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年金請求書の書き方2026|緑の封筒はいつ届く?欄別記入例

老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した本人(65歳到達者、特別支給の老齢厚生年金の受給権者、繰上げ・繰下げを検討している人)およびそ…

この記事の結論

対象者老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した本人(65歳到達者…
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老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した本人(65歳到達者…

対象地域
全国
対象者
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年金請求書(様式第101号)/基礎年金番号を確認でき…

詳細解説

65歳の誕生月が近づくと、日本年金機構から大判の封筒が届く。中に入っているのが年金請求書(事前送付用)、様式番号でいえば様式第101号だ。基礎年金番号も氏名も加入記録も印字済みなのに、開いてみると十数ページある。どこを自分で埋めるのか分からないまま、机の上に置きっぱなしになっている人は多い。

この記事は制度のしくみの解説ではなく、どの欄に何を書くかに絞った。ご本人欄・受取口座欄・履歴欄・雇用保険欄・配偶者欄・子の欄という記入が必要な6か所について、実際に書き込む文字列を欄ごとに示す。あわせて、会社員だったか自営業だったかで変わる添付書類、65歳で請求するか繰下げるかで変わる様式、そして年金事務所から差し戻される原因になりやすい記入漏れを整理している。

本記事にはプロモーションを含みます。

年金請求書はいつ届く?何を書いて、どこに出すのか

年金請求書(事前送付用)は、受給開始年齢に到達する3カ月前に日本年金機構から本人あてに直接送られてくる。65歳から老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取る人なら、65歳の誕生月のおよそ3カ月前だ。

提出できるのは受給開始年齢の誕生日の前日以降で、65歳になる前に出しても受付されずに戻ってくる。提出先は加入歴で分かれ、国民年金の第1号被保険者期間しかない人は市(区)役所・町村役場、厚生年金や共済組合の期間がある人は年金事務所または街角の年金相談センターになる。

この記事の要点

  1. 届くのは受給開始年齢の3カ月前。様式第101号で、氏名・生年月日・住所・年金加入記録は印字済み。
  2. 自分で書くのは6か所だけ。ご本人欄・受取口座欄・履歴欄・雇用保険欄・配偶者欄・子の欄。
  3. 提出先は「国民年金だけなら市区町村役場、それ以外は年金事務所」で分かれる。
  4. マイナンバーを書けば戸籍・住民票・所得証明書の添付を省略できる場合がある。
  5. 繰下げるなら65歳では請求書を出さず、66歳以降に様式第101号と様式第103-1号を同時に出す。
3カ月前請求書が届く時期
様式第101号老齢給付の年金請求書
5年請求権の時効(基本権)

封筒の色を「緑の封筒」と呼ぶ人が多いが、日本年金機構は封筒の色を公式には案内していない。色で判断せず、差出人が日本年金機構であることと、封筒に「年金請求書在中」と書かれていることで見分けたほうが確実だ。同じ時期には年金生活者支援給付金の請求書はがきの書き方で扱っているはがきが別便で届くこともあり、こちらは老齢年金の請求書とは別の手続きになる。両方まとめて放置すると、受け取れたはずの給付が丸ごと止まる。

放置が怖いのは時効があるからだ。年金を受け取る権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過すると時効によって消滅する(国民年金法第102条第1項・厚生年金保険法第92条第1項)。やむを得ない事情で請求できなかった場合は書面で申し立てれば時効消滅させない取扱いがあるが、初めから当てにするものではない。2026年10月から変わる制度の総まとめで他の手続き期限とあわせて棚卸ししておくと、書類を寝かせるリスクを減らせる。

