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処遇改善加算は事業所に交付されますが、配分方法は事業所ごとの就業規則によります。加算の届出状況と自分の賃金改善額が噛み合わない場合、他事業所の条件を知っておくと交渉材料になります。
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退職金の振込額を見て「思っていたより少ない」と感じたなら、まず疑うべきは源泉徴収票の読み違いではなく、退職前に会社へ出したはずの1枚の用紙です。「退職所得の受給に関する申告書」を退職手当等の支払を受ける時までに会社へ提出していれば、勤続年数に応じた退職所得控除が差し引かれ、多くの人は所得税及び復興特別所得税がゼロか数万円で済みます。提出していなければ、退職所得控除も2分の1計算も一切反映されないまま、退職手当等の支払金額の全額に20.42パーセントが源泉徴収されます。勤続30年で2,000万円を受け取る人なら、その差は390万円を超えます。この記事では国税庁の様式(令和8年1月1日以後用)と手引きの原文に沿って、勤続年数から退職所得控除額を出すシミュレーター、勤続5年以下の人だけに効く2分の1不適用の条件、前年以前に確定拠出年金の一時金を受けている場合の重複期間の扱い、そしてA欄からE欄までの記入例を、計算過程つきで示します。振込後に気づいた人は源泉徴収票の見方【令和7年分】で「退職所得の源泉徴収票」の欄を照合する手順も先に押さえておくと、あとの精算がぶれません。
30秒でわかる要点
1. 提出先は税務署ではなく退職手当等の支払者(会社)。支払者が保管し、税務署長から特に求められた場合以外は税務署へ出しません。
2. 提出期限は「退職手当等の支払を受ける時まで」。1日でも過ぎると支払金額の20.42パーセントが源泉徴収されます。
3. 退職所得控除額は勤続20年以下が40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)、20年超が800万円+70万円×(勤続年数−20年)。
4. 勤続5年以下は「短期退職手当等」に当たり、控除後300万円を超える部分は2分の1になりません。役員等で5年以下なら「特定役員退職手当等」で2分の1計算そのものがありません。
5. 出し忘れても確定申告で精算できます。ただし必ず還付になるとは限らず、金額によっては追加で納めることもあります。
出すべきです。国税庁の手続案内は「国内において退職手当等の支払を受ける居住者は、この申告を行わなければなりません」と書いており、行わない場合は退職手当等の金額につき20.42パーセントの税率による源泉徴収が行われます。提出していれば勤続年数に応じた控除と2分の1計算が反映され、原則として確定申告も要りません。
ところが、この用紙は書式だけを見ると異様に難しく見えます。難しさは次の3点に集約されます。
この様式が読みにくい3つの理由
1. 宛名が「税務署長 殿/市町村長 殿」なのに、出す相手は会社。用紙の左上には税務署長と市町村長の宛名欄がありますが、提出先・提出方法は「退職手当等の支払者に提出してください」であり、支払者は税務署長から特に提出を求められた場合以外、税務署へ出す必要がありません(支払者が保管します)。
2. A欄からE欄まであるが、ほとんどの人はA欄だけで終わる。A欄の冒頭に「このA欄には、全ての人が、記載してください。(あなたが、前に退職手当等の支払を受けたことがない場合には、下のB以下の各欄には記載する必要がありません。)」と印刷されています。
3. 「特定役員等勤続期間」「短期勤続期間」「全重複勤続期間」など、内書きの用語が専門的。これらは勤続5年以下の期間や、他の退職金と重なる期間を切り分けるための欄で、該当しなければ「無」に○を付けるだけです。
会社から渡された用紙に「税務署長 殿」と書いてあります。自分で税務署に持って行くのですか。
いいえ、会社に出して終わりです。国税庁の手続案内は提出先を「退職手当等の支払者」と定めていて、会社が保管します。税務署へ出すのは、税務署長から特に提出を求められた場合だけです。ここを勘違いして手元に留めたまま退職日を迎えると、20.42パーセントが引かれた振込額を見ることになります。
申告書を出し忘れて20.42パーセントを源泉徴収された場合、精算は会社ではなく自分の確定申告で行います。
退職所得の金額は「(収入金額(源泉徴収される前の金額)− 退職所得控除額)× 1 / 2」で計算します。退職所得控除額は勤続年数だけで決まり、勤続期間に1年未満の端数があるときは1年に切り上げます。
