介護保険の負担限度額認定証とは?2026年の申請と食費の上限
この制度の基本情報
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- 対象
介護保険施設(特養・老健・介護医療院)やショートステイを利用する住民税非課税世帯の高齢者と、その家族
- 確認主体
厚生労働省
- 制度の状況
制度の解説(申請の受付はありません)
確認日と一次情報をご確認ください
制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照
介護保険施設(特養・老健・介護医療院)やショートステイを利用する住民税非課税世帯の高齢者…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 介護保険施設(特養・老健・介護医療院)やショートステイを…
- 確認した過去制度の金額
- —
- 確認する時期
- 提出先:厚生労働省
- 確認主体
- 厚生労働省
- 情報の確認方法
- 一次情報・公式発表を確認
- 必要書類
- 介護保険負担限度額認定申請書(兼同意書)、本人および…
詳細解説
本記事にはプロモーションを含みます。
親の施設入所が決まって最初に届く見積書で、多くの家族が息をのむのが食費と居住費の欄です。介護サービス費そのものは1〜3割負担でも、食費と居住費は原則として全額が自己負担になります。国が定める標準的な費用額(基準費用額)で計算しても、ユニット型個室なら食費1,545円と居住費2,066円で日額3,611円、30日で約10万8千円です。
ただし、世帯全員が市町村民税非課税で預貯金等が一定額以下なら、この2つに上限を設ける仕組みがあります。特定入所者介護(予防)サービス費、いわゆる補足給付です。受け取るには市区町村へ申請し、負担限度額認定証の交付を受ける必要があります。認定証は待っていても届きません。
しかも令和8年8月1日、この負担限度額と基準費用額が改定されました。段階の判定に使う収入基準も、介護保険法施行規則の改正(令和8年厚生労働省令第105号、施行日は令和8年8月1日)で80.9万円から82.65万円へ見直されました。この記事では、新しい金額、自分がどの段階に当たるかの判定、そして申請書のどの欄でつまずくのかを、厚生労働省の一次資料と実際の申請書様式に当たって整理します。
この記事の要点(令和8年9月6日時点)
- 負担限度額認定証があると、特養・老健・介護医療院・ショートステイの食費と居住費に日額の上限がつく。上限を超えた分は介護保険から施設へ支払われる
- 令和8年8月1日から食費の基準費用額が1,445円→1,545円(日額100円増)。負担限度額は第3段階①が650円→680円、第3段階②が1,360円→1,420円
- 居住費が上がるのは第3段階②だけ。多床室(特養等)430円→530円、ユニット型個室1,370円→1,470円など日額100円増。第1・第2・第3段階①は据え置き
- 段階判定の収入基準が80.9万円→82.65万円に。預貯金等の上限(単身500万〜1,000万円)は変わらない
- 認定証の有効期間は8月1日から翌年7月31日。毎年の更新申請が必要で、遡っての適用は原則できない
負担限度額認定証とは?食費と居住費はいくら下がる?
