公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の書き方2026|記入例

制度解説 医療・福祉

この制度の基本情報

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対象

老齢または退職を支給事由とする年金(老齢福祉年金を除く)を受け取っている方のうち、令和9年分で65歳以上は年額148万円〜155万円以上、65歳未満は年額98万円〜105万円以上(住民税の非課税限度額は市区町村ごとに異なり、日本年金機構は最低額以上の方全員へ送付)(退職共済年金の受給者で老齢基礎年金が支給されている方は退職共済年金が70万円以上)の方。

本人が障害者・寡婦等に該当する場合、または控除対象となる配偶者・親族がいる場合に提出が必要。

手続き

確認主体:日本年金機構

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制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照

老齢または退職を支給事由とする年金(老齢福祉年金を除く)を受け取っている方のうち、令和9…

対象地域
全国
対象者
老齢または退職を支給事由とする年金(老齢福祉年金を除く)…
確認した過去制度の金額
提出時期
提出先:日本年金機構
確認主体
日本年金機構
情報の確認方法
一次情報・公式発表を確認
必要書類
日本年金機構から送付される「令和9年分 公的年金等の…
  • 確認主体:日本年金機構

詳細解説

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毎年9月、日本年金機構から「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」というハガキ大の書類が届きます。令和9年分は2026年9月7日(月曜)から順次発送されます。①から⑭まで番号を振られた欄が並び、「どこに丸をつけるのか」で手が止まります。この記事では実物の様式に沿った全欄の書き方と、出す・出さないで年間いくら違うのかを、日本年金機構と国税庁の公表値だけで整理します。

先に結論だけ知りたい方へ(5行まとめ)

  1. いま届くのは令和9年分。提出期限は申告書そのものに印字されています。
  2. 提出しても提出しなくても、合計税率は5.105%で同じ。令和2年分から「出さないと10%」ではなくなりました。
  3. 差が出るのは配偶者控除・扶養控除・障害者控除・寡婦(ひとり親)控除の分だけです。
  4. 本人が障害者・寡婦等でなく、控除対象の配偶者も親族もいないなら提出は不要です。
  5. 出し忘れても確定申告で精算でき、期限後に出せば遡って再計算されます。
5.105%合計税率(提出の有無で差なし)
148万〜155万円65歳以上で申告書が届く年金額(市区町村差あり)
2026年9月7日令和9年分の発送開始日(月曜)

令和9年分の扶養親族等申告書は、いつ届いて、いつまでに何を出すのですか?

日本年金機構は「令和9年分の『扶養親族等申告書』を令和8年9月7日(月曜)より順次、お送りします」と公表しています(日本年金機構「令和9年分『公的年金等の受給者の扶養親族等申告書』の紙の提出方法」2026年9月3日更新)。提出期限は全国一律の日付ではなく、届いた申告書に印字されている期限がその人の期限です。

同じページには「お手元に届きましたら、内容を確認し、各種控除に該当する方は、記載されている期限内の提出をお願いします。期限に間に合わない場合でも、なるべく早くご提出をお願いします」と書かれています。つまり期限は「絶対に間に合わせなければ権利を失う日」ではなく、年内の天引きに間に合わせるための目安です。日本年金機構の記入方法(令和9年分)の記載例では、提出年月日として「令和8年10月14日」が示されています。

年金にまつわる書類は9月から11月に集中します。年金生活者支援給付金のはがきが同じ時期に届いて混乱する人も多いので、封筒ごとに何の手続きかを仕分けておくと安全です。給付金のはがきの書き方は年金生活者支援給付金の請求書はがきの書き方で別途まとめています。

期限を過ぎてしまった場合

日本年金機構は「期限内に提出いただけないと一旦控除がない状態で源泉徴収されますが、提出いただくことで、遡って所得税額を再計算します」と回答しています(年金Q&A・2026年9月3日更新)。捨てずに、気づいた時点で出してください。