封筒の中身と、自分で記入が必要な6つの欄

請求書は十数ページあるが、受給する本人が書く欄は色分けされていて、実際に手を動かすのは6か所だ。全体像を先に押さえると、埋める順番が決まる。

記入する欄何を書くか書かなくてよい人
1. ご本人欄マイナンバー、電話番号、住所・氏名の確認なし(全員が確認・記入)
2. 年金の受取口座欄金融機関名・支店・口座番号・カナ名義、公金受取口座の利用意思なし(全員が記入)
3. 履歴欄(公的年金制度加入経過)勤務先の名称・所在地・勤務期間・加入制度被保険者記録照会回答票を添付してチェックした人
4. 雇用保険の加入状況欄加入の有無、雇用保険被保険者番号(10桁または11桁)65歳から請求する人(65歳前の老齢厚生年金を請求する人が対象)
5. 配偶者欄・生計維持関係に関する申立書配偶者の氏名・生年月日・マイナンバー、生計同一と年収の申立て配偶者がいない人
6. 子の欄18歳到達年度末までの子、障害等級1級・2級で20歳未満の子の情報該当する子がいない人

筆記具の指定がある

記入は黒インクのボールペンと指定されている。鉛筆や、摩擦などで消えるインクのペンは使えない。消えるボールペンで全部書いてしまい書き直しになるのは、実際に起きているNG事例だ。

記入欄が絞られている一方で、判断が要るのは「どの添付書類を付けるか」のほうだ。添付書類はマイナンバーの登録状況、配偶者の有無、加入歴で変わる。自分がどの制度の対象になっているかを先に整理したい人は、世帯構成と年齢から使える給付を洗い出す補助金診断で当たりを付けてから書き始めると手戻りが減る。

【欄別】年金請求書の実際の記入例

ここからが本題だ。日本年金機構が公開している様式第101号の記入例をもとに、欄ごとに「実際に書く文字列」を示す。以下の例は、国民年金と厚生年金保険の両方に加入していた人が、会社に勤めながら老齢厚生年金を請求する想定で組み立てている。

1. ご本人欄 — 住所は住民票のとおりに書く

氏名・生年月日・住所は印字済みだが、印字内容が現状と違うときは訂正する。住所は原則として住民票の住所を書く。住民票と違う場所で郵便物を受け取りたい場合は、請求書の住所欄に送付先を書いたうえで、別途「住民基本台帳による住所等の更新停止・解除申出書」を出す必要がある。ここを勝手に居所だけ書いて出すと、後で通知が届かなくなる。

マイナンバー欄は空欄でも受理されるが、書いておく実利が大きい。マイナンバーを記入すると毎年誕生月に出す「年金受給権者現況届」が原則不要になり、戸籍・住民票・所得証明書の添付も省略できる場合がある。

記入例(実際に書く文字列)間違えやすい点
個人番号(マイナンバー)1234 5678 9012(12桁を左詰め)記入したらマイナンバーカード等の提示または写しの提出が必要
基礎年金番号1234-567890(10桁)共済組合等の加入期間がある人はマイナンバーと基礎年金番号の両方を書く
住所(フリガナ)スギナミク タカイドニシ3-5-24フリガナは市区町村名から。番地はハイフンで可
住所(漢字)杉並区 高井戸西3丁目5番24号「市区町村」の該当しない字を消す欄がある
電話番号090-1234-5678日中に連絡が取れる番号。差し戻し連絡はここに来る

2. 年金の受取口座欄 — 貯蓄預金口座は指定できない

ここは全員が記入する。貯蓄預金口座・貯蓄貯金口座には年金を振り込めないので、普通預金(ゆうちょ銀行なら通常貯金)を指定する。インターネット専業銀行の中には年金を受け取れない銀行もある。

公金受取口座を年金の受取口座に使う場合は、1 利用するを丸で囲む。この場合は通帳等の写しの添付も金融機関の証明も不要になる。公金受取口座を使わない場合は、次のいずれかで口座を証明する。

  • 預金通帳(貯金通帳)のコピー
  • キャッシュカードのコピー(金融機関名・支店番号・カナ名義・口座番号が写っている面)
  • 金融機関またはゆうちょ銀行の証明欄に証明を受ける
  • ネット専業銀行なら口座番号がわかる画面のプリントアウト
記入例差し戻しの原因になる点
公金受取口座の利用意思1(利用する)を丸で囲む利用する場合も口座情報の記入自体は必要
金融機関名・支店名ネンキン銀行 タカイド支店(フリガナ併記)「銀行/金庫/信組/農協」の種別を丸で囲み忘れる
預金種別1.普通貯蓄預金を選ぶと振込できない
口座名義人氏名(カタカナ)ネンキン タロウ請求者本人名義でないと不可。旧姓のままの口座に注意
金融機関の証明欄記入不要(通帳コピーを付ける場合)通帳コピーと証明の両方を求められていると誤解しやすい
読者