| 区分 | 退職所得控除額の計算 | 計算例(国税庁の例示) | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 勤続年数20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合には、80万円) | 勤続10年2か月 → 11年 → 40万円×11年=440万円 | 国税庁 タックスアンサー No.1420 |
| 勤続年数20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数−20年) | 勤続30年 → 800万円+70万円×10年=1,500万円 | 国税庁 タックスアンサー No.1420 |
| 障害者になったことが直接の原因で退職 | 上記で計算した額に100万円を加算 | 勤続11年で障害退職 → 440万円+100万円=540万円 | 国税庁 タックスアンサー No.1420 |
| 勤続期間に1年未満の端数 | その端数を1年に切り上げ | 勤続9年4か月 → 10年 | 国税庁 タックスアンサー No.2732 |
| 課税退職所得金額の端数 | 1,000円未満の端数は切捨て | 1,805,400円 → 1,805,000円 | 国税庁 タックスアンサー No.2732 |
控除額と課税退職所得金額が出たら、所得税及び復興特別所得税の額は下の速算表で読みます。これは国税庁が掲げる「別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表」の数値そのものです。
| 課税退職所得金額(A) | 所得税率(B) | 控除額(C) | 税額=((A)×(B)−(C))×102.1% | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 | (A)×5%×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 | ((A)×10%−97,500円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 | ((A)×20%−427,500円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 | ((A)×23%−636,000円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 900万円超 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 | ((A)×33%−1,536,000円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 1,800万円超 4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 | ((A)×40%−2,796,000円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 | ((A)×45%−4,796,000円)×102.1% | 国税庁 別紙 速算表 |
速算表の102.1パーセントは復興特別所得税を含めた係数です。令和8年度税制改正で防衛特別所得税が創設され復興特別所得税の税率引下げと課税期間の延長が行われますが、国税庁は「改正前と改正後とで、防衛特別所得税及び復興特別所得税の合計税率に変更はありませんので、改正前後で、源泉徴収税額の計算方法に変更は生じません」と明記しています。年末調整や控除の全体像は年末調整2026の変更点で在職中の控除がどう変わったかを確認すると、退職した年の申告がつながって見えます。退職した年に給与の年末調整を受けていない人は、基礎控除申告書の書き方【令和8年分】で所得金額調整控除まで含めた記入順を確認すると、確定申告書の作成が早くなります。生命保険料や地震保険料の控除証明書が手元に残っている人は、保険料控除申告書の書き方【令和8年分】で控除額の計算方法を確認すると、そのまま確定申告書へ転記できます。
勤続年数が5年以下の人は、区分によって課税退職所得金額の出し方が変わります。国税庁は退職手当等を「一般退職手当等」「短期退職手当等」「特定役員退職手当等」の3区分に分け、それぞれ別の算式を定めています。短期退職手当等は令和4年1月1日以後に支払うべき退職手当等について適用されています。
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
| 区分 | 該当する人 | 2分の1計算 | 課税退職所得金額の算式 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 一般退職手当等 | 特定役員退職手当等にも短期退職手当等にも当たらない人(多くは勤続6年以上) | 全額に適用 | (収入金額−退職所得控除額)×1/2 | 国税庁 タックスアンサー No.2732 |
