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ものづくり補助金の採択率37.5%|要件と第24次の見通し

ものづくり補助金の第22次実績の採択率は37.5%。申請者数が第19次から約71%減る一方で採択率は上昇しています。

この記事の結論

対象者中小企業者 / 小規模企業者・小規模事業者 / 特定事業者の一部 /…
補助額・給付額最大3,000万円(補助率 中小企業1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者2/3)
申請時期第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
まずやること公式ページで最新情報・対象条件を確認
補助金の概要 対象・上限額・申請期限・関連制度を確認

中小企業者 / 小規模企業者・小規模事業者 / 特定事業者の一部 /…

対象地域
全国
対象者
中小企業者 / 小規模企業者・小規模事業者 / 特定事業…
補助上限
最大3,000万円
補助率・給付条件
中小企業1/2、小規模企業者・小規模事業者・再生事業者2/3
公募期間
第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
実施機関
全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)
申請方法
電子申請(GビズIDプライムが必要)
必要書類
事業計画書、賃金引上げ計画の誓約書、決算書(直近2期…
  • 最大3,000万円まで補助される制度です
  • 全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)が公募する公的支援制度
  • 申請方法は電子申請(GビズIDプライムが必要)に対応

詳細解説

本記事にはプロモーションを含みます。

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業・小規模事業者が革新的な製品・サービス開発や生産プロセス改善に取り組むとき、設備投資などの費用を国が補助する制度です。直近の第23次締切は2026年5月8日17時で申請受付を終え、採択発表は2026年8月上旬頃が予定されています。第24次の日程は2026年8月4日時点で公表されていません。この記事は特定の回次に依存せず、制度の骨格と採択実績の推移を公式資料だけで整理した常設ガイドです。とくに注目したいのは、第19次に5,336者だった申請者数が第22次には1,552者まで減り、その一方で採択率が31.8%から37.5%へ上がっているという事実です。競争環境が明らかに変わった今、自社が何を準備すべきかを数字から逆算していきます。

結論|第22次の採択率は37.5%、第24次の日程は未公表

この記事の要点

ものづくり補助金は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2枠構成です。公式の補助上限は高付加価値化枠が従業員規模に応じて750万円〜2,500万円、グローバル枠が3,000万円。つまり最大3,000万円(大幅な賃上げの特例を満額適用した場合は最大4,000万円)が上限の考え方です。申請は電子申請のみで、GビズIDプライムのアカウントが前提です。

37.5%第22次実績の採択率(申請1,552者/採択582者)
約71%減第19次から第22次への申請者数の減少幅
3,000万円公式の補助上限の最大値(グローバル枠/賃上げ特例を満額適用した場合は4,000万円)

ものづくり補助金は毎回「第◯次締切」という単位で公募が繰り返される制度で、回次が変わっても補助上限・補助率・基本要件の骨格はほとんど動きません。動くのは日程と競合の数です。だからこそ、次の回次を待っている段階でも制度の中身は先に固められます。自社が対象になりそうかを先に確かめたい場合は、3つの質問で使える補助金を絞り込む無料診断で当たりを付けてから公募要領を読むと、読む範囲が一気に狭まって効率的です。

第24次について書かれていること・書かれていないこと

2026年8月4日時点で、第24次締切の公募開始日も申請締切日も公表されていません。本記事では推測日程を記載せず、過去の公募間隔という事実だけを後段で整理しています。日程が必要な段階の方は、公式ポータルの公募情報を直接確認してください。

結論|第22次の採択率は37.5%、第24次の日程は未公表を整理した図解

ものづくり補助金とは|実施体制・2つの申請枠・申請方法

この補助金の所管は中小企業庁・経済産業省で、実務を担う事務局は全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)です。公募要領の配布から電子申請の受付、採択発表、交付決定後の事務手続きまで、すべてこの事務局が窓口になります。問い合わせ先はものづくり補助金事務局サポートセンター(TEL 050-3821-7013/10:00〜17:00、土日祝および12月29日〜1月3日を除く)です。