負担限度額認定証とは、介護保険施設に入るときの食費と居住費に、所得に応じた日額の上限を設定する証明書です。たとえばユニット型個室に入る第2段階の人なら、基準費用額で日額3,611円かかる食費と居住費が、認定証を持つことで食費390円+居住費880円の合計1,270円まで下がります。30日で計算すると約10万8千円が約3万8千円になり、月7万円前後の差が出ます。
差額は施設に対して介護保険から特定入所者介護(予防)サービス費として支払われるので、施設側が損をするわけではありません。だからこそ、施設のケアマネジャーや相談員は入所前に申請を案内してくれることが多いのですが、案内がなくても自分から動けます。まだ要介護認定そのものが済んでいない段階なら、要介護認定の申請書の書き方と認定調査までの流れを先に確認しておくと二度手間になりません。
対象になる施設・ならない施設
対象は介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護医療院、地域密着型介護老人福祉施設、そしてショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)です。有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウス(軽費老人ホーム)、グループホーム、小規模多機能型居宅介護は対象外で、これらの食費・居住費は施設との契約で決まります。認定証を持っていても使えません。
介護にまつわる公的なお金の減免は、この補足給付だけではありません。保険料そのものが下がる人もいれば、医療費側で上限が下がる人もいます。自分が対象になりうる制度を3分で洗い出すと、申請の抜けを防げます。

令和8年8月1日から何が変わった?食費・居住費の新旧比較
結論から書くと、上がったのは食費の基準費用額と第3段階①・②の食費、そして第3段階②の居住費だけです。第1段階と第2段階の負担限度額は食費・居住費とも1円も動いていません。厚生労働省の周知資料は「第3段階①・②に該当する方について、食費が30円〜60円(日額)、一部の方を除き居住費については100円(日額)引き上がります」という書き方をしていますが、居住費が動いたのは第3段階②のみで、第3段階①は据え置きです。ここは読み違えが起きやすい箇所です。
| 区分 | 令和8年7月まで | 令和8年8月から | 差額(日額) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 食費 基準費用額 | 1,445円 | 1,545円 | +100円 | 介護保険最新情報Vol.1506 |
| 食費 第1段階 | 300円 | 300円 | 据え置き | 同上 |
| 食費 第2段階 | 390円 | 390円 | 据え置き | 同上 |
| 食費 第3段階① | 650円 | 680円 | +30円 | 同上 |
| 食費 第3段階② | 1,360円 | 1,420円 | +60円 | 同上 |
| 居住費 多床室(特養等)第3段階② | 430円 | 530円 | +100円 | 同上 |
| 居住費 多床室(老健・医療院/室料を徴収する場合)第3段階② | 430円 | 530円 | +100円 | 同上 |
| 居住費 多床室(老健・医療院等/室料を徴収しない場合)第3段階② | 430円 | 430円 | 据え置き | 同上 |
| 居住費 従来型個室(特養等)第3段階② | 880円 | 980円 | +100円 | 同上 |
| 居住費 従来型個室(老健・医療院等)第3段階② | 1,370円 | 1,470円 | +100円 | 同上 |
| 居住費 ユニット型個室的多床室 第3段階② | 1,370円 | 1,470円 | +100円 | 同上 |
| 居住費 ユニット型個室 第3段階② | 1,370円 | 1,470円 | +100円 | 同上 |
据え置きになった1行に注目してください。老健・介護医療院等の多床室で室料を徴収しない場合だけ、第3段階②でも430円のままです。周知資料の「一部の方を除き」はこの行を指しています。自分の親がどちらに当たるかは施設の重要事項説明書か請求明細で確認できます。
第3段階②は認定を受けている人のうち最も多い層です。令和5年度末の認定者87.4万人のうち36.2万人、41%が第3段階②でした。つまり今回の居住費引き上げは、補足給付を受けている人の4割が直撃を受ける改定ということになります。
