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給与支払報告書の書き方2026|提出先と普通徴収切替の記入例
給与支払報告書は、年末調整を終えた翌年の1月に、従業員一人ひとりの前年の給与額を従業員が住んでいる市…
制度解説 中小企業支援
この制度の基本情報
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制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照
全国共通の手続きです。
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 全国共通の手続きです。
- 確認した過去制度の金額
- —
- 提出時期
- 提出時期・提出先は所轄の税務署または勤務先の給与担当にご確認ください
- 情報の確認方法
- 一次情報・公式発表を確認
詳細解説
給与支払報告書は、年末調整を終えた翌年の1月に、従業員一人ひとりの前年の給与額を従業員が住んでいる市区町村へ報告する書類です。そして令和8年分(2027年1月提出分)から、この書類の位置づけが変わります。市区町村へ給与支払報告書を出せば税務署へ源泉徴収票を提出したものとみなされ(みなし提出の特例)、両者の提出範囲も同じ基準に揃いました。つまり年明けの実務は給与支払報告書1本に集約されます。
集約されるぶん、1本しかない提出物の精度が結果を決めます。この記事は、従業員数十人規模で年末調整と法定調書を1〜2名で回している経理・給与担当者に向けて、(1)令和8年分から変わる3点、(2)提出先が変わる分岐、(3)普通徴収切替理由書の符号(普A〜普F)の使い分け、(4)提出前チェックを、条文と国税庁の原文に当てながら整理します。年末調整そのものの改正点は年末調整2026の変更点で追加された申告書と記載欄を先に押さえておくと、この書類の記入もそのまま通ります。
本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の結論(5つ)
- 令和8年分から税務署提出用の源泉徴収票は作らなくてよくなります。市区町村へ給与支払報告書を提出すれば、税務署へ源泉徴収票を提出したものとみなされます(みなし提出の特例、令和9年1月1日以後に提出すべき分から)。
- ただし受給者本人への源泉徴収票の交付義務は残ります。みなし提出を使っても、すべての受給者へ2027年2月1日まで(中途退職者は退職の日以後1か月以内)に交付が必要です。
- 提出先は事業所の所在地ではなく、従業員の1月1日現在の住所所在の市区町村(地方税法第317条の6第1項)。提出期限は2027年1月31日ですが、この日は日曜日のため地方税法第20条の5第2項により翌開庁日の2027年2月1日(月)になります。
- 提出範囲も令和8年分から源泉徴収票と同一に揃いました。その年の中途で退職した人に支払った給与が30万円以下の場合を除き、すべての受給者分を提出します。
- 電子的提出の義務は30枚以上に引き下げられました(令和8年12月31日以前に提出する分は100枚以上)。枚数は基準年に税務署へ提出すべきであった源泉徴収票を改正前の提出範囲で数えた数で判定するため、提出範囲の改正では枚数は増えません。
2027年2月1日令和8年分の提出期限(1月31日が日曜のため翌開庁日)
30万円以下中途退職者で提出を省略できる年間支払総額
30枚以上令和9年1月以後にeLTAX等での提出が義務になる基準年の枚数
給与支払報告書はいつまでにどこへ出す書類ですか
提出先は従業員の1月1日現在の住所所在の市区町村、期限は1月31日です。令和8年分(2026年に支払った給与)については1月31日が日曜日にあたるため、2027年2月1日(月)が実際の期限になります。
根拠は地方税法第317条の6第1項で、1月1日現在において給与の支払をする者のうち所得税法第183条により所得税を徴収する義務があるものは、同月31日までに、受給者の同月1日現在における住所所在の市町村別に給与支払報告書を作成して提出しなければならない、と定められています。期限が休日にあたるときの繰り下げは同法第20条の5第2項に置かれており、国税側の源泉徴収票・法定調書合計表も国税通則法第10条第2項で同じように翌開庁日へ動きます。つまり2027年1月提出分は、市区町村側も税務署側も2月1日(月)が期限で揃います。
提出する書類は3点セットです。給与支払報告書個人別明細書、給与支払報告書総括表(市区町村ごとの表紙)、そして普通徴収にする従業員がいる場合の普通徴収切替理由書兼仕切書。個人別明細書の様式は源泉徴収票と同一で、⑭特定親族特別控除の額や㉚摘要といった欄もそのまま入っています。源泉徴収票の見方を押さえて各欄の金額の意味を確認すると、個人別明細書の転記ミスはほぼ消えます。
問担当者
源泉徴収票を作ったら、その控えをそのまま市区町村に送れば済むのではないですか。
解解説
令和7年分まではそのとおり別扱いでしたが、令和8年分からは事情が変わりました。両者の提出範囲が同一になり、市区町村へ給与支払報告書を出せば税務署への源泉徴収票はみなし提出になります。ただし逆は成り立ちません。税務署へ源泉徴収票を出しても、市区町村へ給与支払報告書を出したことにはならないので、必ず市区町村側を起点にしてください。
給与支払報告書は年末調整データの出力物です。来年の1月を短くしたいなら、手を入れるのは提出直前ではなく給与計算側です。
