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令和9年度税制改正はどうなる?省庁別の要望一覧と決定スケジュール
制度解説 中小企業支援
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令和9年度の税負担の変化を先に把握したい中小企業経営者・経理担当者、および控除見直しの影響を知りたい給与所得者
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令和9年度の税負担の変化を先に把握したい中小企業経営者・経理担当者、および控除見直しの影…
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詳細解説
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令和9年度(2027年度)の税制改正は、2026年9月6日時点でまだ何も決まっていません。公表されているのは令和8年8月31日時点の各府省庁の要望だけで、本記事で数えると17府省庁・要望事項206件・見直し事項8件でした。一方、令和8年度改正で令和9年から動くことが確定済みの項目も別にあります。この記事は「確定」「大綱待ち」「要望のみ」を1件ずつ切り分けます。
要点(2026年9月6日時点)
- 令和9年度税制改正は未確定。公表済みは令和8年8月31日時点の要望のみ。
- 17府省庁で要望206件・見直し8件。最多は経済産業省48件、国土交通省34件。
- 確定済みは防衛特別所得税(令和9年1月施行)とひとり親控除38万円(令和9年分以後)。
- 廃止要望もある。結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置は金融庁などが廃止を要望。
- 決着は12月の大綱、2月の法案提出、3月末の成立という順。
206件17府省庁の要望事項の延べ件数
48件最多は経済産業省。国交省34件が続く
2,630億円防衛特別所得税の令和9年度の増収見込額
令和9年度税制改正はどうなる?2026年9月6日時点で確定していること
結論から言うと、令和9年度税制改正の内容は2026年9月6日時点で未確定で、方向が固まるのは12月の税制改正の大綱、法的に確定するのは翌2027年3月末の法律成立です。一方で、令和8年度税制改正(令和7年12月26日閣議決定・令和8年3月31日成立)によって、防衛特別所得税の課税期間が令和9年以後とされたことと、ひとり親控除の所得税の控除額38万円が令和9年分以後の所得税に適用されることは、すでに確定しています。
つまり「令和9年の税負担」は二階建てです。1階が令和8年度改正で確定済みの部分、2階がこれから12月に決まる部分。先読み記事を読むときは、この2つが混ざっていないかを毎回確認してください。補助金側の先読みは令和9年度概算要求で補助金はどうなるかにまとめています。自社が使える制度を先に洗い出したい場合は、補助金・給付金の診断ツールで条件を入れて候補を絞り込むところから始めると早いです。
なぜ8月末に情報が出るのかというと、各府省庁は翌年度の予算の概算要求と同じ時期に、税制についての要望を財務省へ提出する運用になっているからです。財務省はこれを府省庁ごとのページにまとめて公開します。令和9年度分については、財務省の「令和9年度」のページに「令和9年度税制改正要望 HTML ※令和8年8月31日時点での税制改正要望となります。」と明記されています。つまり公開されている一覧は、8月31日という締切時点のスナップショットです。ここから秋の審議で削られ、12月の大綱で残ったものだけが法案になります。要望の件数がそのまま改正の件数になるわけではありません。
「令和9年度税制改正で〇〇が決まった」という表現は2026年9月6日時点では誤り
財務省が公表しているのは要望であり、決定ではありません。要望は12月の大綱までに削られ、金額も要件も変わります。本記事の表では、1行ごとに「確定/大綱待ち/要望のみ」の状態と根拠資料を明記しています。判断に迷ったら、その行の根拠資料の欄を見てください。「令和8年度税制改正の大綱」または「所得税法等の一部を改正する法律」と書かれていれば確定済み、「令和9年度税制改正要望」と書かれていれば要望段階です。この2つを取り違えたまま社内で共有すると、12月に説明をやり直すことになります。
税制改正への対応を毎年の手作業にしないなら:クラウド会計という選択肢
