住宅借入金等特別控除申告書の書き方2026|年末調整の記入例

制度解説 住宅・住まい

この制度の基本情報

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対象

住宅ローンを利用してマイホームを取得・新築・増改築し、住宅借入金等特別控除の適用を最初の年分の確定申告で受けた給与所得者のうち、2年目以後の年分について勤務先の年末調整で控除を受ける人。

合計所得金額の見積額が2,000万円以下(床面積40㎡以上50㎡未満の特例居住用家屋・特例認定住宅等は1,000万円以下)であることが必要。

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制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照

住宅ローンを利用してマイホームを取得・新築・増改築し、住宅借入金等特別控除の適用を最初の…

対象地域
全国
対象者
住宅ローンを利用してマイホームを取得・新築・増改築し、住…
確認した過去制度の金額
提出時期
提出先:国税庁
確認主体
国税庁
情報の確認方法
一次情報・公式発表を確認
必要書類
(1)その年分の「給与所得者の住宅借入金等特別控除申…
  • 確認主体:国税庁

詳細解説

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住宅ローン控除は1年目が確定申告、2年目からは勤務先の年末調整——この切替でつまずく人が多い制度です。2年目以降に出す「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼住宅借入金等特別控除計算明細書」は国税庁のサイトからダウンロードできず、入居2年目に税務署が各年分をまとめて送ってきます。国税庁の記載例と様式の実物を突き合わせ、①〜⑥の各欄に何をどこから転記するかを欄単位で解説します。

結論

  1. 年末調整で受けられるのは2年目以降だけ。1年目は確定申告。
  2. 出すのは証明書兼申告書+年末残高等証明書の2点(調書方式なら後者は不要)。
  3. 用紙は入居2年目に各年分が一括送付。毎年は届きません。
  4. 控除額は⑤欄×0.7%、100円未満切捨て
  5. 合計所得金額の見積額が2,000万円超は適用なし
0.7%令和4年以後入居の控除率
2,000万円所得の見積額の上限
97,500円住民税側の控除限度額

住宅借入金等特別控除申告書は、年末調整で何をどう書くのですか?

書くのは①〜⑥の6つの計算欄と、氏名・住所・勤務先・「年間所得の見積額」・(備考)だけです。金額の元ネタは2か所しかなく、①は金融機関の年末残高等証明書、②③④の右側にある取得対価の額や居住用割合は用紙の下半分に税務署が印字済みの「証明事項」から拾います。

用紙の正式名称は令和4年1月1日以後に入居した人の場合給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼住宅借入金等特別控除計算明細書で、令和3年12月31日までに入居した人には(特定増改築等)が付いた別の様式が届きます。控除率も要件も違うので、まず自分の用紙の表題を確認してください。下部の(証明事項)(令和○年中居住者用・認定住宅等用)に出てくる年はあなたが入居した年で、申告書の年分ではありません。年ごとの限度額の全体像は住宅ローン控除2026・借入限度額5000万円の条件で整理しています。

なお2026年(令和8年)の年末調整そのものの変更点は住宅ローン控除以外にもあります。基礎控除や扶養の判定など、様式横断の改正点は年末調整2026の変更点にまとめました。制度全体の切り替わりを俯瞰したい場合は2026年10月から変わる制度の総まとめもあわせてどうぞ。

2026年9月6日時点の注意点

国税庁の「年末調整がよくわかるページ」は、この記事の作成時点では令和7年分が最新で、令和8年分の情報は10月頃公開予定と告知されています。本記事の様式の読み方・欄名は、国税庁が公開している令和7年分の記載例と様式の実物にもとづいています。金額の限度額は入居年で決まるため、令和8年分の年末調整でも令和7年以前に入居した人の数字は変わりません。

勤務先に出すのは何と何ですか?届く時期はいつですか?

