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基礎控除申告書の書き方【令和8年分】記入例と104万円の判定
制度解説 給付金
この制度の基本情報
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- 対象
令和8年分の年末調整で基礎控除申告書等を提出する給与所得者と、書類を受理する給与の支払者
- 手続き
確認主体:国税庁
- 受付の状況
制度の解説(申請の受付はありません)
確認日と一次情報をご確認ください
制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照
令和8年分の年末調整で基礎控除申告書等を提出する給与所得者と、書類を受理する給与の支払者
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 令和8年分の年末調整で基礎控除申告書等を提出する給与所得…
- 確認した過去制度の金額
- —
- 提出時期
- 提出先:国税庁
- 確認主体
- 国税庁
- 情報の確認方法
- 一次情報・公式発表を確認
- 必要書類
- 令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得…
- 確認主体:国税庁
詳細解説
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この記事でわかること
- 令和8年分の様式は基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除の4つの申告書が1枚に同居している
- 令和8年度税制改正で基礎控除は最高104万円、給与所得控除の最低保障額は74万円に引き上げられた
- 合計所得金額489万円以下なら「基礎控除の額」は1,040,000円、「区分Ⅰ」はA
- 扶養親族と同一生計配偶者の所得要件は58万円以下から62万円以下に変わった
- 扶養控除等申告書は裏面が改正前の内容のままの場合があると国税庁が注意喚起している
104万円令和8年分の基礎控除の上限
74万円給与所得控除の最低保障額
4種類1枚に同居する申告書
年末調整で配られる紙のうち、いちばん手が止まるのがこの1枚です。名前が長く、記入欄も4つに分かれていて、どこまで自分が書くのか分かりにくいからです。しかも令和8年分は、令和8年度税制改正で基礎控除と給与所得控除が動いた年にあたります。去年と同じ数字を書き写すと、それだけで金額が合わなくなります。この記事では、国税庁が公表する令和8年分の様式に実在する欄名だけで、どこに何を書くかを順に確認します。
令和8年分の基礎控除申告書は何が変わった?
変わったのは金額です。令和8年度税制改正により、基礎控除は合計所得金額489万円以下の人で104万円、給与所得控除の最低保障額は74万円になりました。これらは令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されるため、令和8年12月に行う年末調整から反映されます(年末調整2026の変更点もあわせて確認してください)。
様式そのもののレイアウトは前年から大きく変わっていません。変わったのは「基礎控除申告書」と「特定親族特別控除申告書」の「控除額の計算」の表、そして「配偶者控除等申告書」の「判定」欄に印刷された金額です。つまり、去年の記入例を見ながら書くと、欄の場所は合っているのに数字だけがずれるという事故が起きます。扶養控除等申告書の所得要件も同時に動いているので、2枚を並べて突き合わせるのが安全です。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 「判定」欄の区分(令和8年分の様式に印刷された文言) | 令和8年分の基礎控除の額 | 区分Ⅰ | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 489万円以下 | 1,040,000円(104万円) | A | 令和8年分様式 2026bun_06/年末調整のしかた 基礎控除額の表 |
| 489万円超 655万円以下 | 670,000円(67万円) | A | 同上 |
| 655万円超 900万円以下 | 620,000円(62万円) | A | 同上 |
| 900万円超 950万円以下 | 620,000円(62万円) | B | 同上 |
| 950万円超 1,000万円以下 | 620,000円(62万円) | C | 同上 |
