制度情報・事実確認 医療・福祉

医療費控除の明細書の書き方2026|記入例と補填金額の扱い

確定申告で医療費控除を申告する給与所得者・年金受給者本人、および生計を一にする家族の医療費をまとめて申告する人

この記事の結論

対象者確定申告で医療費控除を申告する給与所得者・年金受給者本人、および生計…
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対象地域
全国
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現在の位置づけ
通年募集 / 詳細は事務局へ
情報の確認方法
一次情報・公式発表を確認
必要書類
医療費控除の明細書(内訳書)、医療費通知(健康保険組…

詳細解説

本記事にはプロモーションを含みます。医療費控除の明細書を前に、「医療を受けた方の氏名」の欄に家族の名前をどう書けばいいのか、支払った医療費の額から生命保険の入院給付金をいくら差し引けばいいのか、手が止まっていませんか。国税庁の様式そのものは3区画・5列とシンプルですが、高額療養費・出産育児一時金・傷病手当金では「補填される金額」として差し引くかどうかがまったく違い、ここを取り違えると控除額が実際より少なくなります。この記事では実際の記入例、セルフメディケーション税制との選択判定、そして間違えやすい差し引き方の場合分けを、令和8年分(2026年分)の申告に合わせて具体的に整理します。領収書は提出不要になった今でも5年間の保存義務がある理由も、後半で解説します。

この記事の要点

  1. 医療費控除の明細書は「1 医療費通知に記載された事項」「2 医療費の明細」「3 控除額の計算」の3区画だけで構成される
  2. 「医療費の区分」は診療・治療/医薬品購入/介護保険サービス/その他の医療費の4択で、院内処方なら2つチェックしてよい
  3. 高額療養費・出産育児一時金・入院給付金は差し引くが、傷病手当金・出産手当金は収入補償なので差し引かない
  4. 領収書の提出は平成29年分の申告から不要になっており(令和2年分以降は明細書の添付が必須)、いまさら復活する予定はないが、自宅で5年間保存する義務は残る
  5. セルフメディケーション税制とは選択適用で、同じ年に重複して申告はできない
10万円控除の基準額(総所得200万円未満は5%)
200万円医療費控除の上限額
5年領収書の自宅保存義務期間

医療費控除の明細書に領収書は提出しなくていいの?

結論として、確定申告書を提出する際に医療費の領収書を添付・提示する必要はありません。この扱いは平成29年分の確定申告から始まり、当初3年間は領収書提出との選択制でしたが、令和2年分以降は明細書の添付が必須の一本化ルールになっています。ただし国税庁は明細書の様式そのものに「領収書は自宅で5年間保管する必要がある」旨を明記しており、提出不要と保存不要はまったく別の話です。税務署から後日「医療費控除の内容についてのお尋ね」で提示を求められることがあります。

保存期間の起点を勘違いしやすい理由

保存期間5年は、確定申告書を提出した日からではなく、その年分の法定申告期限(原則翌年3月15日)の翌日から数えます。令和8年分(2026年分)の申告なら、令和9年3月16日を起点に令和14年3月15日頃までが保存の目安です。生計を一にする家族の医療費もまとめて申告できるため、家族分の領収書も同じ期間だけ手元に残しておくと安心です。

この保存義務の根拠は、高額療養費の支給申請書の書き方で説明した支給決定通知書のように、後から金額の裏付けを求められる書類全般に共通する考え方です。医療費控除だけ特別に緩いわけではありません。

医療費控除の明細書はどんな様式か—3つの区画をまず押さえる

明細書のタイトルは「医療費控除の明細書【内訳書】」で、様式の冒頭には「この控除を受ける方は、セルフメディケーション税制は受けられません」という注記があります。つまり同じ年に両方の制度を併用することはできません。様式全体は次の3区画で構成されています。

区画記入する内容主な欄根拠資料
1 医療費通知に記載された事項健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」を添付する場合の集計額(1)医療費通知に記載された額 (2)実際に支払った額 (3)保険等で補てんされる額国税庁 医療費控除の明細書様式
2 医療費(上記1以外)の明細医療費通知でカバーされない領収書を自分で集計して記入する欄氏名・支払先・医療費の区分・支払額・補てん額の5列国税庁 医療費控除の明細書様式
3 控除額の計算1と2の合計から保険金等と10万円等を差し引き、控除額を自動計算する欄A(支払った医療費)からG(医療費控除額)までの7段階国税庁 医療費控除の明細書様式
確定申告書第一表3で計算したG欄の金額を転記する欄「所得から差し引かれる金額」の医療費控除欄国税庁 確定申告書第一表

