単身高齢者が使える制度まとめ|年金・介護・住宅の横断整理2026

制度解説 医療・福祉

この制度の基本情報

この記事は制度の解説です。申請の受付はこのページからはできません。

対象

一人暮らしの高齢者(65歳以上)、または離れて暮らす家族

制度の状況

制度の解説(申請の受付はありません)

制度の基礎データ 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照

詳細解説

本記事にはプロモーションを含みます。

結論から言うと、一人暮らしの高齢者(65歳以上)が使える可能性がある公的な支援は、年金・住宅・介護・医療の4分野にまたがっています。代表的な年金生活者支援給付金は令和8年度の老齢の基準額が月5,620円、住宅確保給付金は家賃相当額が原則3か月分支給されますが、年金収入のみで求職活動をしていない場合は住宅確保給付金の対象外になりやすい点に注意が必要です。この記事は、一人暮らしの高齢者本人やその家族が、対象になり得る制度をひと通り確認できるように横断整理しています。

この記事の要点

  1. 年金生活者支援給付金は自動的に振り込まれるものではなく、「年金生活者支援給付金請求書」の提出が必要です
  2. 住宅確保給付金は当サイトで初めて解説する制度ですが、求職活動要件があるため、年金収入のみで求職活動をしていない場合は使えないことが多いです
  3. 介護保険料には、所得段階に応じて自動的に下がる仕組みと、生活困窮時などに申請する個別減免の2種類があります
  4. 後期高齢者医療の保険料(均等割)は、7割・5割・2割の軽減が申請不要で自動判定されます

まず、単身の高齢者に関係する主な4制度について、対象の目安・内容・申請要否を一覧で確認します。数字はすべて令和8年度時点の内容で、根拠は記事末尾の出典に基づきます。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
制度主な対象内容(令和8年度)申請・受付
年金生活者支援給付金65歳以上の老齢基礎年金受給者で、同一世帯の全員が市町村民税非課税、かつ前年の年金収入等の合計が809,000円以下(昭和31年4月2日以後生まれ。809,000円超909,000円以下は減額される「補足的」給付金)老齢は月額5,620円が基準額(保険料納付済期間等により変動)請求書の提出が必要。随時受付、認定されれば請求月の翌月分から支給
住宅確保給付金離職・廃業後2年以内、または収入減少があり、ハローワーク等で求職活動をしている人家賃相当額を原則3か月(延長最長9か月)支給自立相談支援機関へ申請。随時受付
介護保険料の軽減65歳以上の第1号被保険者所得段階に応じた自動軽減、または個別の減免(要申請)自動軽減は申請不要。個別減免は随時申請を受付
後期高齢者医療の保険料軽減75歳以上等で後期高齢者医療制度に加入している人均等割を7割・5割・2割の3段階で軽減申請不要。広域連合が所得情報から自動判定

単身の高齢者が使える制度にはどんな種類がある?

大きく分けると、上の表の4種類が軸になります。年金生活者支援給付金と住宅確保給付金は自分で請求・申請する必要がある制度、介護保険料と後期高齢者医療の保険料軽減は原則として自動的に判定・適用される制度です。まずは自分がどの制度に当てはまりそうかを確認し、次の見出しから該当しそうな制度だけ読み進めてください。

図解:単身の高齢者が使える制度にはどんな種類がある?

住宅確保給付金は年金収入だけでも使える?

単身高齢者も対象になり得ますが、年金収入のみで求職活動をしていない場合は、求職活動要件を満たせず対象外になりやすい点に注意してください。住宅確保給付金には、離職・廃業要件、求職活動要件、収入要件、資産要件の4つがあり、このうち求職活動要件が単身高齢者にとって最大の落とし穴です。

求職活動要件を見落とさない

公式の案内では「ハローワーク等に求職の申込をし、誠実かつ熱心に求職活動を行うこと」が要件とされています。年齢による除外規定や高齢者向けの特例は一次情報に見当たらず、65歳以上でも同じ求職活動要件が課されます。年金収入だけで暮らしていて就労するつもりがない場合は、この要件を満たせないため対象外になりやすいです。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。

確認対象・制度の位置づけ

対象地域(全国)