| 1,000万円超 2,350万円以下 | 620,000円(62万円) | 記載しない | 同上 |
| 2,350万円超 2,400万円以下 | 480,000円(48万円) | 記載しない | 同上 |
| 2,400万円超 2,450万円以下 | 320,000円(32万円) | 記載しない | 同上 |
| 2,450万円超 2,500万円以下 | 160,000円(16万円) | 記載しない | 同上 |
「判定」欄は上の9つの□から1つを選ぶだけです。表のいちばん上の行が「489万円以下」で、令和7年分にあった132万円・336万円の区切りは令和8年分の様式には存在しません。「区分Ⅰ」は所得者本人の合計所得金額で決まる記号で、様式上はA=489万円以下・489万円超655万円以下・655万円超900万円以下、B=900万円超950万円以下、C=950万円超1,000万円以下にそれぞれ(A)(B)(C)が印字されています。1,000万円超の行にはA〜Cの記号がなく、この場合は配偶者控除も配偶者特別控除も受けられないので区分Ⅰは空欄のままで構いません。なお合計所得金額が2,500万円を超える人には□がなく、基礎控除そのものが適用されません。なお、ここで確定させる合計所得金額は、翌年度の住民税非課税世帯の判定にもそのまま使われる数字です。
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年末調整では処理できない控除は、自分で確定申告する
- 向いている人:医療費控除・寄附金控除・住宅ローン控除の初年度など、年末調整の書類では申告できない控除がある人
- 向いていない人:勤務先が1か所だけで、控除が年末調整で完結する人
基礎控除申告書で計算した合計所得金額は、そのまま確定申告の入力にも使える数字です。年内の医療費の領収書や寄附金の受領証がある人は、年末調整の書類を書いた勢いで確定申告の下ごしらえまで済ませておくと、2月以降に所得を計算し直す手間がなくなります。
4つの申告書の欄ごとの記入例
1枚の用紙は4つのブロックに分かれています。上段が左右に割れていて、左上が基礎控除申告書、右上が配偶者控除等申告書。その下に中段のフル幅で特定親族特別控除申告書があり、いちばん下のフル幅が所得金額調整控除申告書です。まず用紙の一番上の共通欄に、所轄税務署長、給与の支払者の名称(氏名)、給与の支払者の法人番号、給与の支払者の所在地(住所)、あなたの氏名、あなたの住所又は居所を書きます。法人番号は勤務先が記入する欄です。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 申告書 | 様式に実在する欄名 | 書く内容と記入例 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 基礎控除申告書 | あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算((1)給与所得/(2)給与所得以外の所得の合計額) | 給与の収入金額450万円なら、収入金額欄に4,500,000、所得金額欄に3,160,000と記入。副業の雑所得などがあれば(2)欄へ | 令和8年分様式・年末調整のしかた |
| 基礎控除申告書 | あなたの本年中の合計所得金額の見積額((1)と(2)の合計額) | 上の例では3,160,000 | 令和8年分様式 |
| 基礎控除申告書 | 控除額の計算(判定)・区分Ⅰ(左のA〜Cを記載)・基礎控除の額 | 合計所得金額316万円なら「489万円以下」の□にチェック、区分ⅠにA、基礎控除の額に1,040,000と記入 | 令和8年分様式 2026bun_06 |
| 配偶者控除等申告書 | 配偶者の氏名/配偶者の個人番号/配偶者の生年月日/生計を一にする事実 | 配偶者の氏名とマイナンバー、生年月日を記入。非居住者である配偶者の場合のみ「生計を一にする事実」に送金額を記入 | 令和8年分様式 |
| 配偶者控除等申告書 | 配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算/判定/区分Ⅱ/配偶者控除の額 | 配偶者のパート収入130万円なら所得金額560,000、判定は「62万円以下かつ年齢70歳未満(②)」、区分Ⅱに②、配偶者控除の額に380,000 | 令和8年分様式・配偶者控除額の一覧表 |
| 配偶者控除等申告書 | 配偶者特別控除の額/摘要(配偶者控除・配偶者特別控除) | 配偶者の所得が62万円超95万円以下(区分Ⅱ③)なら「配偶者特別控除の額」欄に380,000と記入。摘要欄は該当する控除の側に金額が入るよう位置を確認する | 令和8年分様式 2026bun_06 |