月にするとどのくらい増えるのですか。日額100円と言われてもピンとこなくて。
30日入所した第3段階②のユニット型個室で考えると、令和8年8月の改定だけで食費が日額60円増、居住費が日額100円増、合わせて日額160円、月4,800円の増加です。別の切り口もあります。従来型個室(特養等)の第3段階②の居住費は、令和6年7月まで820円、同年8月に880円、令和8年8月に980円と、2回の改定で日額160円上がりました。こちらは居住費だけで月4,800円です。前者は1回の改定で食費と居住費を足した額、後者は2回の改定にわたる居住費だけの額で、たまたま同じ数字になっています。
ショートステイの食費は施設入所と金額が違う
混同しやすいのがショートステイです。居住費(滞在費)は施設入所と同じ表を使いますが、食費だけは別の金額が設定されています。1日3食の提供が前提の施設入所と、利用日数の数え方が違うためです。
| 利用者負担段階 | 食費(施設入所)令和8年8月〜 | 食費(ショートステイ)令和8年7月まで | 食費(ショートステイ)令和8年8月〜 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 | 300円 | 介護保険最新情報Vol.1506 |
| 第2段階 | 390円 | 600円 | 600円 | 同上 |
| 第3段階① | 680円 | 1,000円 | 1,030円 | 同上 |
| 第3段階② | 1,420円 | 1,300円 | 1,360円 | 同上 |
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
- 目的
- 介護
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 介護保険施設(特養・老健・介護医療院)やショートステイを利用する住民税非課税世帯の高齢者と、その家族
- 確認した過去制度の金額
- —
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
第3段階②だけ、ショートステイの食費(1,360円)が施設入所(1,420円)より低くなっている点に気づいてください。他の段階はショートステイのほうが高いので、「ショートは常に高い」と思い込んでいると請求書の検算を誤ります。定期的にショートステイを使いながら在宅で介護している家庭は、家族の介護でもらえる・減らせるお金9制度の申請順と合わせて年間の持ち出しを試算しておくと安全です。
あなたはどの利用者負担段階?年金収入と預貯金で決まる
負担限度額は第1段階から第3段階②までの4区分(生活保護受給者を含めると5区分)で決まります。判定に使うのは世帯全員の市町村民税の課税状況、本人の収入、預貯金等の額の3つです。令和8年8月から、2つ目の収入基準が80.9万円から82.65万円へ引き上げられました。介護保険法施行規則の一部を改正する省令(令和8年厚生労働省令第105号)による改正で、施行期日は令和8年8月1日です。令和7年の老齢基礎年金(満額)が80.9万円を超えることを踏まえ、低所得者の自己負担に影響が出ないようにするための見直しと説明されています。
「年金収入金額+合計所得金額」を素直に足すと段階を誤判定する
厚生労働省の資料は「年金収入金額+合計所得金額」と表記していますが、実際に足すのは公的年金等収入額(障害年金・遺族年金などの非課税年金を含む)とその他の合計所得金額です。北九州市の説明では、その他の合計所得金額とは合計所得金額から公的年金等の雑所得(公的年金等収入額から公的年金等控除額を差し引いた金額)を差し引いた額で、マイナスなら0円として計算します。合計所得金額をそのまま足すと年金を二重に数えることになり、82.65万円や120万円の境目で段階を1つ読み違えます。なお非課税年金に含まれるのは障害年金と遺族年金で、恩給や弔慰金は含みません。
| 利用者負担段階 | 世帯の課税状況 | 公的年金等収入額(非課税年金含む)+その他の合計所得金額 | 預貯金等(本人のみ/配偶者がいる場合は夫婦あわせて) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 第1段階(生活保護受給者) | — | — | 要件なし | 介護保険最新情報Vol.1506・Vol.1513 |
| 第1段階(老齢福祉年金受給者) | 世帯全員が市町村民税非課税 | — | 1,000万円/2,000万円以下 | 同上 |