- 向いている人:従業員が複数の市区町村に散らばっていて、総括表を市区町村ごとに手作業で仕分けしている。年末調整の結果から個人別明細書・源泉徴収票・eLTAXデータを一度に作りたい。
- 向かない人:従業員が数名で提出先も1〜2市区町村に収まり、市区町村配布の手書き様式で足りている。既に基幹システムでeLTAX連携まで完結している。
- 得られること:年末調整の確定値からeLTAX用データまでを同じ台帳で作れるため、総括表の人数と個人別明細書の枚数がずれる原因を減らせます。
令和8年分から源泉徴収票は税務署に出さなくてよい?みなし提出の特例
出さなくてよくなります。ただし本人への交付義務は残ります。令和9年1月1日以後に提出すべき源泉徴収票、つまり令和8年分以後から、市区町村へ給与支払報告書を提出すれば税務署へ源泉徴収票を提出したものとみなされます。
国税庁の特設ページは、令和9年1月1日以後に市区町村に給与支払報告書または公的年金等支払報告書を提出した場合には税務署長に源泉徴収票を提出したものとみなされるため「税務署提出用の「給与所得の源泉徴収票」や「公的年金等の源泉徴収票」を作成し、提出する必要がなくなります。」と説明しています。令和5年度税制改正で創設された特例で、市区町村に提出された支払報告書の内容は市区町村での入力等を経て税務署へデータ連携されます。
残る義務:受給者本人への交付
特設ページは「受給者へ交付する源泉徴収票は、引き続き、すべての受給者に対して作成・交付を行う必要がありますのでご注意ください。」としています。国税庁のタックスアンサーNo.7411も、提出範囲に関わらず、またみなし提出の特例により市区町村に給与支払報告書を提出した場合であっても、すべての受給者に対し翌年1月31日まで(年の中途で退職した方は退職の日以後1か月以内)に交付しなければならないと明記しています。「作らなくてよい」のは税務署提出用だけで、本人交付用は全員分を作ります。令和8年分の手引も、みなし提出の特例を受ける場合は受給者交付用の源泉徴収票1枚と市区町村提出用の給与支払報告書1枚の計2枚を作成するとしています。渡す書類の中身は源泉徴収票の見方で各欄の意味を確認すると従業員からの質問にも答えやすくなります。
方向が一方通行である点も落とし穴です。Q&A(令和8年4月)は、源泉徴収票を税務署に提出した場合は市区町村に支払報告書を提出したものとはみなされないため、支払報告書を別途市区町村へ提出する必要があると回答しています。市区町村側を起点にすると覚えてください。提出方法はeLTAX・光ディスク等・書面のいずれでもよく、どの方法でもみなし提出になります。
法定調書合計表の扱いも確認できています。同Q&Aの問8は、源泉徴収票の提出が不要になるため合計表の提出も不要になるとしたうえで、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」は6種類の法定調書の兼用様式であることから、退職所得の源泉徴収票など給与所得の源泉徴収票以外の5つの法定調書のいずれかを税務署に提出するときは引き続き合計表の提出が必要である、と回答しています。その場合、税務署に提出しない給与所得の源泉徴収票に係る記載は不要です。市区町村側には従来どおり総括表を併せて提出します。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 変わった点 | 令和7年分まで | 令和8年分から | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 税務署への源泉徴収票 | 提出範囲に該当するものを提出 | 市区町村へ給与支払報告書を出せばみなし提出で作成・提出とも不要 | 源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ(国税庁) |
| 源泉徴収票の提出範囲 | 役員150万円超・弁護士等250万円超・その他500万円超など | 給与支払報告書と同一(中途退職者で30万円以下を除く全て) | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 電子的提出の義務 | 基準年の枚数が100枚以上 | 基準年の枚数が30枚以上 | タックスアンサーNo.7455(国税庁) |
| eLTAXの一元化機能 | 源泉徴収票と支払報告書を同時に作成・提出できた | 令和8年9月をもって終了(みなし提出に置き換わる) | 源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ(国税庁) |
| 受給者本人への交付 | すべての受給者に交付 | 変更なし(すべての受給者に交付) | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
つまり年明けの作業は給与支払報告書1本に集約されます。集約されると、残る判断は提出先と普通徴収の切替に絞られ、そこを外したときの影響が以前より大きくなります。個人別明細書に載る控除額は年末調整で使った申告書の内容がそのまま反映されるので、基礎控除申告書の書き方で確認する所得金額の区分を取り違えていると、市区町村へ報告する所得控除の額の合計額まで一緒にずれます。甲欄・乙欄の判定も扶養控除等申告書の提出状況で決まる仕組みのとおりなので、提出前にもう一度突き合わせておくと安全です。