| 特定親族特別控除申告書 | 特定親族の氏名/あなたとの続柄/特定親族の生年月日(平16.1.2生~平20.1.1生)/特定親族の本年中の合計所得金額の見積額 | 大学生の子のアルバイト収入160万円なら所得金額860,000と記入し、控除額の計算表から特定親族特別控除の額に610,000 | 令和8年分様式・特定親族特別控除額の表 |
| 所得金額調整控除申告書 | 要件(□扶養親族が年齢23歳未満 ほか)/☆扶養親族等/★特別障害者 | 年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円以下なら記載不要。900万円で23歳未満の子がいる場合は要件欄の該当項目にチェックし、☆欄に子の氏名等を記入 | 令和8年分様式・年末調整のしかた2-2 |
(2)欄に入れるかどうかで迷いやすいのが給付金です。課税される給付金は雑所得や一時所得として合計所得金額に含めますが、非課税の給付金は含めません。給付金に税金はかかる?で自分が受け取ったものの区分を確かめてから記入してください。
給与収入から所得金額への換算がいちばん間違えやすい
令和8・9年分は、給与の収入金額が74万1,000円以上219万1,000円未満なら「収入金額-74万円」が給与所得の金額です。パート収入130万円なら130万円-74万円=56万円。前年までの65万円で計算すると9万円ずれ、配偶者の判定欄のチェック位置まで変わってしまいます。源泉徴収票の見方で前職分がある場合は、その金額も足してから計算してください。
解解説
「所得金額」の欄に収入金額をそのまま書いてしまう人が毎年います。ここは給与所得控除を引いたあとの金額です。
問質問
源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」を写せばいいですか。
解解説
年末調整はこれから確定する見積額なので、12月分まで含めた見込みで計算します。前職の源泉徴収票がある人は、その支払金額を合算してから74万円を引いてください。
保険料控除は別の用紙なので、この1枚には書きません。生命保険料や地震保険料は保険料控除申告書のほうに記入します。用紙が2枚同時に配られるため、控除証明書をこちらに貼ってしまう取り違えも起こりがちです。ここで確定させた合計所得金額は翌年度の住民税の計算にも引き継がれるので、住民税の決定通知書の見方を先に押さえておくと、6月に届く通知の金額が追えるようになります。
あなたの令和8年分の基礎控除額を計算する
給与の収入金額と、給与以外の所得の見積額を入れると、令和8年分の基礎控除の額が出ます。合計所得金額の区切りが489万円・655万円・2,350万円・2,400万円・2,450万円・2,500万円と6段階あるため、手計算だと段の取り違えが起きやすいところです。
育休や産休で年の途中まで働いた人
雇用保険の育児休業給付金や健康保険の出産手当金は非課税で、合計所得金額には含めません。給付を受けた年は「収入は多かったのに合計所得金額は低い」という状態になり、基礎控除の額が上の段に上がることがあります。
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
- 目的
- 給付金
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 令和8年分の年末調整で基礎控除申告書等を提出する給与所得者と、書類を受理する給与の支払者
- 確認した過去制度の金額
- —
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
公的年金等を受け取りながら働いている人は、年金の雑所得も(2)欄に含めます。在職老齢年金の支給停止で年金額が変わった人は、実際に支払を受ける見込み額で計算してください。自分がどの制度の対象になるか整理しきれない場合は、自分が対象の制度を3分で診断するところから始めると、書くべき欄が絞り込めます。
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年末調整で処理しきれない控除は確定申告に回ります。医療費控除、寄附金控除、住宅ローン控除の初年度がその代表です。住民税非課税世帯の年収の判定も、ここで計算した合計所得金額が基礎になります。給付金を受け取った人は給付金に税金はかかる?で課税・非課税を確かめてから、(2)欄に含めるかどうかを決めてください。
配偶者と特定親族はどの区分になる?