| 第2段階 | 世帯全員が市町村民税非課税 | 82.65万円以下 | 650万円/1,650万円以下 | 同上 |
| 第3段階① | 世帯全員が市町村民税非課税 | 82.65万円超〜120万円以下 | 550万円/1,550万円以下 | 同上 |
| 第3段階② | 世帯全員が市町村民税非課税 | 120万円超 | 500万円/1,500万円以下 | 同上 |
| 第4段階 | 世帯に課税者がいる/本人が課税 | — | 対象外(特例減額措置の余地あり) | 同上 |
| 第2号被保険者(40〜64歳) | 世帯全員が市町村民税非課税 | 段階の判定と同じ | 段階を問わず1,000万円/2,000万円以下 | 北九州市・江東区の案内 |
この表で見落とされやすいのが「世帯」の範囲です。ここでいう世帯には、世帯分離している配偶者と内縁関係の配偶者も含まれます。住民票を分けても配偶者が課税されていれば対象外になります。逆に子どもが同一世帯で課税されている場合は、世帯分離をすることで要件を満たす可能性が出てきます。世帯の課税状況は毎年6月ごろ届く通知書で確認できるので、住民税の決定通知書のどの欄で非課税を判定するかを先に押さえておくと判断が早くなります。非課税の年収ラインそのものを知りたい場合は、住民税非課税世帯の年収は単身110万円という基準も参考になります。
もう1つの落とし穴が非課税年金です。所得税も住民税もかからない遺族年金と障害年金は、平成28年8月以降、この判定では収入に含めます。実際の申請書にも遺族年金・障害年金の受給の有無を回答する欄があり、「非課税だから書かなくていい」と考えて空欄で出すと差し戻されます。

負担限度額認定と一緒に確認したい制度
補足給付は食費と居住費だけを対象にした仕組みです。介護費用の全体を下げるには、保険料・医療費・用具の3方向を並行して見る必要があります。下のカードは、この記事の読者が次に読むことの多い手続きです。
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提出前チェック
申請書を封筒に入れる前に、下の6項目を確認してください。1つでも欠けていると、市区町村から追加書類の連絡が来て認定証の交付が遅れます。

令和8年8月からの負担限度額マトリクス(日額)
| 費目・居室の種類 | 基準費用額 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② |
|---|---|---|---|---|---|
| 食費(施設入所) | 1,545円 | 300円 | 390円 | 680円 | 1,420円 |
| 居住費 多床室(特養等) | 915円 | 0円 | 430円 | 430円 | 530円 |
| 居住費 多床室(老健・医療院/室料を徴収する場合) | 697円 | 0円 | 430円 | 430円 | 530円 |
| 居住費 多床室(老健・医療院等/室料を徴収しない場合) | 437円 | 0円 | 430円 | 430円 | 430円 |
| 居住費 従来型個室(特養等) | 1,231円 | 380円 | 480円 | 880円 | 980円 |
| 居住費 従来型個室(老健・医療院等) | 1,728円 | 550円 | 550円 | 1,370円 | 1,470円 |
| 居住費 ユニット型個室的多床室 | 1,728円 | 550円 | 550円 | 1,370円 | 1,470円 |
| 居住費 ユニット型個室 | 2,066円 | 880円 | 880円 | 1,370円 | 1,470円 |
居住費の基準費用額(915円・697円・437円・1,231円・1,728円・2,066円)は今回動いていません。引き上げられたのは食費の基準費用額だけです。入院と施設入所が同じ月に重なる家庭は、医療費側の上限も効いてきます。高額療養費の自己負担限度額もあわせて確認してください。
申請でよくある差し戻し・落とし穴
市区町村の窓口で実際に多い差し戻しの理由を、原因ごとに整理します。どれも書類をそろえ直せば通るものです。認定証が届くのが遅れても、効力は申請日の属する月の初日に遡るので、その月分は減額されます。損が出るのは受付日そのものが翌月にずれた場合です。江東区は郵送申請の受付日(申請日)を介護保険課へ到着した日としており、月末に投函すると翌月受付になりかねません。月末に出すなら窓口へ持参するのが安全です。
差し戻しが起きる5つの典型パターン