令和8年度改正だけでも、給与所得の源泉徴収税額表の改正が令和9年1月1日以後に支払う給与から適用され、インボイスの経過措置の控除割合は令和8年10月と令和10年10月に切り替わります。改正のたびに税額表や計算式を手当てする作業は、人手の少ない会社ほど後回しになりがちです。クラウド会計は制度改正のアップデートがソフト側に入るため、追いかける手間を減らせます。
- 向く人:従業員10名前後までで経理が兼務、表計算ソフトや古い会計ソフトで記帳・給与計算をしている個人事業主・中小企業
- 向かない人:顧問税理士が会計ソフトごと運用を巻き取っている会社、独自の基幹システムと連携済みで乗り換えコストが大きい会社
- 便益:税率・控除額・様式の改正がソフト側に反映されるため、自分で設定を直す作業と、設定漏れによる計算誤りを減らせる
省庁別の令和9年度税制改正要望を独自集計した(17府省庁・206件)
財務省の令和9年度税制改正要望のページには、府省庁ごとに要望事項が番号付きで並んでいます。2026年9月6日に各府省庁のページを取得し、「改正要望事項」表の番号付き行と「既存租特の見直し事項」表の番号付き行をそれぞれ数えた結果が次の表です。数え漏れがないことは、各府省庁の件数がその府省庁の最終番号と一致することで確認しています。制度改定の全体像は2026年10月から変わる制度の総まとめ、控除額の改正が申告書のどの欄に効くかは基礎控除申告書の書き方と104万円判定もあわせてご覧ください。
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| 府省庁 | 要望事項 | 見直し事項 | 合計 | 代表的な要望項目 |
|---|---|---|---|---|
| 経済産業省 | 48 | 1 | 49 | 中小企業向け賃上げ促進税制の拡充及び延長、中小企業者等の法人税率の特例の延長等、事業承継税制の抜本見直し |
| 国土交通省 | 34 | 1 | 35 | 住宅用家屋の所有権の保存登記等に係る特例措置の拡充及び延長等、自動車関係諸税の課税のあり方の検討 |
| 厚生労働省 | 21 | 0 | 21 | 医療提供体制の確保に資する設備の特別償却制度の延長等、雇用保険制度等の見直しに伴う税制上の所要の措置 |
| 金融庁 | 20 | 1 | 21 | NISAの利便性向上等、金融所得課税の一体化、死亡保険金の相続税非課税限度額の引上げ |
| 農林水産省 | 19 | 3 | 22 | 農業経営基盤強化準備金及び農用地等を取得した場合の課税の特例の延長等 |
| 内閣府 | 15 | 0 | 15 | 沖縄関係の課税の特例措置の延長(9件)、公益法人のみなし寄附金に係る損金算入限度額の算出方法の見直し |
| 総務省 | 13 | 1 | 14 | 過疎地域における事業用設備等に係る割増償却の延長、一元的なコンテンツ支援体制の整備に伴う措置 |
| 環境省 | 8 | 0 | 8 | 税制全体のグリーン化の推進、車体課税のグリーン化 |
| こども家庭庁 | 6 | 1 | 7 | 「こどもとともに成長する企業」への税制上の所要の措置、家事支援サービスやベビーシッター等の利用に要する費用に係る措置 |
| 文部科学省 | 6 | 0 | 6 | デジタルな形態を含む教科書の導入に伴う教科書に係る非課税措置の拡充 |
| 法務省 | 5 | 0 | 5 | 所有者不明土地・建物問題の解決のための登録免許税の特例、民法の改正(遺言制度の見直し)に伴う措置 |
| 財務省 | 4 | 0 | 4 | 健康保険法等の改正に伴う措置、次期医療保険制度改革に伴う措置、国債に関する税制の検討 |
| 警察庁 | 2 | 0 | 2 | 犯罪被害給付制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 |
| 防衛省 | 2 | 0 | 2 | 防衛産業の基盤強化のための諸施策に伴う税制上の措置 |
| 復興庁 | 1 | 0 | 1 | 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置等に係る所要の措置 |
| 内閣官房 | 1 | 0 | 1 | 第1次国土強靱化実施中期計画等を踏まえた財源確保方策の検討 |
| 個人情報保護委員会 | 1 | 0 | 1 | 改正個人情報保護法における課徴金制度の導入に伴う所要の措置 |
| 合計(17府省庁) | 206 | 8 | 214 | — |