年金の受取口座は、家計をまとめている夫名義の口座にしてもいいんでしょうか。

専門家

できません。年金は請求者本人名義の口座にしか振り込めない。口座名義人氏名欄も請求者のカナ氏名を書く欄です。結婚・離婚で姓が変わっているのに口座の名義が旧姓のままだと、通帳コピーと請求書の氏名が一致せず差し戻されます。先に金融機関で名義変更を済ませてください。

3. 履歴欄(公的年金制度加入経過)— 照会回答票があれば省略できる

ここが十数ページのうち最も手間のかかる欄だ。ただし抜け道がある。年金事務所で交付される被保険者記録照会回答票を添付し、「被保険者記録照会回答票の記載内容と相違ない」にチェックを入れれば、履歴欄の記入そのものを省略できる。加入歴が長い人ほどこの方法が速い。

自分で書く場合のルールは3つある。第一に、国民年金の期間は記入不要。第二に、事業所の名称と所在地は勤務していた当時のものを書く(現在は社名が変わっていても当時の名称)。第三に、加入していた年金制度の種類を毎行選ぶ。

記入項目記入例補足
(1) 事業所の名称〇〇建設(株)船員だった場合は船舶名も書く
(2) 所在地千代田区〇〇 X-X国民年金の期間は当時の住所を書く欄
(3) 勤務期間(自) S60年9月20日 (至) H3年3月31日在職中なら「至」に在職中と書く
(4) 加入していた制度2.厚生年金保険を丸で囲む共済組合等は4を選ぶ
旧姓名欄コウネン タロウ/厚年 太郎+変更日3回以上改姓・改名している人は余白に書き足す

なお、保険料納付済期間(厚生年金保険や共済組合等の期間を含む)と保険料免除期間の合計が25年未満の人だけが記入する追加欄がある。昭和61年3月以前の婚姻期間、海外居住歴、平成3年3月以前の学生期間、任意脱退の承認などをチェックする欄で、該当すると戸籍の附票や在籍証明書といった追加書類が要る。育児期間の保険料免除を受けていた人は、国民年金の育児期間の保険料免除の期間が納付済み扱いになっているかを、ねんきんネットで先に確認しておきたい。

確認対象・制度の位置づけ

対象地域(全国)

目的
医療・福祉
対象地域
全国
対象者
老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始年齢に到達した本人(65歳到達者、特別支給の老齢厚生年金の受給権者、繰上げ・繰下げを検討している人)およびその家族・代理人
確認した過去制度の金額

対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。

4. 雇用保険の加入状況欄 — 65歳から請求する人は原則対象外

この欄は65歳になるまでの老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を請求する人が記入する。65歳ちょうどで初めて請求する人は、そもそも記入対象ではない。

設問は入れ子になっていて、(1)雇用保険に加入したことがあるか →「いいえ」なら(4)へ。「はい」なら(2)最後に被保険者でなくなった日から7年以上経過しているか →「はい」なら次ページへ。「いいえ」なら(3)に雇用保険被保険者番号を書く、という流れだ。

番号を書いたら証明書類も要る

(3)に雇用保険被保険者番号を書いた場合、雇用保険被保険者証など番号が確認できる書類の添付が必要になる。番号だけ書いて添付を忘れると差し戻される。手元にないときはハローワークで再交付を受ける。65歳前の年金と雇用保険の給付は調整されるため、高年齢雇用継続給付の給付率10%への縮小の影響も同時に確認しておきたい。

65歳前の老齢厚生年金を受け取りながら働き続ける人は、在職老齢年金による支給停止も関係してくる。支給停止の基準額は在職老齢年金の65万円への引き上げで変わっており、請求書を出す前に自分の月収と年金額で当たりを付けておくと、初回振込額を見て驚かずに済む。失業給付を受けながらの調整については失業認定申告書の書き方もあわせて読んでおくと、申告漏れによる不支給を避けられる。