ここが3つの条件の掛け算になります。本人の合計所得金額(区分Ⅰ)、配偶者の合計所得金額(区分Ⅱ)、そして19歳以上23歳未満の親族がいるかどうかの3つで、書く欄と控除額が変わります。
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| 本人の合計所得金額 | 配偶者の合計所得金額 | 19歳以上23歳未満の親族 | 書く欄と結果 |
|---|---|---|---|
| 489万円以下(区分ⅠA) | 62万円以下 | いない | 基礎控除1,040,000円+配偶者控除380,000円。特定親族特別控除申告書は空欄 |
| 489万円以下(区分ⅠA) | 62万円超95万円以下 | 所得62万円超123万円以下 | 基礎控除1,040,000円+配偶者特別控除380,000円+特定親族特別控除(所得に応じ63万円~3万円) |
| 655万円超900万円以下(区分ⅠA) | 95万円超133万円以下 | 所得62万円以下 | 基礎控除620,000円+配偶者特別控除(所得に応じ360,000円~30,000円)。親族は特定扶養親族として扶養控除等申告書へ |
| 900万円超950万円以下(区分ⅠB) | 62万円以下 | いない | 基礎控除620,000円+配偶者控除260,000円 |
| 950万円超1,000万円以下(区分ⅠC) | 62万円超133万円以下 | いない | 基礎控除620,000円+配偶者特別控除(130,000円~10,000円) |
| 1,000万円超2,350万円以下 | 問わない | いない | 基礎控除620,000円のみ。配偶者控除等申告書は提出不要で区分Ⅰも空欄 |
医療費がかさんだ年は、この用紙とは別に確定申告で医療費控除を受けられます。支払った医療費から差し引くのは10万円ですが、その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%です(国税庁タックスアンサーNo.1120)。合計所得金額が低い年ほど足切りラインも下がるので、10万円に届かないからと諦めないでください。高額療養費で払い戻しを受けた分は補填される金額として先に差し引くため、年内のうちに支給決定通知書をまとめておくと年明けが楽になります。
配偶者の判定欄は4択です。①62万円以下かつ年齢70歳以上(昭32.1.1以前生)で老人控除対象配偶者に該当、②62万円以下かつ年齢70歳未満、③62万円超95万円以下、④95万円超133万円以下。①か②なら配偶者控除、③か④なら配偶者特別控除です。配偶者の所得が133万円を超えると、どちらの控除も受けられません。
この3つが決まれば、あとは表から金額を拾うだけです。判定を間違えたまま金額だけ合わせようとすると、勤務先の担当者が検算した時点で必ず戻ってきます。
提出前チェック
令和8年分に特有の間違いを7項目にまとめました。すべてにチェックが付けば、金額の書き間違いはほぼ防げます。
特定親族特別控除の額は所得でどう決まる?
令和8年分の特定親族特別控除は、特定親族1人につき最高63万円です。控除額は特定親族の合計所得金額に応じて9段階で下がっていきます。所得が62万円以下のときと123万円を超えるときは、この控除の適用を受けられません。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 特定親族の合計所得金額(令和8年分) | 給与収入だけの場合の収入金額 | 令和8年分の特定親族特別控除の額 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 62万円超 85万円以下 | 136万円超 159万円以下 | 63万円 | 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」特定親族特別控除額の表 |
| 85万円超 90万円以下 | 159万円超 164万円以下 | 61万円 | 同上 |
| 90万円超 95万円以下 | 164万円超 169万円以下 | 51万円 | 同上 |
| 95万円超 100万円以下 | 169万円超 174万円以下 | 41万円 | 同上 |
| 100万円超 105万円以下 | 174万円超 179万円以下 | 31万円 | 同上 |
| 105万円超 110万円以下 | 179万円超 184万円以下 | 21万円 | 同上 |
