健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届の書き方|短時間労働者・再雇用の記入例【2026】
詳細解説
本記事にはプロモーションを含みます。
被保険者資格取得届は、従業員を採用したときなど、新たに健康保険と厚生年金保険に加入する人が出たときに、事業主が日本年金機構へ出す届書です。事実が発生してから5日以内に、事務センターか管轄の年金事務所へ出します。添付書類は原則ありません。全2ページのうち書くのは1ページ目で、2ページ目は記入方法の説明です。1枚に被保険者4人分の欄があります。
日本年金機構の通常の記入例は、個人番号を書く場合と、現物がある70歳以上の方で基礎年金番号を書く場合の2人分です(ほかに、共済組合員の資格喪失で健康保険の徴収・給付を始める場合の記入例もあります)。この記事では、公式の記入例にない短時間労働者・60歳以上の退職後の継続再雇用・二以上事業所勤務者の3つの場面の記入例を足しました。短時間労働者かどうかを確かめる道具と、週給などから⑨報酬月額の金額を出す道具もあります。短時間労働者の要件は、日本年金機構のページ(2026年10月1日更新)の内容で書いています。
様式ガイド健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届
- 発行元
- 日本年金機構
- 様式の版
- 様式コード2200・全2ページ(様式ページの2026年10月1日更新時点の現行PDF)
- 提出
- 事実発生から5日以内に事業主が提出。事務センターまたは管轄の年金事務所へ、電子申請・郵送・窓口持参
この記事は、協会けんぽ加入の事業所が日本年金機構へ出す、この1種類の様式で説明します。健康保険組合に加入している事業所は、加入先の組合の案内も確認してください。
出典:日本年金機構「被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届」(新しいタブで開きます)。公式の様式を改変せずに掲載しています。様式が改訂されたときは出典のページの最新版を使ってください。
この記事で分かること
- 令和8年の様式に赤字で書き込んだ記入例と、提出者記入欄・①〜⑫の書き方
- 公式の記入例にない、短時間労働者・60歳以上の継続再雇用・二以上事業所勤務者の記入例
- 短時間労働者として⑩の「3」に○を付けるかの確認と、週給などから⑨報酬月額を出す道具
- 書き間違えやすい点、添付書類、提出先と期限
どの様式を使う?どこでダウンロードする?
採用や再雇用のときに使うのは、日本年金機構の1種類の様式です。70歳以上の方も同じ届書を使います。ただし、次の場合は別の様式です。
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 様式名 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届(様式コード2200・全2ページ) | 様式PDF |
| 入手先 | 日本年金機構「2-1:従業員を採用したとき」の様式ページ(PDF・エクセル) | 様式ページ |
| 提出先 | 事務センターまたは管轄の年金事務所 | 詳細説明(ケース2-1) |
| 記入者 | 事業主(1ページ目) | 様式PDF |
| 提出方法 | 電子申請、郵送、窓口持参 | 詳細説明(ケース2-1) |
| 在職中に70歳になったとき | この届書ではなく『70歳到達届』(資格喪失届・70歳以上被用者該当届) | 様式2ページ |
| 国民健康保険組合に加入する従業員を採用したとき | この届書ではなく『被保険者資格取得届(国保組合用)』 | 様式2ページ |
従業員が年金を受け取っている人でも、加入の要件を満たしていれば届出が必要です。70歳以上で、厚生年金保険の被保険者になったことがある人は、年金の受給権の有無や年金請求の有無に関係なく、70歳以上被用者該当届が必要です。
書き始める前に何を用意する?
- 従業員の氏名(住民票どおり)・生年月日・性別
- 従業員から預かる書類:基礎年金番号通知書(年金手帳)またはマイナンバーカード(提示のみ)。マイナンバーまたは基礎年金番号が未記入だと、資格取得届は返戻されます
- 個人番号。本人確認を行ったうえで書く。個人番号が書けないときは、基礎年金番号通知書などの10桁の番号(左詰め)と住民票の住所
- 使用関係が始まった日(取得年月日)
- 報酬の内訳:通貨で払うもの、現物で払うもの
- 事業所整理記号・事業所番号(新規適用時または名称・所在地変更時に付された記号・番号)
- 該当する人だけ:60歳以上の継続再雇用の添付書類(詳しくは添付書類の節)
年・月・日は、それぞれ2桁のマスに書きます。同じ従業員の入社では、雇用保険の資格取得届も別の手続きとして必要です。
⑩の備考は、場面でどれに○を付ける?
