この記事の結論
補助金の概要 対象・上限額・申請期限・関連制度を確認
65歳以上で聴覚障害の身体障害者手帳を持たない中等度難聴の高齢者(横…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 65歳以上で聴覚障害の身体障害者手帳を持たない中等度難聴…
- 補助上限
- 最大72,450円
- 補助率・給付条件
- 補装具費支給制度は基準額の9割を公費負担(原則1割自己負担・負担上限月額37,200円、市町村民税非課税世帯および生活保護世帯は0円)。自治体独自の高齢者補聴器購入費助成は定額上限型が主流で上限20,000円〜72,450円。府中市は本体費用の2分の1・上限40,000円、御殿場市は購入費の2分の1以内・上限30,000円、八王子市は50,000円超過分に対し上限30,000円。
- 公募期間
- 2027年3月31日締切(予定)
- 実施機関
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)
- 申請方法
- オンライン申請
- 必要書類
- 高齢者補聴器購入費助成申請書(自治体様式)、耳鼻咽喉…
- 公募要領
- 公募要領(公式)
- 最大72,450円まで補助される制度です
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
詳細解説
補聴器は片耳15万〜50万円が相場の管理医療機器で、公的医療保険は使えない。それでも購入費の負担を下げる道は二つある。一つは聴覚障害の身体障害者手帳を持つ人が使う国の補装具費支給制度、もう一つは手帳が交付されない中等度難聴の高齢者に向けて区市町村が独自に設けている高齢者補聴器購入費助成だ。後者は上限額も所得要件も年齢も自治体ごとにばらばらで、品川区のように所得制限なしで72,450円を出す区がある一方、横浜市のように市民税非課税世帯かつ先着300人という枠もある。同じ日本国内で、住む場所が変わるだけで受け取れる額が3.6倍違う。この記事では2026年7月27日時点の公式ページで確認できた実額だけを使い、二つの制度の切り分け、全国14自治体の助成額一覧、そして最も多い失敗である「先に買ってしまった」を防ぐ手順を整理する。
この記事の要点(TL;DR)
読む時間がない人へ・5行まとめ
- 補聴器の公的支援は「手帳あり=国の補装具費支給制度」「手帳なし=自治体独自の高齢者助成」の2系統。どちらか一方しか使えない。
- 自治体助成の上限は20,000円〜72,450円。品川区・江東区・文京区の72,450円が現時点の最高水準。
- ほぼすべての自治体で購入前の申請と交付決定が必須。買ってから申請すると1円も出ない。例外は浦安市など少数。
- 手帳があるなら補装具費支給制度が原則1割負担、負担上限月額37,200円。ただし住民税所得割46万円以上は対象外。
- 助成を受けても自己負担は残る。残りは医療費控除で取り戻せる。鍵は「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」。
自分がどの制度の対象になるかを最短で見極めたい人は、3分の無料診断で対象になる補助金を絞り込むと、補聴器以外に使える高齢者向けの給付も同時に洗い出せる。
補聴器の補助金は「2つの制度」に分かれる
高齢者補聴器購入費助成とは、加齢性難聴により日常会話に支障がありながら聴覚障害の身体障害者手帳の交付基準に届かない高齢者に対し、区市町村が補聴器本体の購入費の一部を給付する制度である。国の法定制度ではなく、自治体が予算を組んで実施する独自事業だ。ここを取り違えると、厚生労働省のページをいくら読んでも自分の使える制度にたどり着けない。
A:補装具費支給制度(国・全国共通)
- 根拠は障害者総合支援法。実施主体は市町村
- 聴覚障害の身体障害者手帳が必要(おおむね両耳70デシベル以上)
- 身体障害者更生相談所等の判定または意見に基づき市町村長が決定
- 基準額の範囲内で原則9割を公費負担、自己負担は1割
- 本人または配偶者のうち区市町村民税所得割の最多納税者が46万円以上なら対象外
B:高齢者補聴器購入費助成(自治体独自)