集計の注記:対象は財務省「令和9年度税制改正要望」の各府省庁ページ(財務省 令和9年度税制改正要望)に掲載された番号付きの項目です。取得日は2026年9月6日で、財務省は親ページに「令和9年度税制改正要望 HTML ※令和8年8月31日時点での税制改正要望となります。」と記載しています。206件は延べ件数で、共同要望は関係する府省庁それぞれのページに載るため重複します。項目名で名寄せすると125項目まで減り、うち35項目が2府省庁以上の共同要望でした(名寄せの基準の取り方によってはさらに少なくなります)。
集計基準について。本記事の206件は各府省庁の要望ページ(17府省庁)を集計した数です。財務省が同時に公開している「要望事項一覧表(全府省庁版)」のPDFを数えると207件になり、1件ずれます。差は警察庁で、一覧表PDFでは3件、警察庁の要望ページでは2件です。どちらが誤りということではなく、集計の母体が違うだけなので、本記事では両方の数字と基準を示します。
この数え方が正しいことは、前年度で検算しました。まったく同じ手順を令和8年度税制改正要望の各府省庁ページに当てると、要望事項215件・見直し事項23件になります。財務省が公表している「令和8年度税制改正要望の状況について」(各府省庁から提出された要望(8月29日付)の単純集計)に記載された要望項目数215、廃止・縮減項目数23と完全に一致しました。同PDFには「各府省庁の項目数には重複しているものも含んでいる。」との注記もあり、延べ件数で数える本記事の方法と同じ考え方です。なお令和9年度については、2026年9月6日時点で同種の単純集計PDFは公表されていません。
前年度との比較:要望は微減、「廃止・縮減」は3分の1に
令和8年度は18府省庁(外務省を含む)から要望215件・廃止縮減23件でした。令和9年度は17府省庁から要望206件・見直し8件で、外務省の要望ページはありません。件数の総量はほぼ横ばいですが、既存の租税特別措置を削る方向の項目が23件から8件へ大きく減っています。負担増側の玉が少ない年だと読めますが、これも12月の大綱で追加されうる点には注意が必要です。
最も多くの府省庁が関わる要望は「第1次国土強靱化実施中期計画等を踏まえた財源確保方策の検討」です。要望書の注記では関係府省庁を14府省庁(内閣官房、内閣府、警察庁、こども家庭庁、総務省、法務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省)と挙げていますが、令和9年度の要望ページに実際にこの項目を掲載しているのは12府省庁です。外務省は令和9年度の要望ページ自体がなく、警察庁のページにはこの項目がありません。
「省庁別の件数」を影響の大きさと読み替えない
経済産業省の48件には、沖縄関係の課税特例の延長のように対象が限られる項目も多数含まれます。件数は要望の「幅」を示すだけで、減収見込額や適用対象の広さとは別の軸です。
令和9年の制度変更を先読みするための関連記事
税制と補助金・給付は同じ時間割で動きます。概算要求と税制改正要望はどちらも8月末が節目で、12月に予算案と大綱がほぼ同時に固まる構造です。次の記事を先に押さえると、このあとの分岐表が読みやすくなります。
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
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確定・大綱待ち・要望のみ——3つの状態で読む分岐表
令和9年の税負担に効く項目を、状態別に整理しました。確定は令和8年3月31日に成立した法律で決まったもの、大綱待ちは令和8年度税制改正の大綱に「令和9年度税制改正において結論を得る」と明記されたもの(該当は軽油引取税の1件のみ)、要望のみは令和8年8月31日時点の要望に載っただけのものです。年末調整の実務側の変更点は年末調整2026の変更点に、給付付き税額控除の議論は給付付き税額控除はいつから始まるかにまとめています。
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| 項目 | 状態 | 令和9年への効き方 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 防衛特別所得税(仮称)の創設 | 確定 | 所得税額(基準所得税額)に1%の税率を乗じた付加税。課税期間は令和9年以後の当分の間 | 令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)六1/所得税法等の一部を改正する法律(令和8年3月31日成立) |