なお地方税法第317条の6は第4項で公的年金等支払報告書についても定めており、年金と給与の両方を支払う事業者は別々に作成します。みなし提出は公的年金等の源泉徴収票にも適用されますが、マイナポータル連携の対象になるのは給与支払報告書だけです。年金側の扶養の申告については公的年金等の受給者の扶養親族等申告書の書き方にまとめています。自社で使える支援制度を年明け前に棚卸ししたい場合は補助金・給付金の無料診断で使える制度を洗い出すのもあわせて進めておくと、繁忙期に調べ直す手間が減ります。
総括表は「令和9年度」、個人別明細書は「令和8年分」
同じ封筒に入れる2枚で年の表記が食い違うため、毎年ここで手が止まります。個人別明細書は給与を支払った年(令和8年分)、総括表は課税年度(令和9年度)を指すのが一般的で、多くの自治体の総括表には令和9年度と印字されています。表記が違っていても誤りではありません。ただし様式名や表記は自治体により異なるため、届いた総括表の印字に合わせてください。
先に決めておくべき3つ
(1)従業員全員の1月1日現在の住所、(2)普通徴収にする人とその理由の符号、(3)eLTAXか光ディスク等か書面か。この3つが決まらないと個人別明細書の束ね方が決まらず、作業がやり直しになります。
提出先はどこ?住所と在籍状況で変わる分岐表
判定の軸は「その人の1月1日現在の住所」だけです。ただし退職者は例外で、退職日現在の住所所在の市区町村が提出先になります(地方税法第317条の6第3項)。
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| 従業員の状況 | 提出先の市区町村 | 期限(令和8年分) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 2027年1月1日時点で在籍している | その人の2027年1月1日現在の住所所在の市区町村 | 2027年2月1日(月) | 地方税法第317条の6第1項(e-Gov法令検索) |
| 2026年中に退職し、支払総額が30万円を超える | その人の退職日現在の住所所在の市区町村 | 2027年2月1日(月) | 地方税法第317条の6第3項(e-Gov法令検索) |
| 2026年中に退職し、支払総額が30万円以下 | 法律上の提出義務はなし(自治体は提出を推奨) | 提出するなら同上 | 特別徴収の事務手引き(東京都主税局) |
| 住民票を移さずに単身赴任している | 原則は住民基本台帳に記録されている市区町村 | 2027年2月1日(月) | 地方税法第294条第2項・第3項(e-Gov法令検索) |
| 海外勤務などで1月1日に国内に住所がない | 提出先となる市区町村がない(住民税の課税対象外) | − | 個人住民税の仕組み(総務省) |
4行目の単身赴任は実務でいちばん揉めます。地方税法第294条第2項は、市町村内に住所を有する個人とは住民基本台帳に記録されている者をいう、と定めているため、提出先は原則として住民票の所在地です。一方で同条第3項は、住民基本台帳に記録されていない個人が実際にその市町村内に住所を有する場合には、記録されているものとみなして課税できると定めています。つまり実際の生活の本拠が別の市区町村にあると、後から課税団体が入れ替わることがあります。会社側は住民票所在地へ提出したうえで、従業員に住所変更の届出を促すのが安全です。
なお1月1日時点の判定なので、1月2日以降に引っ越した人の提出先は引っ越し前の市区町村です。年明けに提出用データを作るときは「今の住所」ではなく「1月1日の住所」を使ってください。中途入社者の住所が未更新のまま前住所で出てしまう事故も多いので、雇用保険被保険者資格取得届の書き方で入社時に押さえる住所情報とあわせて、入社時点の住所確認手順を固めておくと再発しません。
誰の分を出すのか:退職者・乙欄・中途入社の条件分岐
令和8年分からは「その年の中途で退職した人に支払った給与が30万円以下の場合を除くすべての受給者」が提出範囲です。源泉徴収票の提出範囲もこれと同一になったため、市区町村向けと税務署向けで分けて考える必要はなくなりました。
国税庁のタックスアンサーNo.7411は、市区町村へ提出する給与支払報告書の提出範囲は税務署への源泉徴収票の提出範囲と同一であるとしたうえで、括弧書きで「令和8年12月31日以前の提出範囲は異なります。」と注記しています。令和7年分までは役員150万円超・弁護士等250万円超・その他500万円超といった金額基準で税務署提出分を絞っていましたが、令和8年分からその区分はなくなりました。旧基準はNo.7411でも注記に格下げされています。
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確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
- 目的
- 中小企業支援
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 全国共通の手続きです。
- 確認した過去制度の金額
- —
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