| 110万円超 115万円以下 | 184万円超 189万円以下 | 11万円 | 同上 |
| 115万円超 120万円以下 | 189万円超 194万円以下 | 6万円 | 同上 |
| 120万円超 123万円以下 | 194万円超 197万円以下 | 3万円 | 同上 |
所得62万円以下の大学生は「特定親族」ではない
19歳以上23歳未満の子の合計所得金額が62万円以下(給与収入136万円以下)なら、特定親族には該当しません。この場合は特定扶養親族として扶養控除63万円の対象になり、書く紙は扶養控除等申告書のほうです。特定親族特別控除申告書に書いても控除は受けられません。
問質問
子どものアルバイト収入が150万円でした。扶養から外れますか。
解解説
合計所得金額は150万円-74万円=76万円です。62万円を超えるので扶養控除の対象からは外れますが、特定親族特別控除の63万円が使えます。控除額はほぼ変わりません。
もうひとつ注意したいのが、二重取りの禁止です。2人以上の所得者の特定親族に該当する親族がいる場合、その親族はいずれか1人の特定親族にしかなれません。親族の双方がお互いに特定親族特別控除の適用を受けることもできません。共働きで大学生の子がいる家庭は、夫婦のどちらが申告するかを先に決めてから記入してください。
申請でよくある差し戻し・落とし穴
勤務先の担当者から返される理由は、毎年ほぼ同じところに集中します。令和8年分は改正の年なので、例年以上に金額まわりの差し戻しが増えます。
落とし穴1:様式の裏面が改正前の数字のまま
国税庁は「令和8年分の扶養控除等申告書の様式裏面の注意事項等が改正前の内容となっている場合がありますのでご注意ください」と明記しています。裏面に58万円以下・123万円以下と書かれていても、正しい所得要件は62万円以下・62万円超123万円以下です。裏面を信じて書くと、そのまま差し戻しになります。
落とし穴2:11月中に旧様式で出してしまう
改正は令和8年12月1日施行です。ただし12月1日から書類を集めたのでは年末調整に間に合わないため、国税庁は改正を反映した書類を12月1日前から提出しても差し支えないとしています。逆に、改正前の数値のまま11月に提出した書類は、12月の年末調整までに書き直しが必要です。
落とし穴3:区分Ⅰを全員が書いてしまう
区分Ⅰは配偶者控除・配偶者特別控除の控除額計算に使う記号です。配偶者控除も配偶者特別控除も受けない人は、記載する必要がありません。合計所得金額が1,000万円を超える人も同様です。
落とし穴4:年金と給与の両方がある人の所得金額調整控除
この様式にある所得金額調整控除は「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」だけです。給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方がある人の調整は、この申告書には欄がありません。年末調整では処理されないため、確定申告で精算します。
落とし穴5:11月30日までに最後の給与を受けた人
年の途中で死亡退職した人、海外転勤で非居住者になった人など、居住者として最後に給与を受けた日が令和8年11月30日以前の場合、その年末調整には改正後の基礎控除等が適用されません。適用を受けるには確定申告が必要です。これは注意点というより制度上の仕組みなので、該当する人は最初から確定申告を前提に準備してください。
落とし穴6:扶養控除等申告書の「異動月日及び事由」欄が空欄
所得要件の引上げで新しく扶養控除等の対象になった親族を追加するときは、扶養控除等申告書の「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと書きます。氏名だけ書き足して事由を空欄にすると、いつからの異動なのかが分からず差し戻しになります。11月30日以前に支払う給与では、この親族を源泉徴収税額表の「扶養親族等の数」に含めない点にも注意が必要です。
落とし穴7:源泉徴収簿の転記先を間違える
給与担当者側のNG事例です。基礎控除の額は源泉徴収簿の「基礎控除額20」欄、配偶者(特別)控除の額は「配偶者(特別)控除額17」欄、特定親族特別控除の額は「特定親族特別控除額18」欄に記入します。特定親族が複数いる場合は合計した額を書きます。1人ずつ別の行に書くと合計が合いません。
