受付前 中小企業支援

年末調整2026の変更点|基礎控除と特定親族特別控除の記入・計算

給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を受ける居住者である従業員。特定親族特別控除は生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者・事…

この記事の結論

対象者給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を受ける居住者である従業員…
補助額・給付額基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円(補助率 基礎控除は所得税法第86条の本則が58万円から62万円へ引き上げられ、租税特別措置法第41条の16の2の加算(令和8・9年分は合計所得金額489万円以下で42万円、489万円超655万円以下で5万円)を加算する。結果として令和8年分は合計所得金額489万円以下が104万円、489万円超655万円以下が67万円、655万円超2,350万円以下が62万円。給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ(令和8・9年分は給与収入220万円以下が一律74万円)。特定親族特別控除は特定親族の合計所得金額62万円超85万円以下で63万円、以後段階的に逓減し120万円超123万円以下で3万円。)
申請時期令和9年1月31日(源泉徴収票の交付・給与支払報告書の提出期限)。年末調整自体は令和8年中最後の給与の支払時に行う
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給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を受ける居住者である従業員…

対象地域
全国
対象者
給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を受ける居住者…
補助上限
基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円
補助率・給付条件
基礎控除は所得税法第86条の本則が58万円から62万円へ引き上げられ、租税特別措置法第41条の16の2の加算(令和8・9年分は合計所得金額489万円以下で42万円、489万円超655万円以下で5万円)を加算する。結果として令和8年分は合計所得金額489万円以下が104万円、489万円超655万円以下が67万円、655万円超2,350万円以下が62万円。給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ(令和8・9年分は給与収入220万円以下が一律74万円)。特定親族特別控除は特定親族の合計所得金額62万円超85万円以下で63万円、以後段階的に逓減し120万円超123万円以下で3万円。
公募期間
2027年1月31日締切(予定)
実施機関
国税庁
申請方法
オンライン申請
必要書類
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(新たに対象とな…
  • 最大基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円まで補助される制度です
  • 国税庁が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%

詳細解説

令和8年分の年末調整は、令和8年12月1日に施行される令和8年度税制改正の内容を反映して計算します。基礎控除の本則が58万円から62万円へ、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円へ引き上げられ、扶養親族等の所得要件も58万円以下から62万円以下へ動きました。厄介なのは施行日が12月1日であることです。11月までの毎月の源泉徴収は改正前の税額表のまま続け、12月の年末調整で一気に精算します。つまり月次で慣らすことができず、変更点をまとめて12月の1回で処理する構造になっています。さらに令和7年分から始まった特定親族特別控除も、給与所得控除の引上げによって判定に使う年収の境目が動きました。この記事は中小企業の給与担当者・経理担当が12月に手を動かす順番で、国税庁資料の実数だけを使って改正前後を並べ、申告書のどの欄が影響を受けるのか、どこで差し戻しが起きるのかを整理します。

令和8年分の年末調整・結論だけ先に

  • 基礎控除は合計所得金額489万円以下で104万円(改正前は95万円・88万円・68万円の3段階)
  • 給与所得控除の最低保障額は65万円→74万円(給与収入220万円以下は一律74万円)
  • 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件は62万円以下(給与収入136万円以下)へ
  • 特定親族特別控除は合計所得62万円超123万円以下=給与収入136万円超197万円以下が対象、控除額は3万〜63万円
  • 11月までの月次源泉徴収は改正前の税額表のまま。改正の反映は12月の年末調整から
104万円令和8年分の基礎控除の最大額
74万円給与所得控除の最低保障額
63万円特定親族特別控除の上限

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令和8年分は基礎控除・給与所得控除・扶養親族等の所得要件が同時に動きます。控除額表と給与所得控除後の金額の表を差し替える作業は、クラウド給与・会計ソフトなら改正対応版の自動更新で済み、従業員の申告書回収から年調年税額の計算までを1つの画面でつなげられます。