| 受給者の区分 | 令和7年分まで(税務署への源泉徴収票) | 令和8年分から(給与支払報告書・源泉徴収票で共通) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 年末調整をした法人の役員 | 支払金額150万円超なら提出 | 中途退職者で30万円以下の場合を除き提出 | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 年末調整をした弁護士・司法書士・税理士等 | 支払金額250万円超なら提出 | 中途退職者で30万円以下の場合を除き提出 | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 年末調整をしたその他の従業員 | 支払金額500万円超なら提出 | 中途退職者で30万円以下の場合を除き提出 | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 乙欄・丙欄適用者(扶養控除等申告書の提出なし) | 支払金額50万円超なら提出 | 中途退職者で30万円以下の場合を除き提出 | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 中途退職者(扶養控除等申告書の提出あり) | 支払金額250万円超なら提出(役員は50万円超) | 支払総額30万円超なら提出 | タックスアンサーNo.7411(国税庁) |
| 中途退職者で支払総額が30万円以下 | 提出不要 | 提出は任意(地方税法上も義務なし。自治体は提出を推奨) | 地方税法第317条の6第3項(e-Gov法令検索) |
最終行の30万円以下について、地方税法第317条の6第3項のただし書は「その給与の支払を受けなくなつた日の属する年に当該給与の支払をする者から支払を受けた給与の金額の総額が三十万円以下である者については、この限りでない。」と定めています。これは提出義務がなくなるという意味であって、出してはいけないという意味ではありません。東京都主税局の事務手引きも「なお、年の途中で退職した方についても提出してください。」と記しており、多くの自治体が30万円以下でも提出を求めています。住民税の課税資料が揃わないと、その従業員が後から自分で申告することになるためです。
提出先は、その年の翌年1月1日現在において給与等の支給を受けているすべての受給者について1月1日現在の住所地の市区町村、年の中途で退職した受給者については退職時の住所地の市区町村です。年収の少ないパートも例外なく対象なので、パート従業員の年収帯を先に整理しておきたい場合は年収の壁2026年版で税と社会保険の境目を確認すると、後で出てくる普Cの判定もまとめて片づきます。中途入社者は摘要欄に前職分の内訳を書く必要があるため、記入例は後述の摘要欄のセクションで扱います。
あわせて確認したい年末調整・社会保険の届出
給与支払報告書は年末調整の出力物なので、手前の申告書と社会保険の届出が正しく処理されているかで中身が決まります。同じ時期に走る書類をまとめて確認しておくと、摘要欄や控除額のずれを提出前に潰せます。
保険料控除申告書の書き方【令和8年分】社会保険料等の金額欄と生命保険料控除の額が個人別明細書にそのまま転記されます
住宅借入金等特別控除申告書の書き方3件以上あるときは居住開始年月日などを摘要欄に書き足す必要があります
被保険者報酬月額算定基礎届の書き方社会保険料等の金額の根拠になる標準報酬月額を毎年7月に決める届出です
被保険者報酬月額変更届の書き方(随時改定)昇給で標準報酬が変わった年は控除額がずれやすく、年末調整前に確認が要ります
健康保険 被扶養者異動届の書き方(130万円の壁)扶養から外れた家族がいると控除対象扶養親族の欄が変わります
社会保険106万円の壁撤廃【2026年10月】パートの社会保険加入が増えると社会保険料等の金額欄と普Cの判定が変わります
摘要欄には何を書く?中途入社・扶養5人以上・退職手当等の記入例
摘要欄は自由記述ではなく、書くべき事項が決まっています。中でも中途入社者の前職分は、書き漏らすと市区町村側で前職分との二重計上が起き、税額が過大になります。
国税庁の法定調書の手引は、年の中途で就職した方について前職分を通算して年末調整を行った場合には「(イ)他の支払者の住所(居所)又は所在地、氏名又は名称、(ロ)他の支払者のもとを退職した年月日、(ハ)他の支払者が支払った給与等の金額、徴収した所得税及び復興特別所得税の合計額、給与等から控除した社会保険料の金額を記載してください」としています。支払金額欄そのものには前職分を合算した金額を入れ、その内訳を摘要欄で示す関係です。
記入例1:中途入社者の前職分(摘要欄)
前職:株式会社◯◯商事(東京都新宿区西新宿1-1-1)/令和8年3月31日退職/支払金額2,500,000円/源泉徴収税額48,300円/社会保険料等の金額375,000円
金額はいずれも前職の源泉徴収票の記載額をそのまま転記します。自社支払分と合算した金額は、摘要欄ではなく支払金額欄・源泉徴収税額欄に入ります。
令和7年分までは、前職分を合算した金額が500万円を超えるかどうかで税務署への提出要否を判定していました(国税庁の質疑応答事例「中途就職者の提出範囲」)。令和8年分からはこの判定自体がなくなります。提出範囲が金額で区切られなくなったうえ、みなし提出により税務署提出用を作らないためです。それでも合算後の金額を④支払金額欄に書き、内訳を㉚摘要欄に書くという作業は変わりません。前職の源泉徴収票が回収できない人はその人だけ年末調整の対象外になり、給与支払報告書も自社支払分だけで作ることになります。
扶養親族が多い場合の書き方も決まっています。手引は、控除対象扶養親族等または16歳未満の扶養親族が5人以上いる場合には5人目以降の氏名を摘要欄に記載すること、16歳未満の扶養親族は氏名の後に「(年少)」と記載すること、特定親族である場合は氏名の後に区分に対応する数字を記載することを求めています。マイナンバーは摘要欄ではなく備考欄に書く点にも注意してください。
