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ケアマネが利用者に案内できる給付金・助成金一覧【2026年度版】

要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者とその世帯。居宅介護支援事業所のケアマネジャー・地域包括支援センター職員が案内する立場で使う。

申請締切まで あと 248

この記事の結論

対象者要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者とその世帯。居宅介護支援…
補助額・給付額住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なし(補助率 介護サービスの利用者負担は原則1割。合計所得金額160万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額280万円以上(単身。夫婦世帯346万円以上)で2割、合計所得金額220万円以上かつ同340万円以上(単身。夫婦世帯463万円以上)で3割。住宅改修費・福祉用具購入費は支給限度基準額の9割(2割負担は8割、3割負担は7割)を支給。)
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要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者とその世帯。居宅介護支援…

対象地域
全国
対象者
要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者とその世帯。…
補助上限
住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なし
補助率・給付条件
介護サービスの利用者負担は原則1割。合計所得金額160万円以上かつ年金収入+その他の合計所得金額280万円以上(単身。夫婦世帯346万円以上)で2割、合計所得金額220万円以上かつ同340万円以上(単身。夫婦世帯463万円以上)で3割。住宅改修費・福祉用具購入費は支給限度基準額の9割(2割負担は8割、3割負担は7割)を支給。
公募期間
2027年3月31日締切(予定)
実施機関
厚生労働省
申請方法
オンライン申請
必要書類
高額介護サービス費=支給申請書、振込先口座がわかるも…
  • 最大住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なしまで補助される制度です
  • 厚生労働省が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%

詳細解説

担当している利用者の自己負担が急に重くなったとき、ケアマネジャーがその場で制度名を1つ思い出せるかどうかで、その世帯の家計は年間数万円から数十万円変わる。介護保険の法定給付だけでも高額介護サービス費・負担限度額認定・高額医療・高額介護合算療養費・住宅改修費・福祉用具購入費と入口が分かれていて、しかもそのほぼ全部が申請主義だ。要件を満たしていても、誰も案内しなければ1円も戻らない。

さらに2026年(令和8年)8月1日からは、施設入所者の食費・居住費の負担限度額が引き上がる。根拠は令和8年3月13日公布の令和8年厚生労働省告示第88号で、第3段階①・②に該当する利用者は日額で負担が動く。7月中に家族へ説明していないと「聞いていない」と言われる場面が確実に発生する。

この記事は制度の逐条解説ではなく、面談中に開いて指でなぞれる実務表としてまとめた。「利用者の状況 → 案内できる制度 → 窓口 → 主な必要書類」を1枚に集約し、そのうえで金額の実値、差し戻しの典型パターン、取りこぼしを防ぐチェックリストを並べている。数値はすべて厚生労働省の告示・通知と保険者の公表資料から取った。

この記事の結論(TL;DR)

  • 介護保険の負担軽減は申請主義。負担限度額認定・高額介護サービス費・住宅改修費はいずれも申請月起点で、遡及は原則きかない。
  • 2026年8月1日から補足給付(食費・居住費)の負担限度額が引き上げ。第3段階①・②は食費が日額30〜60円、一部を除き居住費が日額100円上がる。
  • 負担限度額認定の段階判定は、令和8年8月から年金収入等の境界が80.9万円 → 82.65万円に見直される。
  • 住宅改修は支給限度基準額20万円・事前申請が必須。着工後に気づいたケースは原則対象外になる。
  • 公的給付で足りない部分は自治体の任意事業(紙おむつ支給・移送費助成・改修の上乗せ)で埋める二層構造で考える。
1,545円食費の基準費用額(2026年8月〜・日額)
20万円住宅改修費の支給限度基準額
44,400円課税世帯の高額介護サービス費 月額上限

利用者や家族から「他に使える給付はないのか」と聞かれたとき、介護保険外の給付金も含めて広く当たりを付けたい場面がある。世帯の課税状況と年齢を入れて候補を洗い出すなら、補助金・給付金の無料診断で世帯に該当しそうな制度を3分で洗い出すのが早い。全国の給付金の受付時期をまとめて押さえておきたいときは給付金スケジュール一覧で年間の申請時期を先に把握しておくと、モニタリング訪問の話題として使える。