| 復興特別所得税の税率1%引下げ | 確定 | 防衛特別所得税の創設と同時に1%引下げ、課税期間は10年延長 | 同大綱六1/東日本大震災復興財源確保特別措置法の一部改正(令和8年3月31日成立) |
| ひとり親控除(所得税)38万円 | 確定 | 現行35万円から38万円へ。令和9年分以後の所得税に適用 | 令和8年度税制改正の大綱 一1(6) |
| 基礎控除の上乗せ特例(42万円) | 確定 | 合計所得655万円(令和10年分以後は132万円)以下が前提。そのうえで合計所得489万円以下は42万円、489万円超は5万円。令和8年分・令和9年分限りで、令和10年分以後は37万円 | 令和8年度税制改正の大綱 一1(4) |
| 給与所得控除の最低保障額の上乗せ特例 | 確定 | 本則69万円に加え令和8年・令和9年は5万円上乗せ。個人住民税は令和9年度分・令和10年度分 | 令和8年度税制改正の大綱 一1(5)/(地方税)1 |
| 源泉徴収税額表の改正の適用開始 | 確定 | 給与所得の源泉徴収税額表の改正は令和9年1月1日以後に支払うべき給与等から適用 | 令和8年度税制改正の大綱 一1(2)注 |
| インボイスの3割特例(個人事業者) | 確定 | 2割特例の終了後、納税額を売上税額の3割とできる措置を令和9年分・令和10年分の2年実施 | 令和8年度税制改正の大綱の概要(消費課税) |
| 賃上げ促進税制(従業員2,000人以下の法人向け) | 確定 | 常時使用する従業員2,000人以下の法人向けの措置は、適用期限(令和9年3月31日)の到来をもって廃止。全法人向けの措置は令和8年3月31日で廃止済み | 令和8年度税制改正の大綱 二法人課税(3)①② |
| 軽油引取税の廃止に伴う地方の安定財源確保 | 大綱待ち | 具体的方策を引き続き検討し「令和9年度税制改正において結論を得る」と大綱に明記 | 令和8年度税制改正の大綱(参考)地方税関係 注5 |
| 小規模企業等に係る税制のあり方 | 要望のみ | 給与所得控除などの「所得の種類に応じた控除」と「人的控除」のあり方を、所得税・法人税を通じて総合的に検討。結論を出す時期は書かれていない | 経済産業省 令和9年度税制改正要望9(令和8年度税制改正大綱の記述を引用) |
| 中小企業者等の法人税率の特例(15%) | 要望のみ | 年800万円以下の所得への軽減税率について、見直しの上で適用期限を2年間延長するよう要望 | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項25 |
| 中小企業向け賃上げ促進税制 | 要望のみ | 適用期間を3年間延長し、雇用者給与等支給額の増加要件を従業員一人平均給与等支給額の増加要件へ改めるよう要望 | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項10 |
| 生命保険料控除の23歳未満2万円上乗せ | 要望のみ | 令和8年・9年分限りの上乗せ措置の恒久化を要望(金融庁・厚生労働省・農林水産省・経済産業省の共同要望) | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項48 |
| 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置 | 要望のみ(廃止) | 金融庁とこども家庭庁が廃止を「既存租特の見直し事項」として要望 | 金融庁・こども家庭庁 令和9年度税制改正 見直し事項 |
| 国土強靱化の財源確保方策 | 要望のみ | 要望書が挙げる関係府省庁は14府省庁(令和9年度の要望ページに掲載があるのは12府省庁)。財源確保方策の具体的な検討を開始する | 各府省庁 令和9年度税制改正要望(経済産業省44ほか) |
あなたの事業・世帯に関係する要望はどれか(判定ツール)
該当するものを選ぶと、令和9年度税制改正要望のうち自分の来期に効きうる項目が絞り込まれます。あくまで2026年9月6日時点の要望に基づく判定で、決定は12月の大綱です。「いずれかに該当」で判定するため、すべてにチェックが付く必要はありません。
該当が多かった方は、税制だけでなく補助金側も同時に動きます。補助金・給付金の診断ツールで、いま申請できる制度を先に押さえておくと、12月の大綱が出たときの動き出しが早くなります。教育費まわりが気になる場合は多子世帯の大学無償化と高校授業料無償化の全国状況、寄附の手続きへの影響が気になる場合はふるさと納税ワンストップ特例の書き方もあわせてご覧ください。
問質問
要望に載っていれば、だいたい通るものなんですか?