目的
医療・福祉
対象地域
全国
対象者
一人暮らしの高齢者(65歳以上)、または離れて暮らす家族

対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。

要件具体的な内容単身高齢者が見落としやすい点
離職・廃業要件主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内、または収入が同程度まで減少しているそもそも離職・廃業や収入減少の事実がない場合は当てはまらない
求職活動要件ハローワーク等に求職の申込みをし、誠実かつ熱心に求職活動を行う年齢による除外規定はなく、65歳以上でも同じ要件が課される。就労意欲がなく求職活動をしていないとこの要件を満たせない
収入要件直近の月の世帯収入合計が、市町村民税均等割が非課税となる額の1/12と家賃の合計を超えていない年金収入だけの世帯は該当しやすいが、上の2要件を満たさなければ意味がない
資産要件世帯の預貯金合計が、市区町村が定める基準額(基準額の6か月分。ただし100万円を超えない額)を超えていない基準額は自治体ごとに異なる
解解説

住宅確保給付金は「年金収入だけの人」を条文上排除してはいませんが、ハローワーク等での求職活動が必須なので、働くつもりがないと使いにくい制度なんです。

問質問

もう働くつもりはないので、うちの親にはそのままでは使えなさそうですね……。

次のチェックで、自分(またはご家族)が求職活動要件を含めた4条件をどこまで満たせそうか確認できます。支給額は生活保護の住宅扶助特別基準額が上限になり、地域によって異なります。申請窓口は自立相談支援機関です。

離職・廃業をきっかけに他の支援もあわせて確認したい場合は、離職後に使える制度まとめも参考になります。

図解:住宅確保給付金は年金収入だけでも使える?

後期高齢者医療の保険料はどのくらい軽減される?

後期高齢者医療制度の保険料のうち均等割額は、世帯の所得水準に応じて7割・5割・2割の3段階で軽減されます。判定は世帯の被保険者全員と世帯主の総所得金額等の合計を基準にし、申請は不要です。広域連合が市区町村からの所得情報をもとに自動的に判定します。

表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
軽減区分所得の判定基準(世帯の所得合計)備考
7割軽減43万円+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下年金・給与所得者数は世帯内で年金や給与の所得がある人の数
5割軽減43万円+31万円×被保険者数+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下被保険者数は世帯の後期高齢者医療の加入者数
2割軽減43万円+57万円×被保険者数+10万円×(年金・給与所得者数-1)以下単身世帯は被保険者数を1として計算する

令和8年度の均等割額そのものの円単位の確定値は、都道府県ごとの広域連合が定めるため本記事では扱いません。軽減される割合と判定の仕組みまでを目安にし、実際の金額はお住まいの後期高齢者医療広域連合または市区町村の窓口で確認してください。75歳未満で国民健康保険に加入している場合は、後期高齢者医療とは別の軽減制度になるため、国民健康保険料が下がる5制度を確認してください。

介護保険料は自動で下がる?申請が必要な場合との違いは?

65歳以上(第1号被保険者)の介護保険料は、所得段階別の定額保険料制です。市区町村民税非課税世帯や低所得者は、もともと段階が低く設定されているため、申請しなくても自動的に低い保険料額になります。これとは別に、介護保険法第142条に基づく徴収猶予・減免があり、災害・失業・長期入院などで所得が著しく減少した場合や、生活が著しく困窮している場合などは、申請に基づいて個別に減免されます。

単身・年金収入のみの高齢者を対象にした個別減免の基準は自治体の条例で決まり、全国一律ではありません。「年間収入150万円以下(世帯人数+1人ごとに50万円加算)、預貯金等350万円以下」のような基準を設けている自治体の例はありますが、この数値がそのまま自分の自治体に当てはまるとは限らないため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。制度の詳しい申請条件や書類は介護保険料の減免|申請で下がる人・自動で下がる人で解説しています。介護サービスの利用を検討している場合は要介護認定の申請書の書き方も参考にしてください。

図解:介護保険料は自動で下がる?申請が必要な場合との違いは?

年金生活者支援給付金はいくらもらえる?

