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国民健康保険の被保険者がいる世帯
退職や収入減で勤務先の健康保険から国民健康保険に切り替わると、届いた保険料の通知額に驚く人が少なくありません。保険料は前年の所得をもとに計算されるため、収入が途絶えた年ほど負担が重く感じられます。ただし国民健康保険料(自治体によっては国民健康保険税)には、負担を下げる仕組みが大きく分けて5つあります。やっかいなのは、そのうち2つは手続きをしなくても自動で適用されるのに、残り3つは自分から届け出ないと1円も下がらない点です。この違いを知らないまま「うちは何も対象にならない」と思い込み、届出だけで済む軽減を取り逃がす人がいます。本記事は令和8年度(2026年度)の実際の基準額をもとに、どれが自動でどれが申請なのかを最初に切り分けます。
この記事の要点
本記事にはプロモーションを含みます。
下がる道は2本しかありません。1本目は前年の所得が判定基準額以下なら自動で適用される法定軽減(7割・5割・2割)、2本目は自分で届け出る3つの手続き(非自発的失業者軽減・産前産後免除・申請減免)です。令和8年度の法定軽減の判定基準額は、厚生労働省「令和8年度税制改正の概要」で7割軽減が43万円、5割軽減が43万円+31万円×被保険者数、2割軽減が43万円+57万円×被保険者数と示されています。
まず確認すべきは、手元の保険料決定通知書に「軽減」の文字があるかどうかです。7割・5割・2割のいずれかが適用済みなら、法定軽減は既に効いています。そのうえで届出型の軽減に該当しないかを見ます。退職して収入が途絶えた人は、あわせて低所得者向け給付金2026で対象になる世帯の条件と、住民税非課税世帯の令和8年度の判定ラインも同時に確認しておくと、給付金の取り逃がしを防げます。
自分がどの制度に当たるか見当がつかない場合は、自分が対象の制度を3分で診断するところから始めてください。世帯構成と収入状況を選ぶだけで、確認すべき窓口が絞り込めます。
保険料が下がっても固定費は残ります
法定軽減が効いても、下がる額には上限があります。同じ月に電気・ガスなどの固定費を見直しておくと、可処分所得の回復が早くなります。
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保険料の軽減で下がる額には限りがあります。毎月かかる電気料金を比較して切り替えれば、申請不要で家計の固定費が下がります。無料で複数社の料金を比べられるサービスです。
5つの制度を、申請の要否という一点で並べ替えたのが次の表です。取り逃がしが起きるのは右から2列目が「必要」の行だけなので、まずそこに目を通してください。
| 制度 | 対象 | 軽減・免除の中身 | 申請の要否 | 手続きの期限 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|
| 法定軽減(7割・5割・2割) | 世帯の判定所得が基準額以下の世帯 | 均等割・平等割を7割/5割/2割減額 | 不要(自動判定) | ―(住民税の申告は必要) | 厚労省 令和8年度税制改正の概要 |
| 非自発的失業者の軽減 | 離職時65歳未満で特定受給資格者・特定理由離職者に該当する人 | 前年の給与所得のみを100分の30とみなして再計算 | 必要 | 離職日の翌日の属する月から翌年度末まで有効。遡り適用の可否は自治体判断 | 国民健康保険法施行令第29条の7の2第2項 |
| 産前産後期間の免除 | 出産する被保険者(妊娠85日以上の分娩) | 所得割額と均等割額を免除(単胎4か月・多胎6か月) | 必要 | 出産予定日の6か月前から届出可。出産後の届出も可 | 厚労省 産前産後保険料免除資料 |
| 未就学児の均等割減額 | 全世帯の未就学児 | 未就学児分の均等割額を5割減額(法定軽減後にさらに半減) | 不要 | ― | 厚労省 国民健康保険制度の取組強化の方向性 |
| 申請減免(条例減免) | 災害・失業・事業廃止・所得の著しい減少など | 自治体の条例・要綱で定める割合を減免 | 必要 | 納期限前の申請を要件とする自治体が多い | 各自治体の国民健康保険条例 |