自分は提出が必要?「送られてきた」と「税金がかかる」は基準額が違います

ここが最初のつまずきポイントです。申告書が送られてくる年金額の基準と、所得税が源泉徴収される年金額の基準は別物で、金額も違います。日本年金機構は住民税の課税対象になり得る人にも案内を送っているため、送付範囲のほうが広く設定されているからです。しかも住民税の非課税限度額は市区町村ごとに違います。機構の「大切なお知らせ」は「年金額が65歳以上は年額148万円〜155万円以上、65歳未満は年額98万円〜105万円以上で、金額はお住まいの市区町村ごとに異なります」と書いています。機構は全国の最低額(65歳以上148万円、65歳未満98万円)以上の方全員に案内を送るので、届いたからといって必ず住民税の課税対象とは限りません。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
区分申告書が送られてくる年金額(令和9年分)所得税の源泉徴収対象となる年金額(令和9年分以降)根拠資料
65歳未満の方98万円〜105万円以上(市区町村により異なる。機構は最低額98万円以上の方へ送付)164万円以上日本年金機構「紙の提出方法」「老齢年金から源泉徴収される所得税の控除を受けるとき」
65歳以上の方148万円〜155万円以上(市区町村により異なる。機構は最低額148万円以上の方へ送付)214万円以上同上
退職共済年金の受給者で老齢基礎年金が支給されている方退職共済年金の年金額が70万円以上退職共済年金の年金額が137万円以上同上

送付基準は年分ごとに大きく動いています。令和8年分だけ基準が跳ね上がり、令和9年分でまた下がっているため、「去年は来なかったのに今年は来た」という人が相当数発生します。これは制度改正の結果であって、あなたの年金額が増えたからではありません。

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年分65歳未満(送付対象)65歳以上(送付対象)退職共済年金(送付対象)根拠資料
令和7年分まで108万円以上158万円以上80万円以上日本年金機構「紙の提出方法」
令和8年分155万円以上205万円以上127万円以上同上
令和9年分98万円以上(住民税の非課税限度額は98万円〜105万円)148万円以上(同148万円〜155万円)70万円以上同上

そして、送られてきても提出しなくてよい人がいます。日本年金機構は「受給者本人が障害者・寡婦等に該当せず、控除対象となる配偶者または親族、または退職手当等を受ける見込みのある配偶者または親族がいない方」は提出不要としています。同封の「大切なお知らせ」にも「提出不要の方も、提出が必要な方と同様に、基礎控除を受けることができます。所得税の税率は5.105%です」と明記されています。

なお、障害年金と遺族年金には税金がかかりません。課税されるのは老齢または退職を支給事由とする年金だけです。障害年金そのものの手続きは障害年金の申請書と診断書の書き方を、これから年金を受け取り始める方は年金請求書の書き方(緑の封筒)を先に確認してください。年金以外にも使える給付が残っていないかは、補助金・給付金の無料診断で世帯条件を入れて洗い出すのが早いです。

提出した場合としなかった場合で、源泉徴収税額はどこが変わるのか

「出さないと税率が10%になる」という説明を見たことがあるかもしれませんが、それは令和元年分までの話です。日本年金機構は「税制改正にともない、令和2年分以降の扶養親族等申告書については、提出されなかった場合でも所得税率は5.105%となりました」と明言しています(年金Q&A「所得税率が10%で計算されていませんが、どうしてですか。」2026年9月3日更新)。

令和9年分の計算式は次のとおりです。違いは丸かっこの中の一項目だけです。

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比較項目申告書を提出した場合申告書を提出しなかった場合根拠資料
合計税率5.105%5.105%(差はありません)日本年金機構Q&A「提出した場合、所得税の源泉徴収税額は、どのように計算するのですか。」
社会保険料(年金から特別徴収された介護保険料・国民健康保険料等)差し引かれる差し引かれる日本年金機構Q&A「社会保険料が年金から特別徴収されている方の所得税額」
基礎控除(公的年金等控除・基礎控除相当)差し引かれる差し引かれる日本年金機構「年金にかかる源泉徴収税額」(令和9年分)
配偶者控除・扶養控除・障害者控除・寡婦(ひとり親)控除差し引かれる差し引かれない同上
取り戻す方法不要(そのまま反映)翌年の確定申告で精算・還付日本年金機構Q&A「確定申告をする場合は提出する必要はないですか。」