記入例2:給与支払報告書にだけ必要な記載
国税庁の手引には市区町村からのお知らせとして、退職手当等の支払いを受ける一定の配偶者・扶養親族・特定親族がいる場合は、給与支払報告書の摘要欄に氏名等を記載するよう求める記述があります。所得税は退職所得を分離して扱いますが、住民税の扶養判定では事情が異なるためです。源泉徴収票の様式をそのまま流用していると、この1行だけが抜け落ちます。詳細は提出先の市区町村の案内を確認してください。
問担当者
乙欄のパートは他社で特別徴収されているので、うちからは出さなくてよいのでは。
解解説
逆です。給与支払報告書は出します。出したうえで、摘要欄に符号「普B」を書いて普通徴収切替理由書に人数を計上します。報告書自体を出さないと、その市区町村はその人の副収入を把握できず、本人の住民税額が過少になってしまいます。出さない選択肢ではなく、出したうえで徴収方法だけ分ける、と覚えてください。
年末調整2026の変更点を確認して摘要欄と控除額の記載漏れを先に潰す
普通徴収切替理由書の符号(普A〜普F)の使い分けと記入例
普通徴収にできるのは普A〜普Fのいずれかに当たる人だけで、本人の希望は理由になりません。該当する人は個人別明細書の摘要欄に符号を書き、切替理由書に人数を計上します。
東京都と都内62区市町村が配布している普通徴収切替理由書(兼仕切書)に印字されている理由は次のとおりです。これは全国の多くの自治体が採用している共通様式で、同じ符号体系が使われています。ただし様式の細部と普Cの金額基準は自治体ごとに差があるため、提出先の案内を必ず確認してください。
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| 符号 | 様式に印字されている理由(原文) | 実務での使いどころ | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 普A | 総従業員数が2人以下(下記「普B」~「普F」に該当する全ての(他市区町村分を含む)従業員数を差し引いた人数) | 普B〜普Fを引いた残りが2人以下のときだけ。事業所単位ではなく他市区町村分も含めた会社全体で数えます | 普通徴収切替理由書 兼仕切書(東京都主税局) |
| 普B | 他の事業所で特別徴収 | 乙欄適用のパート・兼業者。主たる給与の支払先で特別徴収されている人 | 普通徴収切替理由書 兼仕切書(東京都主税局) |
| 普C | 給与が少なく税額が引けない(住民税非課税の場合など) | 月々の給与から住民税の月割額を引ききれない人。金額基準は自治体が設定 | 普通徴収切替理由書 兼仕切書(東京都主税局) |
| 普D | 給与の支払が不定期(例:給与の支払が毎月でない) | 日雇い、季節雇用、支払が隔月や随時になる人 | 普通徴収切替理由書 兼仕切書(東京都主税局) |
| 普E | 事業専従者(個人事業主のみ対象) | 個人事業主の専従者のみ。法人の役員家族には使えません | 普通徴収切替理由書 兼仕切書(東京都主税局) |
| 普F | 退職者又は退職予定者(5月末日まで) | 提出時点の退職者に加え、5月末日までの退職予定者。休職等により4月1日現在で給与の支払を受けていない方を含みます | 特別徴収の事務手引き(東京都主税局) |
普Cについては注意点があります。東京都主税局が実際に配布している様式には「給与が少なく税額が引けない(住民税非課税の場合など)」と印字されていますが、事務手引きに載っている標準的な様式例は「給与が少なく税額が引けない(年間の給与支給額が00万円以下)」となっており、金額の部分が空欄のままです。つまり金額の線引きは各自治体が自分で埋める前提になっています。他社の記事で見た金額をそのまま当てはめると差し戻しの原因になるので、提出先の様式に印字されている金額を読んでください。
記入例:普Bのパート従業員がいる場合
(1)個人別明細書の摘要欄の末尾に 普B と記入する(書面・eLTAXとも必要)。(2)普通徴収切替理由書の普Bの行に 1 人と書く。(3)総括表の「普通徴収」欄の人数を 1 人にする。(4)特別徴収対象者の人数と普通徴収の人数の合計が、その市区町村へ提出する個人別明細書の枚数と一致することを確認する。
eLTAXで提出する場合は少しだけ手順が違います。東京都主税局の事務手引きは、電子媒体で提出するときは普通徴収に該当する方がいる場合は「普通徴収」欄に必ずチェックし、摘要欄に符号を入力すること、そのうえで「普通徴収切替理由書の添付は不要です。」としています。チェックと符号の両方が要る点を落とさないでください。チェックだけで符号がないと理由が分からず、符号だけでチェックがないと集計に乗りません。
差し戻しと特別徴収の強制指定を招く落とし穴
ここからは実際に差し戻しや問い合わせにつながる失敗を、原因と手当てをセットで並べます。いずれも提出前の5分で潰せるものばかりです。
落とし穴1:切替理由書を出さないと全員が特別徴収になる
様式そのものに「この普通徴収切替理由書の提出がない場合、原則どおり、特別徴収対象者となります。」と印字されています。摘要欄に符号を書いただけで理由書を添えないと、5月末に届く特別徴収税額決定通知書に全員分の月割額が載ってきます。気づくのが6月の給与計算直前になり、そこから普通徴収への切替申請をしても納期限を過ぎた分は戻せません。