- 根拠は各自治体の要綱。実施していない自治体もある
- 手帳がないことがむしろ条件(Aとの二重取りを防ぐため)
- 耳鼻咽喉科医の意見書・証明書が必要
- 上限額は定額型が主流。府中市・御殿場市は購入費の2分の1以内
- 所得要件は「非課税限定」「所得135万円以下」「制限なし」と三者三様
Bの助成は住民税非課税かどうかで金額が変わる設計が増えている。自分の世帯が非課税に該当するかを先に確定させておくと、申請前に助成額の見当がつく。判定基準は住民税非課税世帯【令和8年度】の判定ラインと使える給付一覧で年金収入ベースの目安まで確認できる。年金を受け取りながら働いている人は、在職老齢年金の支給停止基準額引き上げで手取りがどう変わるかも併せて見ておくと、課税・非課税の境目を跨ぐかどうかを判断しやすい。
全国14自治体の助成額一覧(2026年7月時点の実額)
以下は各自治体の公式ページで2026年7月27日に確認できた内容だけを載せている。金額が公表されていない自治体、報道のみで公式ページに記載がない自治体は意図的に外した。
| 自治体 | 助成上限額 | 所得要件 | 年齢・聴力要件 | 申請の順序 |
|---|---|---|---|---|
| 東京都品川区 | 72,450円 | 所得制限なし | 65歳以上/両耳40dB以上70dB未満以上 | 購入前申請が必須 |
| 東京都江東区 | 72,450円(現物支給も選択可) | 公式ページに記載なし | 65歳以上/耳鼻咽喉科の聴力検査で必要と認定 | 購入前申請が必須(決定日前の購入は対象外) |
| 東京都文京区 | 72,450円 | 公式ページに記載なし | 65歳以上(年度内に65歳になる人を含む)/医師が必要性を認定 | 購入前申請が必須 |
| 東京都渋谷区 | 72,000円 | 住民税非課税、または課税でも合計所得135万円以下 | 65歳以上/耳鼻咽喉科専門医の証明 | 購入前申請が必須(決定後は原則3か月以内に購入) |
| 東京都中央区 | 非課税72,000円/課税35,000円 | 2025年8月1日から所得制限を撤廃(額は課税状況で変動) | 65歳以上/耳鼻咽喉科医が必要と認定 | 購入前申請が必須 |
| 東京都大田区 | 50,000円 | 2026年4月1日改正で住民税課税世帯にも拡充 | 満65歳以上/耳鼻咽喉科医が必要と認定 | 購入前申請が必須(認定補聴器技能者の在籍店で購入) |
| 東京都府中市 | 本体費用の2分の1・上限40,000円 | 前年の合計所得金額210万円未満 | 満65歳以上/両耳40dB以上または片耳70dB以上 | 購入前申請が必須(交付決定前の購入は対象外) |
| 東京都八王子市 | 50,000円超過分に対し上限30,000円 | 公式ページに記載なし | 満65歳以上/両耳40dB以上 | 交付決定後に市登録販売店で購入 |
| 東京都町田市 | 30,000円 | 市民税非課税 | 65歳以上/原則両耳40dB以上70dB未満 | 購入前申請が必須 |
| 神奈川県横浜市 | 20,000円 | 市民税非課税世帯 | 50歳以上/両耳30dB以上 | 補聴器相談医への購入前相談が必須・先着300人 |
| 千葉県市川市 | 30,000円 | 市民税非課税世帯 | 65歳以上/耳鼻咽喉科医の証明 | 購入前に相談と医師証明、購入後に申請 |
| 千葉県浦安市 | 35,000円 | 市民税非課税 | 65歳以上/医師が難聴と認定 | 購入後の申請(購入日の翌日から1年以内) |
| 兵庫県明石市 | 20,000円(1人1回限り) | 公式ページに記載なし | 満65歳以上/中等度難聴程度 | 購入前申請が必須(決定通知前の購入は対象外) |
| 静岡県御殿場市 | 購入費の2分の1以内・上限30,000円 | 市税等の滞納がないこと | 65歳以上/両耳70dB未満 | 交付決定前の購入は対象外 |
この表から読み取るべき3つの傾向