日本年金機構が公表している令和9年分の計算式そのものは、提出した場合が「源泉徴収税額=(年金支給額-社会保険料-各種控除額(基礎控除+配偶者控除等各種控除))×合計税率(5.105%)」、提出しない場合が「源泉徴収税額=(年金支給額-社会保険料-基礎控除)×合計税率(5.105%)」です(日本年金機構・年金Q&A「提出した場合、所得税の源泉徴収税額は、どのように計算するのですか。」2026年9月3日更新)。この式は防衛特別所得税および復興特別所得税が課税される令和9年2月分の年金から適用されます。提出しないとどうなるかについては、機構は「申告書を提出しない場合は、確定申告等を行わないと、所得税の源泉徴収や翌年の個人住民税において、障害者控除や配偶者控除等を受けることができません」と説明しています(年金Q&A「提出しなかった場合はどうなるのですか。」)。

差額のもとになる月割の控除額は、日本年金機構が令和9年分として公表しています。金額の一覧はこの記事の「出す・出さないで年間いくら違うかを試算する」で表にまとめました。

質問

税率が同じなら、面倒だし出さなくていいということですか?

確認対象・制度の位置づけ

対象地域(全国)

目的
医療・福祉
対象地域
全国
対象者
老齢または退職を支給事由とする年金(老齢福祉年金を除く)を受け取っている方のうち、令和9年分で65歳以上は年額148万円〜155万円以上、65歳未満は年額98万円〜105万円以上(住民税の非課税限度額は市区町村ごとに異なり、日本年金機構は最低額以上の方全員へ送付)(退職共済年金の受給者で老齢基礎年金が支給されている方は…
確認した過去制度の金額

対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。

解説

控除対象の配偶者も親族もいない方は、そのとおり出さなくて構いません。ただし配偶者や親族を扶養している方は、出さないと毎回の年金から多めに天引きされ、翌年に確定申告で取り戻す手間が増えます。手間の総量で考えると、いま丸をつけて投函するほうが圧倒的に楽です。

2026年10月からは年金以外にも複数の制度が切り替わります。世帯全体で影響を確認したい方は2026年10月から変わる制度の総まとめもあわせて確認してください。

年金の手続きで一緒に確認しておきたい制度

扶養親族等申告書は「年金と税金」の入口にある書類です。同じ時期に判断が必要になる制度をまとめました。どれも書き方・申請書レベルで解説しています。

扶養控除等申告書の書き方給与側の申告書。働きながら年金を受け取る人は年金側と給与側で書き分けが必要
保険料控除申告書の書き方生命保険料・地震保険料の控除。年金の申告書では申告できないので確定申告か勤務先で
障害年金の申請書と診断書の書き方障害年金は非課税。障害者控除の判定は年金の等級とは別物です
高額療養費の支給申請書の書き方医療費が重い年は自己負担の上限超過分が戻る。申請期限は診療月の翌月1日から2年
限度額適用認定申請書の書き方入院前に出しておけば窓口支払いが上限額まで。あとから請求するより資金繰りが楽
高年齢求職者給付金(最大36万円)65歳以降に退職した人向けの一時金。老齢年金と併給できるのが最大の特徴
高年齢雇用継続給付の2026年改定給付率が変わる。年金を受けながら働く人は手取り計算のやり直しが必要

地域や分野で探したい方は医療・福祉の制度一覧全国の制度一覧から辿れます。

出す・出さないで年間いくら違うかを試算する

下のシミュレーターは、日本年金機構が公表している令和9年分の月割控除額と合計税率5.105%だけを使って、提出した場合の年間源泉徴収税額提出しなかった場合の年間源泉徴収税額、そしてその差額を出します。自分で計算しようとすると、基礎控除の「最低額18万円」という下限に引っかかるかどうかで答えが変わるため、手計算では間違えやすい部分です。