老齢年金生活者支援給付金は、65歳以上の老齢基礎年金受給者で、同一世帯の全員が市町村民税非課税であることに加え、所得によって2段階に分かれます。前年の公的年金等収入とその他所得の合計が809,000円以下(昭和31年4月2日以後生まれ。昭和31年4月1日以前生まれは806,700円以下)なら「老齢年金生活者支援給付金」(月額5,620円が基準額。保険料納付済期間等に応じて変動)が対象です。809,000円を超え909,000円以下(同・806,700円超906,700円以下)の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」という別建ての給付金になり、基準額に「(909,000円-前年の年金収入・所得の合計)÷100,000円」という調整支給率を掛けて減額されます。つまり所得が909,000円に近い人ほど受給額は大きく目減りし、一律5,620円がもらえるわけではありません。障害・遺族の年金生活者支援給付金には世帯課税要件がなく、前年所得が4,794,000円以下(扶養親族数に応じ加算)であれば対象になります。日本国内に住所がない、年金が全額支給停止、刑事施設等に拘禁されている場合は対象外です。

受け取るには「年金生活者支援給付金請求書」の提出が必要です。新規に年金を受け取り始める人は年金請求書と同時に、すでに受給している人は日本年金機構からのはがき等で請求します。請求書の具体的な書き方は年金生活者支援給付金の請求書はがきの書き方で詳しく解説しています。

単身高齢者が誤解しやすい落とし穴

  • 住宅確保給付金は「年金収入だけなら誰でも使える」と誤解されがちですが、求職活動要件があるため、就労の意思がなく求職活動をしていない場合は使えないことが多いです。
  • 後期高齢者医療の保険料軽減や介護保険料の所得段階による軽減は自動判定であり、対象であれば申請しなくても反映されます。一方、災害や失業などによる介護保険料の個別減免は、申請しないと適用されません。
  • 介護保険料の個別減免の基準(年間収入◯万円以下など)は自治体の条例で決まるため、全国共通ではありません。他の市区町村の基準をそのまま自分の自治体に当てはめないでください。
単身高齢者が誤解しやすい落とし穴を整理した図解

相談・見守りはどこに頼ればいい?

複数の制度にまたがって分からないときや、日常的な見守り・相談先を探しているときは、市区町村が設置する地域包括支援センターが窓口になります。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員などが配置され、介護予防ケアマネジメント、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援の4つの機能を担っています。高齢者の孤立防止の見守りや相談も、この総合相談支援業務の一環として受け付けています。

手続きの流れ

  1. 上の表で、自分(またはご家族)に関係しそうな制度を1つ以上洗い出す
  2. 年金生活者支援給付金・住宅確保給付金は自分で請求・申請する必要があるため、必要書類を確認して窓口(年金事務所・自立相談支援機関)に相談する
  3. 介護保険料・後期高齢者医療の保険料は自動判定のため、通知書やお知らせが届いているか確認し、疑問があれば市区町村の担当窓口に問い合わせる
  4. 複数の制度にまたがって分からない場合は、地域包括支援センターへ総合相談する
単身高齢者が使える制度まとめの手続きの流れを整理した図解

よくある質問

Q1.住宅確保給付金は年金収入だけでも申請できますか?

年齢による除外規定はなく申請自体は可能ですが、ハローワーク等での求職活動が要件になっているため、就労の意思がなく求職活動をしていない場合は認められにくいです。まずは自立相談支援機関へ相談してください。

Q2.後期高齢者医療の保険料の軽減は申請が必要ですか?

いいえ。均等割の7割・5割・2割軽減は、後期高齢者医療広域連合が市区町村からの所得情報をもとに自動的に判定するため、申請の手続きは不要です。

Q3.介護保険料が自動的に下がるのと、申請して減免するのはどう違いますか?

所得段階に応じた保険料額はもともと市区町村民税非課税世帯などが低く設定されており、これは申請不要の自動的な仕組みです。一方、災害や失業などで所得が著しく減った場合の個別の減免(徴収猶予・減免)は、申請しないと適用されません。

Q4.年金生活者支援給付金はどうすればもらえますか?

「年金生活者支援給付金請求書」の提出が必要です。新規に年金を受け取り始める人は年金請求書と同時に、すでに受給している人は日本年金機構からのはがき等で請求します。

Q5.制度ごとに問い合わせ先が違ってわかりにくいときはどうすればいいですか?

まずはお住まいの地域包括支援センターに相談すると、年金・介護・住宅・医療にまたがる制度の総合相談窓口として案内を受けられます。

次にすること

ここで紹介した制度のほかにも、世帯の状況によっては使える給付金・助成金がある可能性があります。補助金・給付金診断を始める

最終更新:2026年9月30日

出典

制度情報の確認

編集・監修: (中小企業診断士)

一次情報を確認する編集体制(編集方針・検証方法 | 掲載情報について連絡する)

公開日: 記事更新日:

本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。