「2 医療費の明細」は「領収書1枚ごと」ではなく「医療を受けた方」「病院・薬局等」ごとにまとめて記入してよいとされています。同じ病院に月に何度も通っていても、1年分を1行に集計できるため、行数が足りなくなる心配は少ないでしょう。

「2 医療費の明細」欄の記入例—5列を実データで埋める

ここが本記事の中心です。実際にどう埋めるかを、5列そろえた記入例で示します。医療費の区分は「診療・治療」「医薬品購入」「介護保険サービス」「その他の医療費」の4つで、該当するものすべてにチェックを入れます。

医療を受けた方の氏名病院・薬局などの支払先の名称医療費の区分支払った医療費の額左のうち補填される金額
山田太郎(本人)〇〇総合病院診療・治療84,000円68,000円(高額療養費)
山田太郎(本人)△△薬局医薬品購入6,200円0円
山田花子(配偶者)□□産婦人科医院診療・治療420,000円420,000円(出産育児一時金)
山田一郎(長男)電車・バス(通院交通費)その他の医療費3,600円0円
山田花子(配偶者)××介護老人保健施設介護保険サービス112,000円0円
読者

同じ病院への支払いなのに、診療と薬の両方にチェックしていいんですか?1つしか選べないと思っていました。

専門家

院内処方であれば「診療・治療」と「医薬品購入」の両方にチェックして構いません。医療費の区分は排他的な選択ではなく、該当するものすべてにチェックを入れる欄だからです。

通院の交通費は領収書が出ないことが多いため、日付・区間・金額をメモに残しておくと記載の根拠になります。要介護認定の申請書の書き方で扱った認定結果に基づく施設サービスは、対象となる自己負担分だけを「介護保険サービス」に区分します。福祉用具のレンタル料など対象外の費用まで含めないよう注意してください。

生計を一にする配偶者や親族の医療費であれば、実際に支払った人がまとめて1つの明細書に記入できます。共働き世帯では、所得税率が高いほうの名義でまとめたほうが還付額は大きくなりやすい点も覚えておくとよいでしょう。

あわせて確認しておきたい関連手続き

医療費控除の周辺では、どの給付を先に受け取るか・どの制度と併用できるかで記載内容が変わります。関連する手続きをまとめて確認しておきましょう。

高額療養費の支給申請書の書き方医療費控除の(5)欄に入れる補填額の根拠になる申請書の記入例
出産手当金 支給申請書の書き方医療費控除では差し引かない給付金の代表例の手続き
介護休業給付金 支給申請書の書き方介護保険サービスの自己負担分とあわせて確認したい給付
大人用紙おむつ助成と医療費控除おむつ代を医療費控除の対象にできる条件を解説
住宅ローン控除2026の借入限度額と落とし穴医療費控除と同じ確定申告でまとめて確認したい控除

持病がある家族がいる世帯では、医療・福祉カテゴリで他の医療関連の給付や助成をまとめて確認しておくと、翌年の医療費控除の集計もしやすくなります。子育て世帯であれば子育て・生活支援カテゴリも参考にしてください。

確認対象・制度の位置づけ

対象地域(全国)

目的
医療・福祉
対象地域
全国
対象者
確定申告で医療費控除を申告する給与所得者・年金受給者本人、および生計を一にする家族の医療費をまとめて申告する人
確認した過去制度の金額

対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。

「補填される金額」は何を差し引くか—給付の種類ごとの場合分け

明細書の(5)欄「左のうち補填される金額」に何を入れるかを間違えると、医療費控除額が実際より少なく計算されてしまいます。国税庁の質疑応答事例では、補填金はその対象となった医療費ごとに個別に差し引き、引ききれずに余った金額があっても他の医療費からは差し引かないとされています。

給付の種類差し引くか理由根拠資料
高額療養費・付加給付金差し引く自己負担した医療費そのものを補填する給付だから国税庁 医療費控除の明細書様式・質疑応答事例
出産育児一時金・家族出産育児一時金差し引く出産費用という医療費を補填する給付だから国税庁 タックスアンサー・質疑応答事例
生命保険・損害保険の入院給付金や医療保険金差し引く(その入院に対応する医療費の範囲内)対応する入院の医療費を補填する給付だが、超えた分は他の医療費から引かない国税庁 質疑応答事例「支払った医療費を超える補填金」
傷病手当金差し引かない欠勤中の収入を補償する給付であり、医療費そのものの補填ではないから国税庁 質疑応答事例
出産手当金差し引かない出産のために休業した間の収入を補償する給付であり、出産費用の補填ではないから国税庁 質疑応答事例