結論から言うと2点です。証明書方式(一般的な方式)では、所定の事項を記入した「その年分の証明書兼申告書」と、金融機関等から交付を受けた「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を給与の支払者に提出します。借入先が複数ある人は、全ての年末残高等証明書を出す必要があります。

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書類誰が用意するか届く時期・入手方法根拠資料
給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼住宅借入金等特別控除計算明細書(証明書兼申告書)税務署が交付(申告書と控除証明書は兼用)証明書方式は入居2年目の10月下旬頃、調書方式は11月下旬頃に、控除を受けることとなる各年分を一括して送付国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」29〜30ページ
住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書借入先の金融機関等各年の11月下旬頃に送付。2か所以上から借りている場合は全ての証明書を提出国税庁「年末調整で住宅借入金等特別控除を受ける方へ」
電子交付を選んだ場合の証明書兼申告書国税庁(e-Taxメッセージボックス)証明書方式は毎年10月頃、調書方式は毎年11月中旬頃に格納国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」30ページ
調書方式で借りている場合の年末残高等証明書不要債権者が税務署に年末残高調書を提出し、国税当局から年末残高情報が提供される。ただし令和8年分以降は用紙に年末残高が印字されないため、金融機関から届く住宅ローン返済計画表等を基に自分で記入する国税庁「住宅ローン控除の適用に係る手続(年末残高調書を用いた方式)について」
紛失・未着のときの再交付本人が税務署へ申請「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」をe-Taxまたは書面で提出(手続根拠は租税特別措置法第41条の2の2)国税庁 手続案内A1-39
質問

去年は届いたのに、今年は税務署から何も来ていません。手続きを忘れられたのでしょうか。

解説

それが正常です。証明書兼申告書は毎年届くのではなく、入居2年目に「控除を受けることとなる各年分」がまとめて1回で送られてきます。去年の封筒の中に令和8年分・令和9年分…と何枚も入っていたはずなので、その束から該当年分を探してください。国税庁の説明書も「同封の令和8年分以後の証明書兼申告書とともに保存しておいてください」と案内しています。

自分が「証明書方式」か「調書方式」かを先に判定する

提出物が2点か1点かは、借入先の金融機関が調書方式に対応しているかで決まります。令和4年度税制改正で、住宅ローン控除の手続はこれまでの年末残高証明書を用いる証明書方式から、年末残高調書を用いる調書方式へ移行することとされました。ただし国税庁は、システム改修等への対応が困難な債権者は引き続き証明書方式とすることができる経過措置を設けており、この経過措置は特段の手続きを行うことなく全ての債権者に適用されるものとして取り扱われています。つまりいまも多くの人は証明書方式のままです。

調書方式に対応した金融機関から借りている場合、控除の適用を受けるには金融機関に対しマイナンバー等を記載した「住宅ローン控除の適用申請書」(様式は各金融機関による)を提出することとされています。

令和8年分は「印字されているかどうか」で方式を見分けられません

証明事項のワ・カ・ヨ欄(住宅借入金等の年末残高に関する事項)に年末残高が印字されるのは、調書方式のうち令和7年分までです。国税庁の記載例は、この欄が「証明書方式の場合」と「調書方式で令和8年分以降の場合」は空欄で表示されますと明記しています。つまり令和8年分では、どちらの方式でもワ・カ・ヨ欄は空欄で届きます。同じ記載例は「なお、調書方式の場合で令和8年分以降は、金融機関等から交付される住宅ローン返済計画表等を基に年末残高を記載してください。」としており、調書方式の人も令和8年分からは自分で年末残高を書くことになります。方式の判定は用紙の印字ではなく、金融機関に「住宅ローン控除の適用申請書を出しているか」「年末残高調書を提出しているか」を確認するのが確実です。

実務上の分かれ目は、11月下旬に年末残高等証明書が届くかどうかです。届けば証明書方式なのでそれを添付し、届かない場合は調書方式なので添付は不要ですが、代わりに返済計画表等で12月31日時点の残高を自分で確認して①欄に書きます。

控除の対象になりそうな制度が他にもないか気になる方は、世帯構成と住まいの状況から使える制度を絞り込める補助金・給付金の無料診断を先に通しておくと、年末調整と確定申告のどちらで動くべきかが整理しやすくなります。年末調整の他の様式も同時期に配られます。扶養控除等申告書の書き方基礎控除申告書の書き方・104万円判定は住宅ローン控除の判定にも効いてくるので、同じ封筒の中身として押さえておきましょう。

確認対象・制度の位置づけ

対象地域(全国)