  • 向いている人:従業員20〜300名規模で、年末調整をExcelと紙の申告書で回している経理・総務担当
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令和8年分の年末調整とは何が違うのか

令和8年分の年末調整とは、令和8年12月1日施行の令和8年度税制改正による基礎控除の引上げ、給与所得控除の最低保障額の引上げ、扶養親族等の所得要件の改正を反映して、その年の給与に対する年税額を確定させる手続きである。国税庁は「令和8年11月までの給与等の源泉徴収事務に変更は生じません」と明記しており、11月までは改正前の源泉徴収税額表で毎月の税額を徴収し、12月の年末調整で引上げ後の基礎控除額と改正後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使って1年分を計算し、既に徴収した税額との差額を精算します。

この構造は令和8年度税制改正の大綱そのものに書かれた設計です。大綱は「見直しの結果、控除額に端数が生ずる場合には万円単位で調整するとともに、見直し初年は、月次の源泉徴収等では対応せず年末調整からの対応とする」としています。源泉徴収義務者の事務負担への配慮ですが、実務上は12月に還付額が大きく膨らむことを意味します。資金繰りの観点では、12月分の徴収税額から控除しきれない過納額が発生する前提で準備するのが安全です。

物価連動で今後も2年ごとに動く

令和10年分以後の基礎控除額と給与所得控除の最低保障額は、2年ごとに直前の見直し後の額へ全国消費者物価指数(総合)の変化率を乗じた額を基準に見直すことが基本とされました。令和8年度改正の引上げも、令和5年10月から令和7年10月までの2年間の上昇率6.0%を踏まえた金額です。今回の改正は一度きりの特例ではなく、隔年で控除額表を差し替える運用が始まったと捉えるべきです。

年末調整の実務は給与計算そのものと切り離せません。同じ令和8年度に始まった保険料負担の改正とあわせて確認したい場合は、子ども・子育て支援金の給与担当者ガイドで控除項目の追加を確認するのが早道です。

基礎控除は最大104万円へ|改正前後の対比表

基礎控除は、所得税法第86条の本則部分が58万円から62万円に引き上げられ、これに租税特別措置法第41条の16の2による加算額が乗ります。令和8年度税制改正の大綱は加算額を「令和8年分及び令和9年分」について、合計所得金額が489万円以下である場合は42万円489万円を超える場合(655万円以下)は5万円と定めています。したがって62万円+42万円=104万円が適用されるのは合計所得金額489万円以下であり、改正前に95万円・88万円・68万円と3段階に割れていた区分が1本にそろいます。令和10年分以後の加算額は37万円で、対象も合計所得金額132万円以下に絞られます。加算は居住者にのみ適用されます。

合計所得金額給与だけの場合の収入金額(令和8・9年分)改正後(令和8・9年分)改正前(令和8年分)令和10年分以後
132万円以下206万円以下104万円95万円99万円
132万円超336万円以下206万円超475万1,999円以下104万円88万円62万円
336万円超489万円以下475万1,999円超665万5,556円以下104万円68万円62万円
489万円超655万円以下665万5,556円超850万円以下67万円63万円62万円
655万円超2,350万円以下850万円超2,545万円以下62万円58万円62万円
2,350万円超2,400万円以下2,545万円超48万円(改正なし)48万円48万円

合計所得金額2,350万円超の基礎控除額に改正はありません。2,400万円超2,450万円以下は32万円、2,450万円超2,500万円以下は16万円、2,500万円超は0円のままです。給与収入の換算額は改正後の給与所得控除額に基づく数字であり、特定支出控除や所得金額調整控除の適用がある人は表の金額と一致しません。

タックスアンサーが「95万円」のままなのはなぜか

国税庁のタックスアンサーNo.1199「基礎控除」やNo.1177「特定親族特別控除」は、参照時点によって令和7年度税制改正後の数字(基礎控除は132万円以下で95万円、特定親族は合計所得金額58万円超123万円以下)で記載されています。令和8年度税制改正は令和8年12月1日施行のため、施行前の時点では改正前の水準が案内されている状態です。令和8年分の年末調整で使うのは、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」および「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」(令和8年5月)に示された改正後の額です。両者を突き合わせるときは、必ず「どちらの年分に適用される数字か」で読み分けてください。