1.東京23区が突出している。72,450円という同額が品川区・江東区・文京区で並ぶのは、補装具費支給制度の基準額を参照して上限を設計しているためだ。2.所得要件は緩む方向にある。中央区は2025年8月に所得制限を撤廃し、大田区は2026年4月に課税世帯へ拡充した。過去に「非課税でないから無理」と諦めた人は要件を確認し直す価値がある。3.年齢の下限は65歳が標準だが例外がある。横浜市は50歳以上、両耳30dB以上と、対象を広く取る代わりに先着300人という枠を設けている。
助成が実施されていない自治体に住んでいても、打つ手がないわけではない。介護保険の要支援・要介護認定を受けているなら、担当ケアマネジャー経由で使える給付が別にある。ケアマネが案内できる給付金一覧で在宅生活の費用を減らすを読むと、補聴器以外の福祉用具や住宅改修の枠が見つかることが多い。高齢の親を施設に預けている家庭は、介護施設の物価高騰補助金2026で利用料の上昇を抑える仕組みも確認しておきたい。玄関チャイムやインターホンが聞こえないといった生活面の困りごとは、機器の交換や手すり設置で解決できることもある。工事費の一部は住宅リフォーム補助金まとめ2026で高齢者向け改修の補助枠を探すと回収できる。
補装具費支給制度(手帳あり)の中身と自己負担
聴覚障害の身体障害者手帳を持っている、あるいは取得できる可能性がある人は、自治体助成ではなくこちらの制度が本線になる。厚生労働省の説明では、対象は「補装具を必要とする障害者、障害児、難病患者等」で、実施主体は市町村、支給は「身体障害者更生相談所等の判定又は意見に基づく市町村長の決定」により行われる。
| 所得区分 | 負担上限月額 | 実際の自己負担 |
|---|---|---|
| 生活保護受給世帯 | 0円 | 負担なし |
| 市町村民税非課税世帯 | 0円 | 負担なし |
| 市町村民税課税世帯 | 37,200円 | 基準額の1割(上限に達するまで) |
| 所得割46万円以上の世帯 | 支給対象外 | 全額自己負担 |
見落とされがちな「46万円の壁」
東京都福祉局の説明では「本人又は配偶者のうち、区市町村民税所得割の最多納税者の納税額が46万円以上の場合は、公費負担の対象外」となる。判定に入るのは本人と配偶者であり、同居している子の所得は原則として見ない。世帯分離をしていない同居家族がいるからと諦めて申請しない人がいるが、これは誤解だ。
父は片耳がほとんど聞こえませんが、もう片方は普通です。手帳は取れますか。
聴覚障害の等級判定は原則として両耳の聴力レベルで見るため、片耳が正常に近い場合は手帳の対象外になりやすい。そのときこそ自治体独自の高齢者助成の出番です。府中市のように「片耳70dB以上」を単独の要件に含める自治体もあるので、まず住んでいる市区町村の要綱を確認してください。
手帳の取得が視野に入るなら、金銭給付の制度も同時に検討する余地がある。日常生活で常時介護を要する状態なら特別障害者手当の申請書の書き方と月27,000円台の受給条件が、就労や生活の困難が続いているなら障害年金の申請書と診断書の書き方で不支給を避ける実務が参考になる。いずれも診断書の記載内容で結果が変わる点は補聴器の意見書と同じ構造だ。
対象になる人・ならない人
対象になりやすい人
- 65歳以上で、両耳の平均聴力が40dB以上70dB未満(中等度難聴)
- 聴覚障害の身体障害者手帳を持っていない
- 過去5年以内に同じ助成を受けていない
- 耳鼻咽喉科を受診し、医師が補聴器の必要性を認めている
- 申請日時点でその自治体に住民登録がある
対象から外れる人
- すでに聴覚障害の手帳を持ち、補装具費支給制度を使える人
- 助成の交付決定より前に補聴器を購入した人
- 集音器・助聴器を購入した人(管理医療機器の補聴器のみが対象)
- 所得要件のある自治体で、住民税課税世帯に該当する人
- 八王子市・大田区のように指定販売店以外で購入した人
対象者・対象事業
対象地域(全国)
- 目的
- 医療・福祉
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 65歳以上で聴覚障害の身体障害者手帳を持たない中等度難聴の高齢者(横浜市は50歳以上)。聴覚障害の手帳を持つ人は障害者総合支援法の補装具費支給制度が対象。
- 補助上限
- 最大72,450円
- 難易度
- 2