ケアマネが案内できる給付金・助成金とは

ケアマネが案内できる給付金・助成金とは、介護保険法にもとづく法定の負担軽減給付と、市区町村が独自財源で行う高齢者向けの任意事業を合わせた、利用者・家族の自己負担を実際に下げる金銭給付の総称である。ケアマネ自身が申請代理人になる制度はほとんどないが、「該当しそうだと気づいて窓口へ送る」役割は居宅介護支援の中核業務そのものだ。

整理のコツは、財源で2層に分けることだ。第1層が全国共通の介護保険給付(高額介護サービス費、特定入所者介護サービス費=負担限度額認定、住宅改修費、福祉用具購入費、高額医療・高額介護合算療養費)。第2層が市区町村の任意事業(紙おむつ支給、移送・タクシー券、住宅改修の上乗せ、家族介護慰労金など)。第1層は要件と金額が全国同一なので暗記できる。第2層は自治体差が大きいので、担当圏域の要綱を1度だけ読んで手元にコピーしておく運用が現実的だ。第2層にどんな類型があるかは高齢者・介護世帯向けの生活支援助成の事例を見ると当たりが付く。

なお居宅介護支援(ケアプラン作成)そのものは全額が保険給付で、利用者負担は発生しない。ここを誤解して「相談すると費用がかかるのでは」と遠慮する家族がいるため、初回面談で明言しておくと相談の入口が開く。

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「このまま介護が続いたら家計は持つのか」と家族に聞かれたときの選択肢

保険マンモス FP無料保険相談

公的給付で下げられるのは月単位の上限までで、5年10年の総額や、介護する側の収入減・保険の見直しまでは制度の外側にある。保険マンモスは中立的なFPが家計全体を無料で診断するサービスで、相談は何度でも無料・オンライン相談にも対応している。ケアマネが踏み込めない「家族側の家計」を第三者に渡す先として使える。

  • 向いている人:介護費用の長期見通しを立てたい別居家族、介護離職を検討していて収入減後の保険料負担を試算したい人
  • 向かない人:利用者本人の当面の自己負担を下げたいだけの場合(それは本記事の公的給付で足りる)、契約済みの保険を変える意思がない人

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【実務表】利用者の状況→案内できる制度→窓口→必要書類

面談中に引くための表がこれだ。左端の「よく出る訴え」から入って、右へたどる。窓口は原則として保険者(市区町村の介護保険担当課)だが、合算療養費だけは医療保険者が入口になる点が例外で、ここを間違えると1往復無駄になる。

利用者・家族の状況案内できる制度窓口主な必要書類
毎月のサービス利用料が高くて払えないと言われた高額介護サービス費市区町村 介護保険担当課支給申請書、振込先口座がわかるもの、介護保険被保険者証
特養・老健・介護医療院への入所やショートステイの食費・部屋代が重い負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)市区町村 介護保険担当課負担限度額認定申請書、本人・配偶者の預貯金等の通帳の写し、有価証券等の残高がわかる書類、同意書
医療費と介護費が同じ年に重なって家計が破綻しそう高額医療・高額介護合算療養費基準日(7月31日)時点の医療保険者(区役所保険年金課・健保組合など)支給申請書、本人確認書類、振込先口座がわかるもの、自己負担額証明書
手すりを付けたい・段差をなくしたい居宅介護住宅改修費市区町村 介護保険担当課(着工前)支給申請書、住宅改修が必要な理由書、工事費見積書、完成予定の状態がわかる図または写真、住宅所有者の承諾書
ポータブルトイレや入浴補助用具が必要特定福祉用具販売(購入費支給)市区町村 介護保険担当課支給申請書、領収書、パンフレット等の品目がわかる書類、口座情報
おむつ代が毎月かさむ自治体の紙おむつ支給・購入費助成(任意事業)市区町村 高齢福祉担当課・地域包括支援センター申請書、介護保険被保険者証、要介護度・課税状況の確認書類(自治体により医師意見書)
通院の交通費が負担・付き添いが確保できない移送サービス費助成・福祉タクシー券(任意事業)市区町村 高齢福祉担当課申請書、障害者手帳または要介護認定を示す書類
住民税非課税世帯で現金給付の対象になりそう非課税世帯向け給付金(自治体・国の物価対策)市区町村 給付金担当窓口確認書(プッシュ型の場合)、口座情報、課税・非課税証明書
身体障害者手帳を持っていて重度の常時介護状態特別障害者手当市区町村 障害福祉担当課認定請求書、診断書、所得状況届、口座情報
介護保険の限度額を超えて自費が発生している区分支給限度基準額の再確認・区分変更申請市区町村 介護保険担当課要介護認定区分変更申請書、介護保険被保険者証