⑩の備考は、該当する場面のときだけ○を付けます。何もなければ○は付けません。
| 場面 | ⑩で○を付ける番号 | あわせて必要なこと | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 70歳以上の方の届出 | 1.70歳以上被用者該当 | 在職中に70歳になった場合は別様式の『70歳到達届』 | 様式2ページ ⑩ |
| 二以上の事業所で勤務する | 2.二以上事業所勤務者の取得 | 資格取得日から10日以内に、被保険者が『被保険者所属選択・二以上事業所勤務届』を出す | 様式2ページ ⑩ |
| 短時間労働者 | 3.短時間労働者の取得(特定適用事業所等) | ○を付け忘れると、適正な標準報酬月額の決定が行えない場合がある | 様式2ページ、不備事例 |
| 60歳以上の退職後の継続再雇用 | 4.退職後の継続再雇用者の取得 | 『被保険者資格喪失届』を同時に出し、退職と再雇用を確かめる書類を付ける | 様式2ページ、不備事例 |
| 共済組合員が資格を喪失し、健康保険の徴収・給付を始める | 5.その他(「共済組合員の資格喪失」と書く) | 健康保険に加入する事業所から出す | 様式2ページ ⑩ |
| 特定減額特例対象者の任意取得 | 6.特定減額特例対象者の任意取得 | 取得年月日の記入は不要。従業員からの申出書(任意の様式)を一緒に出す | 様式2ページ ⑩ |
1ページ目の書き方:提出者記入欄と被保険者の欄
ここでは、はじめに一般的な被保険者1人分(令和8年10月1日に入社した従業員)の記入例で説明します。公式の記入例と同じく、日付は提出日より前の取得年月日にしています。
(新しいタブで開きます)提出日提出日:届書を提出する日を書く
「令和 年 月 日提出」に、届書を提出する日を書きます。事実が発生してから5日以内に出します。
記入例:令和8年10月3日
根拠:公式記入例 ❶、詳細説明(ケース2-1)
整理記号事業所整理記号:新規適用時などに付された記号を書く
新規適用時または名称・所在地変更時に付された記号を書きます。公式の記入例は、この欄を必ず書くとしています。
記入例:12-サンプ(架空)
根拠:様式2ページ「提出者記入欄」、公式記入例 ❷
事業所番号事業所番号:新規適用時などに付された番号を書く
事業所整理記号と同じく、新規適用時または名称・所在地変更時に付された番号を書きます。
記入例:00456(架空)
根拠:様式2ページ「提出者記入欄」、公式記入例 ❷
事業所事業所情報:所在地・名称・事業主氏名・電話番号を書く
事業所の郵便番号・所在地・名称・事業主の氏名・電話番号を書きます。枠の中の最上段にある「届書記入の個人番号に誤りがないことを確認しました。」は印刷済みの文言で、書き込む欄ではありません。
記入例:株式会社サンプル商事/代表取締役 鈴木 一郎(架空)
根拠:様式1ページ、公式記入例 ❸
(新しいタブで開きます)①被保険者整理番号:記入しない
被保険者整理番号は日本年金機構が払い出すので、書く必要はありません。
記入例:記入しない
根拠:様式2ページ ①
②氏名:住民票どおり、フリガナはカタカナ
氏名は住民票に登録されているものと同じ氏名を書きます。フリガナはカタカナで正確に書きます。日本年金機構は、原則として住民票上の氏名と住所で年金記録を管理しています。
記入例:山田 花子(ヤマダ ハナコ)
根拠:様式2ページ ②、お知らせ
③生年月日:年号を○で囲み、年月日を書く
5.昭和・7.平成・9.令和のうち該当する年号を○で囲み、年・月・日を2桁ずつ書きます。
記入例:平成12年4月10日
根拠:様式2ページ ③
④種別:該当する番号を○で囲む
下図に従って、該当する番号を○で囲みます。一般(基金未加入)は1〜3、厚生年金基金加入員は5〜7です。
記入例:2.女
根拠:様式2ページ ④
⑤取得区分:通常は1.健保・厚年に○
健康保険・厚生年金保険の被保険者となったとき(船員保険適用者を除く)は、1.健保・厚年に○を付けます。共済組合から公庫等へ出向した職員のときは3.共済出向、船員任意継続被保険者のときは4.船保任継です。
記入例:1.健保・厚年
根拠:様式2ページ ⑤
⑥個人番号[基礎年金番号]:本人確認のうえ、個人番号を書く
本人確認を行ったうえで、個人番号を書きます。個人番号を書いた場合は、⑪の住所は書かなくてかまいません。個人番号が書けないときは、基礎年金番号通知書などの10桁の番号を左詰めで書き、⑪に住所を書きます。
記入例:XXXXXXXXXXXX(架空)
根拠:様式2ページ ⑥、公式記入例 ❺❾⓫⓮、不備事例 2・3
個人番号を書いたのに、住所も書いたほうが安全ですか?