5. 配偶者欄と「生計維持関係に関する申立書」— 加給年金額の入口

ここを書き漏らすと、年額20万円台の加算が丸ごと付かない。厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある人が65歳に到達した時点で、生計を維持している65歳未満の配偶者がいると加給年金額が加算される。令和8年度の配偶者加給年金額は243,800円で、受給権者の生年月日に応じて36,000円〜179,900円の特別加算が付く。昭和18年4月2日以後生まれなら特別加算と合わせて423,700円だ。

「生計維持されている」と認められるのは次の2つを両方満たすときで、請求書の申立書欄はこの2要件をそのまま聞いている。

  1. 生計を同じくしていること(同居、または単身赴任等で住所が違っても生活費を共にしている)
  2. 年収850万円(所得655.5万円)以上を将来にわたって有しないと認められること
記入例付随して必要になるもの
配偶者の氏名ネンキン ハナコ/年金 花子
配偶者の個人番号1234 5678 9012(12桁)記入すると戸籍の添付を省略できる場合がある
1. 生計を同じくしていますかはいを丸で囲む同居の事実を明らかにできる住民票(コピー不可)。マイナンバー記入者は不要
2.(1) 年収は850万円未満ですかはいを丸で囲む収入を証明する書類。マイナンバー記入者は不要
2.(2) 5年以内に850万円未満になる見込み(1)が「いいえ」の人のみはいいいえ「はい」なら見込みが確認できる書類の添付が必要

上段と下段で意味が違う

申立書の年収欄は上段が配偶者(加給年金額に関する申立て)、下段が本人(振替加算に関する申立て)だ。自分が配偶者に生計維持されている側なら下段の「はい」を丸で囲む。両方に該当する場合は上下段どちらも囲む。ここを片方しか囲まずに出すのが典型的な記入漏れで、振替加算が付かないまま決定されることがある。振替加算の対象は大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人だ。

6. 子の欄 — 「障害あり」に丸を付けたら診断書が要る

対象になる子は、18歳になった後の最初の3月31日までにある子か、20歳未満で国民年金法施行令別表に定める障害等級1級・2級の状態にある子。令和8年度の子の加給年金額は1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円だ。

  • 子の氏名・生年月日・マイナンバーを記入する(ネンキン ジロウ/年金 次郎
  • 障害の状態が「ある」を丸で囲んだ場合は診断書の提出が必要
  • 対象の子が3人を超える場合は、4人目以降を「加給年金額または子の加算額に係る別紙様式」に書いて添付する
  • 子のマイナンバーを書くと戸籍の添付を省略できる場合がある

子に障害がある場合は、老齢年金の加算とは別に障害年金そのものの請求が可能なことも多い。診断書の様式や書き方は障害年金の申請書と診断書の書き方にまとめている。

年金請求と前後して手が必要になる手続き

65歳前後は、年金以外にも申請書の期限が重なる時期だ。関連する記入例と制度をまとめておく。

年金生活者支援給付金の請求書はがきの書き方老齢年金の請求書と前後して届くはがき。出さないと給付は始まらない
高額療養費の支給申請書の書き方年金受給開始で所得区分が変わる人向け。申請期限は診療月の翌月1日から2年
傷病手当金 支給申請書の書き方在職中に病気で休んだ期間がある人。老齢年金との調整に注意
要介護認定の申請書の書き方親の介護と自分の年金請求が重なる世代向け。申請から認定まで原則30日
介護保険2027年改正の論点年金収入で自己負担割合が変わる見直しの方向性を先取り
2026年10月から変わる制度の総まとめ年金・医療・雇用の改正を一覧化。手続き漏れの棚卸しに