| 短期退職手当等 | 役員等以外の者として勤務した期間で計算した勤続年数が5年以下の人(役員等として勤務した期間があればその期間も含めて計算) | 控除後300万円までは適用、超える部分は不適用 | ①収入金額−控除額≦300万円:(収入金額−控除額)×1/2 ②収入金額−控除額>300万円:150万円+{収入金額−(300万円+控除額)} | 国税庁 タックスアンサー No.2732 |
| 特定役員退職手当等 | 役員等勤続年数が5年以下である人が、その役員等勤続年数に対応して受ける退職手当等 | 適用なし | 収入金額−退職所得控除額 | 国税庁 タックスアンサー No.1420・No.2732 |
| 同じ年に2区分以上がある | 一般・短期・特定役員のうち2以上の退職手当等がある人 | 区分ごとに判定 | 計算方法が異なるため国税庁コード2741を参照 | 国税庁 タックスアンサー No.2732 |
ここでいう「役員等」は、法人の取締役・執行役・会計参与・監査役・理事・監事および清算人ならびにこれら以外の者で法人の経営に従事している一定の者、国会議員および地方公共団体の議会の議員、国家公務員および地方公務員を指します。役員等勤続年数にも1年未満の端数の切上げが入ります。
役員等でない従業員なら短期退職手当等です。退職所得控除額は40万円×5年=200万円、控除後は800万円で300万円を超えるので、150万円+{1,000万円−(300万円+200万円)}=650万円が課税退職所得金額になります。2分の1計算がすべて使えれば400万円で済むところが、250万円上振れします。
私は入社4年で退職しますが、役員ではありません。それでも2分の1が使えないのですか。
使えなくなるのは、退職所得控除額を引いた残りが300万円を超えた部分だけです。勤続4年なら控除額は40万円×4年=160万円。退職金が400万円なら残りは240万円で300万円以下ですから、そのまま2分の1して120万円が課税退職所得金額になります。300万円の線を越えるまでは、これまでどおりです。
退職所得の申告書は「税金」側の1枚にすぎません。同じ時期に失業給付・健康保険・年金の書類が並行して動きます。必要な給付を取りこぼしていないかは補助金・給付金の無料診断で退職後に使える制度を絞り込むと短時間で見当が付きます。
源泉徴収票の見方【令和7年分】退職所得の源泉徴収票で、控除額と源泉徴収税額が正しく反映されたかを確かめる
離職票2の書き方(異議ありと給付日数)退職理由の記載しだいで基本手当の給付日数と給付制限が変わる
失業認定申告書の書き方(バイトの書き方)退職金とは別に、認定日ごとに申告が必要な収入の線引きを押さえる
再就職手当 支給申請書の書き方早期に再就職したときに受け取れる手当の要件と申請期限
健康保険 被扶養者異動届の書き方(130万円の壁)退職後に家族の扶養へ入る場合の収入見込みの数え方
年金請求書の書き方定年退職と同時に年金の請求手続きが始まる人の記入順
この申告書は税務署の審査を通るものではないため、不採択という結果は出ません。その代わり、会社の給与担当者から差し戻されるか、気づかないまま20.42パーセントで源泉徴収されて終わります。実際に起きやすいのは次の5つです。
よくある5つの落とし穴
落とし穴1:退職日までに出せば間に合うと思っていた。期限は「退職手当等の支払を受ける時まで」です。退職日と支払日がずれる会社は多く、支払日を過ぎると会社は20.42パーセントで源泉徴収するほかありません。
落とし穴2:宛名を見て税務署へ郵送してしまった。提出先は退職手当等の支払者です。会社に届かなければ未提出と同じ扱いになります。
落とし穴3:②の「生活扶助の有無」を空欄にして差し戻し。「一般・障害の区分」だけ○を付けて、生活扶助の有無を忘れる記入漏れが典型です。
落とし穴4:本年中に他社からも退職金を受けているのにB欄が空。注意事項には「Bの退職手当等がある人は、その退職手当等についての退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)又はその写しをこの申告書に添付してください。」とあり、添付がないと差し戻しになります。
落とし穴5:確定拠出年金の一時金をすでに受け取っているのにC欄が空。重複期間の分だけ退職所得控除額が減るため、書かないと控除を取りすぎた状態になり、あとから精算が必要になります。
とくに注意点として押さえたいのは、落とし穴5です。会社の給与担当者は、あなたが個人型確定拠出年金の一時金を受け取ったことを知りません。申告し忘れても差し戻しは起きず、そのまま処理されてしまいます。期限を1日過ぎただけで取り返しがつかなくなるという意味では、受給期間延長申請書はいつまでに出すかを確認して受給権を守るのも同じ構造です。会社側が書く欄の中身を先に知っておきたい人は、離職証明書の書き方(会社が書く欄)で賃金支払対象期間の書かれ方を確認すると、退職前に確認しておくべき点がまとめて見えます。