落とし穴2は人数の不整合です。事務手引きは、給与支払報告書総括表に記載の普通徴収該当人数と一致するように切替理由書へ人数を記入するよう求めています。総括表が3人、理由書の合計が2人といったずれは、市区町村側の入力段階で止まり、電話での問い合わせか差し戻しになります。特に普Aは、他の市区町村を含む事業所全体の受給者数から普B〜普Fに該当して普通徴収とする対象者を除いた人数を数える約束なので、二重計上が起きやすい箇所です。
落とし穴3は普Aの母数の取り違え。「総従業員数が2人以下」の総従業員数は事業所ごとではなく、他市区町村分を含む会社全体の受給者数です。従業員が7人いて、そのうち5人が普B〜普Fに当たるなら残りは2人なので普Aを使えますが、単に「A市に住む従業員が2人だから普A」とすると誤りになります。ここを間違えると、普Aで出した人は普通徴収への切替が認められず、そのまま特別徴収義務者として指定されます。
落とし穴4は退職者の出し忘れ。年の途中で辞めた人は在籍者リストから消えているため、給与計算ソフトの出力を素直に使うと漏れます。しかも退職者の提出先は退職日現在の住所地なので、在籍者と同じ市区町村に混ぜて送ると宛先違いになります。離職関係の書類を作った時点でリストに残しておくと確実です。離職証明書の書き方で会社が記入する賃金欄の考え方を整理しておくと、退職者の給与データを年明けまで保持する運用がつくりやすくなります。
落とし穴5は令和7年分までの金額基準で足切りすること。「500万円以下だから出さなくていい」は令和7年分までの税務署向けの話で、令和8年分からは源泉徴収票の提出範囲もこの基準ではなくなりました。年末に入社して12月分しか給与がない人も、月5万円のアルバイトも提出対象です。この取り違えは書類が1枚も届かないため市区町村側でも検知しにくく、翌年の住民税の課税漏れとして後から照会が来ます。
もう一つ、みなし提出の向きの取り違えにも注意が必要です。税務署へ源泉徴収票を出したから市区町村も済んだ、とはなりません。みなし提出は市区町村へ支払報告書を提出した場合に税務署への提出をみなす一方通行の制度です。なお税務署から「みなし提出がされた旨」の通知が届くことはないため、提出できた確認はeLTAXの申告受付完了通知など市区町村側の記録で取ります。
落とし穴6は給与支払報告書だけにある摘要欄の記載事項。国税庁の法定調書の手引には市区町村からのお知らせとして、退職手当等の支払いを受ける一定の配偶者・扶養親族・特定親族がいる場合は給与支払報告書の摘要欄に氏名等を記載するよう求める記述があります。所得税では退職所得を分離して扱う一方、住民税の扶養判定では事情が異なるためです。源泉徴収票のテンプレートをそのまま流用していると、この行だけ抜けます。
落とし穴7:本人の希望で普通徴収にしてしまう
事務手引きのQ&Aは「給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければなりません。したがって、従業員の希望により普通徴収を選択することはできません。」と明記しています。副業を知られたくないという相談に応じて普通徴収にすると、理由書の符号が立たず差し戻しになります。副業先で特別徴収されている場合に限り普Bが使えます。
提出までの流れ(eLTAXと書面の共通ステップ)
年末調整の確定から提出まではおおむね6ステップです。12月の年末調整が終わった時点で、1月の作業量はほぼ決まっています。
- 年末調整を確定させる:前職分がある人は前職の源泉徴収票を回収して合算します。回収できない人はその人だけ年末調整の対象外となり、乙欄扱いや本人の確定申告に切り替わります。
- 1月1日現在の住所を確定する:住民票ベースで確認します。12月中に引っ越し予定がある人は、1月に入ってから最終確認をします。
- 個人別明細書を作成する:摘要欄に前職分の内訳、扶養親族が5人以上のときの5人目以降の氏名、普通徴収にする人の符号を書き込みます。
- 市区町村ごとに束ねて総括表を作る:総括表には報告人数、特別徴収の人数、普通徴収の人数を書きます。合計が個人別明細書の枚数と一致するか数えます。
- 普通徴収切替理由書を添える:書面提出の場合のみ。eLTAXの場合は「普通徴収」欄のチェックと摘要欄の符号で代替され、添付は不要です。
- 提出する:eLTAXまたは光ディスク等、あるいは書面。期限は2027年2月1日(月)。基準年(令和7年)に税務署へ提出すべきであった源泉徴収票が30枚以上だった事業者は電子提出が義務です。
電子的提出の義務は、令和9年1月1日以後に提出する分から「30枚以上」に下がりました。国税庁のタックスアンサーNo.7455は、法定調書の種類ごとに、前々年の提出すべきであったその法定調書の提出枚数が「30枚以上」(令和8年12月31日以前に提出する法定調書については「100枚以上」)であるものについては電子的に提出する必要がある、としています。2027年1月・2月の提出は令和9年1月1日以後なので30枚以上が基準です。
ここで数える枚数には重要な約束があります。みなし提出のQ&A(令和8年4月)の問9は、基準年に提出すべきであった源泉徴収票の枚数は令和9年1月1日以後も改正前の提出範囲で税務署に提出すべきであった枚数で判定する、としています。つまり提出範囲が広がっても枚数は増えません。同Q&Aの例では、基準年に支払金額600万円の年末調整済みが20枚・支払金額40万円の乙欄適用が15枚でも、乙欄15枚は改正前の提出範囲に含まれないため20枚と判定され、電子的提出義務はないとされています。また、支払報告書を市区町村に提出して税務署にみなし提出となった分も枚数には含まれるため、実際の税務署提出が0枚でも0枚とは判定されません。