物価高対策として単年度で組まれる介護分野の助成は、名称も上限も年度ごとに変わる。2026年度に動いているものは介護分野の物価高騰支援金の全国一覧で対象と上限を確認し、実際に書く段になったら物価高騰支援金の申請書の書き方ガイドで記入例を見ながら進めると差し戻しが減る。非課税世帯かどうかの判定でつまずいたときは住民税非課税世帯の判定条件と対象になる給付を整理した解説が使える。年金だけで暮らしている世帯なら低所得者向け給付金の支給額と受付時期も同時に当たっておく。

介護分野の物価高騰支援・補助金 全国一覧(2026年度)事業所向け・利用者向けを分けて掲載/受付中の制度を随時更新
介護保険の福祉用具購入費(特定福祉用具販売)支給限度基準額は年10万円/指定事業者からの購入が条件
高額療養費 2026年8月改定のポイント医療側の上限が動くと合算療養費の見え方も変わる

介護保険の法定給付:負担を下げる4つの入口

第1層の法定給付は4つだけ覚えれば足りる。順番は「毎月効くもの → 入所時に効くもの → 年1回効くもの → 単発で効くもの」だ。

1. 高額介護サービス費(毎月の上限)

1か月に支払った介護サービスの利用者負担(1割・2割・3割部分)の合計が上限を超えたら、超過分が申請により払い戻される。上限は世帯の課税状況と課税所得で決まる。以下は令和7年6月4日付の老介発0604第1号(介護保険最新情報Vol.1390)で示されている判定区分だ。

段階主な所得要件負担上限額(月額)ケアマネが見るポイント
第1段階生活保護の被保護者個人15,000円生保受給中は預貯金要件なし
第1段階市町村民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者世帯24,600円(個人15,000円)老齢福祉年金は年金証書で確認
第2段階市町村民税世帯非課税で、公的年金等収入金額+その他の合計所得金額が80.9万円以下世帯24,600円(個人15,000円)非課税年金(遺族・障害年金)も含めて数える
第3段階市町村民税世帯非課税(上記以外)世帯24,600円世帯内の別居していない配偶者も判定対象
第4段階①市町村民税課税世帯で課税所得380万円未満世帯44,400円実務で最も多い区分
第4段階②課税所得380万円以上690万円未満世帯93,000円同居家族の所得で跳ね上がる
第4段階③課税所得690万円以上世帯140,100円世帯分離の相談が出やすい

注意点は3つ。第一に、福祉用具購入費・住宅改修費の自己負担、食費・居住費、日常生活費(理美容代・教養娯楽費など)は高額介護サービス費の対象に入らない。第二に、上限判定は世帯単位なので同居家族の課税所得で区分が上がる。第三に、初回は申請が必要で、以降の自動償還の扱いは保険者ごとに異なる。

医療側と介護側の上限が両方動く年は説明が混乱しやすい。医療の上限については2026年8月の高額療養費改定で自己負担限度額がどう変わるかの整理を先に読んでおくと、家族への説明が1回で済む。低所得世帯には低所得者向け給付金の要件と支給額のまとめも合わせて案内できる。