もうひとつ、令和8年度税制改正ではひとり親控除が38万円に引き上げられましたが、この改正が適用されるのは令和9年分以後です。令和8年分の年末調整では従来どおりの金額で計算します。改正の年は「いつから適用か」を1件ずつ確認しないと、思い込みで書いて不採用になります。源泉徴収税額表そのものも令和9年1月1日以後に支払う給与から新しいものに変わるため、令和8年12月の給与計算では改正前の税額表を使い、年末調整の段階で改正後の基礎控除額と精算する、という二段構えになります。
提出までの流れと期限
- 前職の源泉徴収票がある人は先に用意し、本年中の給与の総額を確定させる
- 給与の収入金額から給与所得控除(最低保障額74万円)を引き、給与所得の金額を出す
- 給与所得以外の所得を足して、あなたの本年中の合計所得金額の見積額を確定させる
- 基礎控除申告書の「判定」欄でチェックを付け、区分Ⅰと基礎控除の額を記入する
- 配偶者がいる人は配偶者の合計所得金額を計算し、判定・区分Ⅱ・控除額を記入する
- 19歳以上23歳未満の親族がいる人は、所得が62万円超123万円以下かどうかで書く紙を決める
- 給与の収入金額が850万円を超える人だけ、所得金額調整控除申告書の要件欄にチェックする
- 令和8年の最後の給与の支払を受ける日の前日までに、給与の支払者へ提出する
提出先は勤務先です。税務署へ直接出す書類ではありません。給与を2か所以上から受けている人は、合計所得金額の見積額を出すときにその給与の全部を基に計算する必要があります。一方、雇用保険から支給される高年齢求職者給付金は非課税で、育児休業給付金や出産手当金と同じく合計所得金額には算入しません。給与かどうかで扱いが分かれるので、振込元が勤務先か公的機関かで仕分けると迷いません。
令和7年分と令和8年分はどこが違う?
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 項目 | 令和7年分 | 令和8年分 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 基礎控除の最高額 | 95万円(合計所得金額132万円以下) | 104万円(合計所得金額489万円以下) | 国税庁タックスアンサーNo.1199/令和8年分 年末調整のしかた |
| 給与所得控除の最低保障額 | 65万円 | 74万円 | 令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし |
| 扶養親族・同一生計配偶者の所得要件 | 58万円以下(給与収入123万円以下) | 62万円以下(給与収入136万円以下) | 同上 |
| 特定親族の所得要件 | 58万円超123万円以下 | 62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下) | 同上 |
| 配偶者特別控除の対象 | 58万円超133万円以下 | 62万円超133万円以下(給与収入136万円超207万円以下) | 同上 |
| 家内労働者等の必要経費の最低保障額 | 65万円 | 69万円 | 令和8年度税制改正Q&A(令和8年5月) |
| ひとり親控除 | 35万円 | 35万円のまま(38万円は令和9年分以後) | 令和8年度税制改正Q&A Q3-2 |
給与担当者の側では、年税額の計算に使う表も差し替わります。給与所得控除の最低保障額の引上げにともない、令和8年分以後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」が改正されました。さらに令和8・9年分に限り、給与の収入金額が69万1,000円以上220万円未満の人は給与所得の金額が特例で決まります。69万1,000円以上74万1,000円未満なら給与所得は生じず、74万1,000円以上219万1,000円未満なら収入金額から74万円を引いた額、219万1,000円以上220万円未満なら145万1,000円・145万3,000円・145万6,000円のいずれかです。国税庁が作成する表はこの特例を織り込んだものになっているので、必ず令和8年分の表を使ってください。
給与計算の担当者は子ども・子育て支援金の給与担当者ガイドとあわせて、12月の実務スケジュールを組んでおくと安全です。過納額が生じた場合は年末調整を行った月分の徴収税額から差し引いて還付し、それでも還付しきれないときは翌月以降の徴収税額から順次差し引きます。還付することとなった日の翌月から2か月を経過しても還付しきれない見込みなら、所轄税務署に還付請求書を提出して還付を受けられます。
この申告書でよく出る疑問は?