解解説
いいえ。要望は各府省庁の「お願い」で、12月の大綱までに削られたり要件が変わったりします。令和8年度でいえば、賃上げ促進税制は大綱の文言どおり「全法人向けの措置」を令和8年3月31日で廃止、従業員2,000人以下の法人向けの措置も令和9年3月31日の適用期限で廃止という形で決着しました。要望の文言をそのまま「決まったこと」として社内資料に書くのが、この時期で一番多い失敗です。
12月の大綱までに何が起きるか(決定スケジュール)
年度の税制改正は毎年ほぼ同じ時間割で進みます。令和8年度と令和7年度の実際の日付を並べると、令和9年度の見通しが立てやすくなります。下表の日付は財務省の公表資料で確認できた実績日で、令和9年度の欄は例年どおり進んだ場合の見込みです。
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| 段階 | 何が起きるか | 令和8年度の実績 | 令和7年度の実績 | 令和9年度(見込み) |
|---|---|---|---|---|
| 8月末 | 各府省庁が税制改正要望を提出し、財務省が公表 | 令和7年8月末 | 令和6年8月末 | 令和8年8月31日時点の要望として公表済み |
| 秋 | 政府税制調査会などで審議 | 令和7年11月12日・13日に専門家会合 | 令和6年11月8日から19日に会合 | 令和8年9月1日に専門家会合を開催済み |
| 12月中旬 | 与党(自由民主党・公明党)が「税制改正大綱」を決定 | 令和7年12月19日 | 令和6年12月20日 | 2026年12月中旬の見込み |
| 12月下旬 | 政府が「税制改正の大綱」を閣議決定 | 令和7年12月26日 | 令和6年12月27日 | 2026年12月下旬の見込み |
| 2月 | 「所得税法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し国会提出 | 令和8年2月20日 | 令和7年2月4日 | 2027年2月の見込み |
| 3月末 | 法律が可決・成立し公布 | 令和8年3月31日 | 令和7年3月31日 | 2027年3月末の見込み |
| 4月1日 | 施行(別段の定めがあるものを除く) | 令和8年4月1日 | 令和7年4月1日 | 2027年4月1日の見込み |
出典は財務省「税制改正の解説」の「令和8年度税制改正の経緯」「令和7年度税制改正の経緯」、財務省「税制をめぐる最近の動き」の令和6年分・令和7年分・令和8年分、財務省「第221回国会における財務省関連法律」です。先に決まるのは与党の大綱で、政府の閣議決定はその1週間ほど後という順序も、財務省の解説に「令和7年12月19日に「令和8年度税制改正大綱」が与党にて決定され、同年12月26日に「令和8年度税制改正の大綱」が閣議決定されました」と明記されています。実績を見ると、大綱の閣議決定から法律成立まで約3か月あります。この間に細部が変わるため、社内の予算組みでは「大綱の内容がそのまま確定」と扱わず、3月末の成立まで幅を持たせるのが安全です。給与計算まわりの申告書の書き方は基礎控除申告書の書き方と104万円判定で確認できます。
要望の公表から法律成立まで、残りは約7か月
令和9年度要望の時点(令和8年8月31日)から、例年どおりなら法律成立は2027年3月末です。設備投資や採用の意思決定を12月の大綱まで待つか、確定済みの制度で先に動くかは、この7か月をどう使うかの選択になります。
防衛財源の税制措置は令和9年度にいくら増収するのか
令和9年に確定で効く負担の変化として、金額が最も大きいのが防衛力強化の財源確保措置です。令和8年度税制改正の大綱の別掲に、年度別の増収見込額が載っています。防衛特別所得税は令和9年1月施行のため、令和9年度に一気に立ち上がります。
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| 項目 | 令和8年度 | 令和9年度 | 平年度 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|---|
| 防衛特別法人税の創設(令和8年4月施行) | 5,760億円 | 9,230億円 | 8,690億円 | 令和8年度税制改正の大綱【別掲】 |
| たばこ税の見直し(令和8年4月施行) | 440億円 | 1,160億円 | 2,120億円 | 同上 |
| 防衛特別所得税(仮称)の創設(令和9年1月施行) | 380億円 | 2,630億円 | 2,560億円 | 同上 |
| 合計 | 6,580億円 | 13,020億円 | 13,370億円 | 同上(10億円未満は四捨五入) |
同じ別掲の注記には「復興特別所得税の税率引下げによる特別会計分の減収見込額は、平年度▲2,560億円程度、初年度▲380億円程度。」とあります。防衛特別所得税の増収見込額と復興特別所得税の減収見込額がほぼ同額で、家計の手取りベースでは相殺される設計だということが、この2つの数字から読み取れます。ただし相殺されるのは所得税の負担額であって、源泉徴収の事務は令和9年1月から確実に変わります。