前に受けた退職手当等がある場合、退職所得控除額は「本年分の勤続年数で計算した控除額」から「重複期間の年数で計算した控除額相当額」を引いた残額になります。ここで対象になる「前の退職手当等」の範囲は、令和8年1月1日以後に支払を受けた確定拠出年金の一時金がからむかどうかで3通りに分かれます。
| 場合 | さかのぼる期間 | C欄⑥に書く「前の退職手当等」 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| ⑴ 前年以前4年内に退職手当等の支払を受けた場合(⑵⑶を除く) | 前年以前4年内 | 前年以前4年内に支払を受けた退職手当等 | 国税庁 タックスアンサー No.2735・申告書の書き方6 |
| ⑵ 令和8年1月1日以後、かつ、前年以前9年内に確定拠出年金法に基づく一時金の支払を受けた場合(⑶を除く) | 前年以前9年内(令和8年1月1日前に受けた退職手当等は前年以前4年内) | 令和8年1月1日以後かつ前年以前9年内に受けた退職手当等と、令和8年1月1日前かつ前年以前4年内に受けた退職手当等 | 国税庁 タックスアンサー No.2735・申告書の書き方6 |
| ⑶ 本年中に確定拠出年金法に基づく一時金の支払を受ける場合 | 前年以前19年内 | 前年以前19年内に支払を受けた退職手当等 | 国税庁 タックスアンサー No.2735・申告書の書き方6 |
| 前の退職手当等の収入金額が、その退職所得控除額に満たなかったとき | 勤続期間を短縮して数える | 800万円以下は「収入金額÷40万円」、800万円超は「(収入金額−800万円)÷70万円+20」で求めた年数(小数点以下切捨て)ぶんの期間 | 申告書の書き方6・国税庁 タックスアンサー No.2732 |
計算してみる:企業型確定拠出年金の一時金を先に受け取っていた場合
令和6年5月に企業型確定拠出年金の老齢一時金400万円を受給(加入期間 平成26年5月1日〜令和6年4月30日=10年)。令和8年9月30日にA社を退職し退職金1,500万円(勤続期間 平成16年4月1日〜令和8年9月30日=22年6か月)。
1. 本年分の勤続年数は22年6か月を切り上げて23年。控除額は800万円+70万円×3年=1,010万円。
2. 前の一時金は令和6年支払なので⑴の「前年以前4年内」に当たります。その収入金額400万円は、加入期間10年の控除額40万円×10年=400万円に満たないわけではないので、期間の短縮はありません。
3. 重複期間は平成26年5月1日〜令和6年4月30日の10年(1年未満は切捨て)。10年に対応する控除額相当額は40万円×10年=400万円。
4. 差引きの退職所得控除額は1,010万円−400万円=610万円。課税退職所得金額は(1,500万円−610万円)×1/2=445万円。
5. 所得税及び復興特別所得税は(445万円×20%−427,500円)×102.1%=472,212円(1円未満切捨て)。C欄を書かずに1,010万円で計算すると150,597円になり、321,615円不足します。
勤続期間が重なっていなければ減りません。控除額から差し引かれるのは、本年分の勤続期間と前の退職手当等の勤続期間が「重複している期間」だけです。単純な転職でA社を辞めた翌日からB社に入った場合、重複期間はゼロなので調整は生じません。控除が減るのは、出向元と出向先の両方から退職金が出る場合や、確定拠出年金の加入期間が在職期間と重なっている場合です。
令和8年1月1日以後に使う様式(国税庁 07.06改正)の欄名に沿って、上の計算例そのままの人が書く場合を示します。欄の名称は様式の印字をそのまま引いています。
| 欄 | 様式の欄名 | 記入例 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|---|
| 表題 | 年分 退職所得の受給に関する申告書 兼 退職所得申告書 | 令和8年分 | 宛名は「税務署長 殿/市町村長 殿」だが、提出先は退職手当等の支払者 |
| 支払者 | 退職手当の支払者の 所在地(住所)/名称(氏名)/法人番号(個人番号) | 会社が記入 | 様式に「※提出を受けた退職手当の支払者が記載してください。」と印字されている |
| 本人 | あなたの 現住所/氏名/個人番号/その年1月1日現在の住所 | 現住所と1月1日現在の住所の両方を記入 | 住民税の課税市町村は「その年1月1日現在の住所」で決まるため、転居した年は必ず書き分ける |
| A | ① 退職手当等の支払を受けることとなった年月日 | 令和8年9月30日 | 役員等で株主総会等の決議を要するものは、支払を受ける金額が具体的に定められた年月日 |