申請枠は2つに整理されています。国内向けの中核が「製品・サービス高付加価値化枠」、海外展開を伴う事業向けが「グローバル枠」です。単に既存設備を新しい機械に入れ替えるだけの投資は対象になりません。新製品・新サービスの開発、あるいは生産プロセスの革新を伴うことが前提であり、ここを外すと入口で落ちます。

GビズIDプライムは締切直前に取ると間に合わない

申請は電子申請システムのみで受け付けられ、GビズIDプライムのアカウントが必須です。アカウント発行には一定の期間がかかるため、公募要領を読み始めた時点でまだ未取得なら、事業計画より先にGビズIDの申請手続きから着手してください。締切当日にアカウントが無いと、どれだけ計画書が仕上がっていても提出できません。

なお、この制度は2026年度に「中小企業新事業進出補助金」などと並ぶ大型の設備投資支援策として位置づけられています。似た目的の制度が並走しているため、どの制度で出すべきかの比較は早い段階でやっておくべきです。制度の関係を横断的に整理した新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の統合解説(最大9,000万円)や、投資目的別に候補を並べた設備投資補助金まとめ【2026年版】が出発点になります。

そしてもう一点、制度の全体像として押さえておきたいのが入金のタイミングです。見落とされがちですが、ものづくり補助金は精算払い(後払い)です。交付決定を受けた後、事業者が自分で発注し、自分で支払いを済ませ、実績報告と確定検査を通って初めて補助金が振り込まれます。つまり数百万円〜数千万円の設備代金を、いったん全額自己資金で立て替える必要があります。採択されてから資金繰りが詰まるのは、この構造を計算に入れていなかったケースです。

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補助金の入金までを埋める「つなぎ資金」の選択肢

向いている人

  • 交付決定は出たが、設備代金の立替資金が手元に足りない
  • 売掛金はあるが入金サイトが長く、支払時期と噛み合わない
  • 借入を増やさずに資金化の手段を確保しておきたい

向いていない人

  • まだ事業計画の段階で、支払時期が具体化していない
  • 自己資金だけで立替が完結する見通しが立っている
  • 売掛債権が発生しない業態である

ファクタリングは売掛債権を期日前に資金化する法人向けの手段で、補助金の入金までの端境期を埋める選択肢のひとつです。補助金の申請そのものに必要な手続きではありません。使うかどうかは、実績報告から入金までの期間と自社のキャッシュフローを突き合わせてから判断してください。

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補助上限額と補助率|従業員規模で750万円〜2,500万円

製品・サービス高付加価値化枠の補助上限は、常時使用する従業員の数によって4段階に分かれます。グローバル枠だけは規模による区切りがなく、一律3,000万円です。補助率は原則として中小企業が2分の1、小規模企業者・小規模事業者および再生事業者が3分の2となります。

枠・従業員規模補助上限額補助率根拠資料
高付加価値化枠 1〜5人750万円中小1/2・小規模2/3第23次公募要領 概要版
高付加価値化枠 6〜20人1,000万円中小1/2・小規模2/3第23次公募要領 概要版
高付加価値化枠 21〜50人1,500万円中小1/2・小規模2/3第23次公募要領 概要版
高付加価値化枠 51人以上2,500万円中小1/2・小規模2/3第23次公募要領 概要版
グローバル枠(規模区分なし)3,000万円中小1/2・小規模2/3第23次公募要領 概要版

ここに2つの特例が重なります。大幅な賃上げに取り組む事業者は補助上限額に100万円〜1,000万円が上乗せされ、最低賃金の引上げに取り組む事業者は補助率が3分の2に引き上げられます。ここで注意したいのは、公表されている補助上限はあくまで高付加価値化枠2,500万円・グローバル枠3,000万円だということです。グローバル枠の3,000万円に上乗せの1,000万円を足した4,000万円という数字は、大幅な賃上げの特例を満額適用できた場合にはじめて成立する理論値であり、無条件の上限ではありません。上乗せを取りにいくなら、賃上げ計画を要件として引き受ける覚悟が前提になります。