所得税がかからない給与収入の上限は178万円になる

給与収入だけの人は、給与所得控除74万円と基礎控除104万円の合計178万円までは課税所得が生じません。令和7年分は65万円+95万円=160万円がこの線でしたから、18万円分だけ上がった計算です。ただし個人住民税は所得税と同じ引上げが行われず、令和8年度税制改正では給与所得控除の見直しのみ対応するとされました。所得税がゼロでも住民税は課税されるという年収帯が広がる点を、パート従業員へ説明できるようにしておく必要があります。

年収の境目そのものを従業員に説明する場面が多い会社は、年収の壁2026年版で160万円・106万円の線がどう動いたかを確認すると、社会保険と税の線引きを混同した質問に即答できます。住民税側の非課税判定を聞かれた場合は住民税非課税世帯の令和8年度版の新条件をたどるのが確実です。

給与所得控除の最低保障額65万円→74万円の影響

給与所得控除は、65万円の最低保障額が74万円に引き上げられました。令和8・9年分は給与等の収入金額220万円以下が一律74万円です。改正前は190万円以下が65万円、190万円超220万円以下が「収入金額×30%+8万円」でしたから、この年収帯のパート・アルバイトは合計所得金額が最大9万円下がります。家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例についても、必要経費に算入する金額の最低保障額が65万円から69万円へ引き上げられました。なお74万円という額の内訳は、本則の引上げ(65万円→69万円)に、令和8年および令和9年における最低保障額を5万円引き上げる特例を上乗せしたものです。大綱はこの特例について「年末調整において適用できることとする」と定めています。本則の69万円は令和10年分以後の表と、個人住民税側の金額に現れます。

給与等の収入金額改正後(令和8・9年分)改正前令和10年分以後
190万円以下74万円65万円収入金額×30%+8万円(69万円未満なら69万円)
190万円超220万円以下74万円収入金額×30%+8万円収入金額×30%+8万円
220万円超改正なし改正なし改正なし

もうひとつ、見落とすと年調年税額がずれるのが令和8・9年分限定の特例です。給与等の収入金額が69万1,000円以上220万円未満の場合、給与所得の金額は次の金額とすることとされました。国税庁が作成する「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」はこの特例を加味した表になる予定で、令和8年8月末頃に公開される「令和8年分年末調整のしかた」に掲載されます。

給与等の収入金額給与所得の金額実務上の意味
69万1,000円以上74万1,000円未満なし給与所得が生じない帯
74万1,000円以上219万1,000円未満収入金額-74万円最低保障額74万円をそのまま控除
219万1,000円以上219万3,000円未満145万1,000円定額で頭打ちにする調整帯
219万3,000円以上219万6,000円未満145万3,000円同じく調整帯
219万6,000円以上220万円未満145万6,000円220万円で本来の計算式に接続
給与担当

11月に配偶者控除等申告書を回収したいのですが、給与所得控除74万円で計算させてよいのでしょうか。

実務解説

差し支えありません。国税庁は、12月1日から書類の提出を受けたのでは年末調整に間に合わない事態も想定されるとして、施行日前から改正を反映した年末調整関係書類の提出を受けてよいと明示しています。ただし配偶者控除等申告書と特定親族特別控除申告書は、改正後の給与所得控除額を適用して算出した合計所得金額で控除額を書かせてください。65万円で計算した見積額のまま回収すると、控除額の欄が1段ずれます。

対象者・対象事業

対象地域(全国)

