和8年11月30日 | 12月・1月・2月 | 令和9年3月 |
| 令和8年12月31日 | 1月・2月・3月 | 令和9年4月 |
| 令和9年1月31日 | 2月・3月・4月 | 令和9年5月 |
| 令和9年2月28日 | 3月・4月・5月 | 令和9年6月 |
| 令和9年3月31日 | 4月・5月・6月 | 令和9年7月 |
| 令和9年4月15日 | 4月・5月・6月 | 令和9年7月 |
| 令和9年4月30日 | 5月・6月・7月 | 令和9年8月 |
標準報酬月額は、平均額がどの区分に入るかで決まります。たとえば平均額が230,000円以上250,000円未満なら240千円、250,000円以上270,000円未満なら260千円です(協会けんぽ 令和8年3月分からの保険料額表)。
デメリットは?出し忘れたら?二人目のときは?
復帰後に給与が下がった人は、この届を出すと標準報酬月額が下がり、毎月の健康保険料・厚生年金保険料が下がります。その一方で、標準報酬月額をもとに計算される給付にも影響します。
この改定は被保険者の申出が要件で、申出がなければ行われません。その場合に標準報酬月額が見直されるのは、随時改定の要件に当たったときか、毎年の定時決定(9月から翌年8月までの各月に適用)です。
| 影響するもの | どうなるか | 根拠 |
|---|---|---|
| 傷病手当金・出産手当金 | 1日あたりの額は、支給開始日以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30日で割り、その3分の2。下がった標準報酬月額の月がこの12か月に入ると、平均が下がる | 協会けんぽ「傷病手当金」「出産手当金」の計算式 |
| 将来の厚生年金 | 養育期間標準報酬月額特例申出書をあわせて出すと、年金額の計算では養育期間以前の従前標準報酬月額を用いることができる | 様式1ページ「変更後の標準報酬月額が以前より下がった方へ」 |
年金が減るのが心配です。出さないほうがよいですか?
年金額の計算については、様式そのものが『養育期間標準報酬月額特例申出書』をあわせて提出するよう案内しています。みなし措置は被保険者の申出が必要で、申出日より前の期間は、申出日の前月までの2年間について認められます。手当金の計算には、このみなし措置の記載はありません。
養育期間標準報酬月額特例申出書の書き方標準報酬月額が下がった人が、あわせて出す申出書
出し忘れに気づいたら
提出時期は「速やかに」とされていて、日本年金機構の様式ページ・制度ページには「何日以内」という期限や、さかのぼって出せる期間の記載がありません。復帰から時間がたっている場合は、いつの分から改定できるかを、管轄の年金事務所に確かめてください。
二人目の産休に続けて入るとき
育児休業等を終了した日の翌日に、引き続いて次の子の産前産後休業を始めた場合は、この申出はできません。いったん復帰してから次の産休に入る場合は、ほかの要件(1等級以上の差など)を満たせば申出できますが、次の出産手当金は上の表の計算式で決まるため、標準報酬月額を下げた月が12か月に入ることを本人が確かめてから申し出ます。
根拠:様式1・2ページ、日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」「随時改定(月額変更届)」「定時決定(算定基礎届)」、協会けんぽ「傷病手当金」「出産手当金」
書き間違えやすい8つのポイント
様式2ページ目の記入方法と公式記入例から、間違えやすい書き方を集めました。
| やりがちな書き方 | 正しい書き方 | 根拠 |
|---|---|---|
| NG申出者欄の□にチェックがない、または会社が代わりに付ける | OK必ず被保険者本人が□にチェックを付ける | 様式2ページ 申出者欄 |
| NG⑦に復帰した日(出勤を始めた日)を書く | OK育児休業を終了した日(休業の最後の日)を書く | 様式2ページ ⑦ |
| NG⑧の支給月を、復帰した月の翌月から書く | OK育児休業等終了日の翌日の属する月から3か月を書く | 様式2ページ ⑧ |
| NG「給与計算の基礎日数」に給与の支払日を書く | OK月給者は暦日数、日給者は出勤日数など、給与支払の対象となった日数を書く | 様式2ページ ⑧ |
| NG17日未満の月を⑧に書かない、または⑨の総計に含める | OK⑧には3か月とも書き、⑨⑩は17日以上の月だけで計算する | 様式2ページ ⑨⑩、公式記入例 ❿ |
| NG⑩の平均額を四捨五入する | OK1円未満を切り捨てる | 様式2ページ ⑩ |
| NG⑮に、復帰した月や3か月目の月を書く | OK終了日の翌日が属する月から4か月目を書く | 様式2ページ ⑮ |