Q1.配偶者がいない場合、右上の配偶者控除等申告書は空欄でいいですか。
空欄で構いません。基礎控除申告書だけを記入して提出します。ただし基礎控除の適用を受けるには、この申告書の提出そのものが必要です。何も書かずに出さないでいると基礎控除が反映されません。
Q2.合計所得金額の見積額が、実際の金額とずれてしまいました。
見積額なので多少のずれは想定されています。ただし判定欄のチェック位置が変わるほどずれると控除額が誤ります。12月の給与や賞与が確定した時点で見直し、勤務先の年末調整が終わる前なら訂正した申告書を出し直してください。年末調整後に判明した場合は確定申告で精算します。
Q3.大学生の子と70歳の親、両方を書けますか。
書く紙が違います。19歳以上23歳未満で合計所得金額62万円超123万円以下の子は、この用紙の特定親族特別控除申告書に書きます。70歳の親は老人扶養親族として扶養控除等申告書に書きます。高額療養費の自己負担限度額のように、年齢と所得で扱いが変わる制度と混同しないよう注意してください。
Q4.給与の収入金額が850万円ちょうどでも所得金額調整控除の欄を書きますか。
書きません。様式にも「あなたの本年中の年末調整の対象となる給与の収入金額が850万円以下の場合は、記載する必要はありません」と印刷されています。控除額は給与の収入金額(1,000万円が上限)から850万円を引いた金額の10%で、上限は15万円です。
Q5.令和8年12月1日より前に提出した書類は無効になりますか。
無効にはなりません。国税庁は、改正を反映した年末調整関係書類を12月1日前から提出しても差し支えないとしています。改正前の数値で書いてしまった場合だけ、年末調整を行うときまでに書き直せば足ります。2026年10月から変わる制度のように施行日が分かれる改正は、適用年分を必ず確認してください。
提出後にやること
提出したら終わりではありません。12月または翌1月に交付される源泉徴収票で、控除が正しく反映されたかを確認します。基礎控除の額が104万円のはずなのに62万円で計算されていた、というずれはここで発見できます。令和8年分の源泉徴収票は、令和8年度税制改正による様式変更はありません。ただし国税システムの更改にともない令和8年8月以降は法定調書全般の様式が変わっているため、去年の紙と見比べると印象が違うことがあります。
年末調整のあとに控除もれが分かった場合の直し方は、時期によって変わります。勤務先の年末調整が終わる前なら、訂正した申告書を出し直せば足ります。年末調整が終わったあと翌年1月末までなら、勤務先が再年末調整をしてくれることがあります。それ以降は確定申告です。令和8年11月30日以前に居住者として最後の給与を受け、その際に年末調整を受けた人(海外転勤で非居住者になった人、死亡により退職した人、休職して年末までに復職していない人)も、改正後の控除を受けるには確定申告が必要です。更正の請求という手段があるのは、令和8年11月30日以前に準確定申告書(年の中途で死亡した場合の確定申告、または年の中途で出国をする場合の確定申告)を提出した人に限られ、その場合は令和8年12月1日から令和13年12月1日までに請求します。
翌年6月の住民税まで見ておく
年末調整の結果は翌年度の住民税に引き継がれます。住民税の基礎控除は所得税と金額が異なるため、通知書の控除額が所得税と一致しなくても誤りとは限りません。金額の根拠を確かめたいときは2027年4月から変わる制度まとめで、翌年以降の改正予定もあわせて押さえておくと迷いません。
最終更新:2026年9月6日
出典
- 国税庁「令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」(様式) PDF(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分の基礎控除額の表・特定親族特別控除額の表・配偶者控除額及び配偶者特別控除額の一覧表」 PDF(新しいタブで開きます)
- 国税庁「2-2 基礎控除申告書、配偶者控除等申告書、特定親族特別控除申告書及び所得金額調整控除申告書の受理と内容の確認」 PDF(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」 PDF(新しいタブで開きます)
- 国税庁 タックスアンサーNo.1120「医療費を支払ったとき(医療費控除)」(新しいタブで開きます)
- 国税庁「各種申告書・記載例(扶養控除等申告書など)」(新しいタブで開きます)
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| 必要書類 | 令和8年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 … 詳細を見る › |
SUMMARY
この記事の要点
- 確認主体:国税庁
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編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。