会社員だった人・自営業だった人・扶養に入っていた人で必要書類はこう変わる

年金請求書は1種類でも、付ける書類と出す窓口は加入歴で変わる。自分がどの行なのかを先に決めてから書類を集めたほうが、集め直しにならない。

これまでの加入歴提出先特に必要になる書類根拠資料
国民年金(第1号被保険者)のみお住まいの市(区)役所・町村役場基礎年金番号を確認できる書類のコピー、戸籍または住民票、受取口座の証明日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」
会社員・公務員として厚生年金/共済に加入年金事務所または街角の年金相談センター上記に加え、被保険者記録照会回答票(履歴欄を省略する場合)、65歳前の請求なら雇用保険被保険者証日本年金機構「65歳時の年金の手続き」
配偶者の扶養(第3号被保険者)が中心年金事務所または街角の年金相談センター戸籍全部事項証明書、世帯全員の住民票、振替加算に関する申立て欄の記入日本年金機構「加給年金額と振替加算」
配偶者の厚生年金加入期間が20年以上ある年金事務所または街角の年金相談センター戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、所得証明書・課税証明書・源泉徴収票等日本年金機構「65歳時の年金の手続き」
共済組合等の期間がある年金事務所(共済の期間も一括で請求可)マイナンバーと基礎年金番号の両方を記入。共済に出す場合は年金加入期間確認通知書日本年金機構「年金請求書 記入例(様式第101号)」

添付書類の一覧そのものは、日本年金機構が「老齢年金の請求手続きのご案内」というチェック表として公開している。項番1が基礎年金番号を確認できる書類、項番2が戸籍、項番3が住民票、項番4が所得証明書・課税(非課税)証明書、項番5が受取口座の通帳またはキャッシュカードのコピー、項番6が雇用保険被保険者証等、項番7が学生証・在学証明書、項番8が資格確認書のコピーという構成だ。

戸籍・住民票には「二重の期限」がある

戸籍謄本や住民票は、受給権発生日以降に交付されたもので、かつ年金請求書の提出日において交付から6カ月以内のものが必要になる。3カ月前に請求書が届いた勢いで先に戸籍を取ってしまうと、受給権発生日より前の交付日になって使えない。書類集めは誕生日を過ぎてからでよい。

マイナンバーで省略できる/できない

マイナンバーによる情報連携で、戸籍・住民票・所得証明書等の添付を省略できる。ただし次の場合は原則として原本が必要になる。①マイナンバーの記入がないなど情報連携ができない場合、②過去5年分より前の住民票・所得証明書等が必要な場合、③令和4年1月10日以前に亡くなった方の情報確認に戸籍が必要な場合、④戸籍の電算化前に別の戸籍に移った方の情報確認に戸籍が必要な場合。

資格確認書のコピーを添付するときは、記載された保険者番号と記号・番号が判別・復元できないようマスキングする決まりがある。健康保険まわりの手続きを同時期に整理するなら、高額療養費制度の2026年8月改定で自己負担限度額の区分がどう変わったかも見ておくといい。年金受給開始で所得区分が変わる人がいる。

関連する補助金・助成金

65歳で請求・繰上げ・繰下げ、様式と提出物の分岐

「いつから受け取るか」で提出する様式が変わる。ここを取り違えると、書類一式を作り直すことになる。

選ぶ受け取り方提出する様式いつ出すか増減額根拠資料
65歳から受け取る(本来請求)様式第101号+老齢年金の受取方法確認書65歳の誕生日の前日以降増減なし日本年金機構「65歳時の年金の手続き」
60〜64歳に繰上げる様式第101号+繰上げ請求書繰上げを希望する時期1カ月あたり0.4%減額(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)、最大24%(同30%)日本年金機構「年金の繰上げ受給」
66〜75歳に繰下げる様式第101号+様式第103-1号(支給繰下げ申出書)+受取方法確認書66歳以降の希望する時期。65歳では出さずに待つ1カ月あたり0.7%増額、最大84%(75歳)日本年金機構「66歳以後に老齢年金の受給を繰下げたいとき」
繰下げ待機したがさかのぼって一括で受け取る様式第101号+受取方法確認書(さかのぼり受取を選択)請求時受給権発生時点からの本来額。5年超の部分は時効に注意日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」
平成19年3月31日前に老齢厚生年金の受給権があった人の繰下げ様式第101号+様式第103号66歳以降の希望する時期同上日本年金機構「支給繰下げ申出書(様式第103-1号)」注意事項