- 配偶者の通帳を出していない。本人の分だけ添付して出す例が最も多い。世帯分離していても内縁でも、配偶者がいれば全口座が必要
- 残高ページだけを写している。金融機関名・支店名・名義・口座番号がわかるページと残高ページの両方が要る。写す範囲は自治体で異なり、江東区は直近3か月の明細、北九州市は申請日の直近から2か月前までの残高を求めている
- 遺族年金・障害年金を申告していない。非課税だから収入ではないという思い込みで空欄にすると判定できず差し戻しになる
- 同意書の配偶者欄が空白。金融機関への照会に本人と配偶者の両方の同意が要るため、片方だけでは受理されない
- 入所前に申請して施設名を書けずに止まる。日野市の様式のように施設名に「未定」のチェック欄がある自治体もあるので、様式を先に見て未定でも出せるか確認する
もう1つ、記入例そのものが古いという落とし穴があります。自治体が配っている記入例や申請書の裏面には、段階判定の基準額が80.9万円のまま残っているものが少なくありません。令和8年8月からは82.65万円です。手元の様式に80.9万円と書いてあっても、それは印刷時点の値であって申請が却下される理由にはなりません。窓口で確認してください。
不正な申告には罰則があります。申請書の注意事項には、虚偽の申告により不正に認定証の交付を受けて特定入所者介護サービス費の支給を受けた場合、介護保険法第22条第1項に基づき、支給された額と最大2倍の加算金を返還することがある旨が明記されています。江東区の案内では、負担軽減額と併せて最大3倍の額の納付を求めることがあると説明されています。実際に令和5年度中に同条に基づく徴収を行った保険者は全国1,571保険者のうち38保険者、件数は129件でした。数としては多くありませんが、制度として運用されています。
預貯金は自己申告と聞きました。銀行に照会されることは実際にあるのでしょうか。
あります。令和6年度の介護保険事務調査では、負担限度額認定の申請1,110,269件のうち、金融機関への照会を行った被保険者が28,949人、照会件数は149,815件でした。照会の結果、認定を不承認とした件数は2,860件です。照会対象になった人の約1割が不承認になっている計算になります。申告額を実態に合わせておくことが結局いちばん早い道です。

負担限度額認定の申請の流れと必要書類
申請先は被保険者証に書かれている市区町村の介護保険担当課です。施設ではありません。郵送を受け付ける自治体が多く、施設の相談員が取りまとめて提出してくれる場合もあります。
- 様式を入手する。市区町村のサイトから「介護保険負担限度額認定申請書」をダウンロードするか、窓口で受け取る。多くの自治体で申請書と同意書が1枚につながっている
- 通帳等の写しをそろえる。本人と配偶者の全口座について、金融機関名・支店名・名義・口座番号がわかるページと、記帳した直近の残高ページを複写する。定期預金は残高がゼロでも写しが要る自治体がある
- 有価証券・現金・負債を確認する。株式・国債・投資信託は証券会社や銀行の残高の写しを添付する。タンス預金などの現金は自己申告。本人名義の借入金や住宅ローンは預貯金等から差し引いて計算する
- 申請書に記入する。被保険者番号と個人番号は被保険者証とマイナンバーカードから転記する。預貯金等の申告欄は本人と配偶者を分けて書く
- 同意書に署名する。官公署・年金保険者・銀行等へ課税状況と残高の報告を求めることに同意する欄。本人と配偶者の住所氏名を両方書く
- 提出して認定証を待つ。審査後に負担限度額認定証が郵送される。届いたら写しを施設に提出する。施設に渡さないと請求が減額されない
申請書のどの欄に何を書くか
様式は市区町村ごとに作られており、法定の統一様式はありません。ただし、預貯金等の申告と金融機関への照会同意という骨格はどこも共通です。下の表は日野市の様式(年度空欄版)の欄に沿って整理したものです。
| 欄の名称 | 書く内容 | つまずきやすい点 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 記入者氏名/被保険者本人との関係/記入者住所/日中連絡の取れる電話番号 | 家族やケアマネジャーが代筆する場合に記入 | 本人が書くなら記載不要。代筆なのに空欄だと確認の電話がかかる | 日野市 認定申請書様式 |
| フリガナ/被保険者氏名/被保険者番号/個人番号/生年月日/住所/電話番号 | 介護保険被保険者証とマイナンバーカードのとおりに転記 | 介護保険の被保険者番号は医療保険の記号・番号とは別物。被保険者証を見ながら書き写す | 同上 |