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
「集音器」を買ってしまう事故が一番多い
通販で1万円前後で売られている「集音器」「助聴器」は、医療機器としての認証を受けていない音響機器で、ほぼすべての自治体で助成対象外だ。対象になるのは薬機法上の管理医療機器として認証された補聴器に限られる。判別できないときは、認定補聴器技能者が在籍する認定補聴器専門店で購入すれば取り違えは起きない。
聴力の低下は他の健康リスクと同時に進むことが多い。通院回数が増えている家庭は高額療養費制度の2026年8月改定で自己負担限度額がどう変わるかを先に押さえておくと、年間の医療費見通しが立てやすい。帯状疱疹など高齢者に多い疾患の予防接種にも公費助成があり、帯状疱疹ワクチン助成の全国自治体一覧で接種費用を半額以下にするで自分の自治体の額を確認できる。ここまで読んで自分が使える制度が複数ありそうだと感じたら、3分で使える給付金を診断するで一度まとめて棚卸ししてほしい。
申請でよくある不採択・落とし穴
補聴器助成は競争的な補助金ではなく、要件を満たせば支給される定額給付だ。それでも申請が通らない事例は毎年発生する。原因のほとんどは制度の中身ではなく手続きの順序にある。
落とし穴1:買ってから申請した
最も多い不採択の理由がこれだ。文京区は「必ず、購入前の申請及び決定が必要です」「助成決定通知より先に補聴器を購入した場合、助成の対象外となります」と明記している。江東区も「申請前・支給決定日より前に購入した補聴器購入費は助成対象外」とする。補聴器店で「あとで区に請求できますよ」と言われて先に購入し、窓口で差し戻しになるケースが後を絶たない。例外は浦安市(購入日の翌日から1年以内に申請)や市川市(購入後に申請書を提出)のような少数派で、そこに該当しない限り順序を逆にした時点で挽回はできない。
落とし穴2:予算枠に達して受付が終わっていた
横浜市の令和8年度は「先着300人、予算上限に達し次第、受付終了」と告知されている。受付期間は令和8年6月22日から令和9年2月26日必着だが、300人に達すれば期間内でも締め切られる。年度末に動くと間に合わない構造になっているため、先着制の自治体では年度が変わった直後に申請するのが唯一の正解だ。予算枠で早期終了する制度は補聴器に限らない。受付中の補助金一覧から締切の近い制度を先に押さえる習慣をつけておきたい。
落とし穴3:決定後に放置して期限切れ
渋谷区は決定通知の受領後、原則3か月以内に購入手続きを進めることを求めている。決定が出たあと機種選びで悩んでいるうちに期限を過ぎると、再申請が必要になる。試聴期間を含めた購入スケジュールを、申請前に販売店と決めておきたい。
落とし穴4:指定外の店で買った
大田区は2026年4月から「認定補聴器技能者が在籍する販売店での購入」を要件に加えた。八王子市は「市が登録する販売店以外で購入した補聴器は助成の対象外」とする。価格の安いネット通販や家電量販店で購入すると、要件を満たさず差し戻しになる。
落とし穴5:意見書の記載が要件に届いていない
医師の意見書に聴力レベルの数値が書かれておらず「難聴あり」とだけ記載されていた、というNG事例がある。町田市のように「両耳とも平均聴力レベルが40デシベル以上70デシベル未満」と数値で線を引く自治体では、数値の記載がない意見書は審査で止まる。受診時に自治体の様式を持参し、記入すべき欄を医師に示すのが確実だ。
先に買ってしまいました。もう助成は受けられないのでしょうか。
購入前申請を要件とする自治体では、その1台についての助成は諦めるしかありません。ただし多くの自治体は「5年に1回」など期間を区切って再支給を認めています。次回の買い替えでは必ず先に申請してください。また、今回の購入費は医療費控除の対象にできる可能性が残っています。診療情報提供書の要件を満たすかを耳鼻咽喉科に確認しましょう。
申請の流れと期限
購入前申請型の自治体を前提とした標準的な流れは次のとおりだ。受診から交付までおおむね1か月半から2か月を見ておきたい。
- 役所の窓口・公式ページで要綱を確認する。高齢福祉担当課が窓口になることが多い。所得要件・年齢・聴力の基準値と、指定販売店の有無をこの段階で確定させる。