繰下げを選ぶ人が最初につまずくのが「65歳の請求書はどうするのか」だ。答えは出さずに待つ。66歳以降、繰下げを希望する時期になってから様式第101号と様式第103-1号を同時に提出する。様式第103-1号の注意事項にも「年金請求書(様式第101号)と同時に提出してください」と明記されている。

読者

繰下げるつもりなので65歳では何も出さない予定です。届いた請求書はそのまま捨てていいですか。

専門家

捨てないでください。66歳以降に繰下げ請求をするときも、提出するのは同じ様式第101号です。加入記録が印字された状態のものが手元にあると、履歴欄を書き直す手間が減ります。それと、老齢厚生年金だけ65歳から受け取り、老齢基礎年金は繰下げるといった片方だけの選択もできます。「老齢年金の受取方法確認書」で厚生・基礎それぞれの受取方法をチェックする構成になっているのは、そのためです。

繰下げが選べなくなる条件がある

65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの間に障害給付や遺族給付を受け取る権利があるときは、繰下げ受給の請求ができない(障害基礎年金または旧国民年金法による障害年金のみ受け取る権利がある人は、老齢厚生年金の繰下げは可能)。また66歳以降の待機中に他の公的年金の受給権が発生すると、その時点で増額率が固定される。配偶者が亡くなって遺族年金の受給権が発生した場合が典型で、遺族厚生年金の2028年改正の内容とあわせて確認しておきたい。

繰上げの取消はできない。繰上げ請求後は遺族厚生年金などと併給できず65歳まではどちらかを選ぶことになり、事後重症による障害基礎(厚生)年金を請求できなくなり、国民年金の寡婦年金も支給されなくなる。任意加入や保険料の追納もできなくなる。減額は生涯続く。目先の資金繰りだけで判断すると、後から取り返せない領域だ。配偶者を亡くしたときの給付を含めて考えるなら、国民年金の死亡一時金のような一時金の有無も先に把握しておきたい。

年金請求書でよくある差し戻し・記入漏れの落とし穴

年金事務所から電話が来て書類が戻ってくる理由は、そう多くない。件数として目立つのは「日付」「名義」「添付漏れ」の3系統だ。ここに挙げた落とし穴は、いずれも提出前に1分で確認できる。

落とし穴何が起きるか提出前の確認
65歳の誕生日より前に提出した受付されず返送される提出できるのは誕生日の前日以降
戸籍・住民票の交付日が受給権発生日より前取り直しになり、初回振込が1〜2カ月遅れる交付日が誕生日以降、かつ提出日から6カ月以内か
口座名義が旧姓のまま通帳コピーと氏名が一致せず差し戻し金融機関で名義変更を済ませたか
貯蓄預金口座を指定した年金の振込ができない普通預金(通常貯金)を指定したか
雇用保険被保険者番号を書いたのに証明書類を付けていない添付漏れで差し戻し雇用保険被保険者証等のコピーを同封したか
生計維持の申立書で上段・下段の片方しか丸を付けていない加給年金額または振替加算が付かないまま決定される配偶者側(加給年金額)と本人側(振替加算)の両方を確認したか
子の「障害あり」に丸を付けたが診断書がない子の加算が保留になる診断書を用意したか
消えるボールペンで記入した書き直し。NG事例として明記されている黒インクのボールペンで書いたか

最大の不支給リスクは「出さないこと」

記入ミスは直せるが、請求しないまま時間が過ぎるのは取り返しがつかない。年金を受ける権利は権利発生から5年で時効消滅する。5年を過ぎた分は、法律に基づき受け取れなくなる。繰下げのつもりで放置していたら、実際には繰下げの手続きも取っていなかった——というのが最悪の不支給パターンだ。

繰下げ待機中は加給年金額が止まる

見落としやすい注意点として、繰下げ待機期間中は加給年金額や振替加算を受け取れず、これらは増額の対象にもならない。配偶者の加給年金額が特別加算込みで年42万円台になる人が、65歳から3年繰下げると、その3年分の加算は受け取れない。増額率だけで判断すると失敗する。