中小企業に効く要望はどこか(経済産業省・中小企業庁の主要4件)
48件の要望のうち、中小企業の来期の資金繰りに直結するのは次の4件です。いずれも2026年9月6日時点では要望のみで、決定は12月の大綱です。減収見込額は要望書に記載された数値をそのまま転記しています。
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| 要望項目 | 要望の内容 | 減収見込額の記載 | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 中小企業者等の法人税率の特例の延長等(要望25) | 年800万円以下の所得に適用される軽減税率(本則19%・租税特別措置15%)を、見直しの上で適用期限を2年間延長 | 平年度の減収見込額は「精査中」。制度自体の減収額は▲188,500百万円 | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項25 |
| 中小企業向け賃上げ促進税制の拡充及び延長(要望10) | 適用期間を3年間延長。増加要件を「雇用者給与等支給額」から「従業員一人平均給与等支給額」へ改める | 平年度の減収見込額は「精査中」 | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項10 |
| 中小企業経営強化税制の拡充等(要望34) | 経営規模拡大設備の適用要件の柔軟化等を行い、各類型の活用実績を踏まえた見直しの上で適用期限を2年間延長 | 要望書に記載あり(本記事では確定値でないため転記しない) | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項34 |
| 生命保険料控除制度の拡充の恒久化等(要望48) | 令和8年・9年分の所得税で講じられた、23歳未満の扶養親族がある場合の一般生命保険料控除枠の2万円上乗せ措置を恒久化 | 平年度の減収見込額は「精査中」 | 経済産業省 令和9年度税制改正要望事項48 |
「精査中」という記載が並ぶことに意味があります。8月末時点では要望する側も金額を固めていないということで、この段階の数字を根拠に投資額を決めるのは危険です。扶養の判定が変わる点は扶養控除等申告書の書き方にまとめました。
問質問
中小企業の法人税15%は、延長されないと19%に戻るということですか?
解解説
要望が通らなければ本則の19%に戻る、というのが制度の建て付けです。ただし経済産業省の要望書自体が「適用期限を2年間延長する」と書いているとおり、これは期限付きの租税特別措置です。大事なのは、延長される前提で資金繰りを組まないことと、12月の大綱を見るまで決算期の変更のような大きな判断を確定させないことの2点です。
先読みでよくある失敗と落とし穴——ここを間違えると判断を誤る
この時期の税制改正情報は、要望と決定が混ざりやすく、社内資料や取引先への説明で差し戻しが起きやすいところです。実際に起きやすい落とし穴を挙げます。
- 要望を決定として書いてしまう:財務省が公表しているのは令和8年8月31日時点の要望です。「令和9年度から〇〇になります」と書くと、12月の大綱で削られた瞬間に全面差し戻しになります。「〜が要望されている(決定は12月の大綱)」と書き分けてください。
- 令和8年度分と令和9年度分を混ぜる:基礎控除の上乗せ42万円は令和8年分・令和9年分の2年限りで、令和10年分以後は37万円です。年分の表記を一項目ずつ確認しないと、翌々年の手取り試算が丸ごとずれます。
- 「省庁別の件数が多い=影響が大きい」と読む:経済産業省の48件には沖縄関係の課税特例のように対象が限定的な項目が多数含まれます。件数と影響度は別の軸です。
- 共同要望の重複に気づかない:206件は延べ件数で、名寄せすると125項目です。「200件超が要望された」と「200種類の改正が検討されている」は意味が違います。この取り違えは、公開情報の要約でよく見る失敗です。
- 減収見込額の「精査中」を0円と読む:要望書の多くは平年度の減収見込額を「精査中」としています。数字が入っていないことと、影響がないことは別です。
- 「廃止」の要望を見落とす:見直し事項8件には、結婚・子育て資金の一括贈与の贈与税非課税措置の廃止など、負担が増える方向の要望が含まれます。拡充要望だけを追うと注意点を取りこぼします。
見落としやすい注意点:地方税は国税と適用時期がずれる
給与所得控除の最低保障額の5万円上乗せは、所得税では令和8年分・令和9年分ですが、個人住民税では令和9年度分・令和10年度分です。年ベースと年度ベースが混在するため、社内の給与計算資料では「所得税は〇年分/住民税は〇年度分」と併記してください。
12月の大綱までに何を準備するか
要望段階でできることは限られますが、確定済みの部分に手を打っておくと大綱後の動きが速くなります。