補填金が医療費を上回ったときの落とし穴

入院給付金が入院費用より多く出ても、余った分を外来や薬局の支払いから差し引く必要はありません。給付金は「その給付の対象となった医療費」の範囲でしか差し引かないというのが国税庁の考え方です。ここを混同して他の欄まで減額してしまう記載ミスが目立ちます。

傷病手当金 申請書の書き方出産手当金 支給申請書の書き方で受け取った給付は、いずれも収入補償の性格が強く、医療費控除の計算上は差し引かない代表例です。一方で出産育児一時金・資格喪失後給付で受け取った一時金や、高額療養費制度 2026年8月改定で解説した払い戻し額は、対応する医療費から必ず差し引く必要があります。

セルフメディケーション税制と医療費控除、どちらを選べばいいか

結論は明快です。1年間の医療費合計が10万円(総所得金額等が200万円未満の人は所得の5%)を大きく超えるなら医療費控除、大きな通院はないが対象のスイッチOTC医薬品を年間12,000円超購入したなら、セルフメディケーション税制のほうが控除を受けやすくなります。2つの制度は選択適用で、同じ年に重複して申告することはできません。

医療費控除が有利なケース

入院・手術・出産・歯科矯正など医療費総額が大きく、10万円(総所得200万円未満は5%)を超える人。控除の下限は低いが上限は200万円まで大きい。

セルフメディケーション税制が有利なケース

大きな病気はしていないが、健康診断や予防接種などの取組を行い、対象のスイッチOTC医薬品を年間12,000円超購入した人。控除上限は88,000円で明細書の様式も別。

セルフメディケーション税制の適用を受けるには、健康保険組合等の健康診査、市区町村の健康診査、インフルエンザ等の予防接種、勤務先の定期健康診断、特定健康診査・特定保健指導、市区町村のがん検診のいずれかを行っている必要があります。単に市販薬を買っただけでは要件を満たしません。

2026年時点の制度の位置づけ

セルフメディケーション税制のうちスイッチOTC医薬品を対象とする部分は、現行制度では令和8年12月31日までの時限措置とされてきた経緯があります。令和8年度税制改正では、この期限を撤廃して恒久化し、対象医薬品に胃腸薬などを加える見直しが示されていますが、適用は令和9年分の申告からで、今回まとめている令和8年分(2026年分)の申告にはまだ影響しません。今年購入した分は、現行の対象医薬品リストで判定してください。

セルフメディケーション税制の明細書は、医療費控除の明細書と同じ様式ですか。

いいえ。セルフメディケーション税制には専用の「セルフメディケーション税制の明細書」があり、通常の医療費控除の明細書とは様式が異なります。両方に記入して両方を申告することはできません。

読者

5問中4問はYESですが、医薬品に対象マークがあるかは家に帰らないと確認できません。途中で保存できますか?

専門家

この判定は保存されない簡易チェックなので、確認してからもう一度全問に答え直してください。判定の前に、レシートに「★」マークや「セルフメディケーション税制対象」の表示があるか探すのが近道です。

この判定は、対象医薬品の購入額や医療費の総額といった読者ごとの状況によって結果が変わる簡易チェックです。どちらの制度が有利かは金額次第で逆転するため、本文を読むだけでなく実際の支出に当てはめて確認してみてください。

関連する補助金・助成金

医療費控除の明細書でよくある差し戻し・記載ミスの落とし穴

明細書は様式こそシンプルですが、記載ミスがあると税務署から内容についての照会が来たり、還付処理が止まったりします。実務で目にする代表的な落とし穴を挙げます。

記載ミスで差し戻しの照会が来やすい5つの落とし穴

  1. 医療費通知を添付したのに、通知に載っていない自由診療や市販薬を「2 医療費の明細」に追記し忘れ、合算漏れが起きる
  2. 「医療費の区分」に1つもチェックを入れずに提出し、区分が不明として差し戻しの照会につながる
  3. 生命保険の入院給付金を、対応する入院費用ではなく別の月の外来費から差し引いてしまう
  4. セルフメディケーション税制の対象品と通常の医薬品を混在させたまま両方の制度で計算し、選択適用の原則を見落とす
  5. 医療費通知に記載された金額をそのまま使い、通知には前年支払分が混ざる場合があるという注意点を見落として合計額がずれる

とくに5つ目は、医療費通知(医療保険者等が発行する「医療費のお知らせ」)の性質に由来します。通知は診療月ベースで作成されることが多く、年末の診療分が翌年の通知に回ることがあるため、明細書の(1)〜(3)欄をそのまま転記する前に、実際に支払った年で集計し直す必要があります。