2. 負担限度額認定(入所時の食費・居住費)

介護保険施設(特養・老健・介護医療院)とショートステイの食費・居住費は保険給付の対象外で、原則は施設と利用者の契約で決まる。ただし低所得者には補足給付(特定入所者介護サービス費)があり、基準費用額と負担限度額の差額が介護保険から支給される。これは申請しないと1円も出ない。入所日が決まった時点で申請書を出すのが実務の定石だ。

ケアマネ

世帯全員が非課税なのに負担限度額認定が非該当になりました。所得は明らかに低いのに、なぜ落ちるんですか。

専門家

ほぼ預貯金要件です。第2段階なら本人単身で650万円以下、配偶者がいる場合は本人の額に1,000万円を加えた額以下でなければ該当しません。しかも数えるのは預貯金だけでなく、有価証券(株式・国債・地方債・社債)や合同運用信託まで含まれます。もう一つ多いのが、世帯を分離している配偶者を数え忘れるパターン。介護保険では別世帯の配偶者も判定に入るため、住民票の世帯だけ見ると判定を外します。

対象者・対象事業

対象地域(全国)

目的
介護
対象地域
全国
対象者
要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者とその世帯。居宅介護支援事業所のケアマネジャー・地域包括支援センター職員が案内する立場で使う。負担限度額認定は世帯全員が市町村民税非課税かつ預貯金要件(第1段階1,000万円/第2段階650万円/第3段階①550万円/第3段階②500万円。
補助上限
住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なし
難易度
2

詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。

3. 高額医療・高額介護合算療養費(年1回)

毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間で、医療保険と介護保険の自己負担の合算額が限度額を超えた場合に、超過分が支給される。医療保険上の世帯単位で計算し、申請は基準日(7月31日)時点の医療保険者に対して行う。

年齢所得区分年間の自己負担限度額備考
70歳以上現役並みⅢ(年収約1,160万円〜)212万円課税所得690万円以上
70歳以上現役並みⅡ(年収約770万〜1,160万円)141万円課税所得380万円以上
70歳以上現役並みⅠ(年収約370万〜770万円)67万円課税所得145万円以上
70歳以上一般(〜年収約370万円)56万円最も該当が多い区分
70歳以上低所得Ⅱ(市町村民税世帯非課税)31万円
70歳以上低所得Ⅰ(年金収入80万円以下等)19万円世帯に介護サービス利用者が複数いる場合は31万円
70歳未満旧ただし書所得210万円以下60万円住民税非課税世帯は34万円

この制度は「医療と介護のどちらの窓口も、自分のほうだけしか見ていない」ため取りこぼしが最も多い。入院と施設利用が同じ年度に重なった利用者は、8月を過ぎたら必ず一度確認する。

4. 区分支給限度基準額(自費発生の見張り役)

金銭給付ではないが、ここを外すと家族から「なぜ自費が出たのか」と詰められる。1か月あたりの単位数は要介護度で固定されている。

要介護状態区分区分支給限度基準額(1か月)超過した場合
要支援15,032単位超過分は全額自己負担
要支援210,531単位超過分は全額自己負担
要介護116,765単位超過分は全額自己負担
要介護219,705単位超過分は全額自己負担
要介護327,048単位超過分は全額自己負担
要介護430,938単位超過分は全額自己負担
要介護536,217単位超過分は全額自己負担

限度額に張り付いている利用者は、区分変更申請の検討時期を家族と共有しておく。住宅改修費・福祉用具購入費・居宅療養管理指導などはこの限度額の枠外なので、限度額が苦しいときの逃げ道として先に使う設計にする。加算の改定で単位数が動くと同じサービス量でも自己負担が増えるため、介護職員等処遇改善加算の臨時改定の内容を押さえておくと「先月より高い」という問い合わせに即答できる。非課税世帯なら非課税世帯向け給付金の受給額シミュレーションで家計の穴を埋める目安も出せる。