目的
住宅・住まい
対象地域
全国
対象者
住宅ローンを利用してマイホームを取得・新築・増改築し、住宅借入金等特別控除の適用を最初の年分の確定申告で受けた給与所得者のうち、2年目以後の年分について勤務先の年末調整で控除を受ける人。
確認した過去制度の金額

対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。

住まいのお金の年次見直し:火災保険は住宅ローン控除と同じ「毎年の見直し枠」に入ります

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向く人

  • 住宅ローン契約時に金融機関から勧められた火災保険をそのまま継続している
  • 契約が5年契約などで、更新時期が近い
  • 水災補償や地震保険の付け方を一度も見直していない

向かない人

  • 今年契約したばかりで、更新まで年数がある
  • 団体扱いなど勤務先経由の割引が既に効いている
  • 賃貸で、保険料を自分で選べない

便益:住宅ローン控除は入居年で条件が固定され、年末調整では金額を動かせません。一方で火災保険料は補償の組み方と保険会社の選び方で毎年動きます。複数社の条件を一度に取り寄せれば、同じ補償のまま年間の固定費だけを下げられる余地があるかを確認できます。見積もりは無料で、申し込み義務はありません。

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あわせて確認しておきたい年末調整の様式と住まいの制度

住宅ローン控除だけを単体で見ると損得を読み違えます。同じ年末調整で出す他の申告書、確定申告に回す医療費控除、住まい関連の給付をひととおり並べたうえで、どれを11月に出し、どれを翌年2月に回すかを決めてください。控除の枠組み自体が動く可能性もあるため、給付付き税額控除はいつから令和9年度概算要求で先行きも押さえておくと、繰上返済や住み替えの判断がしやすくなります。

年末調整で戻る額の目安を試算する

控除額は「年末残高」だけでは決まりません。①入居年と住宅の区分で決まる借入限度額でのクランプ、②あなたの所得税額を超えては引けないという頭打ち、③引ききれない分が住民税へ回るときの上限、という3段階の上限が順番にかかります。この3段を手計算で間違えないのは難しいので、下で入力して確かめてください。

質問

残高が3,500万円あるのに、試算だと21万円で頭打ちになりました。計算が間違っていませんか。

解説

合っています。控除の対象になるのは年末残高そのものではなく、入居年と住宅の区分で決まる借入限度額までの部分だけです。省エネ基準適合住宅で令和6年入居なら借入限度額は3,000万円なので、3,500万円借りていても3,000万円×0.7%=21万円が上限になります。用紙の⑤欄に「(最高3,000万円)」、⑥欄に「(最高210,000円)」と印字されているのはそのためです。

欄別の記入例:①から⑥に何をどこから転記するか

ここが本題です。以下は国税庁が公開している記載例(新築住宅・省エネ基準適合住宅に該当、住宅と土地の借入をそれぞれ実施、連帯債務なし)の数字をそのまま使って、様式に実際に印字されている欄名と対応させたものです。金額を自分で発明する欄は1つもありません。すべて年末残高等証明書か、用紙下部の証明事項からの転記か、その四則演算です。逆に言えば、転記元を1つ取り違えるだけで差し戻しになります。以下の表の「転記元」列を必ず突き合わせてください。