交付申請の精査で減額されることがある

採択されれば申請どおりの金額が確定するわけではありません。交付申請時の精査によって、経費の一部が対象外と判断されて減額されたり、全額が対象外になったりする場合があります。また、交付決定額が申請時の補助金申請額を上回ることはありません。上振れは無く、下振れだけがある前提で資金計画を組んでください。

設備投資額がこの上限に届かない規模であれば、他制度のほうが手続き負荷に見合うこともあります。省力化目的なら省力化投資補助金カタログ注文型(2026年改定と申請手順)中小企業省力化投資補助金 一般型、小規模な販路開拓なら小規模事業者持続化補助金 第20回(最大250万円)が現実的な代替になります。東京都内の事業者であれば東京都 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業 第13回のような自治体独自の大型枠も並行して検討する価値があります。また、機械装置だけでなくソフトウェアやシステム構築を含む投資を考えているなら、DX・IT導入補助金まとめ【2026年版】でものづくり補助金との使い分け基準を確認すると、どちらの枠で出すべきかを投資内訳から判断できます。

基本要件は4つ|未達成なら返還義務が発生する

ものづくり補助金の要件で最も重いのは、補助金を受け取った後に課される事業計画上の目標です。3〜5年の事業計画期間の最終年度で達成することが求められ、達成できなければ返還の対象になります。「もらって終わり」ではないという点が、他の設備投資補助金と比べて明確に厳しい部分です。

基本要件基準値判定のタイミング根拠資料
① 付加価値額の年平均成長率+3.0%以上増加(付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費)事業計画期間の最終年度公募要領 基本要件
② 従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上増加事業計画期間の最終年度(未達なら返還)公募要領 基本要件
③ 事業所内最低賃金事業実施都道府県の最低賃金+30円以上事業計画期間中、毎年3月時点(未達の年度ごとに返還)公募要領 基本要件
④ 一般事業主行動計画の策定・公表従業員21名以上の場合に必要(次世代育成支援対策推進法に基づくもの)応募申請時点で策定済みであること厚生労働省 両立支援のひろば

返還ルールは要件ごとに性質が違います。要件②は最終年度に未達なら返還、要件③は未達成の年度ごとに返還という設計です。たとえば3年計画で1年だけ未達だった場合、補助金額の3分の1を返還することになります。単年度の業績が振れやすい業態ほど、この設計は重く効きます。要件②③は毎年の賃上げを続けることとほぼ同義なので、賃上げ自体を支援する制度と組み合わせて資金計画を立てるのが現実的です。事業場内最低賃金の引上げに直接ひもづく業務改善助成金で最大600万円の設備投資支援を受けながら賃上げ原資を確保するという組み立ては、返還リスクを下げる有効な打ち手になります。

読者

従業員が22名なので要件④に該当しそうです。行動計画は女性活躍推進法のものを既に出していますが、これで足りますか。

専門家

足りません。ここで求められるのは次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画で、女性活躍推進法のものとは別物です。しかも「策定済み」だけでなく「公表済み」であることが必要で、両立支援のひろばへの掲載反映に1〜2週間かかります。応募申請時点で未策定だと要件未達で落ちるので、締切の3週間前には着手してください。

対象者・対象事業

対象地域(全国)

目的
DX・デジタル化
対象地域
全国
対象者
中小企業者 / 小規模企業者・小規模事業者 / 特定事業者の一部 / 特定非営利活動法人 / 社会福祉法人
補助上限
最大3,000万円
難易度
4

詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。

もうひとつ見落としやすいのが、要件②③の目標値を全従業員および従業員代表者へ表明する義務です。交付申請時までに表明できていないと、交付決定の取消しと補助金の返還につながります。社内合意を取り付ける時間も、スケジュールに織り込んでおく必要があります。なお、常時使用する従業員が0人の事業者は目標を設定できないため、そもそも申請できません。

賃上げ要件そのものに不安がある場合は、賃上げ原資の一部を別の助成金で確保する組み立ても現実的です。業務改善助成金 令和8年度の変更点(最大600万円)は事業場内最低賃金の引上げに直接ひもづく制度ですし、正社員転換とセットで人件費を組み替えるならキャリアアップ助成金 正社員化コース【令和8年度版】が併走候補になります。