個人番号を書いた場合、住所欄は書く必要がありません。基礎年金番号を書いて住所を書かないと、届書の再提出が必要になります。どちらを書いたかで、住所欄を書くかが決まります。
(新しいタブで開きます)⑦取得(該当)年月日:使用関係が発生した日を書く
適用事業所に使用されるに至った日(事実上の使用関係が発生した日)を書きます。70歳以上被用者該当届として出すときは、70歳以上被用者に該当した日です。その事業所が適用事業所となった日などの場合もあります。書き忘れると届書の再提出が必要になります。
記入例:令和8年10月1日
根拠:様式2ページ ⑦、不備事例 1
⑧被扶養者:ある場合は1.有に○
健康保険の被扶養者がある場合は「1.有」、ない場合は「0.無」を○で囲みます。「1.有」の場合は、別に『被扶養者(異動)届』を出します。
記入例:0.無
根拠:様式2ページ ⑧
協会けんぽの被保険者に被扶養者がいるときは、被保険者が事業主を経由して被扶養者(異動)届を日本年金機構へ出します。提出時期は事実発生から5日以内です。詳しくは被扶養者異動届の書き方で説明しています。被扶養者が配偶者のときの国民年金の届出は、第3号被保険者関係届の書き方を見てください。
⑨報酬月額:㋐通貨・㋑現物・㋒合計の3つを書く
㋐(通貨)には、給料・手当など名称を問わず、労働の対償として金銭で払うものの合計を書きます。㋑(現物)には、食事・住宅・被服・定期券など金銭以外で払うものの額を書き、㋒(合計)に㋐+㋑を書きます。現物がなければ㋑は0です。臨時に払うものや、3月を超える期間ごとに払う賞与などは対象に入りません。現物の額は、厚生労働大臣が定めた額(食事・住宅は都道府県ごとの価額、被服等は時価)です。
記入例:㋐220,000/㋑0/㋒220000(月給の例)
根拠:様式2ページ ⑨、公式記入例 ❽、不備事例 5
週給のとき、㋐㋑㋒に書く金額を出す
通貨で払う報酬と現物の額を入れると、⑨に書く金額が出ます。週給のときは、様式の注記のとおり「報酬額を7で割って得た額の30倍」に換算します。公式の記入例の2人分(198,000円、150,000円+5,000円)と同じ入力で、同じ金額が出ます。日給・時給から月額への換算の規則は様式に書かれていないので、この道具では扱いません。
㋐は通貨で払う報酬の合計、㋑は現物の額で、㋒はその合計です。週給の場合は、報酬額を7で割って得た額の30倍に相当する金額を書きます。実績によって報酬が変わるときは、資格取得月の前月1か月間に、同じ事業所内で同様の業務に携わっている従業員の報酬の平均額を書きます。
残業代や通勤手当も㋐に入れますか?