- 自治体の様式(医師意見書・証明書)を入手する。公式ページからダウンロードできる自治体が大半だ。様式を持たずに受診すると二度手間になる。
- 耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査と意見書の記入を受ける。横浜市のように「耳鼻咽喉科補聴器相談医」の証明を要件とする自治体があるため、受診先の医師が相談医かを事前に確認する。
- 販売店で見積書を作成してもらう。機種と金額が確定した見積書が申請書類になる。この時点ではまだ購入しない。
- 申請書・意見書・見積書・本人確認書類・課税証明等を窓口へ提出する。所得要件のある自治体では課税・非課税の確認書類が必要になる。
- 交付決定通知を受け取る。ここまで購入は厳禁。決定通知に記載された有効期限を必ず控える。
- 決定後に補聴器を購入し、領収書を受け取る。指定販売店の要件がある場合は該当店で購入する。
- 実績報告・請求書と領収書を提出し、指定口座へ振込を受ける。現物支給方式(江東区の選択肢)の場合はこの工程が不要になる。
年度切り替え直後が最も有利
先着制・予算枠制の自治体では、4月から6月にかけての申請が最も通りやすい。横浜市の令和8年度受付は6月22日開始で、令和9年2月26日必着だが先着300人で終了する。年度末に思い立つと、要件を満たしていても枠が残っていないという事態になる。
両耳分を買いたいのですが、助成は2台分出ますか。
多くの自治体は「両耳用または片耳用のいずれか1台」と定めています。八王子市は明確にそう書いていますし、品川区も助成対象を「両耳または左右いずれかの耳に装用する補聴器1台の本体費用」としています。2台目は自費になるのが原則です。ただし品川区は電池・充電器・イヤモールドを助成対象に含めるなど、周辺費用の扱いは自治体差があります。見積書に何を含めるかで受け取れる額が変わるので、申請前に窓口で確認してください。
医療費控除で自己負担分を取り戻す
助成を受けても差額の自己負担は残る。片耳30万円の補聴器に72,450円の助成が出ても、227,550円は自腹だ。ここで効いてくるのが医療費控除である。国税庁のタックスアンサーは、医療費控除の対象に「義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯、眼鏡などの購入費用」を挙げ、医師の診療や治療を受けるため直接必要な場合に限ると定めている。
| 条件 | 内容 | 準備するもの |
|---|---|---|
| 受診先 | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定した補聴器相談医であること | 学会サイトの相談医名簿で事前確認 |
| 書類 | 「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の交付を受ける | 同書の写しを保管 |
| 購入先 | 認定補聴器専門店等で購入し、診療情報提供書を提出する | 購入年月日・金額・購入者名・販売店名が明記された領収書 |
| 金額の範囲 | 一般的に支出される水準を著しく超えない部分の金額 | 高級機種は全額が認められない可能性がある |
| 申告 | 確定申告で医療費控除として申告する | 医療費控除の明細書・領収書の保管(5年間) |
順序を間違えると控除も落ちる
診療情報提供書は購入前に交付を受けるものだ。補聴器を買ったあとに耳鼻咽喉科へ行って書類だけ書いてもらう、という流れは想定されていない。自治体助成の購入前申請と同じ順序で動けば、助成と医療費控除の両方の要件を一度の受診で満たせる。なお、自治体から助成を受けた金額は「保険金などで補填される金額」として医療費から差し引いて計算する。
必要書類チェックリスト
自治体によって名称は異なるが、求められる書類の骨格は共通している。窓口へ行く前に手元をそろえておくと、申請が一度で終わる。
意見書の文書料は自己負担
医師意見書の作成料は3,000円〜5,000円程度かかり、助成対象外とする自治体が多い。申請が通らなかった場合も返ってこない。要件を満たすかどうかを窓口で確認してから受診する方が、結果的に出費を抑えられる。