目的
中小企業支援
対象地域
全国
対象者
給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を受ける居住者である従業員。特定親族特別控除は生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者・事業専従者を除き、控除対象扶養親族に該当しない人)で合計所得金額62万円超123万円以下=給与収入136万円超197万円以下の人を有する従業員。基礎控除の加算は居住者にのみ適用。
補助上限
基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円
難易度
3

詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。

特定親族特別控除の全段階表と年収の境目

特定親族特別控除は令和7年12月1日施行・令和7年分以後の所得税について適用される控除で、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者と事業専従者を除く)のうち、控除対象扶養親族に該当しない人を対象にします。令和8年分は給与所得控除の引上げに連動して下限が動き、合計所得金額62万円超123万円以下、給与収入では136万円超197万円以下が対象範囲になりました。控除額は1人につき最高63万円です。

特定親族の合計所得金額給与だけの場合の収入金額(令和8・9年分)特定親族特別控除額
62万円超85万円以下136万円超159万円以下63万円
85万円超90万円以下159万円超164万円以下61万円
90万円超95万円以下164万円超169万円以下51万円
95万円超100万円以下169万円超174万円以下41万円
100万円超105万円以下174万円超179万円以下31万円
105万円超110万円以下179万円超184万円以下21万円
110万円超115万円以下184万円超189万円以下11万円
115万円超120万円以下189万円超194万円以下6万円
120万円超123万円以下194万円超197万円以下3万円

読み方の要点は2つです。第1に、子の給与収入が136万円以下なら特定親族ではなく控除対象扶養親族(特定扶養親族)に該当し、扶養控除63万円が適用されます。第2に、136万円を1円でも超えると特定親族特別控除に切り替わりますが、159万円以下なら控除額は同じ63万円です。改正前は123万円が境目でしたから、大学生の子をアルバイトで働かせている家庭では境目が13万円ぶん上へ動いたことになります。

扶養控除等申告書に書いた「源泉控除対象親族」を再確認する

国税庁のQ&Aは、扶養控除等申告書に源泉控除対象親族として記載していた特定親族が、改正により控除対象扶養親族(特定扶養親族)に該当することとなった場合、その親族は扶養控除の対象になると説明しています。この場合は異動があった旨を記載した扶養控除等申告書の提出が必要です。11月に回収した書類をそのまま処理すると、特定親族特別控除と扶養控除の 二重適用や、逆に控除の取り落としが起きます。

給与担当

子の年収が140万円の従業員は、扶養控除と特定親族特別控除のどちらで処理しますか。

実務解説

給与収入140万円は合計所得金額66万円です。62万円を超えているため控除対象扶養親族には該当せず、特定親族特別控除で処理します。控除額は63万円で扶養控除と同額なので年調年税額は変わりませんが、書く申告書が「給与所得者の特定親族特別控除申告書」に変わります。改正前の要件(給与収入123万円以下)で扶養控除を適用したままにすると、記載欄の誤りとして差し戻しの対象になります。

扶養親族等の所得要件と配偶者特別控除額の改正

基礎控除額の引上げに伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件も引き上げられました。給与収入の換算額は令和8・9年分の給与所得控除額に基づく金額です。

扶養親族等の区分改正後の所得要件(給与収入換算)改正前の所得要件(給与収入換算)
扶養親族・同一生計配偶者・ひとり親の生計を一にする子62万円以下(136万円以下)58万円以下(123万円以下)
特定親族62万円超123万円以下(136万円超197万円以下)58万円超123万円以下(123万円超188万円以下)
配偶者特別控除の対象となる配偶者62万円超133万円以下(136万円超207万円以下)58万円超133万円以下(123万円超201万5,999円以下)
勤労学生89万円以下(163万円以下)85万円以下(150万円以下)

配偶者特別控除額も、所得者本人の合計所得金額と配偶者の合計所得金額の組み合わせで段階が動きました。所得者本人の合計所得金額が900万円以下、900万円超950万円以下、950万円超1,000万円以下の3区分で控除額が変わります。