㋐は名称を問わず、労働の対償として金銭で払うものすべての合計です。日本年金機構は、短時間労働者についても、臨時に支払われる賃金以外の時間外手当、精皆勤手当、通勤手当などを含めるとしています。通勤定期券を現物で渡す場合は、金銭に換算して㋑(現物)に書きます(公式記入例 ⓬)。
⑩備考:該当する場面のときだけ○を付ける
備考の1〜6のうち、該当するものに○を付けます。何もなければ○は付けません。どの場面でどれを選ぶかは、上の表にまとめています。短時間労働者の3と、継続再雇用の4は、次の「状況別の記入例」で画像を見せます。
記入例:該当しないので○なし
根拠:様式2ページ ⑩
⑪住所:個人番号を書いたなら書かない
住所は住民票の住所です。個人番号を書いたときは書かなくてかまいません。住民票の住所を書けないときは、居所などを書き、1.海外在住・2.短期在留・3.その他のうち該当する理由に○を付けます。住民票の住所以外の居所などに、ねんきん定期便などの日本年金機構からのお知らせを送ってほしいときは、別に『住所変更届』を出します。
記入例:個人番号を書いたので記入しない
根拠:様式1ページ・2ページ ⑪、不備事例 3
⑫資格確認書発行要否:該当するときだけチェック
資格確認書の発行が必要な場合だけ、「□発行が必要」にチェックを入れます。対象は、マイナンバーカードを取得していない人・返納した人、電子証明書の有効期限が切れた人、マイナンバーカードはあるが健康保険証利用登録をしていない人、利用登録解除を申請した人、利用登録解除者です。
記入例:該当しないのでチェックなし
根拠:様式2ページ ⑫
1ページ目のポイント
- ①は書かない。個人番号を書いたら⑪の住所は不要
- ⑦は使用関係が始まった日。書き忘れると再提出
- ⑨は㋐・㋑・㋒の3つを必ず書く(現物がなくても㋑に0)
- 75歳以上等で70歳以上被用者該当届のみ出すときは、⑩の「1」と「5.その他」に○を付け、「該当届のみ」と書く
公式の記入例にない3つの場面の記入例
日本年金機構の通常の記入例は、個人番号を書く場合と、現物がある70歳以上の方で基礎年金番号を書く場合の2人分です(ほかに共済組合員の資格喪失の例があり、⑩は5です)。⑩の備考の2・3・4を付ける場面の記入例はないので、様式に赤字で書き込みました。それぞれ、変わるのは⑩の○が中心です。
短時間労働者を採用したとき(⑩の「3」)
短時間労働者の資格取得届を出すときは、⑩の「3.短時間労働者の取得(特定適用事業所等)」に必ず○を付けます。付け忘れると、標準報酬月額の適正な決定ができない場合があります。短時間労働者は、一般の被保険者と比べて、定時決定のときの標準報酬月額の決め方が変わるためです。
(新しいタブで開きます)記入例:⑩の3に○/⑧は1.有/㋐98,000(架空)
短時間労働者は、特定適用事業所・任意特定適用事業所・国または地方公共団体の事業所に勤務する人で、1週間の所定労働時間または1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満のうち、週の所定労働時間が20時間以上で学生ではない人です。2カ月以内の期間を定めて使用される人などは除かれます。
短時間労働者として⑩の「3」に○を付けるか確かめる
勤め先の区分と、所定労働時間・日数、学生かどうかなどを入れると、⑩の3に○を付けるかが出ます。
短時間労働者は、特定適用事業所・任意特定適用事業所・国または地方公共団体の事業所に勤務する、1週間の所定労働時間または1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満の人のうち、週の所定労働時間が20時間以上で学生ではない人です。2カ月以内の期間を定めて使用される人などは除かれます。
日本年金機構の短時間労働者のページ(2026年10月1日更新)で、短時間労働者の要件に賃金(月額)の条件は書かれていません。企業規模は、1年のうち6月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となる見込みの企業等が特定適用事業所で、令和9年10月からは36人以上になります。国と地方公共団体の事業所は、人数にかかわらず対象です。2026年10月1日より前に使用関係が始まった人の届出など、賃金の条件が関わるか迷うときは、年金事務所に確認してください。
パートタイマー・アルバイトでも、1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上であれば、通常の被保険者です。この場合は⑩の「3」に○は付けません。
最低賃金の減額の特例を受けていて所定内賃金が月額8.8万円未満の人は「特定減額特例対象者」で、原則として加入対象ではありません。事業主を経由して申し出ると任意加入ができ、その場合は⑩の「6」に○を付け、取得年月日は書かず、従業員からの申出書を一緒に出します。
短時間労働者の報酬月額は、残業代を除いてよいですか?