基本要件は4つ|未達成なら返還義務が発生するを整理した図解

補助対象者の範囲|中小企業者・NPO・社会福祉法人まで

補助対象者は、国内に補助事業の実施場所があり、常時使用する従業員が1人以上いる事業者のうち、次のいずれかに該当するものです。

対象になる主体

  • 中小企業者
  • 小規模企業者・小規模事業者
  • 特定事業者の一部
  • 特定非営利活動法人(NPO法人)
  • 社会福祉法人

対象にならない主体

  • みなし大企業
  • みなし同一事業者
  • 常時使用する従業員が0人の事業者
  • 補助事業の実施場所が国内にない事業者

NPO法人や社会福祉法人が明示的に含まれている点は、他の設備投資系補助金と比べた特徴です。ただし「新製品・新サービスの開発を伴う」という事業内容の要件は主体を問わず適用されます。福祉分野であっても、既存サービスの継続に必要な機器を買い替えるだけの計画では通りません。

申請でよくある不採択・落とし穴

ここからは、要件表を読んだだけでは気づきにくい落とし穴を整理します。実際に差し戻しや対象外判定につながりやすいポイントです。

落とし穴1:16ヶ月ルールで門前払いになる

申請締切日を起点として16ヶ月以内に「中小企業新事業進出補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の補助金交付候補者として採択された事業者(辞退者を除く)は、補助対象外です。また、締切日時点でこれらの交付決定を受けて事業を実施中の事業者も対象外になります。直近で他の大型補助金を取った企業ほど、この条件に抵触します。

読者

昨年に事業再構築補助金で採択されました。もう事業は終わっているのですが、それでも次のものづくり補助金には出せないのでしょうか。

専門家

判定の基準は「事業が終わったかどうか」ではなく採択された時点から申請締切日までが16ヶ月以内かです。事業完了済みでも16ヶ月を経過していなければ対象外になります。逆に、採択を辞退した場合はこの制限に含まれません。まずは採択通知の日付を確認し、そこから16ヶ月後がいつになるかをカレンダーで押さえてください。

落とし穴2:報告書の未提出が残っている

第22次締切以前のものづくり補助金で交付決定を受けたにもかかわらず、「事業化状況・知的財産権等報告書」を提出していない事業者は補助対象外です。過去に採択実績がある企業ほど、担当者の交代で報告義務が引き継がれず放置されているケースがあります。申請準備の初日に、過去案件の報告状況を必ず確認してください。

落とし穴3:「新製品・新サービス開発」に当たらない計画

単に機械装置を導入するだけで新製品・新サービスの開発を伴わないものは対象外です。さらに、同業他社や同一地域の同業者に相当程度普及しているものの開発は、そもそも新製品・新サービスの開発に該当しないと判断されます。「うちにとっては新しい」ではなく「市場にとって新しいか」で書き分ける必要があります。この線引きを外した計画書は、内容の良し悪し以前に不採択になります。

落とし穴4:不採択の理由は開示されない

採択結果の理由開示および異議申し立ては一切受け付けられません。つまり、落ちた理由を教えてもらって次回に活かすという学習ループが制度的に用意されていないということです。だからこそ、提出前に第三者の目で公募要領との突き合わせを済ませておくことの価値が高くなります。

事業計画書そのものの書き方でつまずいている場合は、同じ「生産性向上」の文脈で審査される制度の書き方解説が参考になります。省力化投資補助金 事業計画書の書き方は、数値目標と投資内容の紐づけ方という共通の論点を扱っています。また、事業再構築補助金からの乗り換えを検討している方は事業再構築補助金は終了|目的別の代替制度5選で現行制度の対応関係を確認してください。