2026年8月1日から変わる負担限度額認定の実額

令和8年厚生労働省告示第88号(令和8年3月13日公布・令和8年8月1日施行)により、施設の食費・居住費の基準費用額と負担限度額が引き上がる。厚生労働省は介護保険最新情報Vol.1506(令和8年5月29日)で、第3段階①・②に該当する人は食費が日額30〜60円、一部の人を除き居住費が日額100円上がると周知している。食費の基準費用額も日額100円引き上げられ、1,545円(月額約4.7万円)になる。

費用の種類基準費用額(日額)第1段階第2段階第3段階①第3段階②
食費1,545円300円390円680円1,420円
居住費:特養等の多床室915円0円430円430円530円
居住費:老健・医療院等の多床室(室料を徴収しない場合)437円0円430円430円430円
居住費:特養等の従来型個室1,231円380円480円880円980円
居住費:ユニット型個室2,066円880円880円1,370円1,470円

段階の判定要件も変わる。令和8年8月からは、第2段階と第3段階①の境界が年金収入等(非課税年金を含む)82.65万円になる(現行は80.9万円)。第3段階①は82.65万円超〜120万円以下、第3段階②は120万円超だ。預貯金要件は第1段階1,000万円・第2段階650万円・第3段階①550万円・第3段階②500万円(いずれも配偶者がいる場合は各額に1,000万円を加算)となっている。

7月中にやっておくこと

負担限度額認定証の有効期間は多くの保険者で7月31日までに設定されている。8月1日以降の食費・居住費が上がるタイミングと更新申請が重なるため、6〜7月の更新案内を家族が放置すると8月から食費・居住費が全額(基準費用額)請求される。更新書類の提出確認は、7月のモニタリング記録に残しておくと後で守りになる。

負担が上がる分を別の給付で埋められないかを見るのも実務だ。非課税世帯であれば非課税世帯向け給付金のシミュレーションで受け取れる金額を試算できるし、10万円給付の対象範囲については住民税非課税世帯10万円給付の対象・対象外の線引きを読んで、期待値を上げすぎないよう家族に伝える。

住宅改修と福祉用具:貸与か購入かで支給ルートが変わる

ここは書類の順序を1つ間違えると全額自費になる領域で、ケアマネの関与度が最も高い。

居宅介護住宅改修費(支給限度基準額20万円)

手すりの取付け、段差の解消、床材の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、これらに付帯して必要な工事——この6種類が対象だ。支給限度基準額は要支援・要介護区分にかかわらず定額20万円で、給付は原則9割(上限18万円)。2割負担なら16万円、3割負担なら14万円が上限になる。原則は1人生涯20万円だが、要介護状態区分が3段階以上上がったとき、または転居したときは再度20万円の枠が設定される。この再設定を知らずに「もう使い切った」と説明してしまう失敗が多い。

手続きは事前申請が原則だ。着工前に支給申請書・住宅改修が必要な理由書・工事費見積書・完成予定の状態がわかる図または写真を保険者へ出し、保険給付として適当な改修かを確認してもらう。工事後に領収書、工事費内訳書、箇所ごとの改修前後の写真(原則として撮影日がわかるもの)、本人所有でない住宅なら所有者の承諾書を出して正式な支給申請になる。やむを得ない事情がある場合に限り工事完成後の申請が認められるが、「事前申請を忘れた」は通常この事情に当たらない。

住宅改修で全額自費になる3つの型

  • 着工後の申請:事前確認を経ていない工事は原則対象外。工務店の「後で出せます」を信じてはいけない。
  • 一行見積:「浴室改修一式」のような内訳のない見積書は差し戻される。改修箇所ごと・工種ごとに分けさせる。
  • 撮影日不明の写真:改修前後の写真は原則として撮影日がわかるものが必要。改修前を撮り忘れると証明できない。