- 令和8年度改正ですでに確定している項目(防衛特別所得税、源泉徴収税額表の改正、基礎控除の上乗せ、インボイスの3割特例)を一覧にし、令和9年1月からの給与計算・記帳に反映する準備を始める。
- 自社に関係しそうな要望項目に印を付ける。上の判定ツールで該当した項目を、12月の大綱で真っ先に確認する監視リストにする。
- 設備投資や事業承継の意思決定は、確定済みの現行制度で成立するかを先に検証する。要望どおりの拡充を前提にした計画は組まない。
- 12月の大綱が出たら、要望との差分を取る。削られた項目・要件が変わった項目を洗い出し、社内資料を差し替える。
- 3月末の法律成立まで、金額と適用開始時期は暫定扱いにしておく。政令・省令はさらに後から出ます。
令和8年度の確定内容と令和9年度の要望はどう違うか
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 観点 | 令和8年度税制改正(確定) | 令和9年度税制改正(要望段階) |
|---|---|---|
| 法的な状態 | 令和8年3月31日に法律が成立・公布済み | 2026年9月6日時点で未確定。12月の大綱で方向が決まる |
| 公表資料 | 税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)と成立した法律 | 各府省庁の税制改正要望(令和8年8月31日時点) |
| 個人所得課税 | 基礎控除4万円引上げ、給与所得控除の最低保障額65万円から69万円へ、ひとり親控除38万円(令和9年分以後) | 生命保険料控除の23歳未満2万円上乗せの恒久化、金融所得課税の一体化などが要望されている |
| 法人課税 | 賃上げ促進税制の全法人向けの措置を令和8年3月31日で廃止(従業員2,000人以下の法人向けも令和9年3月31日で廃止)、研究開発税制の戦略技術領域型の創設、大胆な設備投資の促進に向けた税制措置の創設 | 中小企業向け賃上げ促進税制の3年延長、中小法人の軽減税率15%の2年延長などが要望されている |
| 消費課税・その他 | インボイス経過措置の見直し、国際観光旅客税を1回1,000円から3,000円へ、自動車税等の環境性能割の廃止 | 車体課税の抜本見直し、原料用石油製品等の非課税化などが要望されている |
| 使い方 | 令和9年1月からの実務にそのまま反映してよい | 監視リストに入れるだけ。計画の前提にはしない |
令和9年度税制改正について読者から多い5つの疑問
Q1.令和9年度税制改正の内容はいつ分かりますか
方向が固まるのは12月の税制改正の大綱です。令和8年度は令和7年12月26日、令和7年度は令和6年12月27日に閣議決定されました。法的に確定するのは翌年3月末の法律成立で、令和8年度・令和7年度とも3月31日に可決・成立しています。
Q2.財務省が公表している要望は、どの時点のものですか
財務省の令和9年度のページには「令和9年度税制改正要望 HTML ※令和8年8月31日時点での税制改正要望となります。」と記載されています。2026年9月6日時点で17府省庁分が掲載されており、本記事の集計では要望事項206件・既存租特の見直し事項8件でした。
Q3.令和9年から確実に負担が変わるものはありますか
あります。防衛特別所得税は基準所得税額に1%の税率を乗じた付加税で、課税期間は令和9年以後の当分の間と大綱に定められ、令和8年3月31日に法律が成立しています。同時に復興特別所得税の税率が1%引き下げられるため、大綱の別掲では増収見込額(令和9年度2,630億円)と特別会計分の減収見込額(初年度▲380億円程度、平年度▲2,560億円程度)がほぼ見合う形で示されています。
Q4.中小企業の法人税15%は令和9年度も続きますか
2026年9月6日時点では未定です。経済産業省が「中小企業者等の法人税率の特例の延長等」として、見直しの上で適用期限を2年間延長するよう要望している段階で、決定は12月の大綱です。要望書には制度自体の減収額として▲188,500百万円が記載されています。
Q5.税負担が増える方向の要望もあるのですか
あります。要望には「新設・拡充・延長」だけでなく「既存租特の見直し」もあり、2026年9月6日時点で8件が掲載されています。たとえば結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置は、金融庁とこども家庭庁が廃止を要望しています。関係府省庁を14府省庁とする国土強靱化の財源確保方策の検討(令和9年度の要望ページに掲載があるのは12府省庁)も、負担側の議論につながる項目です。
大綱が出たあとに何をするか
12月の大綱が公表されたら、本記事の分岐表の「要望のみ」の行を1件ずつ確認し、確定・見送り・修正のどれになったかを埋めてください。そのうえで、令和9年1月からの給与計算と記帳に反映します。制度側の動きを追うなら、地域の制度一覧もあわせて確認しておくと、税制と補助金の両輪で判断できます。
出典