申請でよくある不採択・落とし穴を整理した図解

採択率の推移|応募者が減り、通過率が上がっている

ここがこの記事の核心です。公式に公表されている採択結果を並べると、申請者数と採択率が逆方向に動いていることがはっきり見えます。

関連する補助金・助成金

締切回採択発表日申請者数採択者数採択率根拠資料
第18次令和6年6月25日5,777者2,070者35.8%公式 採択結果
第19次令和7年7月28日5,336者1,698者31.8%公式 採択結果
第20次令和7年10月27日2,453者825者33.6%公式 採択結果
第21次令和8年1月23日1,872者638者34.1%公式 採択結果
第22次令和8年4月30日1,552者582者37.5%公式 採択結果

第19次の5,336者から第22次の1,552者まで、申請者数は約71%減りました。同じ期間に採択率は31.8%から37.5%へ上がっています。採択者数自体は1,698者から582者へ絞られているので「枠が広がった」わけではありません。母数の減り方が枠の減り方より速いため、結果として1件あたりの通過確率が上がっているという構造です。要件が年々厳しくなり、賃上げや行動計画の負荷に耐えられる事業者だけが残った結果と読めます。

38.3%第22次 高付加価値化枠の採択率(申請1,451/採択555)
26.7%第22次 グローバル枠の採択率(申請101/採択27)
42,783件第1次〜第22次の累計交付決定件数

枠別に見ると差はさらにはっきりします。第22次の製品・サービス高付加価値化枠は申請1,451者に対して採択555者で38.3%、グローバル枠は申請101者に対して採択27者で26.7%でした。グローバル枠は上限3,000万円と金額面で有利ですが、通過率は10ポイント以上低くなります。第1次から第22次までの累計では、交付決定が42,783件・366,219,400,430円に達しています。

過去の採択事例をそのまま参考にできない理由もあります。要件そのものが回次で変わっているためです。第21次の基本要件は「付加価値額の年平均成長率+3.0%以上」「1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上」「事業所内最低賃金を都道府県最低賃金より30円以上高い水準に毎年設定」というもので、給与の基準は都道府県ごとの数値を参照する相対基準でした。

これが第23次では一律+3.5%以上という全国共通の数値基準に変わっています。参考として、公募要領に示された都道府県別最低賃金の直近5年間の年平均成長率は全国平均3.2%、最も低いのが東京都・神奈川県の2.8%、最も高いのが徳島県の4.3%です。つまり東京都や神奈川県のように成長率の低い地域では、第21次の相対基準(2.8%)より第23次の一律基準(3.5%)のほうがハードルは上がっています。同じ「賃上げ要件」でも地域によって体感の難易度が変わったということで、数年前の採択事例の数値をそのまま流用すると要件未達の計画になりかねません。

採択率の水準感を他制度と比べたい場合は、新事業進出補助金の採択率|第1〜3回を公式結果から検証が同じ手法で公式結果を分析しています。制度をまたいで数字を並べると、自社にとってどちらが現実的かの判断がしやすくなります。

グローバル枠の追加要件|3,000万円を狙うための条件

グローバル枠は補助上限3,000万円と金額面で最大の枠ですが、高付加価値化枠の要件に加えて独自の条件が積み上がります。まず、次の4つのグローバル要件のいずれかに該当し、かつ国内の生産性を高める事業であることが前提です。

グローバル要件(いずれか1つ)

  • ① 海外への直接投資
  • ② 海外市場開拓(輸出)
  • ③ インバウンド対応
  • ④ 海外企業と共同で行う事業

共通して求められる体制

  • 海外事業に関する実現可能性調査の実施(市場調査・現地規制/法令調査・取引先信用調査など)
  • 社内に海外事業の専門人材を有すること、または外部専門家と連携すること

さらに要件ごとに定量的な条件が付きます。要件①(海外直接投資)は、補助対象経費の2分の1以上が海外支店の経費または海外子会社向け外注費等であり、かつ本社が国内にあって国内事業所にも投資することが必要です。要件②(輸出)は最終販売先の2分の1以上が海外顧客であること、要件③(インバウンド)は販売先の2分の1以上が訪日外国人であることが求められます。加えて要件②③については、補助事業の売上累計が補助額を上回る事業計画であることが条件です。