| NG短時間労働者・パートなのに⑰を○で囲まない | OK該当する「3.短時間労働者」「4.パート」を○で囲む | 様式2ページ ⑰ |
欄ごとの書き方一覧
全22欄の一覧表を開く(欄・記入者・書く内容・根拠)
| 欄 | 記入者 | 書く内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 提出日 | 事業主 | 事業主が年金事務所・事務センターへ提出した日 | 公式記入例 ❶ |
| 整理記号 事業所整理記号 | 事業主 | 新規適用時または名称・所在地変更時に付された記号 | 様式2ページ |
| 事業所 事業所情報 | 事業主 | 所在地・名称・事業主氏名・電話番号 | 公式記入例 ❸ |
| 申出者 申出者欄 | 本人(□のチェック) | □のチェックは必ず本人。事業主へ出した日付、住所・氏名・電話 | 様式2ページ |
| ① 被保険者整理番号 | 事業主 | 資格取得時に払い出された番号 | 様式2ページ |
| ② 個人番号[基礎年金番号] | 事業主 | 本人確認のうえ個人番号、または10桁・左詰めの基礎年金番号 | 様式2ページ |
| ③ 被保険者氏名 | 事業主 | 住民票どおりの氏名、フリガナはカタカナ | 様式2ページ |
| ④ 被保険者生年月日 | 事業主 | 年号を○で囲み、年月日 | 様式2ページ |
| ⑤ 子の氏名 | 事業主 | 養育している子の氏名とフリガナ | 公式記入例 |
| ⑥ 子の生年月日 | 事業主 | 年号を○で囲み、年月日 | 公式記入例 |
| ⑦ 育児休業等終了年月日 | 事業主 | 育児休業を終了した日 | 様式2ページ |
| ⑧ 給与支給月及び報酬月額 | 事業主 | 終了日の翌日の属する月から3か月の支給月・基礎日数・通貨・現物・合計 | 様式2ページ |
| ⑨ 総計 | 事業主 | 基礎日数が基準以上の月の㋒合計の総計 | 様式2ページ |
| ⑩ 平均額 | 事業主 | ⑨÷対象の月数(1円未満切捨て) | 様式2ページ |
| ⑪ 修正平均額 | 事業主 | さかのぼった昇給の差額分を除いた平均額(該当時のみ) | 様式2ページ |
| ⑫ 従前標準報酬月額 | 事業主 | 従前の標準報酬月額(健・厚、千円単位) | 様式2ページ |
| ⑬ 昇給降給 | 事業主 | 昇給・降給のあった月と区分(該当時のみ) | 様式2ページ |
| ⑭ 遡及支払額 | 事業主 | 遡及分の支払があった月と差額分(該当時のみ) | 様式2ページ |
| ⑮ 改定年月 | 事業主 | 終了日の翌日が属する月から4か月目 | 様式2ページ |
| ⑯ 給与締切日・支払日 | 事業主 | 締切日(月末は「末日」)と、当月・翌月の別と支払日 | 様式2ページ |
| ⑰ 備考 | 事業主 | 70歳以上被用者・二以上勤務・短時間労働者・パートに○。3か月の間に被保険者区分が変わったときは5.その他に○と、変更後の賃金が支払われた月・変更後の区分 | 様式2ページ、詳細説明(ケース6-5) |
| ⑱ 月変該当の確認 | 事業主 | 引き続いて産前産後休業を開始していないことを確かめてチェック | 様式2ページ |
何を添えて、どこへ出す?
添付書類は原則不要です。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請・郵送・窓口持参で出せます。提出時期は「速やかに」です。健康保険組合に加入している事業所は、現物給与の価額などに組合の規約による定めがある場合があるので、加入先の健康保険組合の案内も確認してください。
事業主など本人以外が電子申請をする場合は、原則として申請者と代理人の双方の電子署名が必要です。本人が作成した「事業主を代理とする旨の委任状」を画像ファイル(JPEGまたはPDF)で添付するか、電子申請様式の「届出意思の確認」欄にチェックを入れると、本人の電子署名の添付を省略できます。
- 復帰する従業員に、この届の内容と手当金・年金への影響を説明する
- 終了日の翌日が属する月から3か月分の給与を支払い、基礎日数と金額を確かめる(上の道具で⑨⑩と等級の差を確認できる)
- 申出者欄の□に本人がチェックを付け、日付・住所・氏名を書いた届書を事業主へ出す
- 事業主が残りの欄を書き、事務センターか管轄の年金事務所へ速やかに提出する
- 標準報酬月額が下がる場合は、養育期間標準報酬月額特例申出書もあわせて出す
根拠:日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」「委任状が必要となる場合について(電子申請)」
提出前に確認すること
用意しておく書類(チェックはこの端末にだけ保存されます)
出したあとはどうなる?