今すぐ請求すべきか、繰下げて待つべきかを判定する

繰下げは「増えるから得」と単純化されがちだが、加給年金額の停止、他の年金の受給権発生による増額率の固定、医療・介護の自己負担への影響が絡む。下のチェッカーは、繰下げ待機に向かない条件を並べたものだ。すべてに当てはまるなら、65歳での請求を優先したほうがいい。

判定結果の読み方

すべてに当てはまるなら、繰下げによる増額(1カ月0.7%)よりも、加給年金額と当面の生活費を確保する実利のほうが大きい可能性が高い。逆に、加給年金額の対象者がおらず、他の年金の受給権もなく、当面の生活費に余裕があるなら繰下げ待機の価値は残る。判断が割れる場合は年金事務所の予約相談で、繰下げ後の見込額と加給年金額の停止額を並べて出してもらうのが確実だ。

読者

70歳まで待つつもりでしたが、70歳を過ぎてから「やっぱり65歳分からまとめて受け取りたい」と言うことはできますか。

専門家

できます。特例的な繰下げみなし増額制度があり、70歳到達後にさかのぼって受け取ることを選んだ場合でも、請求の5年前の日に繰下げ申出をしたものとみなして、増額した年金の5年分を一括で受け取れます。ただし対象は昭和27年4月2日以後生まれの方などに限られ、80歳以降に請求する場合や、請求の5年前の日以前から障害年金・遺族年金を受け取る権利がある場合には適用されません。過去分を一括で受け取ると、その年の医療保険・介護保険の自己負担や保険料、税金に影響することもあります。

提出してから初回振込まで、実際にどれくらいかかるか

請求書を出せばすぐ振り込まれる、ということはない。年金証書が届くまでと、そこから振込開始までで二段階の待ち時間がある。

  1. 受給開始年齢の3カ月前:年金請求書(事前送付用)が届く。表紙の「年金の請求時期」を確認する。
  2. 誕生日の前日以降:必要事項を記入し、添付書類をそろえて提出する。国民年金の第1号期間のみなら市(区)役所・町村役場、それ以外は年金事務所または街角の年金相談センター。郵送でも窓口でも、電子申請でも可。
  3. 提出から1カ月程度:「年金証書」「年金決定通知書」が自宅に届く。加入状況の再確認を要する場合は2カ月程度かかる。
  4. 年金証書が届いてから約1〜2カ月後:指定した口座への振込が始まる。
  5. 以降:偶数月に2カ月分が振り込まれる。共済組合等の期間にかかる年金は、各共済組合等から別に支払われる。
1〜2カ月提出から年金証書の到着まで
約2〜4カ月提出から初回振込まで
偶数月2カ月分ずつの振込

この待ち時間を見込まずに退職日を決めると、無収入の期間ができる。65歳以降に退職する人は高年齢求職者給付金(最大36万円の一時金)を老齢年金と併せて受け取れるので、ハローワークでの手続きも同時に段取りしておきたい。

年金請求書の記入でとくに多い疑問はどれか

年金請求書が3カ月前になっても届きません。どうすればいいですか。

日本年金機構は受給開始年齢到達の3カ月前に本人あてに送付しています。住所変更を届け出ていない、加入記録の確認中といった理由で届かないことがあるため、ねんきんダイヤル(0570-05-1165)か年金事務所に問い合わせてください。請求書が手元になくても、年金事務所で様式第101号を受け取れば請求はできます。

履歴欄に昔の勤務先が思い出せません。空欄で出してもいいですか。

空欄のままだと確認に時間がかかります。年金事務所で「被保険者記録照会回答票」を交付してもらい、それを添付して「記載内容と相違ない」にチェックを入れれば、履歴欄の記入自体を省略できます。加入歴が長い人ほどこの方法が確実で速いです。