特定福祉用具販売(年10万円)と貸与の選択制

福祉用具は貸与が原則で、直接肌に触れる・再利用に向かないものだけが購入費支給の対象になる。購入費の支給限度基準額は原則として年間10万円だ。さらに令和6年4月から、固定用スロープ、歩行器(歩行車を除く)、単点杖(松葉づえを除く)、多点杖の4種目が貸与と販売の選択制になり、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員が必要な情報を集めて提案する役割を担うことになった。

詳細な線引きは福祉用具の貸与と購入はどちらが得かを費用で比較した解説福祉用具購入費の支給要件と申請の流れで確認できる。改修の実例を見たいときは自治体の住宅改造助成(芦屋市の例)で介護保険の上乗せ助成の設計を見ると、上乗せの発想がつかめる。

関連する補助金・助成金

案内でよくある失敗・申請が差し戻される落とし穴

実際に差し戻しや不支給になった典型パターンを、原因と回避策で並べる。どれも制度の理解不足ではなく、タイミングと書類の取り扱いで起きている。

  1. 負担限度額認定の申請忘れで施設費が全額請求される。入所日から遡っての適用は原則できず、申請月の初日からの適用になる保険者が多い。入所調整と同時に申請書を渡し、提出済みかを入所前日に確認する。
  2. 住宅改修の事前申請漏れ。工事が終わってから相談されるケースは原則対象外。工務店が「後から出せる」と説明していることもあるので、家族に「発注前に必ず連絡」を口頭ではなく書面で伝える。
  3. 福祉用具の貸与と購入の取り違え。選択制の4種目以外は、購入しても購入費支給の対象にならない。指定を受けていない事業者・通販での購入も対象外になるため、品目と事業者指定の両方を先に確認する。
  4. 高額介護サービス費の世帯合算の誤解。上限判定は世帯単位で、同居家族の課税所得で区分が跳ね上がる。一方で払い戻し額の按分は個人の負担額比で行われるため、「世帯で払い過ぎているのに戻りが少ない」という不満が出る。仕組みを先に説明しておく。
  5. 預貯金等の申告漏れ。有価証券や複数口座の記載漏れは、後から不正受給として返還を求められる。通帳は最終記載日までの写しが必要で、記帳が古いと差し戻される。
  6. 区分変更申請のタイミングのずれ。状態が悪化しているのに更新月まで待つと、限度額超過の自費が積み上がる。逆に軽度化の直後に変更申請すると限度額が下がるため、サービス量の調整とセットで判断する。
  7. 非該当の理由を家族に説明できない。「非課税なのに落ちた」という不支給には、預貯金要件・別世帯配偶者・非課税年金の算入という3つの定番理由がある。決定通知だけ渡して終わりにしない。
ケアマネ

家族がもう手すり工事を発注していました。着工前です。今から間に合いますか。

専門家

着工前ならまだ立て直せます。工務店に着工日を止めてもらい、その日のうちに理由書と見積書を作って保険者へ事前申請を出してください。見積書は改修箇所ごとに内訳が分かれていないと差し戻されるので、「手すり一式」のような一行見積は必ず作り直させます。すでに着工していた場合は、やむを得ない事情に当たるかを保険者へその場で相談するしかありません。判断は保険者の裁量なので、電話で口頭確認した担当者名と日時を記録に残しておいてください。

取り違えが起きやすい福祉用具の判断は、貸与と購入の判断基準を種目別に整理した記事を面談前に開いておくと事故が減る。物価対策系の助成は要件も書式も毎年変わるため、介護分野の物価高騰支援金の申請書の書き方ガイドで最新の様式と記入例を確認してから案内する。