配偶者の合計所得金額(給与収入換算)本人900万円以下本人900万円超950万円以下本人950万円超1,000万円以下
62万円超95万円以下(136万円超169万円以下)38万円26万円13万円
95万円超100万円以下(169万円超174万円以下)36万円24万円12万円
100万円超105万円以下(174万円超179万円以下)31万円21万円11万円
105万円超110万円以下(179万円超184万円以下)26万円18万円9万円
110万円超115万円以下(184万円超189万円以下)21万円14万円7万円
115万円超120万円以下(189万円超194万円以下)16万円11万円6万円
120万円超125万円以下(194万円超199万円以下)11万円8万円4万円
125万円超130万円以下(199万円超204万円以下)6万円4万円2万円
130万円超133万円以下(204万円超207万円以下)3万円2万円1万円

なお、ひとり親控除の控除額が38万円(改正前35万円)へ引き上げられた改正は令和9年分以後の所得税について適用されるため、令和8年分の年末調整には影響しません。ここを取り違えて令和8年分で38万円を控除すると、年調年税額が過少になります。従業員の家計側の支援制度を案内する場面では、低所得者向け給付金2026の対象と支給時期を押さえておくと質問への戻りが早くなります。

申告書ごとに誰がどの欄を書くかの対応表

令和8年分は申告書の様式そのものが大きく変わるのではなく、記載する金額の根拠が変わります。国税庁のQ&Aは、扶養控除等申告書に記載する事項に変更はないとしつつ、改正で新たに扶養控除等の対象となった親族等については、その旨を記載した扶養控除等申告書を提出することになると説明しています。

申告書令和8年分で影響を受ける記載記入する人回収時のチェック
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書記載事項の変更はなし。新たに対象となった扶養親族等は「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」と記載全従業員様式裏面の注意事項が改正前の内容になっていないか
給与所得者の基礎控除申告書合計所得金額に応じた改正後の基礎控除額(104万円・67万円・62万円)を記載全従業員旧額の95万円・88万円・68万円が書かれていないか
給与所得者の配偶者控除等申告書改正後の給与所得控除額(最低保障74万円)で算出した合計所得金額に応じた控除額配偶者控除・配偶者特別控除を受ける人65万円で計算した見積所得が残っていないか
給与所得者の特定親族特別控除申告書改正後の給与所得控除額で算出した特定親族の合計所得金額に応じた控除額19歳以上23歳未満の親族を有する人扶養控除へ切り替わる子が混ざっていないか

年調年税額の計算側では3点を押さえます。第1に、給与所得控除の最低保障額の引上げに伴い改正された「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を使うこと。第2に、従業員から提出を受けた基礎控除申告書を基に改正後の基礎控除額を控除すること。第3に、毎月の徴収税額の合計額が年調年税額より多い場合の過納額は、年末調整を行った月分の徴収税額から差し引いて還付し、還付しきれないときは以後の徴収税額から順次還付することです。還付日の翌月から2か月を経過しても還付しきれない見込みなら、「源泉所得税及び復興特別所得税の年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書」を所轄税務署へ提出して還付を受けられます。

助成金の申請書でも同じ賃金台帳・源泉徴収簿を根拠資料として提出します。年末調整の整合を取るついでに整えておくと、キャリアアップ助成金 正社員化コースの情報公表加算20万円を取りにいく際の書類差し戻しを減らせます。