| A | ② 退職の区分等(<一般・障害の区分>一般・障害/<生活扶助の有無>有・無) | 「一般」に○、「無」に○ | 2か所とも○が要る。障害を選ぶ場合は( )内に障害の状態や手帳の交付年月日等を記載 |
| A | ③ この申告書の提出先から受ける退職手当等についての勤続期間 | 自 平成16年4月1日 至 令和8年9月30日 23年 | 年数は1年未満の端数を切り上げ。内書の「うち 特定役員等勤続期間」「うち 短期勤続期間」は該当なしなので「無」に○ |
| B | ④ 本年中に支払を受けた他の退職手当等についての勤続期間/⑤ ③と④の通算勤続期間 | 記入不要 | 本年中に他社からも退職金を受けた人だけが書く。書く場合はその退職所得の源泉徴収票(特別徴収票)またはその写しを添付 |
| C | ⑥ 左記の前年以前に支払を受けた退職手当等についての勤続期間 | 自 平成26年5月1日 至 令和6年4月30日 10年 | 確定拠出年金の加入期間をそのまま書く。加入期間の証明は運営管理機関の通知書で確認する |
| C | ⑦ ③又は⑤の勤続期間のうち、⑥の勤続期間と重複している期間 | 自 平成26年5月1日 至 令和6年4月30日 10年 | 年数は1年未満の端数を切捨て。切り上げるのは③④⑤とその内書だけで、⑦から⑪はすべて切捨て |
| C | ㋑ うち 特定役員等勤続期間との重複勤続期間/㋺ うち 短期勤続期間との重複勤続期間 | どちらも「無」に○ | 役員在任期間や勤続5年以下の期間がある人だけ記入 |
| D | ⑧〜⑪(通算された前の退職手当等の勤続期間ほか) | 記入不要 | 合併・分割・出向などで前の勤続期間が今回の退職金の計算に通算されている人だけが書く |
| E | 区分/退職手当等の支払を受けることとなった年月日/収入金額(円)/源泉徴収税額(円)/特別徴収税額 市町村民税(円)道府県民税(円)/支払を受けた年月日/退職の区分/老齢給付金/支払者の所在地(住所)・名称(氏名) | 区分「C」、令和6年4月30日、4,000,000円、0円、0円・0円、令和6年5月15日、一般、老齢給付金欄に「○」、運営管理機関名 | 様式の注意事項に「B又はCの退職手当等がある場合には、このE欄にも記載してください。」とある。確定拠出年金の老齢一時金は「老齢給付金」欄に「○」 |
切り上げるのは③④⑤だけ、ほかの年数欄はすべて切捨て
1年未満の端数を切り上げるのは③「この申告書の提出先から受ける退職手当等についての勤続期間」と④⑤、およびそれぞれの内書の年数欄だけです。⑦「③又は⑤の勤続期間のうち、⑥の勤続期間と重複している期間」から⑪、および㋩㋥㋭㋬の年数欄は、様式の「申告書の書き方」7から10のとおり、いずれも1年未満の端数を切り捨てます。切上げは勤続年数を長く、切捨ては重複期間を短くする方向、つまりどちらも控除額が大きくなる側に働きます。向きを逆に書くと控除額が過小になり、本来より多く源泉徴収されることになります。
失業給付の手続きも同じ時期に並行します。離職票が手元に届くのは、会社がハローワークへ離職証明書を提出したあとです。退職金の振込日と離職票の到着日は連動しないので、それぞれ別の期限として管理してください。
結論として、勤続30年・退職金2,000万円のケースでは所得税及び復興特別所得税の差が3,928,298円になります。住民税は退職所得の金額に10パーセント(道府県民税4パーセント、市町村民税6パーセント)を乗じて特別徴収され、それぞれ100円未満の端数は切り捨てます。
| 項目 | 申告書を提出した場合 | 提出しなかった場合 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 所得税及び復興特別所得税(勤続30年・2,000万円) | 155,702円 控除1,500万円、課税退職所得250万円 | 4,084,000円 2,000万円×20.42% | 国税庁 No.2732・別紙 速算表 |
| 同(勤続11年・800万円) | 91,890円 控除440万円、課税退職所得180万円 | 1,633,600円 | 国税庁 No.2732(例1) |
| 同(勤続5年・1,000万円/役員等でない) | 890,822円 控除200万円、課税退職所得650万円 | 2,042,000円 | 国税庁 No.2732・別紙 速算表 |
| 住民税(勤続30年・2,000万円) | 250,000円 市町村民税150,000円+道府県民税100,000円 | 特別徴収されるうえ、様式の注意事項に「市町村民税及び道府県民税については、延滞金を徴収されることがあります。」とある | 総務省 個人住民税・退職所得に対する住民税の特別徴収 |
| 手取り(勤続30年・2,000万円、住民税25万円を含む) | 19,594,298円 | 15,666,000円 | 本記事で上記の数値から試算 |