グローバル枠を選ぶ判断軸

上限3,000万円という数字だけで選ぶと、実現可能性調査の実施や海外人材の体制要件で準備期間が足りなくなります。第22次の採択率も26.7%と高付加価値化枠より低い水準です。海外売上の実績や現地パートナーが既にある事業者であれば有利に働きますが、これから海外展開を始める段階であれば、高付加価値化枠で国内の生産性向上を主題に据えるほうが通過確率は高くなります。

グローバル枠の追加要件|3,000万円を狙うための条件を整理した図解

第24次締切の見通し|2026年8月4日時点で未公表

第24次締切の公募開始日および申請締切日は、2026年8月4日時点で公表されていません。したがって本記事では具体的な日付を提示しません。判断材料になるのは、過去の回次の申請締切日がどの間隔で設定されてきたかという事実だけです。公式スケジュールの実値を並べます。

締切回申請締切日採択発表日前回締切からの間隔根拠資料
第19次2025年4月25日2025年7月28日公式スケジュール
第20次2025年7月25日2025年10月27日91日公式スケジュール
第21次2025年10月24日2026年1月23日91日公式スケジュール
第22次2026年1月30日2026年4月30日98日公式スケジュール
第23次2026年5月8日2026年8月上旬(予定)98日公式スケジュール

直近4回の締切間隔は91日・91日・98日・98日で、いずれも約3か月に収まっています。申請締切から採択発表までも90〜94日と、こちらも約3か月が定着しています。第23次の採択発表が2026年8月上旬頃と予告されているのは、この周期どおりの動きです。

「計算上そうなる」と「発表された」は別

この周期がそのまま続くと仮定すれば、第24次の申請締切は2026年8月中旬前後になる計算です。ただしこれは過去の間隔から機械的に引いた数字にすぎず、2026年8月4日時点で第24次の公募は発表されていません。第23次は公募開始2026年2月6日から申請締切2026年5月8日まで約3か月ありました。同じ前倒し幅で考えると、8月4日時点で公募開始の告知がない以上、計算上の日程どおりにはならない可能性のほうが高いと見るべきです。日付を先取りして逆算スケジュールを組むのではなく、公募開始の発表そのものを待ってください。

第23次の実績日程(確定情報)

公募開始 2026年2月6日(金)/電子申請の受付開始 2026年4月3日(金)17時/申請締切 2026年5月8日(金)17時【厳守】/採択公表 2026年8月上旬頃予定。公募開始から締切まで約3か月ある一方、電子申請システムで実際に提出できる期間は約1か月しかありませんでした。

日程が読めない期間にやるべきことははっきりしています。GビズIDプライムの取得、次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定と公表、賃上げ目標の社内合意、そして過去採択案件の報告書提出状況の確認。いずれも公募開始後に着手すると間に合わない項目ばかりです。公募要領が出てから動き出す事業者と、いま動いておく事業者の差が、そのまま採択の差になります。

設備投資カテゴリの補助金一覧機械装置・システム導入を対象とする国・自治体の制度をまとめて比較できます

DX・デジタル化カテゴリの補助金一覧生産プロセスのデジタル化・システム投資に使える制度を横断で確認できます

読者

第24次の公募が始まってから準備を始めても間に合いますか。公募開始から締切まで3か月あるように見えるのですが。

専門家

第23次の実績で見ると、公募開始は2026年2月6日でも電子申請の受付開始は4月3日17時でした。実質的に提出できる期間は締切までの約1か月です。しかもGビズIDの発行と行動計画の公表反映にそれぞれ時間がかかるため、公募開始を待ってから動くと申請期間の大半を事務手続きで消費します。準備の実質的なスタートラインは公募開始日ではありません。

まとめ|回次を待つ間にやることは決まっている

ものづくり補助金は、補助上限750万円〜3,000万円(大幅な賃上げの特例を満額適用した場合は最大4,000万円)、補助率2分の1または3分の2の設備投資支援制度です。第22次実績の採択率は37.5%で、申請者数の減少に伴い直近3回は上昇傾向にあります。ただし基本要件は4つとも達成義務があり、未達成なら返還が発生します。金額の大きさだけでなく、3〜5年にわたる目標達成の負荷を含めて判断すべき制度です。