試算に使った月割の控除額は、日本年金機構が令和9年分として公表している次の表のとおりです。金額は1か月あたりで、実際の税額計算では支給月数を掛けます。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
対象控除の種類月割控除額(1か月あたり)年額根拠資料
受給者全員(65歳以上)公的年金等控除・基礎控除相当1か月分の年金支払額×25%+11万円(最低額18万円)日本年金機構「年金にかかる源泉徴収税額」(令和9年分)
受給者全員(65歳未満)公的年金等控除・基礎控除相当1か月分の年金支払額×25%+11万円(最低額14万円)同上
配偶者がいる場合(本人所得900万円以下に限る)一般の配偶者の場合32,500円390,000円同上
同上老人控除対象配偶者の場合40,000円480,000円同上
源泉控除対象となる親族がいる場合(16歳以上)一般の扶養親族の場合32,500円×人数390,000円×人数同上
同上特定扶養親族・特定親族の場合52,500円×人数630,000円×人数同上
同上老人扶養親族の場合40,000円×人数480,000円×人数同上
本人・配偶者・扶養親族が障害者の場合普通障害者の場合22,500円×人数270,000円×人数同上
同上特別障害者の場合35,000円×人数420,000円×人数同上
同上同居特別障害者の場合62,500円×人数750,000円×人数同上
本人が寡婦・ひとり親に該当する場合寡婦に該当する場合22,500円270,000円同上
同上ひとり親に該当する場合32,500円390,000円同上

試算の読み方

年金額が低い方ほど「提出しても提出しなくても0円」という結果になります。これは基礎控除相当額が年金額を上回っていて、そもそも所得税がかからない状態だからです。この場合でも、住民税の判定には申告書の内容が使われるため、控除対象の家族がいるなら出しておく価値があります。

ハガキの欄別・記入例(①本人障害から⑭摘要まで)

ここからは令和9年分の実物の様式に沿って、全欄を順に見ていきます。様式は表面がA欄(受給者)・B欄(控除対象となる配偶者)・C欄(扶養親族等)、裏面がC欄の続きとD欄(摘要欄)という構成です。番号は①から⑭まで振られています。

モデルケース:佐藤一男さん(仮名・73歳)の場合

老齢基礎年金と老齢厚生年金で年額240万円。妻の和子さん(68歳・昭和34年8月20日生まれ)は老齢基礎年金80万円のみで同居。別居の母・みつさん(96歳・昭和6年3月3日生まれ)を扶養しています。本人に障害はなく、寡婦等にも該当しません。

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様式の表記佐藤さんの記入例つまずきやすい点
受給者個人番号(または基礎年金番号)/年金コードマイナンバー12桁を記入。年金コードは印字済みの内容を確認基礎年金番号(10桁)で届け出る場合は左詰め。年金コードは必ず記入
提出年月日(令和 年 月 日)令和8年10月14日元号は「令和」で印字済み。空欄のまま返送する人が多い
Aフリガナ/氏名/住所/電話番号/生年月日楷書体で記入日本年金機構は「押印は不要です」と明記。印鑑を探して止まる必要はない
本人障害(1.普通障害/2.特別障害)該当しないため記入しない該当なしなら記入不要。介護保険の要介護認定や障害年金の等級とは直接関係しない
寡婦等(1.寡婦/2.ひとり親、4.寡婦/5.ひとり親)該当しないため記入しない本人の年間所得見積額500万円以下が条件。4・5は退職所得を除くと要件に該当する場合の地方税だけの控除
本人所得(年間所得の見積額が900万円を超える場合に〇)900万円を超えないので〇をしない「超える場合だけ〇」。逆に読んで〇をすると配偶者控除が外れる
源泉控除対象配偶者または障害者に該当する同一生計配偶者(フリガナ・氏名・続柄・生年月日・個人番号)佐藤 和子/続柄は「2.妻」/生年月日は「5.昭」+34年8月20日/マイナンバー12桁続柄は「1.夫」「2.妻」の2択。元号記号は1.明/3.大/5.昭/7.平
配偶者の区分収入が年金80万円のみなので「1. 65歳以上の場合、年金額が172万円以下の方」に〇年金以外の収入がある人は上段ではなく「上記以外の場合」に年間所得の見積額を万円単位で記入する。62万円超でも95万円以下なら配偶者特別控除の対象なので、書かずに済ませない
配偶者障害(1.普通障害/2.特別障害)該当しないため記入しない該当なしは記入不要。書くと審査側で確認が入り差し戻しの原因になる
同居等の区分(国外居住の有無/1.同居・2.別居/1.非居住者)「1.同居」に〇国内居住なら「国外居住の有無」は記入不要。別居なら⑭摘要に氏名と住所が必要
配偶者老人区分(2.老人)68歳なので〇をしない所得見積額62万円以下かつ70歳以上が条件。令和9年分は昭和33年1月1日以前生まれが対象
源泉控除対象親族(16歳以上)または扶養親族(16歳未満)/続柄佐藤 みつ/続柄は「5 父母祖父母」/生年月日は「5.昭」+6年3月3日続柄は3子・4孫・5父母祖父母・6兄弟姉妹・7その他・8甥姪等・9三親等以内から選ぶ。3人目以降は裏面へ
特定・老人の種別(1.特定/2.老人)「2.老人」に〇「1.特定」は平成17年1月2日から平成21年1月1日までに生まれた方。年齢だけで判断しない
障害(1.普通障害/2.特別障害)該当しないため記入しない該当する場合は⑭摘要に氏名・手帳等の種類・交付年月日・障害の程度を記入。証明書の添付は不要
同居等の区分(1.同居/2.別居、国外居住は2.30歳未満70歳以上・3.留学・4.障害者・5.年38万円以上送金)「2.別居」に〇別居を選んだら⑭摘要に氏名と住所を書く。ここの書き漏れが最も多い
年間所得の見積額(62万円以下/62万円超〜85万円以下/85万円超)「62万円以下」に〇障害年金は所得額計算の際、収入に含まれない。退職所得がある人だけ下段にも〇をする
摘要「母・佐藤みつ 住所:○○県○○市…(別居のため)」別居・障害・国外居住の補足はすべてここ。裏面D欄にある