この表で「不要」となっている2つは、放っておいても適用されます。逆に「必要」の3つは、窓口が案内してくれるとは限りません。とくに非自発的失業者軽減は、離職票を持って国保の加入手続きをした窓口とは別の担当が扱う自治体もあり、加入だけ済ませて軽減の届出を忘れる失敗が起きます。離職票の書き方に不安がある人は離職票2の異議ありの記入例を、失業給付と並行して手続きする人は失業認定申告書の書き方も先に押さえておくと窓口で迷いません。
法定軽減の判定は、世帯主と被保険者全員の判定所得の合計を、基準額と比べて行います。令和8年度(2026年度)の基準額は次のとおりです。厚生労働省の資料では、給与・年金所得者が2人以上いる場合、基礎控除額43万円に「10万円×(給与・年金所得者の数-1)」が加算されると明記されています。
| 軽減割合 | 令和8年度の判定基準額 | 令和7年度からの変化 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 7割軽減 | 43万円+10万円×(給与・年金所得者の数-1) | 据え置き | 厚労省 令和8年度税制改正の概要 |
| 5割軽減 | 43万円+31万円×被保険者数+10万円×(給与・年金所得者の数-1) | 30.5万円→31万円に引上げ | 同上 |
| 2割軽減 | 43万円+57万円×被保険者数+10万円×(給与・年金所得者の数-1) | 56万円→57万円に引上げ | 同上 |
| 課税限度額(国保税) | 基礎課税額67万円+後期高齢者支援金等26万円+介護納付金17万円=110万円 | 基礎課税額が66万円→67万円に引上げ | 同上 |
被保険者数には、同じ世帯で国民健康保険から後期高齢者医療に移行した人も含めて数えます。世帯主が後期高齢者医療に移っていても、判定上は頭数に入るということです。高齢の家族がいる世帯は、介護保険料の減免で下がる人の条件もあわせて見ておくと、世帯全体の社会保険料を一度に点検できます。
判定に使うのは「収入」ではなく「判定所得」です
年収ではありません。しかも通常の総所得金額とは計算が3点違います。①譲渡所得は特別控除前の金額で見る、②事業専従者控除は控除前の金額で見る、③65歳以上の公的年金所得は15万円を差し引いた後の金額で見る、という調整が入ります(松阪市・みよし市の令和8年度公表基準)。土地を売った年や専従者給与を出している自営業者は、確定申告書の所得金額をそのまま当てはめると判定を誤ります。
被保険者数と給与・年金所得者の数、前年の判定所得の合計を入れると、令和8年度基準でどの軽減区分に入るか、そして2割軽減ラインまであと何万円かが出ます。境界を1万円またぐだけで軽減割合が変わるため、申告漏れの所得がないかを確かめる用途にも使えます。
去年の年収が130万円だったので、5割軽減の105万円は超えていますよね。もう何も期待できませんか。
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
そこが最も多い勘違いです。判定に使うのは年収ではなく判定所得です。給与収入130万円なら給与所得控除を引いた後の金額で判定するため、5割軽減の範囲に入る可能性が十分あります。通知書の「軽減」欄を必ず確認してください。
非自発的失業者の軽減は、5つの中で金額のインパクトが最も大きい制度です。国民健康保険法施行令第29条の7の2第2項の「特例対象被保険者等」に当たる人は、前年の給与所得のみを100分の30とみなして保険料を計算し直します。給与所得300万円なら90万円として扱われるため、所得割が大きく下がり、あわせて法定軽減の判定所得も下がって7割・5割・2割の対象に入り直すことがあります。
対象になるかどうかは、雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)に印字された離職理由コードで決まります。自己都合退職でも、コード23・33・34に当たれば対象です。
| 区分 | 離職理由コード | 代表的な離職事由 | 年齢要件 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 11・12・21・22・31・32 | 倒産・事業所廃止・解雇・退職勧奨・賃金未払い・労働条件の相違など | 離職時に65歳未満 | 雇用保険法第23条第2項 |
| 特定理由離職者 | 23・33・34 | 期間満了による雇止め、正当な理由のある自己都合退職(病気・介護・配偶者の転勤など) | 離職時に65歳未満 | 雇用保険法第13条第3項 |