- 財務省「令和9年度税制改正要望」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/request/index.html(2026年9月6日取得。本記事の府省庁別集計の対象)
- 財務省「令和9年度」(税制改正の概要) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/index.html(「令和8年8月31日時点での税制改正要望となります。」の記載)
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.htm
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」本文(令和7年12月26日閣議決定) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf PDF
- 財務省「第221回国会における財務省関連法律」 https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/221diet/index.html(所得税法等の一部を改正する法律の提出日・成立日・公布日)
- 財務省「所得税法等の一部を改正する法律案」について(令和8年2月) https://www.mof.go.jp/about_mof/bills/221diet/st080220g.pdf PDF
- 財務省「税制をめぐる最近の動き(令和8年1月~)」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/trend/sy013f.html
- 財務省「税制をめぐる最近の動き(令和7年1月~12月)」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/trend/sy013e.html
- 財務省「税制をめぐる最近の動き(令和6年1月~12月)」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/trend/sy013d.html(令和6年12月27日の閣議決定・同年11月の会合の根拠)
- 財務省「税制改正の解説」令和8年度税制改正について(経緯) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/explanation/PDF/p0003-0010.pdf PDF(与党大綱=令和7年12月19日の根拠)
- 財務省「税制改正の解説」令和7年度税制改正について(経緯) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2025/explanation/PDF/p0003-0010.pdf PDF(与党大綱=令和6年12月20日の根拠)
- 財務省「令和8年度税制改正要望の状況について」(8月29日付の単純集計) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/request/fy2026request_total.pdf PDF(本記事の集計手順の検算に使用)
- 財務省「令和9年度税制改正要望 要望事項一覧表(全府省庁版)」 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/request/09y_all.pdf PDF(一覧表ベースでは207件)
- 経済産業省の令和9年度税制改正要望(財務省サイト掲載分) https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/request/meti/index.html
- 「中小企業者等の法人税率の特例の延長等」要望書 https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2027/request/meti/09y_meti_k_25.pdf PDF
本記事にはプロモーションを含みます。
最終更新:2026年9月6日/令和8年度税制改正は令和7年12月26日に大綱を閣議決定、令和8年3月31日に法律が成立・公布、令和8年4月1日施行(別段の定めがあるものを除く)
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|---|---|
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SUMMARY
この記事の要点
- 確認主体:財務省
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編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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本記事は公表資料の確認結果を整理したものです。新制度の決定を示すものではないため、最新の一次情報をご確認ください。