判定の単位も押さえておきます。国税庁の質疑応答事例は、枚数の判定は法定調書の提出義務を有する者ごとに行うとしており、A支店110枚・B支店60枚という会社ではA支店だけが義務の対象になる、という回答を示しています。判定は法定調書の種類ごとにも行うため、報酬の支払調書が何枚あっても源泉徴収票の枚数には影響しません(この事例は100枚時代のものですが、判定の単位という点は現在も同じです)。そして給与所得の源泉徴収票の電子的提出が義務付けられた年分は、市区町村に出す給与支払報告書も光ディスク等またはeLTAXでの提出が義務になります。
eLTAXの一元化機能は令和8年9月で終了。代わりにマイナポータル連携が付く
源泉徴収票と支払報告書を同時に作成・提出できた「eLTAXでの電子的提出の一元化機能」は、国税庁の特設ページによれば令和8年9月をもって終了します。同時作成の役割はみなし提出の特例が引き継ぐため、市区町村へ給与支払報告書を出すだけで足ります。加えて特設ページは、令和9年1月1日以後(令和8年分以後)にeLTAXで給与支払報告書を提出した場合はマイナポータル連携の対象となり、受給者の方の利便性が向上するとしています。従業員が確定申告をする際に給与情報が自動入力されるためです(公的年金等支払報告書は対象外)。
給与支払報告書と源泉徴収票はどこが違う?比較表
令和8年分からは提出範囲も期限も同じで、違いは宛先・作成の要否・本人交付の3点だけになりました。かつての金額基準による出し分けは令和7年分で終わっています。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 比較項目 | 給与支払報告書(市区町村) | 給与所得の源泉徴収票(税務署・本人) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 提出先 | 受給者の1月1日現在の住所所在の市区町村(中途退職者は退職時の住所地) | 税務署提出用はみなし提出により作成・提出とも不要 | 地方税法第317条の6(e-Gov法令検索)/みなし提出の特例 特設ページ(国税庁) |
| 提出範囲 | 令和8年分から同一。中途退職者に支払った給与が30万円以下の場合を除くすべて(令和7年分までは500万円超などの金額基準あり) | タックスアンサーNo.7411(国税庁) | |
| 提出期限 | 翌年1月31日。令和8年分は2027年2月1日(月) | 本人交付も2027年2月1日まで(中途退職者は退職の日以後1か月以内) | 地方税法第20条の5第2項(e-Gov法令検索)/国税通則法第10条第2項(e-Gov法令検索) |
| 使われ方 | 翌年度の個人住民税の課税資料 | 所得税の課税資料(市区町村経由で税務署へデータ連携) | 個人住民税の仕組み(総務省) |
| 電子的提出の義務 | 令和9年1月1日以後に提出する分は基準年の枚数が30枚以上で義務(令和8年12月31日以前に提出する分は100枚以上) | タックスアンサーNo.7455(国税庁) | |
| 義務の判定単位 | 法定調書の提出義務を有する者ごと・法定調書の種類ごとに判定 | e-Tax又は光ディスク等による法定調書の提出義務(国税庁質疑応答事例) | |
| 本人への交付 | 交付する書類ではない | すべての受給者に交付が必要(みなし提出を使っても変わらない) | タックスアンサーNo.7411 注意事項(国税庁) |
表のとおり、令和8年分から担当者が意識すべき分岐は(1)本人への交付、(2)30枚以上の電子的提出義務、(3)普通徴収切替の符号の3つに絞られました。金額で出し分ける判断が消えたぶん、提出先の市区町村を1件でも間違えるとその従業員の住民税がまるごと別の自治体で課税される、という形で影響が出ます。差し戻しの原因は「誰を出すか」から「どこへ出すか」へ移った、と考えてください。
提出前チェック:この6項目が全部そろっているか
提出ボタンを押す前に、下のチェッカーで確認してください。1つでも欠けると差し戻しか、5月末の通知書の作り直しにつながります。
用意しておく書類(チェックはこの端末にだけ保存されます)
担当者からよく出る質問
Q1.パートやアルバイトの分も給与支払報告書を出す必要がありますか。
必要です。令和8年分の提出範囲は、中途退職者に支払った給与が30万円以下の場合を除くすべての受給者で、在籍しているパート・アルバイトに金額の足切りはありません。年間10万円のアルバイトでも提出します。そのうえで、月々の給与から住民税を引ききれない人は摘要欄に普Cの符号を書いて普通徴収に切り替えます。
Q2.従業員から普通徴収にしてほしいと言われました。選べますか。
選べません。東京都主税局の事務手引きは、給与所得者の個人住民税は原則として特別徴収の方法により徴収しなければならず、従業員の希望により普通徴収を選択することはできない、と明記しています。普通徴収にできるのは普A〜普Fの理由に該当する場合だけです。副業先で特別徴収されているなら普Bに当たります。
Q3.令和8年分の提出期限は結局いつですか。1月31日で合っていますか。
法律上の期限は1月31日ですが、2027年1月31日は日曜日です。地方税法第20条の5第2項により期限は翌開庁日へ繰り下がるため、実際の期限は2027年2月1日(月)になります。税務署へ出す源泉徴収票と法定調書合計表も国税通則法第10条第2項で同じ日に繰り下がります。ただし自治体が独自に前倒しの目安日を案内していることがあるので、送付されてくる案内も確認してください。