届が受け付けられると、育児休業等終了日の翌日が属する月から4か月目の標準報酬月額から改定されます。1月から6月に改定された場合は当年の8月まで、7月から12月に改定された場合は翌年の8月まで、再び随時改定などがない限りその標準報酬月額が適用されます。
復帰の前後には、次の手続きも続きます。
育児休業等取得者申出書の書き方育休中の保険料免除と、予定より早く終えたときの終了届
被保険者報酬月額変更届の書き方固定的賃金が変わり2等級以上の差が出たときの随時改定
被保険者報酬月額算定基礎届の書き方毎年7月に出す定時決定の届書
短時間勤務で復帰した人は、出生後休業支援給付金・育児時短就業給付金の仕組みも確認しておくと、手取りの見通しが立てやすくなります。手当金の計算は傷病手当金支給申請書の書き方と出産手当金支給申請書の書き方で説明しています。
ほかに使える給付がないか、補助金・給付金の診断でも確かめられます。
よくある質問
Q1.育児休業等終了時報酬月額変更届は、誰がいつ出しますか?
育児休業等の終了日に3歳未満の子を養育している被保険者が申し出て、事業主が事務センターか管轄の年金事務所へ速やかに提出します。終了日の翌日が属する月から3か月分の報酬を書くので、3か月目の給与を支払ったあとに出すことになります。
Q2.添付書類は必要ですか?
原則不要です。本人以外が電子申請をする場合は、本人が作成した委任状の画像ファイルを添付するか、電子申請様式の「届出意思の確認」欄にチェックを入れると、本人の電子署名を省略できます。
Q3.4月に復帰した場合、いつから保険料が変わりますか?
3月31日に育児休業等を終了して4月に復帰した場合、4月・5月・6月に受けた報酬の平均額をもとに、7月の標準報酬月額から改定されます。7月から12月に改定された標準報酬月額は、再び随時改定などがない限り翌年の8月まで適用されます。
Q4.時短勤務で基本給が変わっていなくても出せますか?
出せます。育児休業等終了時改定は、通常の月額変更届(随時改定)と違い、固定的賃金の変動がなくても行われます。従前と1等級以上の差があり、基礎日数が17日以上の月が3か月のうち1か月以上あることが条件です。
Q5.この届を出すデメリットはありますか?
下がった標準報酬月額の月が支給開始日以前の12か月に入ると、傷病手当金や出産手当金の1日あたりの額の計算に使う標準報酬月額の平均が下がります。将来の厚生年金は、養育期間標準報酬月額特例申出書をあわせて出すと、養育期間以前の従前標準報酬月額を用いて計算されます。健康保険組合には独自の給付がある場合があるので、加入先の健康保険組合に確認してください。
Q6.育休のあと続けて二人目の産休に入る場合も出せますか?
育児休業等を終了した日の翌日に、引き続いて産前産後休業を開始した場合は、この申出はできません。様式の⑱で、開始していないことを確かめてチェックを付けます。
Q7.パートや短時間労働者は、何日以上の月で計算しますか?
特定適用事業所などに勤める短時間労働者は、基礎日数が11日以上の月で計算します。パート(短時間就労者)は17日以上の月で計算し、3か月とも17日未満の場合は15日以上の月で計算します。⑰の備考で「3.短時間労働者」または「4.パート」を○で囲みます。
最終更新:2026年10月5日(令和8年。日本年金機構の様式ページ 2025年12月25日更新時点の様式に基づく)
出典
- 日本年金機構「6-5:育児休業等終了後に受け取る報酬に変動があったとき」(様式・記入例)(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「委任状が必要となる場合について(電子申請)」(新しいタブで開きます)
- 健康保険法 第43条の2(育児休業等を終了した際の改定)(新しいタブで開きます)
- 全国健康保険協会「令和8年度保険料額表(令和8年3月分から)」(新しいタブで開きます)
- 全国健康保険協会「傷病手当金」(新しいタブで開きます)
- 全国健康保険協会「出産手当金」(新しいタブで開きます)
次にすること
- 育児休業等終了時報酬月額変更届をダウンロードする(様式カードのボタン)
- 申出者欄から順に書く(画像の「欄ごとに解説を見る」で1欄ずつ確認できます)
- 提出前に確認する
編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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