マイナンバーを書きたくありません。書かないと不利になりますか。

請求そのものは基礎年金番号だけでもできます。ただしマイナンバーを書くと、毎年誕生月に出す「年金受給権者現況届」が原則不要になり、戸籍・住民票・所得証明書等の添付を省略できる場合があります。書かない場合はこれらを原本でそろえる必要があります。なお共済組合等の加入期間がある人は、マイナンバーと基礎年金番号の両方の記入が必要です。

配偶者が年上(すでに65歳以上)です。加給年金額の欄は書かなくていいですか。

加給年金額の対象となる配偶者は65歳未満であることが要件なので、加算は付きません。ただし配偶者欄と生計維持関係に関する申立書の下段(振替加算に関する申立て)は関係します。自分が配偶者に生計維持されている場合は、下段の「はい」を丸で囲んでください。振替加算の対象は大正15年4月2日から昭和41年4月1日までに生まれた人です。

本人が入院していて窓口に行けません。代理提出はできますか。

できます。請求書の13ページに委任状の欄があり、代理人の氏名・本人との関係・住所・電話、委任する内容(年金の請求について、見込額について、加入期間についてなど)を本人が記入します。代理人が窓口に行くときは、委任状のほかに代理人自身の運転免許証など本人確認書類が必要です。

受給資格期間が足りているか自信がありません。10年に届かないとどうなりますか。

老齢基礎年金・老齢厚生年金を受け取るには、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した資格期間が10年以上必要です。合計が25年未満の人は、請求書に婚姻期間・海外居住歴・学生期間などをチェックする追加欄があり、合算対象期間として算入できる期間が見つかることがあります。自己判断で諦めず、年金事務所に事前相談してください。

次にやること

手が止まっている理由が「どの欄か分からない」なら、この記事の欄別記入例を見ながら6か所を埋めれば終わる。理由が「いつ受け取るか決まっていない」なら、先に判定チェッカーで方向を決めたほうが早い。

働きながら受け取る場合の支給停止額を試算して、退職時期を決める

生活支援や医療・福祉の制度を横断で探すなら、子育て・生活支援カテゴリ医療・福祉カテゴリの一覧も使える。

最終更新:2026年8月26日(令和8年度の年金額・加給年金額に基づく)

出典

  • 日本年金機構「老齢年金請求書の記入方法等」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/kinyu.html
  • 日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/jizensofu.html
  • 日本年金機構「65歳時の年金の手続き(老齢年金を初めて請求する方)」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/20140421-30.html
  • 日本年金機構「老齢年金の請求手続きの流れ」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/gaiyou.html
  • 日本年金機構「66歳以後に老齢年金の受給を繰下げたいとき」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/tetsuduki/rourei/seikyu/20140421-31.html
  • 日本年金機構「年金の繰上げ受給」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-01.html
  • 日本年金機構「年金の繰下げ受給」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-02.html
  • 日本年金機構「加給年金額と振替加算」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/roureinenkin/kakyu-hurikae/20150401.html
  • 日本年金機構「年金の時効」 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/seido/kyotsu/shikyu/20140421-01.html
  • 日本年金機構「老齢年金ガイド 令和8年度版」 https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK03.pdf
  • 日本年金機構「老齢年金の請求手続きのご案内(添付書類一覧)」 https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/LK31.pdf
  • 日本年金機構「初めて老齢年金を請求するとき(様式第101号・記入例・様式第103-1号)」 https://www.nenkin.go.jp/shinsei/jukyu/rourei/2018030501.html
  • e-Gov法令検索「国民年金法」(第102条・時効) https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141

制度情報の確認

要点

制度の事実確認まとめ

過去制度と現在の状態を分けて確認してください。

対象地域
全国
対象者
老齢基礎年金・老齢厚生年金の受給開始年齢に到…
確認した過去制度の金額
現在の位置づけ
通年募集 / 詳細は事務局へ
必要書類
年金請求書(様式第101号)/基礎年… 詳細を見る ›
現在の位置づけ 通年募集 / 詳細は事務局へ
必要書類 年金請求書(様式第101号)/基礎年金番号を確認できる書類のコピー/戸籍全部事項… 詳細を見る ›

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編集・監修: (中小企業診断士)

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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。