面談で使う5ステップと取りこぼし防止チェックリスト

制度を覚えるより、聞く順番を固定したほうが取りこぼしは減る。以下の順で聞けば、法定給付の4つと自治体の任意事業をひと通りスクリーニングできる。

  1. 課税状況を聞く。「昨年の住民税は課税ですか」の1問。世帯全員が非課税なら負担限度額認定と高額介護サービス費の低所得区分、非課税世帯向け給付金の3方向が同時に立つ。
  2. 入所・ショートの予定を聞く。予定があるなら負担限度額認定を即申請。預貯金と有価証券の資料を先に集めてもらう。
  3. この1年の入院を聞く。入院があれば高額医療・高額介護合算療養費の候補。8月以降に医療保険者で確認する段取りを入れる。
  4. 住環境と用具の希望を聞く。改修希望があればその場で「発注前に連絡」を約束。用具は貸与・購入・選択制の3分岐で整理する。
  5. 圏域の任意事業を当てる。紙おむつ、移送、家族介護慰労金、改修の上乗せ。要綱の対象要介護度と課税要件を手元のコピーで照合する。

チェックリストは支援経過に貼れる形にしておくと、次の担当者に引き継げる。

自治体独自の助成:紙おむつ・移送・改修の上乗せ

第2層の任意事業は、同じ都道府県内でも要件が大きく違う。ここでは実際の要綱から傾向を示す。制度名で検索するのではなく、「対象要介護度」「課税要件」「支給方法(現物か現金か)」の3点で自治体要綱を読むのが早い。

自治体事業名主な対象要件支給の形
さいたま市重度要介護高齢者紙おむつ等支給事業市内在住の65歳以上で常時おむつを使用し、要介護3・4・5のいずれか等月1回、紙おむつ・尿とりパッド・おしりふき・使い捨て手袋を現物支給
横浜市高齢者紙おむつ給付事業寝たきりまたは認知症で在宅の要介護4・5(要介護1〜3は区福祉保健センター長が必要と認めた場合)かつ生活保護受給世帯等または市民税非課税世帯現物給付
福岡市おむつサービス介護保険被保険者で要介護3〜5と認定され、おむつが必要な在宅の人窓口・郵送・オンライン申請に対応
神戸市紙おむつ支給事業市の要綱による(要介護度・課税状況等)現物支給
千葉市おむつ給付等事業新規申請は原則、本人・家族・ケアマネジャーに限る現物給付

千葉市のように申請者をケアマネジャーに開いている自治体がある点は覚えておく価値がある。家族が遠方で書類が進まないケースの突破口になる。要介護3以上を要件にする自治体が多いため、要介護2で該当しない利用者には、認定調査の時期と区分変更の検討をセットで説明しておく。

常時介護を要する重度の在宅障害がある場合は、介護保険とは別枠の手当が使えることがある。要件と診断書の書き方は特別障害者手当の認定請求書と診断書の書き方にまとめてある。

併用・関連制度(ケアマネの手元に置く一覧)

ここまでの制度は多くが併用できる。高額介護サービス費と負担限度額認定は同時に効き、住宅改修費・福祉用具購入費は区分支給限度基準額の枠外だ。以下は担当ケースで頻出する関連制度へのリンクだ。

自治体の住宅改造助成(芦屋市)介護保険20万円の上乗せ型助成の設計例/所得区分で助成率が変わる
特別障害者手当 認定請求書・診断書の書き方常時特別な介護を要する重度障害/所得制限あり
介護職員等処遇改善加算 臨時改定ガイド事業所側の対応事項/利用者負担への影響の説明材料に
訪問介護の処遇改善・体制整備に関する支援事業所運営側の助成/人員体制の維持と関連
高齢者・介護世帯向けの生活支援助成在宅生活の維持にかかる費用の助成/自治体実施
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よくある質問

負担限度額認定は、入所後に気づいても遡って適用してもらえますか。

原則として遡及適用はされず、申請月の初日からの適用になる保険者が一般的です。適用開始日の扱いは保険者ごとに定めがあるため、遅れに気づいた時点で必ず電話で確認し、担当者名と回答を記録してください。不支給や適用遅れは家族との信頼関係に直接響きます。

高額介護サービス費は毎月申請が必要ですか。

多くの保険者では初回の申請で口座が登録され、以降は該当した月に自動で償還されます。ただし運用は保険者ごとに異なり、口座変更や世帯変更があると止まることがあります。転居・世帯分離・口座解約の際は再手続きが必要かを確認してください。