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様式に印字されている欄名記入例と考え方転記元
上部◯◯税務署長給与の支払者の所在地等の所轄税務署長を書く。自分の住所地の税務署ではない勤務先に確認
上部給与の支払者の名称(氏名)/給与の支払者の法人番号/給与の支払者の所在地(住所)勤務先の名称、13桁の法人番号、所在地勤務先に確認
上部(フリガナ)あなたの氏名/あなたの住所又は居所本人の氏名・現住所。世帯主の氏名及びあなたとの続柄の欄もある本人記入
新築、購入及び増改築等に係る住宅借入金等の年末残高(内、連帯債務による借入金の額)Ⓐ住宅のみ=13,000,000円、Ⓑ土地等のみ=15,000,000円。連帯債務がある場合だけ、括弧の内書きにその額を書く年末残高等証明書の「住宅借入金等の金額」の年末残高
住宅借入金等の年末残高(①のうち単独債務の額+①のうち連帯債務の額×「連帯債務割合」)連帯債務がなければ①と同額。Ⓐ13,000,000円、Ⓑ15,000,000円①と証明事項の連帯債務割合
②と証明事項の取得対価の額又は増改築等の費用の額のいずれか少ない方の金額Ⓐは②13,000,000円と㋺15,000,000円を比べて少ない13,000,000円。Ⓒ列は②と(㋺+㋭)の少ない方②と証明事項の㋺(家屋)・㋭(土地等)
③×「居住用割合」(100.0%)13,000,000円。店舗併用などで居住用が100%未満なら、その割合を掛ける証明事項の㋩(家屋の居住用割合)・㋬(土地等の居住用割合)
住宅借入金等の年末残高等(④の欄の合計額)13,000,000+15,000,000=28,000,000円。欄内に「(最高3,000万円)」のように上限が印字されており、これを超える額は書けないⒶ〜Ⓓの④の合計
住宅借入金等特別控除額(⑤×0.7%)28,000,000×0.7%=196,000円。100円未満の端数は切捨て。欄内に「(最高210,000円)」の上限が印字されている
右側年間所得の見積額6,000,000円。欄内に「2,000万円を超える場合は控除の適用がありません。」と印字されている。空欄のまま出すと差し戻しになりやすい本年1月1日から12月31日までの合計所得金額の見積額
右側重複適用を受ける場合の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額重複適用を受ける人だけが記入。該当しなければ空欄重複適用1枚目・2枚目の合計
Ⓒ列④の按分③×「居住用割合」(Ⓒ住宅及び土地等)Ⓐ④の居住用割合とⒷ④の居住用割合が同じならその割合を括弧内に書く。異なる場合は括弧内の記入を省略し、[Ⓒ③×㋺÷(㋺+㋭)×㋩%]と[Ⓒ③×㋭÷(㋺+㋭)×㋬%]を計算して合計額をⒸ④に書く。当てはめた計算は(備考)欄に書くⒸ③と証明事項の㋺・㋭・㋩・㋬
下部(備考)次の場合に記入する。①連帯債務があり控除証明書に負担すべき割合の記載がないとき(他の連帯債務者から文言・住所・氏名の記入を受ける)②調書方式のとき(「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」などと、その旨を記載する)③上のⒸ列④の算式で計算したとき(当てはめた計算を書く)④災害で住めなくなり翌年以後も控除を受けるとき(「災害発生日 令和○年○月○日」と記載)本人・連帯債務者の記入

連帯債務がある人の(備考)欄:国税庁の記載例の文言

国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」は、(備考)欄の記載例として次の文を示しています。「私は、連帯債務者として、住宅借入金等の残高19,500,000円のうち9,750,000円を負担することとしています。東京都港区芝5‒8‒1 田中恵美  勤務先:新宿区四谷三栄町24 △△株式会社」。ただし、居住日の属する年分が平成31年分以後の人に令和2年10月1日以後に税務署から送付された控除証明書には、控除を受けるべき人が負担すべき割合が記載されています。その控除証明書を添付する場合、(備考)欄への連帯債務者に関する事項の記載は不要です。令和4年以後に入居した人は、原則としてこの「記載不要」側に入ります。

用紙の下半分「証明事項」は自分では書かない

証明書兼申告書は1枚で2役です。上半分があなたが記入する申告書、下半分が税務署が印字して交付した年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書です。下半分は原則としてあなたが書く欄ではなく、上の①〜⑥を埋めるための転記元として読みます。

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証明事項の欄そこに印字されているもの申告書のどこで使うか
(証明事項)(令和○年中居住者用・認定住宅等用)あなたの入居年と、適用される様式区分。申告書の年分とは別物で、令和7年分の申告書にも「令和6年中居住者用」と印字される入居年から自分がどの限度額の行に当たるかを判定する。年分違いの用紙かどうかの判定には使えない
㋑居住開始年月日/家屋に関する事項(㋺取得対価の額・㋩居住用割合・連帯債務割合)確定申告で申告した家屋側の数字③欄(②と㋺の少ない方)と④欄(㋩の割合)
土地等に関する事項(㋭取得対価等の額・㋬居住用割合・連帯債務割合)確定申告で申告した土地等側の数字③欄(②と㋭の少ない方)と④欄(㋬の割合)
(2つ目の)居住開始年月日/増改築等に関する事項(増改築等の費用の額・居住用割合・連帯債務割合)増改築等がある場合のみ印字。増改築部分を住み始めた日は家屋の入居日と別に印字されるⒹ列(増改築等に係る借入金等の計算)
㋾住宅の区分等「特例居住用家屋」「特例認定住宅等」などの記載床面積40㎡以上50㎡未満の人は所得要件が1,000万円に下がる判定に使う
住宅借入金等の年末残高に関する事項(ワ=住宅のみ/カ=土地等のみ/ヨ=住宅及び土地等)調書方式で令和7年分までの場合のみ年末残高情報が印字される。証明書方式の場合と、調書方式で令和8年分以降の場合は空欄①欄。空欄の場合は年末残高等証明書または返済計画表等から自分で書く。繰上返済で実際の残高と違う場合は実際の残高で計算する
備考「省エネ基準適合住宅・新築」のような住宅の区分自分がどの限度額の行に当たるかの確認
(参考)適用初年分の控除額初年分の控除額各年分の控除額ではない。様式にも「各年分の控除額ではありませんのでご注意ください。」と注記されている