⑤の「配偶者の区分」は、配偶者の所得額によって受けられる控除の種類そのものが変わります。62万円を1円でも超えると控除が消えるわけではなく、95万円以下なら配偶者特別控除の対象です。ここを知らずに「62万円を超えたから書かなくていい」と判断してしまうのが最大の取りこぼしです。

関連する制度・助成金

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配偶者の年間所得の見積額(令和9年中)本人の所得見積額が900万円以下の場合本人の所得見積額が900万円超の場合月割控除額根拠資料
62万円以下(年金のみなら65歳以上172万円以下・65歳未満122万円以下)配偶者控除(+障害者の場合は障害者控除)障害者の場合の障害者控除のみ32,500円(70歳以上の老人控除対象配偶者は40,000円)日本年金機構「大切なお知らせ」(令和9年分)・「年金にかかる源泉徴収税額」
62万円超〜95万円以下配偶者特別控除控除対象外32,500円(配偶者が70歳以上または障害者でも加算なし)同上
95万円超(本人所得1,000万円以下・配偶者所得133万円以下)源泉徴収時は控除対象外。確定申告で配偶者特別控除を受けられる同左同上
上記以外(配偶者所得133万円超)控除対象外控除対象外同上

令和9年分から、控除対象になる所得のラインが引き上げられています。日本年金機構の「大切なお知らせ」によると、配偶者控除の対象になる配偶者の所得要件と扶養親族の所得要件は58万円以下から62万円以下へ(配偶者特別控除の上限95万円以下は据え置き)、19歳から22歳の親族は62万円超85万円以下でも「源泉控除対象親族」として源泉徴収の際に控除を受けられるようになりました。去年は対象外だった家族が、今年は対象になっている可能性があります。

質問

⑬の「年間所得の見積額」が一番こわいです。妻の年金と、私の名義の預金の利子はどう数えるのですか。

解説

数えるのは書く本人(この場合は配偶者や扶養親族)の所得だけです。あなた名義の利子は関係ありません。配偶者が年金だけなら⑤の上段に丸をするだけで済みます。65歳以上なら年金額172万円以下、65歳未満なら122万円以下が目安です。障害年金は所得に含めません。

前年と変わっていないなら、書くのは丸1つと氏名だけ

日本年金機構は「前年分の扶養親族等申告書を提出した方は、お送りする申告書にあらかじめ前年の申告内容を印刷しています。内容を確認し、前年の申告内容に変更がない場合は、申告書の『ア.前年から「変更なし」で申告します。』に丸をして、氏名をご記入のうえ提出してください。他の項目の記入は不要です」としています。全欄を埋め直す必要はありません。