関連する補助金・助成金

年末調整でよくあるミス・差し戻しの落とし穴

令和8年分に固有の失敗は、施行日が12月1日であることと、判定に使う金額が2種類併存することから生まれます。実務で起きやすい順に並べます。

  1. 扶養親族の所得見積額を旧要件で判定する。62万円以下(給与収入136万円以下)が新しい線です。58万円・123万円で仕切った一覧表を使い回すと、扶養控除の取り落としが発生します。
  2. 特定親族特別控除と扶養控除を重複適用する。改正で控除対象扶養親族に該当することとなった子を、特定親族特別控除申告書にも残したままにするパターンです。異動があった旨を記載した扶養控除等申告書を提出させて一本化します。
  3. 給与所得控除65万円で合計所得金額を計算する。配偶者控除等申告書と特定親族特別控除申告書は、改正後の74万円で算出した合計所得金額に応じた控除額を書く必要があります。9万円の差で控除額が1段ずれると年調年税額が変わり、差し戻しの原因になります。
  4. 11月30日以前に支払う給与で「扶養親族等の数」を増やしてしまう。所得要件の改正は令和8年12月1日以後に支払う給与から適用されます。11月までの源泉徴収税額表を使う段階で新たに対象となった親族を含めると、月次の徴収額が過少になります。逆に、12月1日以後に支払う給与から扶養控除等の適用を受けるには、その旨を記載した扶養控除等(異動)申告書等を従業員から提出させる必要があります。原則は12月1日以後最初に給与の支払を受ける日の前日までですが、年末調整を行う時までに提出があればその申告に基づいて年末調整ができます。
  5. 社会保険料控除の証明書添付漏れ。従業員本人が納付した国民年金保険料等は、控除証明書の添付または提示がなければ年末調整で控除できません。転職者・扶養家族分の申告漏れが典型です。
  6. 住宅ローン控除の初年度を年末調整で処理しようとする。初年度は確定申告が必要で、年末調整で処理できるのは2年目以降です。
  7. 年途中入社の前職分を合算しない。前職の源泉徴収票が回収できていない状態で年末調整を行うと年税額が誤ります。乙欄適用者を誤って年末調整の対象に含める取扱いも同じく不採用の原因です。
  8. 11月30日以前に最後の給与を支払った人に改正後の控除を適用する。死亡退職や海外転勤で非居住者となった人など、居住者として最後に給与の支払を受けた日が11月30日以前である人の年末調整には、改正後の控除等は適用されません。適用を受けるには確定申告等が必要です。

準確定申告とe-Taxの注意点

令和8年11月30日以前に準確定申告書を提出した人は、令和8年12月1日から令和13年12月1日までに更正の請求を行うことで改正後の控除等の適用を受けられます。法定申告期限が到来していなければ訂正申告書でも対応できます。また令和8年12月1日以後にe-Taxソフトで準確定申告書を提出する場合、基礎控除欄には95万円までしか入力できないため、基礎控除欄は初期表示のままにして雑損控除欄へ改正後の基礎控除額を入力し、申告書等送信票の「特記事項」欄に「基礎控除額●●●円」と入力する運用が案内されています。

助成金側の不採択事例と読み合わせておくと、書類の作り方の勘所が共通していることが分かります。両立支援等助成金の有給介護休暇制度支援区分で示された不採択NG事例5選を読むと、賃金台帳と就業規則の突合という同じ論点が出てきます。

令和8年12月の年末調整・実務の進め方

  1. 8月末〜9月:国税庁が公開する「令和8年分年末調整のしかた」と改正後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を入手する。令和9年分の源泉徴収税額表も同じ時期に公開予定です。
  2. 10月:給与ソフトの改正対応バージョンを確認し、基礎控除額表と給与所得控除額表を差し替える。Excelで自作している場合は、69万1,000円以上220万円未満の特例表を組み込みます。
  3. 11月上旬:従業員へ申告書を配付する。改正を反映した書類を12月1日前に回収して差し支えありません。配付時に「扶養親族の年収の線は136万円」「大学生の子は197万円まで控除がある」という2点を1枚の案内文にして添えます。
  4. 11月中旬〜下旬:回収した申告書の合計所得金額の見積額を検算する。ここが最大の詰まり所で、給与所得控除74万円で計算されているかを1件ずつ確認します。
  5. 12月:改正後の基礎控除額と改正後の金額の表で年調年税額を計算し、11月までに改正前の税額表で徴収した税額と精算する。過納額は12月分の徴収税額から差し引いて還付します。
  6. 令和9年1月:源泉徴収票を交付し、給与支払報告書を市区町村へ提出する。令和9年1月以後に提出する令和8年分の源泉徴収票は、市区町村へ給与支払報告書を提出した場合、税務署への提出が不要です(受給者への交付は必要)。
給与担当