除きません。短時間労働者も、一般の被保険者と同じように、臨時に支払われる賃金以外の時間外手当、精皆勤手当、通勤手当などを含めます。
短時間労働者の標準報酬月額は、入社後の定時決定でも見直されます。算定基礎届の書き方も確認しておくと、後の手続きの流れがつかめます。社会保険の加入対象が広がる流れは、社会保険106万円の壁撤廃の記事にまとめています。
60歳以上の方を退職後に継続して再雇用したとき(⑩の「4」)
60歳以上の方が退職後、1日の間もなく再雇用された場合は、使用関係がいったん中断したものとみなして、事業主が被保険者資格喪失届と資格取得届を出す取り扱いができます。この取り扱いにするときは、⑩の「4.退職後の継続再雇用者の取得」に○を付けます。
(新しいタブで開きます)記入例:⑩の4に○/⑦は再雇用の日/㋐180,000(架空)
資格取得届と同時に、同じ日付の資格喪失届を出します。添付するのは、次のどちらかです。
- 就業規則・退職辞令のコピーなど退職したことがわかる書類と、再雇用されたことがわかる雇用契約書および労働条件通知書等(役員の場合は、役員規程や取締役会・株主総会の議事録など)
- 退職日と再雇用された日が書かれた事業主の証明書
事業主は、資格取得日に60歳以上であることを確かめてから届け出ます。例えば4月1日資格取得の場合は、4月2日以後に60歳の誕生日を迎える人が該当します。届出後に60歳以上ではないと分かったときは、資格喪失と取得ではなく、月額変更届の取り扱いになります。
雇用保険の手続きは別です。60歳以降の再雇用で給与が下がったときの給付は、高年齢雇用継続給付支給申請書の書き方、退職側の手続きは雇用保険の資格喪失届の書き方で説明しています。
二以上の事業所で勤務する人を採用したとき(⑩の「2」)
被保険者が二以上の事業所で勤務する場合は、⑩の「2.二以上事業所勤務者の取得」に○を付けます。これに該当するときは、資格取得日から10日以内に、被保険者本人が『被保険者所属選択・二以上事業所勤務届』を出す必要があります。
(新しいタブで開きます)記入例:⑩の2に○/本人が10日以内に所属選択・二以上事業所勤務届を出す
被保険者が共済組合制度(短期給付)の適用を受ける二以上事業所勤務者で、健康保険の徴収給付を行わない場合は、⑩の「5.その他」に○を付けて、( )内に「他事業所で共済加入」と書きます。複数の事業所で勤務し、共済組合制度(短期給付)に加入していた人が組合員の資格を喪失して健康保険の徴収給付を開始する場合は、「5.その他」の( )内に「共済組合員の資格喪失」と書きます。
場面別のポイント
- 短時間労働者は⑩の「3」。付け忘れると、適正な標準報酬月額の決定が行えない場合がある
- 60歳以上の継続再雇用は⑩の「4」。資格喪失届を同時に出し、書類を付ける
- 二以上事業所勤務者は⑩の「2」。本人が10日以内に別の届を出す
書き間違えやすい9つのポイント
日本年金機構が公表している不備事例と、様式2ページ目の記入方法から、返戻や再提出につながる書き方を集めました。不備や記入誤りがあると、一度受け付けた届出が返されることがあります。
| やりがちな書き方 | 正しい書き方 | 根拠 |
|---|---|---|
| NG⑦取得(該当)年月日を書かない | OK使用関係が発生した日を必ず書く。書かないと再提出 | 不備事例 1 |
| NG個人番号(マイナンバー)を書かない | OK原則として個人番号を書く。書けないときだけ基礎年金番号を書く | 不備事例 2 |
| NG基礎年金番号を書いたのに、住所を書かない | OK基礎年金番号を書いたときは、⑪に住民票の住所を書く | 不備事例 3 |
| NG短時間労働者なのに、⑩の「3」に○を付けない | OK短時間労働者の資格取得届には、⑩の3に必ず○を付ける | 不備事例 4 |
| NG㋐(通貨)だけ書いて、㋑(現物)と㋒(合計)を空けたままにする | OK現物がなければ㋑に0を書き、㋒には㋐と㋑の合計を必ず書く | 不備事例 5 |
| NG60歳以上の継続再雇用で、書類を付けない・資格喪失届を出さない | OK⑩の4に○を付け、退職と再雇用を示す書類を付けて、資格喪失届を同時に出す | 不備事例 6、様式2ページ |
| NG①被保険者整理番号を自分で考えて書く | OK①は書かない。日本年金機構が払い出す | 様式2ページ ① |