関連する制度・助成金

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入居年と住宅の区分で借入限度額はこう変わる

令和4年1月1日以後に入居した人の控除率は原則0.7%、控除期間は原則13年です(東日本大震災の被災者向けの「住宅の再取得等に係る控除額の特例」だけは0.9%で、令和4年・令和5年入居は借入限度額5,000万円・控除限度額45万円、令和6年入居は4,500万円・40.5万円と別枠になります)。差がつくのは借入限度額で、住宅の性能区分と入居年、さらに子育て世帯・若者夫婦世帯(特例対象個人)に当たるかで分かれます。下表の控除限度額と控除期間は国税庁タックスアンサーNo.1211-1に掲載された数値、借入限度額は国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」32ページの一覧表から取っています。

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住宅の区分令和4年・令和5年入居令和6年・令和7年入居(下記以外)令和6年・令和7年入居(特例対象個人)根拠資料
認定住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅)5,000万円/35万円4,500万円/31.5万円5,000万円/35万円国税庁 No.1211-1(控除限度額)/「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ(借入限度額)
ZEH水準省エネ住宅4,500万円/31.5万円3,500万円/24.5万円4,500万円/31.5万円国税庁 No.1211-1(控除限度額)/「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ(借入限度額)
省エネ基準適合住宅4,000万円/28万円3,000万円/21万円4,000万円/28万円国税庁 No.1211-1(控除限度額)/「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ(借入限度額)
その他の住宅(新築)3,000万円/21万円(13年)原則0円。令和5年12月31日までに建築確認を受けたもの又は令和6年6月30日までに建築されたものは2,000万円/14万円・10年同左国税庁 No.1211-1(控除限度額)/「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ(借入限度額)
既存住宅の取得(買取再販を除く)・増改築等認定住宅等なら3,000万円/21万円・10年、認定住宅等以外なら2,000万円/14万円・10年(入居年を問わず)国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ

「特例対象個人」の定義は原文で確認する

国税庁タックスアンサーNo.1211-1は特例対象個人を「個人で、年齢40歳未満であって配偶者を有する者、年齢40歳以上であって年齢40歳未満の配偶者を有する者または年齢19歳未満の扶養親族を有する者」と定義しています。判定は居住年の12月31日の現状によります。年末調整の年ではなく入居した年の年末で判定するため、いま40歳を超えていても入居年に該当していれば上乗せ後の限度額が適用されます。自分がどちらかは証明書兼申告書の⑤欄に印字された上限額を見れば分かります。

年末調整で差し戻しになりやすい落とし穴

機械的にチェックできる項目は勤務先が見てくれますが、次のような誤りは書類だけでは気づかれず、後から修正申告や還付のやり直しになることがあります。とくに1と2は毎年の定番の落とし穴です。