12月の還付額が大きくなりそうです。12月分の納付額から引ききれない場合はどうしますか。

実務解説

年末調整を行った月分の徴収税額から差し引いて還付し、それで足りなければその後に納付する徴収税額から順次差し引きます。還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれない見込みの場合は、年末調整過納額還付請求書兼残存過納額明細書を作成して所轄税務署へ提出すれば還付を受けられます。11月までを改正前の税額表で徴収する設計上、令和8年分は還付が膨らむ前提で12月の資金繰りを組んでおくのが安全です。

源泉徴収票の様式は改正なし・ただし別要因で変わる

令和8年度税制改正に伴う「給与所得の源泉徴収票」の改正はありません。一方で国税システムの更改に伴い、令和8年8月以降は源泉徴収票を含むすべての法定調書の様式が変わります。税制改正対応と様式変更を別の作業として棚卸ししておくと、印刷様式の差し替え漏れを防げます。

年末調整の必要書類チェックリスト

令和8年分で追加確認が必要な項目を含めた一覧です。チェックを付けながら回収状況を管理してください。

従業員の家庭側で医療費負担が重い相談を受けたときは、高額療養費制度2026年8月改定の自己負担限度額を確認すると、医療費控除との整理を同時に案内できます。給付金の時期をまとめて聞かれる場合は2026年給付金の最新スケジュール全国まとめをたどるのが手早いです。

従業員から実際に来る質問と回答

パートの妻の年収はいくらまでなら扶養に入れますか。

令和8年分は給与収入136万円以下(合計所得金額62万円以下)で同一生計配偶者に該当します。136万円を超えても207万円以下(合計所得金額133万円以下)なら配偶者特別控除の対象で、169万円以下までは控除額38万円が維持されます(本人の合計所得金額900万円以下の場合)。社会保険の加入基準は税の線と別なので混同しないでください。

大学生の子のアルバイト代が150万円ありました。扶養から外れますか。

扶養控除からは外れますが、特定親族特別控除で63万円の控除が受けられます。給与収入136万円超159万円以下の帯は控除額が63万円で、控除対象扶養親族(特定扶養親族)の扶養控除63万円と同額です。197万円を超えると控除はなくなります。

11月の給与から手取りが増えないのはなぜですか。

令和8年11月までの給与の源泉徴収事務に変更はありません。改正の反映は12月に行う年末調整からで、11月までに改正前の税額表で徴収した税額との差額をそこで精算します。多くの人は12月の還付額が例年より大きくなります。

住民税も同じだけ下がりますか。

同じではありません。個人住民税については令和8年度税制改正では給与所得控除の見直しについて対応することとされ、適用は令和8年分所得に係る令和9年度分からです。所得税の基礎控除の引上げがそのまま住民税に及ぶわけではないため、所得税がゼロでも住民税が課税される年収帯があります。

12月に退職する従業員の年末調整はどうなりますか。

居住者として最後に給与の支払を受けた日が令和8年11月30日以前である場合、その年末調整では改正後の基礎控除等は適用されません。本人が改正後の控除等の適用を受けるには確定申告等が必要になるため、退職時に案内しておくと後日の問い合わせを防げます。

年末調整とあわせて確認したい制度

給与担当者が12月前後に同時に触る制度を、上限額と対象で並べました。

雇用・人材育成の助成金まとめ2026令和8年度に使える雇用系助成金を一覧で比較。賃金台帳・出勤簿の整備が申請の前提になる
業務改善助成金 令和8年度の変更点最大600万円・9月申請。賃金引上げと設備投資を同時に行う中小企業向け
特定求職者雇用開発助成金最大240万円・令和8年度の申請ガイド。対象者の要件と支給申請の周期を確認できる
人材開発支援助成金 中高年齢者実習型訓練令和8年度新設・45歳以上が対象。通常29.2万円、最大37万円
子ども・子育て支援金 賞与支払届の書き方令和8年度の記入例つき。年末賞与の届出とあわせて処理したい
業務改善助成金と設備投資支援の申請ガイド全国の中小企業・小規模事業者向け。最大600万円の使い方を整理