| NG週給の金額をそのまま㋐に書く | OK週給は報酬額を7で割って得た額の30倍に換算して書く | 様式2ページ ⑨ ※2 |
| NG在職中に70歳になった人にこの届書を使う | OK『70歳到達届』(資格喪失届・70歳以上被用者該当届)を出す | 様式2ページ |
欄ごとの書き方一覧
全16欄の一覧表を開く(欄・記入者・書く内容・根拠)
| 欄 | 記入者 | 書く内容 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 提出日 | 事業主 | 届書を提出する日 | 公式記入例 ❶ |
| 整理記号 事業所整理記号 | 事業主 | 新規適用時または名称・所在地変更時に付された記号 | 様式2ページ |
| 事業所番号 | 事業主 | 同じく付された番号 | 様式2ページ |
| 事業所 事業所情報 | 事業主 | 所在地・名称・事業主氏名・電話番号 | 公式記入例 ❸ |
| ① 被保険者整理番号 | 事業主 | 書かない(払い出される) | 様式2ページ |
| ② 氏名 | 事業主 | 住民票どおり、フリガナはカタカナ | 様式2ページ |
| ③ 生年月日 | 事業主 | 年号を○で囲み、年月日 | 様式2ページ |
| ④ 種別 | 事業主 | 該当する番号を○(基金未加入は1〜3、基金加入員は5〜7) | 様式2ページ |
| ⑤ 取得区分 | 事業主 | 通常は1.健保・厚年に○ | 様式2ページ |
| ⑥ 個人番号 | 事業主 | 個人番号。書けないときは10桁・左詰めの基礎年金番号 | 様式2ページ |
| ⑦ 取得(該当)年月日 | 事業主 | 使用関係が発生した日 | 様式2ページ |
| ⑧ 被扶養者 | 事業主 | 0.無/1.有(有は被扶養者(異動)届が別に必要) | 様式2ページ |
| ⑨ 報酬月額 | 事業主 | ㋐通貨・㋑現物・㋒合計。週給は7で割って30倍 | 様式2ページ |
| ⑩ 備考 | 事業主 | 該当する場面のときだけ○ | 様式2ページ |
| ⑪ 住所 | 事業主 | 住民票の住所。個人番号を書いたときは不要 | 様式1・2ページ |
| ⑫ 資格確認書発行要否 | 事業主 | 必要な場合だけ□にチェック | 様式2ページ |
何を添えて、どこへ出す?
添付書類は原則ありません。次の場合だけ、それぞれの書類が必要です。提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所で、電子申請・郵送・窓口持参で出せます。事実が発生してから5日以内に、事業主が出します。
| 場合 | 必要な書類 | 根拠 |
|---|---|---|
| 60歳以上の方を、退職後1日の間もなく再雇用した | 就業規則・退職辞令の写し(退職日が分かるもの)と、雇用契約書の写し(継続して再雇用されたことが分かるもの)。または、退職日と再雇用された日に関する事業主の証明書。同日付の資格喪失届も同時に出す | 詳細説明(ケース2-1) |
| 国民健康保険組合に引き続き加入する(国保組合の理事長が認めた場合) | 被保険者資格取得届と、健康保険被保険者適用除外承認申請書。事実発生日から14日以内 | 様式ページ、詳細説明 |
| 外国籍の従業員で、個人番号と基礎年金番号が結びついていない、または番号制度の対象外 | この届出と一緒に「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」。電子申請のときは電子添付書類として画像ファイル(PDF・JPEG)で出せる | 詳細説明(ケース2-1) |
| 特定減額特例対象者が任意加入する | 従業員からの「特定減額特例対象者 被保険者資格取得申出書」 | 様式ページ |
- 使用関係が始まった日(取得年月日)を確かめる
- 個人番号か、書けないときは基礎年金番号と住所を用意する
- ⑨の報酬月額を㋐㋑㋒で出す(上の道具が使えます)
- 短時間労働者・継続再雇用・二以上事業所勤務者なら、⑩の備考を確かめる
- 事実が発生してから5日以内に、事務センターか管轄の年金事務所へ出す
提出前に確認すること
用意しておく書類(チェックはこの端末にだけ保存されます)
出したあとはどうなる?