  1. 「年間所得の見積額」が空欄・過少。合計所得金額の見積額が2,000万円を超える年分は控除を受けられません。給与以外に不動産所得や株式の譲渡所得がある人は特に注意点です。床面積40㎡以上50㎡未満の特例居住用家屋・特例認定住宅等に当たる人は、この基準が1,000万円まで下がります。
  2. 繰上返済したのに証明書の額をそのまま書いた。証明書の年末残高が予定額で記載されている場合や繰上返済をした場合、実際の12月31日の残高と食い違います。国税庁は「実際の年末残高による正しい申告書を提出し直す必要があります」としています。証明書方式なら金融機関に取り直し、調書方式なら返済計画表等で自分で確認します。
  3. 年分の違う用紙を出した。入居2年目に各年分がまとめて届くため、束から1枚取り出すときに年をまたぐ事故が起きます。確認するのは用紙左上の「令和○年分」だけです。下部の「(証明事項)(令和○年中居住者用)」はあなたの入居年を示すもので全年分に共通して印字されるため、ここを年分の判定に使うと正しい用紙を「年が違う」と誤判定します。なお平成37年分と印字された古い用紙は、その部分を補正する必要はありません。
  4. (参考)適用初年分の控除額を、そのまま今年の控除額として書き写した。証明書部分に印字されている金額は初年分のもので、様式にも各年分の控除額ではない旨が注記されています。毎年⑤欄から計算し直します。
  5. 1年目なのに年末調整で出そうとした。最初の年分は確定申告が必須です。転勤等で一度住まなくなった住宅に再び住んで再適用を受ける最初の年分も同じ扱いになります。
  6. 年末調整で控除の種類を選び直そうとした。認定住宅等の特例とその他の住宅ローン控除のどちらの要件も満たす人は、確定申告書に記載した方の控除が適用されます。年末調整で変更することはできません。

この控除自体が受けられなくなるケース

入居後、その年の12月31日まで引き続き住んでいない年分は適用がありません。また居住年の翌年以後3年以内に、その家屋以外の資産を譲渡して居住用財産の譲渡所得の特例などを受けた場合は、既に受けた控除額に相当する税額を納付することになります。転勤・売却・住み替えの予定がある人は、動く前に税務署に確認してください。

提出までの流れ

  1. 10月下旬〜11月上旬:手元の封筒から「令和8年分」の証明書兼申告書を探す。電子交付を選んだ人はe-Taxメッセージボックスを確認する。
  2. 11月下旬:金融機関から年末残高等証明書が届く。借入先が2か所以上なら全部そろえる。
  3. 上部に勤務先の名称・法人番号・所在地、所轄税務署長、自分の氏名・住所を記入する。
  4. ①に年末残高、②に連帯債務割合を反映した額、③に②と証明事項の取得対価の額の少ない方、④に居住用割合を掛けた額を書く。
  5. ④の合計を⑤に書き、印字された上限額を超えていないか確認する。
  6. ⑤×0.7%を計算し、100円未満を切り捨てて⑥に書く。⑥の上限額の印字も確認する。
  7. 「年間所得の見積額」を書く。調書方式の人は(備考)欄に「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」などとその旨を記載する。連帯債務で控除証明書に負担割合の記載がない場合、Ⓒ列④を算式で計算した場合も(備考)欄に書く。
  8. 年末残高等証明書を添えて勤務先に提出する(調書方式なら証明書の添付は不要)。

令和3年以前に入居した人の様式との違い

用紙の表題に「(特定増改築等)」が入っている人は、控除率も所得要件も別物です。同じ「住宅ローン控除」という言葉でも数字が違うので、ネット上の記事を読むときは必ず自分の入居年で読み替えてください。ここを取り違えたまま⑥欄に1.0%で計算した額を書くのは、毎年起きている典型的な落とし穴です。

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項目令和3年12月31日までに入居令和4年1月1日以後に入居根拠資料
様式の表題給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書 兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼住宅借入金等特別控除計算明細書国税庁 記載例
控除率原則1.0%(住宅の再取得等に係る特例は1.2%)0.7%国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」32ページ
合計所得金額の要件3,000万円以下2,000万円以下(特例居住用家屋等は1,000万円以下)国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」31ページ
住民税側の控除限度額平成26年〜令和3年入居で特定取得等に当たる場合は課税総所得金額等の7%(136,500円が限度)課税総所得金額等の5%(97,500円が限度)総務省「個人住民税の住宅ローン控除」

所得税で引ききれない分は住民税へ回る

⑥で計算した控除額が、その年のあなたの所得税額より大きいことは珍しくありません。その場合、引ききれなかった額は翌年度分の個人住民税から控除されます。総務省は、平成21年から令和12年12月31日までの間に居住し所得税の住宅ローン控除を受けた人で所得税において控除しきれなかった金額がある場合に適用されるとしています。控除の上限は前年分の所得税の課税総所得金額等の5%(97,500円を限度)です。