住宅改修の20万円は、1回で使い切らないといけませんか。

分割して使えます。支給限度基準額20万円から、過去に支給された額を差し引いた残額が上限になります。要介護状態区分が3段階以上上がったとき、または転居したときは、再度20万円の枠が設定されます。

2026年8月から食費・居住費はいくら上がりますか。

厚生労働省の周知では、第3段階①・②に該当する人について食費が日額30〜60円、一部の人を除き居住費が日額100円の引き上げです。食費の基準費用額も日額100円上がって1,545円になります。第1段階・第2段階の負担限度額は据え置かれています。

ケアマネが利用者の代わりに申請書を出せますか。

介護保険の法定給付は原則として本人または家族の申請です。ただし自治体の任意事業では、千葉市のおむつ給付等事業のようにケアマネジャーを申請者として認めている例があります。圏域の要綱で申請者の範囲を確認しておくと、家族が遠方のケースで動けます。

受給後・次のアクション

支給決定が出たら終わりではない。負担限度額認定証は有効期限があり、高額介護サービス費は世帯の課税状況が変われば区分が動く。8月は判定の切り替え月であり、2026年は制度改正も重なる。8月のモニタリングで「認定証の有効期限」「課税状況の変化」「入院の有無」の3点を定型で確認する運用にしておくと、翌年の取りこぼしがほぼゼロになる。

8月モニタリングの定型3問

  • 負担限度額認定証の有効期限はいつまでか(更新申請は出したか)
  • 世帯の課税状況・世帯構成に変化はあったか(高額介護サービス費の区分が動く)
  • この1年で入院はあったか(高額医療・高額介護合算療養費の候補になる)

家族への情報提供を1枚で済ませる

家族に渡す資料は、制度名の羅列ではなく「あなたの世帯が該当しそうなもの」に絞ったほうが読まれる。国と自治体の給付金の受付時期は全国の給付金スケジュール一覧で確認できるので、面談の前に候補だけ絞ってから話すと1回の訪問で説明が終わる。

世帯に該当する給付金を3分で診断する医療・福祉の制度一覧を見る

出典

最終更新:2026年7月26日

補助金の概要

要点

対象・申請情報まとめ

詳細条件は公募要領で確認してください。

対象地域
全国
対象者
要支援・要介護認定を受けた介護保険の被保険者…
補助上限
住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なし
公募期間
2027年3月31日締切(予定) 締切まで 248日
実施機関
厚生労働省
主要スケジュール
締切日 2027年3月31日 全スケジュール ›
申請方法
オンライン申請 公式申請ページへ
必要書類
高額介護サービス費=支給申請書、振込… 詳細を見る ›
  • 最大住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なしまで補助される制度です
  • 厚生労働省が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
POINT!

この補助金のポイント

  • 最大住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なしまで補助される制度です
  • 厚生労働省が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
補助対象経費 介護サービスの利用者負担(高額介護サービス費)、介護保険施設・ショートステイの食費および居住費・滞在… 詳細を見る ›
公募期間 2027年3月31日締切(予定) 締切まで 248日
実施機関厚生労働省
採択率100% ※過去公募実績
主要スケジュール
  1. 締切日2027年3月31日
全スケジュール ›
申請方法 オンライン申請 公式申請ページへ
必要書類 高額介護サービス費=支給申請書、振込先口座がわかるもの、介護保険被保険者証。負担… 詳細を見る ›
公募要領
SUMMARY

この補助金のまとめ

  • 最大住宅改修費は支給限度基準額20万円(給付は原則9割=上限18万円)、福祉用具購入費は年10万円。高額介護サービス費・高額医療高額介護合算療養費は上限超過分の全額払い戻しで定額上限なしまで補助される制度です
  • 厚生労働省が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
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中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制

公開日: 最終更新日: 出典: 厚生労働省

本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。