届出が受け付けられ、資格取得の確認と標準報酬月額が決まると、『資格取得確認および標準報酬決定通知書』が事業所に送られます。70歳以上被用者に該当する場合は『70歳以上被用者該当および標準報酬月額相当額のお知らせ』も送られます。事業主は、その通知の内容を被保険者に伝えます。
提出が必要な人の届出が出ていなかったと後で分かると、資格取得届を出すとともに、事実が発生したときにさかのぼって保険料を払うことになります。対象が老齢厚生年金の受給者のときは、年金の支払停止がさかのぼって行われ、すでに受け取った年金の返納が必要になることもあります。
70歳以上被用者該当届を出すと、老齢厚生年金の全部または一部が支給停止になる場合があります。70歳以上被用者の期間は被保険者期間ではないので、厚生年金保険料は徴収されず、年金額の計算の基礎にもなりません。
健康保険 被扶養者異動届の書き方⑧を「有」にしたときに別に出す届
雇用保険被保険者資格取得届の書き方入社手続きで一緒に必要になる雇用保険の届
被保険者報酬月額変更届の書き方入社後に給料が大きく変わったときの随時改定
国民年金第3号被保険者関係届の書き方被扶養者が配偶者のときの国民年金の届出
従業員が産休・育休に入るときは、産前産後休業取得者申出書と育児休業等取得者申出書で保険料の免除を申し出ます。
ほかに使える給付や補助金がないか、補助金・給付金の診断でも確かめられます。
よくある質問
Q1.被保険者資格取得届は、いつまでに出しますか?
従業員を採用した場合など、新たに健康保険と厚生年金保険に加入すべき人が生じた場合に、事実が発生してから5日以内に事業主が出します。提出先は事務センターか管轄の年金事務所で、電子申請・郵送・窓口持参で出せます。
Q2.パートやアルバイトの人も出しますか?
短時間労働者として加入対象になる人は出します。特定適用事業所・任意特定適用事業所・国または地方公共団体の事業所に勤務し、1週間の所定労働時間または1月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満のうち、週の所定労働時間が20時間以上で学生ではない人です。2カ月以内の期間を定めて使用される人などは除かれます。この場合は⑩の「3」に○を付けます。1週間の所定労働時間および1カ月の所定労働日数が、同じ事業所で同様の業務に従事している通常の労働者の4分の3以上のパートの人は通常の被保険者で、⑩の「3」に○は付けません。
Q3.従業員がすでに年金を受け取っている場合も出しますか?
加入の要件を満たしていれば出します。従業員が年金受給者であっても、届出は必要です。70歳以上で、厚生年金保険の被保険者になったことがある人は、年金の受給権の有無や年金請求の有無に関係なく、70歳以上被用者該当届が必要です。
Q4.個人番号が分からないときは、どう書きますか?
個人番号が書けないときは、基礎年金番号通知書などに載っている10桁の基礎年金番号を左詰めで⑥に書き、⑪に住民票の住所を書きます。基礎年金番号を書いて住所を書かないと、届書の再提出が必要になります。
Q5.外国籍の従業員を採用したときは、何を足しますか?
個人番号と基礎年金番号が結びついていない人、番号制度の対象外の人の場合は、この届出と一緒に「厚生年金保険被保険者ローマ字氏名届」を出します。電子申請のときは、電子添付書類として画像ファイル(PDF・JPEG)で出せます。
Q6.届出を忘れていたときは、どうなりますか?
資格取得届を出すとともに、事実が発生したときにさかのぼって保険料を払うことになります。対象が老齢厚生年金の受給者のときは、年金の支払停止がさかのぼって行われ、すでに支払われた年金の返納が必要になることがあります。
最終更新:2026年10月4日(令和8年。日本年金機構の様式ページ・短時間労働者のページ 2026年10月1日更新時点の内容に基づく)
出典
- 日本年金機構「2-1:従業員を採用したとき」(被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届)(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「被保険者資格取得届/70歳以上被用者該当届の届出不備や誤りの多い事例」(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「健康保険・厚生年金保険 主な届書様式の一覧」(新しいタブで開きます)
次にすること
- 被保険者資格取得届をダウンロードする(様式カードのボタン)
- 1ページ目の欄を書く(画像の「欄ごとに解説を見る」で1欄ずつ確認できます)
- 提出前に確認する
編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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