| 退職所得控除と2分の1計算 | 反映される | 反映されない(支払金額の全額が計算の基礎) | 国税庁 タックスアンサー No.1420 |
| 確定申告 | 原則として不要 | 受給者本人が確定申告を行って精算する | 国税庁 タックスアンサー No.1420 |
未提出でも「必ず還付」ではない
20.42パーセントは退職所得控除も2分の1計算も反映しない概算なので、多くの人にとっては払いすぎになり、確定申告で戻ってきます。ただし国税庁の表現は「還付」ではなく「精算」です。たとえば役員等勤続年数5年の役員が1億円の退職金を受けた場合、特定役員退職手当等として課税退職所得金額は1億円−200万円=9,800万円、本来の税額は(9,800万円×45%−4,796,000円)×102.1%=40,129,384円になります。源泉徴収された20.42パーセントは2,042万円ですから、確定申告では19,709,384円を追加で納めることになります。
還付になる人の期限は緩やかで、還付申告書は確定申告期間と関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出できます。医療費がかさんだ年や、生命保険料控除の証明書が残っている年は、同じ申告書のなかでまとめて上乗せできるので、退職所得だけを切り離して急ぐ必要はありません。
チェックが1つでも外れたとき
A欄の記入漏れなら会社へ出す前に直せます。すでに支払日を過ぎている場合は会社で直せないため、確定申告で精算する道に切り替えてください。退職所得の源泉徴収票は支払者から交付されるので、それを使って申告します。
支払が済んだあとの再計算は、会社ではなく本人の確定申告で行います。国税庁は未提出の場合について「受給者本人が確定申告を行うことにより所得税額および復興特別所得税額の精算をします」としています。同じ年の年末までに会社が年末調整で吸収する仕組みもありません。退職所得の源泉徴収票を受け取って、翌年の申告で精算してください。
退職所得については原則として不要です。ただし医療費控除や寄附金控除の適用を受けるなどの理由で確定申告書を提出する場合は、確定申告書に退職所得の金額を記載する必要があります。年の途中で退職して給与の年末調整を受けていない人は、給与側の精算のために申告した方が有利になることが多いです。
退職所得に対する住民税は他の所得と分離して計算され、退職手当等の支払者が特別徴収します。様式の注意事項1には、申告書を提出しない場合について「市町村民税及び道府県民税については、延滞金を徴収されることがあります。」と書かれています。なお課税する市町村は、退職手当等の支払を受けるべき日の属する年の1月1日現在の住所地です。
支払者ごとに提出します。2社目には、1社目から交付された退職所得の源泉徴収票を添付し、B欄に1社目の勤続期間と通算勤続期間を書きます。複数の支払者に同時に提出する場合は、申告書に提出の順位を記載します。2社目の会社は1社目の退職金も含めて税額を計算し、そこから1社目で源泉徴収済みの税額を差し引きます。差引き後がマイナスになる場合、その還付を受けるには本人の確定申告が必要です。
有利・不利を一般化はできませんが、重複期間の見る範囲が違う点は押さえてください。本年中に確定拠出年金の一時金を受ける場合は前年以前19年内の退職手当等が対象になり、逆に令和8年1月1日以後に受けた確定拠出年金の一時金が先にある場合は前年以前9年内が対象になります。それ以外は前年以前4年内です。さかのぼる年数が長いほど重複期間が拾われやすく、退職所得控除額が減る可能性が高くなります。
はい。労働基準法第20条の規定により支払われる解雇予告手当と、賃金の支払の確保等に関する法律第7条の規定により退職した労働者が弁済を受ける未払賃金は、いずれも退職所得に該当します。退職に基因して支給される一時金や、確定拠出年金法に規定する企業型年金規約・個人型年金規約に基づいて老齢給付金として支給される一時金も退職所得とみなされます。
住宅ローンを返済中で初年度の控除を受け損ねている人は住宅借入金等特別控除申告書の書き方で残高証明書の転記先を確認すると、同じ申告にまとめられます。
最終更新:2026年9月12日(国税庁タックスアンサーは令和8年4月1日現在の法令等に基づく記載を確認)
この制度では未確認です(公式でご確認ください)。
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制度の事実確認まとめ
過去制度と現在の状態を分けて確認してください。
| 提出時期 | 提出時期・提出先は所轄の税務署または勤務先の給与担当にご確認ください |
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編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。