入院や手術が重なった年は、税金より先に医療費の上限を押さえたほうが手取りが増えることがあります。高額療養費の支給申請書の書き方もあわせて確認しておくと安心です。

申請でよくある差し戻し・落とし穴

日本年金機構の記入方法(令和9年分)と手引きを読み込むと、書き直しや確認連絡につながる典型的な落とし穴が見えてきます。よくある失敗を先回りしてつぶしておきましょう。

  1. ③本人所得を逆に読む。「年間所得の見積額が900万円を超える場合は右の欄に〇」という欄です。900万円以下なのに〇をつけると、源泉控除対象配偶者の要件(本人の合計所得見積額900万円以下)を自ら外すことになり、配偶者控除が反映されません。
  2. ⑫で「2.別居」に〇をして⑭摘要を空欄にする。別居の場合は摘要欄に氏名と住所の記入が必要です。ここが空だと確認が入り、差し戻しの原因になります。
  3. 障害に該当するのに摘要欄を書かない。①⑥⑪で障害に〇をした場合、裏面の⑭摘要に扶養親族等の氏名、身体障害者手帳等の種類と交付年月日、障害の程度(等級など)を記入します。証明書の添付は不要ですが、手帳等の名称は正しく書いてください。
  4. ⑬で「85万円超」に〇をしたうえで氏名を書き込む。日本年金機構は「『62万円超』(19歳から22歳の場合は85万円超)に〇をされた場合、氏名等を記入いただいても、所得税の源泉徴収においては控除対象となりません」としています。記入しただけでは控除にはなりません。
  5. ⑧配偶者老人区分を年齢だけで判断する。老人控除対象配偶者は「70歳以上」かつ「所得見積額62万円以下」の両方が要件です。令和9年分では昭和33年1月1日以前に生まれた方が対象になります。
  6. 電子申請したのに紙も送ってしまう。電子申請で提出した場合、紙の申告書の提出は不要です。二重提出は避けてください。
  7. 切手を貼らずに投函する。紙で出す場合、同封の返信用封筒に切手を貼る必要があります。日本年金機構は普通郵便の場合110円と案内しています。

押印を探して止まらないでください

日本年金機構の記入方法には「押印は不要です」と明記されています。押印欄そのものが様式にありません。印鑑がないことを理由に提出を先延ばしにするのが、この書類でいちばん多い注意点です。

紙で提出するときの流れ

紙の申告書は、返信用封筒に入れて投函するだけで完了します。窓口に行く必要はありません。

  1. 届いた封筒を開け、印字されている提出期限を確認する。
  2. 前年から変更がなければ「ア.前年から『変更なし』で申告します。」に丸をして氏名を記入する。変更があれば①から⑭の該当欄を楷書体で記入する。
  3. 別居・障害・国外居住に該当する場合は、裏面D欄の⑭摘要に補足を書く。
  4. 同封の返信用封筒に入れ、切手(普通郵便の場合110円)を貼って投函する。
  5. 申告書を汚した・なくした場合は、日本年金機構のサイトから令和9年分の様式をプリントアウトして記入し、〒119-0314または〒119-0315「日本年金機構 令和9年分申告書受付担当宛」へ送る。この郵便番号なら住所の記入は不要。

記入方法が分からないときの相談先

扶養親族等申告書お問い合わせダイヤル0570-081-240(050から始まる電話の場合は03-6837-9932)または最寄りの年金事務所です。日本年金機構は「扶養親族等申告書の提出に関するご相談は市町村、厚生労働省などでは対応できません」と案内しています。

紙と電子申請、どちらを選ぶべきですか?

マイナンバーカードとスマートフォンがあるなら電子申請のほうが速く、翌年以降の手間も減ります。ただし全員が使えるわけではありません。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
比較項目紙の申告書電子申請(マイナポータル+ねんきんネット)根拠資料
費用返信用封筒に切手が必要(普通郵便110円)切手代がかからない日本年金機構「紙の提出方法」「大切なお知らせ」
必要なもの届いた申告書と筆記用具のみマイナンバーカード、署名用電子証明書のパスワード、対応スマホまたはICカードリーダライタ日本年金機構「個人の方の電子申請」
翌年以降毎年、紙が送られてくる紙は送付されず、マイナポータルのお知らせで案内同上
使えない人旧法老齢年金の受給者、国外に居住する配偶者・親族を控除対象とする方同上
質問

親の代わりに私が書いても大丈夫でしょうか。

解説

紙の申告書は代筆で問題ありません。押印もいりません。ただし電子申請は本人のマイナンバーカードと署名用電子証明書のパスワードが必要なので、本人が操作できない場合は紙を選ぶほうが確実です。

提出前にみんなが迷う5つのポイントは?