| 入所(予定)の施設名/サービス種別/入所(院)年月日 | 施設名と、特養・老健・ショートステイ・介護医療院の別を選ぶ | 入所先が決まっていない段階では「未定」のチェック欄を使う | 同上 |
| 配偶者の有無/配偶者に関する事項 | 氏名・生年月日・被保険者番号・個人番号・現住所・本年1月1日現在の住所 | 世帯分離中でも内縁でも「有」。1月1日現在の住所は課税状況の照会先を決めるために使う | 同上 |
| 同意書 | 官公署・年金保険者・銀行等への報告要求に同意する旨。被保険者と配偶者の住所・氏名 | 配偶者欄の空白が差し戻しの定番。配偶者が施設や病院にいても代筆して署名を残す | 同上 |
| 年金等に関する申告 | 遺族年金・障害年金・生活保護の受給の有無を丸で囲む | 寡婦年金、かん夫年金、母子年金、準母子年金、遺児年金も遺族年金に含めて回答する | 同上 |
| 預貯金等に関する申告 | 「預貯金、信託及び有価証券」「その他(現金・負債を含む)」「合計金額」を本人・配偶者それぞれ記入 | 口座が多くて書ききれないときは余白か別紙に書いて添付する | 同上 |
認定証の有効期間と更新
有効期間は8月1日から翌年7月31日までです。前年の所得が確定してから判定するため、毎年この区切りで切り替わります。新規に申請した場合の有効期間は、江東区の案内では申請日の属する月の初日から翌年度の7月31日まで、ただし4月・5月・6月・7月に申請した場合はその年度の7月31日までです。つまり5月に申請した人の認定証は同じ年の7月31日で切れるので、その年の夏にもう一度更新申請が必要になります。ここを翌年と勘違いすると8月から減額が止まります。月をまたいで申請すると前月分は減額されないので、入所が決まった月のうちに出すのが鉄則です。第2号被保険者(40〜64歳)の場合は、有効期間の途中で65歳になると65歳到達月の末日で区切られる自治体があります(江東区の例)。
更新は自動ではありません。前年度に認定を受けていた人には6月ごろに更新申請の案内が届く自治体が多いので、届いたらそのまま出してください。制度側では認定証の有効期間を2年にする案や、切り替え時期を10月へ後ろ倒しする案が議論されていますが、令和8年9月6日時点では実現していません。令和6年度の調査で有効期限を2年とする取扱いを行っていた保険者は、全国1,571保険者のうち38保険者にとどまります。今後の見直しの方向は介護保険2027年改正の論点で整理しています。
課税世帯でも使える特例減額措置とは
世帯に課税者がいると第4段階となり、補足給付は使えません。ただし例外があります。高齢夫婦世帯などで、一方が施設に入ったために残された配偶者の生活が成り立たなくなる場合に、第3段階②の負担限度額を適用する特例減額措置です。江東区の案内では、次の7つをすべて満たすことが条件とされています。
| 要件 | 内容 | 確認に使う資料 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 1 | 介護保険負担限度額認定が非該当であること | 負担限度額認定の結果通知 | 江東区の案内 |
| 2 | 属する世帯の構成員の数が2名以上であること | 住民票 | 同上 |
| 3 | 介護保険施設に入所または入院し、第4段階の食費・居住費を負担すること(ショートステイは対象外) | 施設契約書の写し | 同上 |
| 4 | 世帯の年間収入から施設の利用者負担の見込額を除いた額が82万6,500円以下となること | 年金の源泉徴収票・施設の見積書 | 同上 |
| 5 | 世帯の現金、預貯金等の額が450万円以下であること | 通帳等の写し(世帯全員分) | 同上 |
| 6 | 居住用の家屋その他日常生活に必要な資産以外に、利用し得る資産を所有していないこと | 資産等申告書 | 同上 |
| 7 | すべての世帯員が介護保険料を滞納していないこと | 納付状況 | 同上 |
4つ目の金額に注目してください。江東区は82万6,500円と案内しており、令和8年8月からの段階判定の基準額(82.65万円)と一致しています。一方で北九州市は同じ要件を80.9万円以下と案内しており、これは改定前の基準額です。自治体のページは改定に追いついていないことがあるため、記載が割れています。自分の市区町村の最新の案内で必ず確認してください。特例減額措置は申請できることを知らないまま第4段階のまま払い続けている世帯が多い、取りこぼしの起きやすい制度です。