コース別の受給額を比べたい場合は特定求職者雇用開発助成金の全コース比較で対象者別の受給額を確認するのが早く、給与計算側の実務は子ども・子育て支援金の給与担当者ガイドで計算・賞与・明細の扱いを確認できます。制度の探索そのものを短縮したい場合は経営改善カテゴリの補助金・助成金一覧生産性向上・賃上げ・業務改善に使える制度をまとめて比較から入ってください。

令和9年分以後に備えて今やること

令和8年度改正は令和9年1月1日施行の項目も抱えています。令和9年1月1日以後に支払うべき給与については改正後の「令和9年分 源泉徴収税額表」を使用し、公的年金等に係る源泉徴収税額の計算における基礎的控除額も引き上げられます。65歳以上でその年中に支払を受けるべき公的年金等の額が242万円以下の場合、令和9年分の基礎的控除額は「公的年金等の月割額×25%+110,000円(180,000円未満となる場合は180,000円)」です。源泉徴収を要しない公的年金等の額も、65歳以上は214万円、65歳未満は164万円に改正されました。

令和10年分以後は2年ごとの物価連動見直しが基本方針として置かれ、令和10年分以後の基礎控除は132万円以下が99万円、それ以外が62万円へ移ります。つまり令和8・9年分の104万円は2年限りの水準です。控除額を固定値でハードコードした給与計算シートを使っている会社は、年分ごとにテーブルを切り替えられる構造へ作り替えておくのが得策です。

年末調整の負荷を下げる打ち手を3つ

  • 申告書の配付時に「136万円」「197万円」「74万円」の3つの数字だけを書いた1枚案内を添える
  • 合計所得金額の見積額の検算を、給与収入から74万円を引く1行の計算に統一する
  • 12月の還付が納付額を超える前提で、過納額還付請求書の様式を先に用意する

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出典

最終更新:2026年7月26日

補助金の概要

要点

対象・申請情報まとめ

詳細条件は公募要領で確認してください。

対象地域
全国
対象者
給与の支払者(源泉徴収義務者)と、その支払を…
補助上限
基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円
公募期間
2027年1月31日締切(予定)
実施機関
国税庁
主要スケジュール
締切日 2027年1月31日 全スケジュール ›
申請方法
オンライン申請
必要書類
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書… 詳細を見る ›
  • 最大基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円まで補助される制度です
  • 国税庁が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
POINT!

この補助金のポイント

  • 最大基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円まで補助される制度です
  • 国税庁が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
補助対象経費 所得控除の対象となるのは基礎控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除、勤労学生控… 詳細を見る ›
公募期間 2027年1月31日締切(予定)
実施機関国税庁
採択率100% ※過去公募実績
主要スケジュール
  1. 締切日2027年1月31日
全スケジュール ›
申請方法 オンライン申請
必要書類 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(新たに対象となった扶養親族等は「異動月日及… 詳細を見る ›
公募要領
SUMMARY

この補助金のまとめ

  • 最大基礎控除は最大104万円(令和8・9年分・合計所得金額489万円以下)。特定親族特別控除は1人につき最高63万円まで補助される制度です
  • 国税庁が公募する公的支援制度
  • 申請方法はオンライン申請に対応
  • 採択率の実績は約100%
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中小企業診断士・社会保険労務士 監修体制

公開日: 最終更新日: 出典: 国税庁

本記事は一般的な情報提供を目的としています。補助額・対象要件・募集状況は変更される場合があるため、申請前に必ず各実施機関の公募要領・公式情報をご確認ください。