他制度との比較
| 比較軸 | 補装具費支給制度 | 自治体の高齢者補聴器助成 | 医療費控除 |
|---|---|---|---|
| 根拠 | 障害者総合支援法 | 各自治体の要綱 | 所得税法 |
| 前提条件 | 聴覚障害の身体障害者手帳 | 手帳がないこと・医師の意見書 | 補聴器相談医の診療情報提供書 |
| 受け取れる形 | 基準額の9割を公費負担 | 上限20,000円〜72,450円の現金給付または現物支給 | 課税所得の圧縮による還付 |
| 所得による制限 | 所得割46万円以上は対象外 | 自治体により非課税限定・制限なしなど | 制限なし(税額のある人ほど効果大) |
| 申請のタイミング | 購入前(判定・決定が必要) | 原則購入前(浦安市など一部は購入後) | 購入翌年の確定申告 |
| 併用 | A・Bは併用不可(どちらか一方) | A・Bのいずれとも併用可 | |
併用できる制度・関連する支援
補聴器の助成だけで生活費の圧迫が解消することは少ない。同じ世帯で使える給付を並べて確認しておきたい。
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よくある質問
Q. 自分の住む市区町村に助成制度があるかどうか、どう調べればいいですか。
A. 自治体の公式サイトで「補聴器 助成」と検索するのが最短だ。担当は高齢福祉課・高齢者支援課であることが多い。制度がない場合でも、聴覚障害の手帳が取得できれば全国共通の補装具費支給制度が使える。手帳の対象になるかは耳鼻咽喉科で聴力検査を受ければ判断できる。
Q. 補装具費支給制度と自治体助成は両方使えますか。
A. 使えない。自治体助成の多くは「聴覚障害による身体障害者手帳を所持していないこと」を要件にしており、そもそも同時に該当しない設計になっている。ただし文京区のように、所得制限で補装具費の支給を受けられない手帳保持者を例外的に対象に含める自治体もある。
Q. 何年かごとに買い替えるとき、また助成を受けられますか。
A. 多くの自治体が5年の間隔を設けている。江東区は「前回の支給決定から5年経過していること」、中央区・文京区も過去5年間に助成を受けていないことを条件にしている。明石市のように「1人1回限り」とする自治体もあるため、要綱の確認が必要だ。
Q. 電池代やイヤモールドの費用も助成されますか。
A. 自治体によって扱いが分かれる。品川区は助成対象を補聴器1台の本体費用とし、付属する電池・充電器・イヤモールドを含めている。一方で「本体のみ」と限定する自治体も多い。見積書の内訳をどう作るかで受け取れる額が変わるので、申請前に窓口へ確認するのが確実だ。
Q. 補聴器を買ったが助成の申請をしていない。医療費控除だけでも受けられますか。
A. 補聴器相談医の診療情報提供書がある場合は控除の対象にできる。ただし同書は購入前の交付が前提であり、購入後に遡って作成してもらう運用は想定されていない。次回の買い替え時は、受診時点で助成の意見書と診療情報提供書を同時に依頼すると無駄がない。
受給後にやるべきこと
補聴器は買って終わりの機器ではない。装用開始から3か月程度は、聞こえ方に合わせた調整(フィッティング)を繰り返す期間になる。ここを省くと「うるさいだけ」と感じて引き出しにしまい込む結果になりやすい。認定補聴器技能者のいる店であれば、購入後の再調整は無料で受けられるのが通常だ。
受給後の3つの行動
- 領収書と診療情報提供書の写しを保管する。翌年の確定申告で医療費控除に使う。保管期間は5年。
- 次回の申請可能時期を控える。5年間隔の自治体なら、交付決定日を家族と共有しておく。
- 世帯で使える他の給付を棚卸しする。非課税世帯向けの給付やワクチン助成は、申請しなければ受け取れない。
出典
- 厚生労働省「補装具費支給制度の概要」(2026年7月27日閲覧)
- 厚生労働省「補装具費支給制度における利用者負担」(2026年7月27日閲覧)
- 国税庁「No.1122 医療費控除の対象となる医療費」(2026年7月27日閲覧)
- 国税庁「補聴器の購入費用に係る医療費控除の取扱いについて(情報)」(2026年7月27日閲覧)