Q1.マイナンバーを書かないと受け付けてもらえませんか。

受け付けてもらえます。日本年金機構は様式の裏面に「記入がない場合でも、記入がないことだけを理由に申告書を不受理とすることはありません」と明記しています。番号が確認できる書類の添付も不要で、一度記入すれば翌年以降は記入が不要になります。

Q2.扶養親族等申告書を出せば、確定申告はしなくていいのですか。

いいえ。年の途中で扶養親族等の人数が減った方、年金以外の収入(給与等)がある方、公的年金を2か所以上から受給している方は、申告書を出していても確定申告が必要です。ただし公的年金等の収入が400万円以下で、かつ公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要です。

Q3.提出したあとに離婚や死別で内容が変わったらどうすればいいですか。

その年のうちに手続きをやり直す必要はありません。日本年金機構は「申告書の提出後に申告内容に変更があった場合に生じる所得税や住民税の過不足は、確定申告や市区町村への住民税の申告を行うことにより精算していただくことになります」と回答しています。

Q4.夫婦で年金を受けています。お互いを扶養に入れられますか。

同じ配偶者を二重に控除対象にすることはできません。源泉控除対象配偶者として一方の申告書に記載された配偶者が、自分の申告書でも相手を源泉控除対象配偶者として申告している場合は、所得税法の規定により片方の適用が外れます。どちらの申告書に書くかを先に決めてください。

Q5.令和9年2月から防衛特別所得税が始まると聞きました。天引きされる税金は増えますか。

合計税率は5.105%のままで変わりません。日本年金機構は「源泉徴収される防衛特別所得税の額は、源泉徴収される所得税額の1%相当額とされ、復興特別所得税の額は、源泉徴収される所得税額の1.1%相当額とされています」「合計税率=所得税率(%)×102.1%」と説明しています。防衛1%と復興1.1%を足して2.1%、これを所得税率5%に上乗せした102.1%分が5.105%です。令和9年2月に支払われる年金から、この3つが併せて源泉徴収されます。

提出したあと・出し忘れたあとに何をすればいいですか?

提出後に自分でやることはほとんどありません。申告した内容が反映された公的年金等の源泉徴収票が翌年1月に送付されるので、確定申告をする場合はそれを使います。

出し忘れた場合も回復できます。日本年金機構は「多く源泉徴収された所得税は、翌年確定申告の際に、還付を受けることになります」と説明しています。つまり払い過ぎた分は消えません。ただし、還付を受けるには自分で確定申告をする必要がある点だけ注意してください。年金天引きの段階で控除が効いていれば、そもそも確定申告をしなくて済みます。

住民税は別ルートで効いてきます

様式の注記によると、地方税法第45条の3の3および第317条の3の3の規定による「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載を兼ねているのは「扶養親族(16歳未満)」欄の記載です。ただし機構は、所得税の源泉徴収対象にならない年金額でも住民税の課税対象になり得る方には申告書を送っており、提出しないと「翌年の個人住民税において、障害者控除や配偶者控除等を受けることができません」と説明しています。所得税がかからない方でも、控除対象の家族がいるなら提出しておく意味があります。

65歳以降に働いていた方は、退職のタイミング次第で高年齢求職者給付金を受け取れる場合があります。年金と併給できる数少ない給付です。年金生活の家計を見直すなら年金生活者支援給付金の受給要件もあわせて確認してください。

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最終更新:2026年9月6日(令和8年9月6日時点の公表情報にもとづく)

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対象者
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提出時期
提出先:日本年金機構
確認主体
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必要書類
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  • 確認主体:日本年金機構
提出時期 提出先:日本年金機構
確認主体日本年金機構
必要書類 日本年金機構から送付される「令和9年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」(… 詳細を見る ›
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