| 対象外 | 上記9コード以外 | 通常の自己都合退職、定年退職 | ― | 同上 |
| 軽減の期間 | ― | 離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで | ― | さいたま市・中野区の公表基準 |
離職票と受給資格者証を取り違えないことも重要です。届出には受給資格者証か受給資格通知が要るので、ハローワークでの受給手続きが先になります。手続きの順番に迷う人は再就職手当の70%と60%の分かれ目や65歳以上の高年齢求職者給付金も見比べて、失業給付全体の流れを先に把握しておくと無駄足になりません。
保険料が下がっても、医療費や他の社会保険料が高いままでは家計は楽になりません。同じ時期に確認しておくと効果が大きい制度を並べます。
医療費が年間で膨らんだ年は医療費控除の明細書の書き方で翌年の所得を下げられます。判定所得が下がれば翌年度の法定軽減の区分が変わることもあるため、保険料対策としても効きます。
ここからは、実際に窓口で止まりやすいポイントです。制度を知っていても、手続きの順番と時期を外すと軽減が受けられません。
落とし穴1:3月30日離職と3月31日離職で軽減される年度が1年ずれる
非自発的失業者軽減の期間は「離職日の翌日の属する月から、その月の属する年度の翌年度末まで」です。令和8年3月30日に離職すると翌日は3月31日で令和7年度に属するため、対象は令和7年度分と令和8年度分(令和9年3月31日まで)です。1日ずらして令和8年3月31日に離職すると翌日は4月1日となり、対象は令和8年度分と令和9年度分(令和10年3月31日まで)に変わります。たった1日の差で軽減される期間がおよそ1年変わるため、退職日を選べる立場なら年度末の日付は必ず確認してください。
落とし穴2:国保への加入手続きだけ済ませて軽減の届出を忘れる
非自発的失業者軽減は自動適用されません。加入届と軽減届は別の書類です。加入時に離職票を見せていても、受給資格者証を持参して軽減の届出をしなければ保険料は満額のままです。窓口が案内しなかったという理由で不支給になるわけではありませんが、気づくのが遅れるほど納付済み分の処理が煩雑になります。
落とし穴3:住民税の申告をしていないと法定軽減が判定できない
法定軽減は申請不要ですが、所得が把握できない世帯員がいると判定そのものができず、軽減が適用されないまま賦課されます。収入がゼロでも住民税の申告(申告不要の申出を含む)が必要です。世帯の誰か1人の未申告が原因で世帯全体の軽減が外れる差し戻しは珍しくありません。
落とし穴4:申請減免を納期限後に出して却下される
災害や所得激減による申請減免は、多くの自治体が「納期限前の申請」を要件にしています。すでに納期限を過ぎた分は減免対象から外れる扱いが一般的です。分割納付の相談と減免申請は別物なので、まず減免の可否を先に聞いてください。
失敗を避ける最短の道は、通知書が届いた時点で窓口に「うちは軽減の対象になっていますか、届出が必要な軽減はありますか」と2点をまとめて聞くことです。この聞き方なら、担当者が該当制度を洗い出してくれます。
もう1期分納めてしまいました。あとから軽減の届出をしても手遅れですか。
非自発的失業者軽減は軽減対象期間が法令で決まっているので、期間内なら届出後に年度分を再計算し、納めすぎた分は還付または以後の期に充当されます。ただし取扱いは保険者によって差があるため、納付済みである旨を伝えたうえで届け出てください。
手続きが要る制度は、必要書類の入手先が違います。先に書類を取り寄せる制度から動くと、窓口に行く回数が減ります。
再就職が決まって社会保険に入ると国保は資格喪失になります。切り替えの手続きが遅れると二重に請求が届くので、雇用保険被保険者資格取得届の書き方とあわせて日付の整合を取っておくと安全です。
子どもに関わる2つの仕組みは、対象も申請の要否も別物です。混同したまま「子どもがいるから自動で下がるはず」と考えると、届出が要る産前産後免除を逃します。
| 比較項目 | 産前産後期間の免除 | 未就学児の均等割減額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 対象者 | 出産する被保険者本人 | 全世帯の未就学児 | 厚労省資料 |
| 対象期間・割合 | 単胎は出産(予定)月の前月から翌々月までの4か月間、多胎は3か月前から翌々月までの6か月間 | 未就学児分の均等割額の5割 | 世田谷区/厚労省 |