よくある質問
Q1.負担限度額認定証があれば、入所前にさかのぼって減額されますか
原則としてさかのぼりません。新規申請の場合の有効期間は申請した月の初日からで、それより前の月の食費・居住費は減額の対象外です。入所が決まった月のうちに申請してください。
Q2.有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅でも使えますか
使えません。対象は介護老人福祉施設(特養)、介護老人保健施設、介護医療院、地域密着型介護老人福祉施設、ショートステイです。これら以外の施設の食費・居住費は施設と利用者の契約で決まります。
Q3.子どもと同居していて子どもが課税されている場合は対象外ですか
同一世帯に課税者がいれば第4段階となり対象外です。ただし世帯分離をして要件を満たすケースはあります。世帯分離しても配偶者は分離できず、内縁関係の配偶者も判定に含まれる点に注意してください。
Q4.遺族年金しか収入がない場合、収入はゼロとして判定されますか
されません。平成28年8月以降、遺族年金や障害年金といった非課税年金も年金収入金額に含めて判定します。申請書にも受給の有無を回答する欄があります。
Q5.40代・50代で介護保険施設に入る場合も認定を受けられますか
第2号被保険者(40〜64歳)も対象です。ただし預貯金等の要件は段階ごとに分かれず、単身1,000万円以下・夫婦2,000万円以下で一律に判定されます。第2段階でも第3段階②でも同じ基準です。
提出後にやること
認定証が届いたら、まず写しを施設へ提出してください。施設が認定証を確認しないと請求額は下がりません。次に、翌年6月ごろに届く更新案内を見落とさないよう、カレンダーに印を付けておきます。預貯金が大きく動いた年は、更新申請の前に残高を確認して段階が変わらないかを見てください。
介護の費用は、施設側の食費・居住費だけで完結しません。医療費の上限、保険料の減免、福祉用具の助成が同じ年に重なると、家計への影響は数十万円単位で変わります。2026年10月にも社会保険と税の改正が控えているので、2026年10月から変わる制度の総まとめで家族全体の見通しを立てておくと安心です。
最終更新:2026年9月6日
出典
- 厚生労働省老健局介護保険計画課・老人保健課「令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について」介護保険最新情報Vol.1506(令和8年5月29日)https://www.mhlw.go.jp/content/001706483.pdf PDF
- 厚生労働省老健局長「介護保険法施行規則の一部を改正する省令等の公布について(通知)」老発0622第3号・介護保険最新情報Vol.1513(令和8年6月22日)https://www.mhlw.go.jp/content/001714217.pdf PDF
- 厚生労働省老健局「補足給付の現状について」介護保険制度における預貯金等の把握等に係る検討の場(第1回)資料2(令和8年5月27日)https://www.mhlw.go.jp/content/12303500/001704801.pdf PDF
- 厚生労働省「介護・高齢者福祉」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html
- 江東区「負担限度額認定住民税課税層における特例減額措置について」https://www.city.koto.lg.jp/212105/fukushi/kaigohoken/genmen/6544.html
- 北九州市「食費・居住費にかかる利用者負担の軽減制度(負担限度額認定)」https://www.city.kitakyushu.lg.jp/contents/924_11143.html
- 日野市「介護保険負担限度額認定申請書」https://www.city.hino.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/026/919/shinseigho.nendoblank.pdf PDF
制度情報の確認
| 確認する時期 | 提出先:厚生労働省 |
|---|---|
| 確認主体 | 厚生労働省 |
| 必要書類 | 介護保険負担限度額認定申請書(兼同意書)、本人および配偶者の全口座の通帳の写し(… 詳細を見る › |
編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。