次のアクション

まだ制度の当たりが付いていない段階なら、自社の投資目的と規模から候補を絞るところから始めてください。ものづくり補助金以外にも、同じ設備投資を対象とする制度が複数走っています。

出典

最終更新:2026年8月4日

補助金の概要

要点

対象・申請情報まとめ

詳細条件は公募要領で確認してください。

対象地域
全国
対象者
中小企業者 / 小規模企業者・小規模事業者 …
補助上限
最大3,000万円
公募期間
第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
実施機関
全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)
主要スケジュール
申請期間 第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表) 全スケジュール ›
申請方法
電子申請(GビズIDプライムが必要)
必要書類
事業計画書、賃金引上げ計画の誓約書、… 詳細を見る ›
  • 最大3,000万円まで補助される制度です
  • 全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)が公募する公的支援制度
  • 申請方法は電子申請(GビズIDプライムが必要)に対応
POINT!

この補助金のポイント

  • 最大3,000万円まで補助される制度です
  • 全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)が公募する公的支援制度
  • 申請方法は電子申請(GビズIDプライムが必要)に対応
補助対象経費 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、… 詳細を見る ›
公募期間 第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
実施機関全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)
主要スケジュール
  1. 申請期間第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
  2. 締切第23次は2026年5月8日17時で受付終了(第24次は未公表)
全スケジュール ›
申請方法 電子申請(GビズIDプライムが必要)
必要書類 事業計画書、賃金引上げ計画の誓約書、決算書(直近2期分)、従業員数の確認資料など… 詳細を見る ›
公募要領
SUMMARY

この補助金のまとめ

  • 最大3,000万円まで補助される制度です
  • 全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)が公募する公的支援制度
  • 申請方法は電子申請(GビズIDプライムが必要)に対応
申請前に、公式サイトの公募要領と最新の受付状況をご確認ください。 掲載情報について連絡する
公式に公表されている直近5回の実績では、第18次35.8%、第19次31.8%、第20次33.6%、第21次34.1%、第22次37.5%です。第22次は申請1,552者に対して採択582者でした。枠別に見ると、製品・サービス高付加価値化枠が38.3%(申請1,451/採択555)、グローバル枠が26.7%(申請101/採択27)となっています。
2026年8月4日時点で、第24次の公募開始日・申請締切日はいずれも公表されていません。公式スケジュールの申請締切日で見ると、第19次2025年4月25日、第20次2025年7月25日、第21次2025年10月24日、第22次2026年1月30日、第23次2026年5月8日と、直近4回の間隔は91〜98日(いずれも約3か月)です。この周期どおりなら第24次は2026年8月中旬前後の計算になりますが、あくまで過去の間隔から引いた目安であり発表された日程ではありません。ものづくり補助金総合サイトの公募スケジュールで最新の発表を確認してください。
精算払い(後払い)です。交付決定後に事業者が自分で発注・支払いを済ませ、実績報告と確定検査を経てから補助金が入金されます。そのため設備代金はいったん全額を自己資金または借入で立て替える必要があります。採択後の資金繰りが詰まりやすいポイントなので、事業計画の段階で入金までのつなぎ資金を確保しておいてください。
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・公表です。女性活躍推進法に基づくものとは別の計画なので混同しないでください。応募申請時点で策定されていない場合は要件未達となります。公表先である厚生労働省「両立支援のひろば」への掲載反映に1〜2週間かかるため、締切の3週間前には着手する必要があります。
申請締切日を起点として16ヶ月以内に「中小企業新事業進出補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の補助金交付候補者として採択された事業者(辞退者を除く)は補助対象外です。締切日時点でこれらの交付決定を受けて事業実施中の場合も対象外になります。判定は事業が完了しているかどうかではなく、採択日から締切日までの期間で行われます。

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編集・監修: (中小企業診断士)

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公開日: 最終更新日: 出典: 全国中小企業団体中央会(ものづくり補助金事務局)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。