| 免除される費目 | 所得割額と均等割額 | 均等割額のみ | 厚労省資料 |
| 申請 | 必要(出産予定日の6か月前から可) | 不要 | 世田谷区/厚労省 |
| 法定軽減との重ね方 | 軽減後の額からさらに免除 | 7割軽減世帯は8.5割、5割軽減世帯は7.5割、2割軽減世帯は6割に | 厚労省 取組強化の方向性 |
ここでいう「出産」は妊娠85日以上の分娩を指し、死産・流産・早産・人工妊娠中絶も対象に含まれます。制度は令和6年1月から始まり、令和5年11月1日以降に出産予定または出産した人が対象です。なお未就学児の減額については、令和7年11月27日の第205回社会保障審議会医療保険部会で対象を高校生年代まで広げる方向性が示されましたが、令和8年9月時点では未就学児のままです。今後の改正は2026年10月から変わる制度の総まとめで追ってください。
次の項目がすべて「はい」になっていれば、届出は1回で終わります。1つでも欠けていると、書類の再提出で差し戻される可能性があります。
令和8年度に5割軽減と2割軽減の基準額が上がったのは、負担が軽くなったということですか。
はい。被保険者数に乗じる金額が5割軽減で30.5万円から31万円へ、2割軽減で56万円から57万円へ引き上げられました。基準額が上がるほど軽減に入れる所得の幅が広がるため、前年と同じ所得でも令和8年度から新たに軽減の対象になる世帯があります。一方で国民健康保険税の基礎課税額の課税限度額は66万円から67万円へ上がっており、高所得層は逆に上限が引き上げられています。
自己都合で退職しました。非自発的失業者軽減は絶対に受けられませんか。
一律に対象外ではありません。病気・介護・配偶者の転勤など正当な理由のある自己都合退職は特定理由離職者に区分され、離職理由コード23・33・34が付くことがあります。判断はハローワークが行うので、受給資格者証または受給資格通知に印字されたコードを必ず確認してください。上記9コード以外であれば対象外です。
申請減免は全国どこでも同じ条件で受けられますか。
いいえ。申請減免は各市区町村が国民健康保険条例と減免要綱で定めるため、対象事由も減免割合も自治体ごとに異なります。共通して確認すべきなのは、①対象となる事由(災害・失業・事業廃止・所得の著しい減少など)、②前年比で何割以上所得が減る必要があるか、③申請期限が納期限前かどうか、④減免される費目が均等割だけか所得割も含むか、の4点です。この4点を電話で聞けば、該当の見込みはその場で判断できます。
産前産後免除は法定軽減や未就学児減額と同時に受けられますか。
受けられます。法定軽減で減額された後の保険料から、産前産後期間に相当する所得割額と均等割額がさらに免除される仕組みです。未就学児の均等割減額も別枠で効くため、7割軽減が適用されている世帯の未就学児は均等割が実質8.5割減となります。重複するから片方しか使えない、という制度ではありません。
保険料を滞納していますが、軽減の届出はできますか。
届出自体は可能です。法定軽減も非自発的失業者軽減も、滞納の有無を要件にしていません。ただし滞納が続くと短期被保険者証への切り替えや財産の差押えといった別の問題が生じます。軽減の届出で年度分の保険料が下がれば滞納額そのものが圧縮されることもあるので、納付相談より先に軽減の届出を済ませるほうが結果的に早く解決します。
保険料が下がったら、そこで終わりにしないでください。判定所得が下がった世帯は、他の制度の対象にも入り直している可能性があります。
次にやる3つ
非課税世帯に該当した場合の給付は給付金に税金はかかるかの整理で課税扱いを先に確認しておくと、受け取った後で慌てません。学齢期の子どもがいる世帯は高校授業料無償化の全国状況もあわせて確認する価値があります。まだ自分に使える制度を洗い出せていない人は、世帯条件から対象制度を診断するところに戻ってください。
最終更新:2026年9月3日
制度の事実確認まとめ
過去制度と現在の状態を分けて確認してください。
この補助金のポイント
| 現在の位置づけ | 通年募集 / 詳細は事務局へ |
|---|---|
| 確認主体 | 市区町村(国民健康保険担当課) |
| 必要書類 | 雇用保険受給資格者証または雇用保険受給資格通知(非自発的失業者軽減)、本人確認書… 詳細を見る › |
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