- 東京都福祉局「補装具|障害者総合支援法」(2026年7月27日閲覧)
- 横浜市「横浜市難聴者補聴器購入費助成事業(令和8年度)」(2026年7月27日閲覧)
- 江東区「高齢者補聴器の現物支給及び購入費助成」(2026年7月27日閲覧)
- 文京区「高齢者補聴器購入費用助成事業」(2026年7月27日閲覧)
- 中央区「補聴器購入費用助成」(2026年7月27日閲覧)
- 明石市「高齢者補聴器購入費助成」(2026年7月27日閲覧)
- 浦安市「補聴器の購入費助成」(2026年7月27日閲覧)
- 市川市「補聴器購入費の助成」(2026年7月27日閲覧)
- 御殿場市「高齢者の補聴器購入費を助成します」(2026年7月27日閲覧)
- 品川区「高齢者補聴器購入費助成事業」(2026年7月27日閲覧)
- 渋谷区「高齢者補聴器購入費助成」(2026年7月27日閲覧)
- 大田区「高齢者補聴器購入費助成」(2026年7月27日閲覧)
- 府中市「高齢者補聴器購入費助成事業」(2026年7月27日閲覧)
- 八王子市「高齢者補聴器購入費の助成のご案内」(2026年7月27日閲覧)
- 町田市「高齢者補聴器購入助成」(2026年7月27日閲覧)
最終更新:2026年7月27日/令和8年度の各自治体要綱および厚生労働省・国税庁の公表資料に基づく。
補助金の概要
対象・申請情報まとめ
詳細条件は公募要領で確認してください。
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 65歳以上で聴覚障害の身体障害者手帳を持たな…
- 補助上限
- 最大72,450円
- 公募期間
- 2027年3月31日締切(予定) 締切まで 247日
- 実施機関
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)
- 主要スケジュール
- 締切日 2027年3月31日 全スケジュール ›
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- 必要書類
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- PDF 公募要領(公式)
- 最大72,450円まで補助される制度です
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
この補助金のポイント
- 最大72,450円まで補助される制度です
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
| 補助対象経費 | 補聴器本体(両耳用または片耳用のいずれか1台)の購入費用。品川区は付属する電池・充電器・イヤモールド… 詳細を見る › |
|---|---|
| 公募期間 | 2027年3月31日締切(予定) 締切まで 247日 |
| 実施機関 | 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成) |
| 採択率 | 100% ※過去公募実績 |
| 主要スケジュール |
|
| 申請方法 | オンライン申請 公式申請ページへ |
| 必要書類 | 高齢者補聴器購入費助成申請書(自治体様式)、耳鼻咽喉科医師の意見書・証明書(聴力… 詳細を見る › |
| 公募要領 |
この補助金のまとめ
- 最大72,450円まで補助される制度です
- 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部(補装具費支給制度)/各区市町村 高齢福祉担当課(高齢者補聴器購入費助成)が公募する公的支援制度
- 申請方法はオンライン申請に対応
- 採択率の実績は約100%
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編集: 補助金図鑑 編集部
中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制
本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。