また、扶養している子や高齢の親の医療費を「生計を一にする」という理由でまとめて申告する場合、そもそも生計を一にしているかどうかで争いになるケースもあります。同居していなくても仕送りをしていれば生計を一にすると認められることが多いのですが、根拠が曖昧なまま高額な医療費だけをまとめて申告すると、後日の確認で説明を求められる原因になります。誰がどの医療費を実際に支払ったかは、通帳の記録などで裏付けられるようにしておくと、差し戻しの照会を受けても慌てずに対応できます。

明細書の作成から提出までの流れ

迷わず作成するための手順を、実際の作業順に並べました。

  1. 1年分の領収書と医療費通知を、医療を受けた人・支払先ごとに仕分ける
  2. マイナポータルに利用者登録し、医療費通知情報を取得できるか確認する(取得できれば入力の手間が大きく減る)
  3. 医療費通知の対象外の領収書だけを「2 医療費の明細」に手入力する
  4. 高額療養費・出産育児一時金など「差し引く」給付金の金額を(5)欄に反映する
  5. 「3 控除額の計算」で自動計算されるG欄の金額を確定申告書第一表に転記する
  6. e-Taxまたは書面で提出し、領収書と医療費通知は提出せず自宅で5年間保存する

マイナポータル連携で入力の手間を減らせるか

マイナンバーカードでマイナポータルの利用者登録を済ませておくと、e-Taxや確定申告書等作成コーナーで医療費通知情報(XMLデータ)を一括取得し、明細書の該当欄に自動入力できます。事前に代理人設定をしておけば、生計を一にする家族の医療費通知情報もまとめて取得できます。

マイナポータルでは過去にさかのぼって医療費通知情報を確認・取得できるため、今年分の申告に間に合わなかった年の医療費が後から見つかった場合でも、遡って還付申告を検討する材料になります。ただし取得できるのは健康保険が適用された診療分に限られ、市販薬や通院交通費のような自己負担の記録はマイナポータル側には残らないため、日々のレシートや家計簿での記録は引き続き欠かせません。

医療費通知情報を使うと、明細書への手入力は一切不要になりますか。

いいえ。医療費通知は健康保険が適用された診療分が中心で、自由診療・市販薬・通院交通費などは含まれません。それらは引き続き「2 医療費の明細」へ自分で入力する必要があります。

マイナポータル連携は年末調整2026の変更点で触れた基礎控除まわりの手続きとは別物で、医療費控除は年末調整では完結せず必ず確定申告が必要です。年末調整を終えた給与所得者でも、医療費控除だけのために別途申告書を出す人が毎年一定数います。

医療費控除の明細書によくある質問

領収書を紛失した場合はどうすればいいですか。

医療機関に再発行を依頼するか、それが難しい場合は支払った日・金額・内容がわかる家計簿やクレジットカードの利用明細などで記録を残し、その金額を明細書に記載します。

家族の医療費をまとめて自分の明細書に書いてもいいですか。

はい。生計を一にする配偶者や親族の医療費であれば、実際に支払った人がまとめて医療費控除を受けられます。共働き世帯では所得税率が高いほうの名義でまとめると還付額が大きくなりやすい傾向があります。

交通系ICカードで払った通院の交通費も記入できますか。

電車やバスなど公共交通機関を使った通院費は対象になりますが、領収書が出ないことが多いため、日付・区間・金額をメモに残しておくと記載の根拠になります。

医療費控除を受けると住民税も安くなりますか。

はい。所得税の確定申告をすると、その内容は自治体に連携され、翌年度の住民税の所得割にも医療費控除が反映されます。

確定申告の期限後に医療費控除だけを追加で申告できますか。

はい。医療費控除は還付申告にあたるため、法定申告期限を過ぎても、その年の翌年1月1日から5年間は申告できます。慌てて期限内に無理に間に合わせる必要はありません。

次にやること—申告前に準備する3つのこと

ここまでの内容を、実際の作業に落とし込みます。

マイナポータルの利用者登録がまだの人は、確定申告の直前ではなく今のうちに済ませておくと、医療費通知情報の取得がスムーズです。給付金や補助金を他にも受け取っている場合は、補助金診断で申告が必要な制度をあわせて洗い出しておきましょう。

最終更新:2026年8月26日

出典

制度情報の確認

要点

制度の事実確認まとめ

過去制度と現在の状態を分けて確認してください。

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編集・監修: (中小企業診断士)

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公開日: 最終更新日:

本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。