Q4.退職者の給与総額が30万円以下なら出さなくてよいのですか。
地方税法第317条の6第3項のただし書により、法律上の提出義務はありません。ただし提出してはいけないという意味ではなく、東京都主税局の事務手引きは年の途中で退職した方についても提出するよう求めています。出さないとその人の住民税の課税資料が欠けるため、多くの自治体が提出を推奨しています。迷ったら出す、が安全側の判断です。
Q5.eLTAXでの提出はいつから義務になりますか。支店ごとに枚数が違います。
令和9年1月1日以後に提出する分からは30枚以上です(令和8年12月31日以前に提出する分は100枚以上でした)。2027年1月・2月の提出は30枚以上が基準になります。枚数は基準年である令和7年に税務署へ提出すべきであった給与所得の源泉徴収票を、改正前の提出範囲で数えた数で判定します。判定は法定調書の提出義務を有する者ごとに行うため、支店ごとに源泉徴収義務者が分かれていれば支店単位で判定します。
提出後にやること:5月末の通知から6月の徴収開始まで
提出して終わりではありません。4月15日と5月末に次の締切が来ます。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 時期 | やること | 期限 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 4月 | 提出後に4月1日現在で在籍していない人がいれば、その旨を記載した届出書を市区町村へ出す | 4月15日 | 地方税法第317条の6第2項(e-Gov法令検索) |
| 5月 | 特別徴収税額決定通知書を受け取り、納税義務者用を従業員本人へ交付する | 5月31日までに市区町村から送付 | 特別徴収に係る手続き(東京都主税局) |
| 6月 | 6月支給の給与から月割額の天引きを開始する(6月から翌年5月までの12か月) | 徴収した月の翌月10日までに納入 | 特別徴収に係る手続き(東京都主税局) |
| 随時 | 退職・休職・転勤があれば給与所得者異動届出書を提出する | 事由が発生した日の属する月の翌月10日 | 特別徴収の事務手引き(東京都主税局) |
| 退職時(6月1日〜12月31日) | 本人から一括徴収の申し出があれば、最後の給与や退職手当等から未徴収分をまとめて徴収する | 退職時の支給日 | 特別徴収の事務手引き(東京都主税局) |
| 退職時(1月1日〜4月30日) | 本人の申し出がなくても、5月31日までに支払う給与や退職手当等から一括徴収する | 5月31日まで | 特別徴収の事務手引き(東京都主税局) |
納入事務が重いときは納期の特例があります。給与の支払を受ける者が常時10人未満の事業所は、申請して市区町村長の承認を受けることで、年12回の納入を年2回にできます。6月から11月までの分を12月10日までに、12月から翌年5月までの分を6月10日までに納入する形です。これは納期だけの特例で、毎月の給与からの天引き自体は通常どおり必要です。預かった住民税を半年分まとめて納める仕組みだと理解してください。
問担当者
異動届出書を出し忘れると、どうなりますか。
解解説
会社の滞納として扱われます。退職した人の月割額は通知書に載ったままなので、天引きしていないのに納入義務だけが残ります。事務手引きも、提出が遅れると退職者や休職者の税額が事業主の滞納額になったり、切替処理が遅れて従業員が一度に多額の住民税を負担することになると警告しています。翌月10日は厳守してください。
退職者が出た年は、住民税の一括徴収と雇用保険の手続きが同じタイミングで走ります。離職票2の書き方と異議ありの欄の扱いも併せて確認しておくと、退職者対応を一度にさばけます。
出典
- 地方税法(e-Gov法令検索)第20条の5・第294条・第317条の6
- 所得税法(e-Gov法令検索)第183条・第228条の4
- 国税通則法(e-Gov法令検索)第10条
- 国税庁 タックスアンサーNo.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数
- 国税庁 質疑応答事例 e-Tax又は光ディスク等による法定調書の提出義務
- 国税庁 タックスアンサーNo.7455 法定調書の提出枚数が30枚以上の場合の提出義務
- 国税庁 源泉徴収票のみなし提出の特例 特設ページ
- 国税庁 源泉徴収票(給与所得・公的年金等)のみなし提出の特例に関するQ&A(令和8年4月) PDF
- 国税庁 令和8年分 給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引(㉚摘要欄の記載要領(6)・提出期限・作成枚数) PDF
- 国税庁 給与・公的年金等の支払報告書及び源泉徴収票のeLTAXでの一括作成・提出
- 東京都主税局 特別徴収に係る手続きについて
- 東京都主税局 個人住民税 特別徴収の事務手引き(令和5年11月)
- 東京都主税局 普通徴収切替理由書(兼仕切書(紙))
- 総務省 地方税制度 個人住民税
最終更新:2026年9月12日(令和8年9月12日)
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編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。