市区町村への申告は不要

総務省は「個人住民税の住宅ローン控除の適用にあたって、市区町村への申告は不要です」と明記しています。年末調整または確定申告の情報が市区町村に届く仕組みになっているため、住民税のために別途書類を出す必要はありません。なお令和8年度税制改正では、令和8年から令和12年までの間に居住の用に供した人についても、課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)の控除限度額の範囲内で翌年度分の個人住民税を減額する措置がとられました(令和7年12月26日閣議決定の令和8年度税制改正の大綱による)。令和7年以前に入居した人の扱いは変わりません。

この様式でつまずきやすい5つの疑問

Q1.1年目から年末調整で住宅ローン控除を受けられますか。

できません。国税庁は、控除を受ける最初の年分は確定申告書に必要書類を添付して所轄税務署長に提出する必要があるとしています。年末調整で受けられるのは2年目以後の年分です。2年目以後も、確定申告書に計算明細書と年末残高等証明書を添付して確定申告で受けることもできます。

Q2.証明書兼申告書をなくしてしまいました。再発行できますか。

できます。税務署に「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」を提出します。e-Taxソフトで作成して電子提出するほか、書面で作成して持参または送付することもできます。手続根拠は租税特別措置法第41条の2の2で、提出時期は特に定められていませんが、交付申請手続をした後の年分について関係書類が送付されます。

Q3.今年は税務署から用紙が届きませんでした。手続き漏れですか。

通常は問題ありません。書面交付の場合、証明書方式なら入居2年目の10月下旬頃、調書方式なら11月下旬頃に、控除を受けることとなる各年分のものが一括して送付されます。毎年送られてくる仕組みではないため、過去に届いた束から該当年分を取り出して使います。電子交付を選んだ場合は、証明書方式なら毎年10月頃、調書方式なら毎年11月中旬頃にe-Taxメッセージボックスへ格納されます。

Q4.繰上返済をしました。証明書の金額のまま書いてよいですか。

いけません。証明書に記載された年末残高と実際の年末残高が異なることになった場合は、実際の年末残高による正しい申告書を提出し直す必要があります。証明書方式では金融機関等から実際の返済等の額による年末残高等証明書の交付を改めて受け、調書方式では返済計画表等の書類により自分で実際の年末残高を確認します。

Q5.共働きで連帯債務にしています。何か追加で書きますか。

原則として不要です。居住日の属する年分が平成31年分以後の人に令和2年10月1日以後に税務署から送付された控除証明書には、控除を受けるべき人が負担すべき割合が記載されており、その場合は(備考)欄への連帯債務者に関する事項の記載は不要とされています。割合の記載がない古い証明書を使う場合のみ、他の連帯債務者から所定の文言・住所・氏名の記入を受けます。②欄には、①のうち単独債務の額に、①のうち連帯債務の額×連帯債務割合を足した額を書きます。

提出したあとにやること

提出して終わりではありません。提出を受けた住宅借入金等特別控除申告書は給与の支払者の下で保管することとされているため、控えが必要な人は出す前にコピーを取っておいてください。翌年1月に交付される源泉徴収票の「住宅借入金等特別控除の額」に、⑥で書いた金額が反映されているかを必ず確認します。ここが0円なら、書類の不備か所得要件で弾かれた可能性があります。

  1. 提出前に証明書兼申告書と年末残高等証明書のコピーを取る(原本は勤務先が保管する)。
  2. 翌年1月の源泉徴収票で「住宅借入金等特別控除の額」と「居住開始年月日」を確認する。
  3. 翌年6月の住民税決定通知書で、引ききれなかった分が控除されているかを見る。
  4. 医療費控除やふるさと納税の申告をする年は、控除の順序で住宅ローン控除の効き方が変わるため事前に試算する。
  5. 残った各年分の証明書兼申告書は、次の年末調整まで年末残高等証明書と一緒に保管する。

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出典

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最終更新:2026年9月6日(令和8年9月6日時点で公開されている令和7年分の様式・記載例および令和8年度税制改正の大綱にもとづく)

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編集・監修: (中小企業診断士)

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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。