定年退職の失業保険は再雇用で月給24万円に下がると日額5,248円
まず確認すること
- 対象
60歳以上65歳未満で定年・再雇用の期限などで離職し、受給資格が決まった人(受給期間は離職日の翌日から原則1年。
定年等は申出で最長1年延長)
- 手続き
申請方法:窓口申請
実施機関:厚生労働省(ハローワーク)
- 受付の状況
募集中
公募要領・公式情報をご確認ください
手当の基礎データ 申請期間・実施機関・申請方法・公式案内 — 対象と金額は上の「まず確認すること」を参照
60歳以上65歳未満で定年・再雇用の期限などで離職し、受給資格が決まった人(受給期間は離…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 60歳以上65歳未満で定年・再雇用の期限などで離職し、受…
- 支給額
- —
- 申請期間
- 通年募集(受付期間は公式ページで確認)
- 実施機関
- 厚生労働省(ハローワーク)
- 申請方法
- 窓口申請
詳細解説
本記事にはプロモーションを含みます。
この記事の対象は、60〜64歳で定年や再雇用の契約期間の満了により離職した人です。雇用保険の基本手当(失業保険)を、求職の申込みから7日の待期が過ぎたあとに受け取れます。定年や契約期間の満了には、自己都合のような給付制限がありません。被保険者であった期間が20年以上なら150日分で、1日の額(基本手当日額)は離職前6か月の賃金で決まり、60歳の定年時の賃金ではありません。月給40万円で60歳の定年を迎えた人は日額5,999円・150日分で899,850円、再雇用で月給24万円に下がってから離職した人は日額5,248円・787,200円です(令和8年8月1日からの額)。
| 項目 | 60〜64歳で定年・契約期間の満了により離職した人 |
|---|---|
| 対象 | 離職日に60歳以上65歳未満で、受給資格が決まった人 |
| 金額 | 賃金日額の45〜80%が日額、上限は7,830円(月給約52.2万円以上)。20年以上加入なら150日分 |
| 待期・給付制限 | 待期7日、給付制限なし |
| 期限 | 離職日の翌日から1年まで(すぐに求職しないなら、離職日の翌日から2か月以内の申出で最長1年延長) |
65歳以上で離職すると基本手当ではなく一時金の高年齢求職者給付金になります。全年齢の日額と日数の一覧は失業保険(雇用保険の基本手当)いくら・いつから?にあります。
失業保険の受給期間は翌日から1年待期・給付制限・受給期間の日付の数え方
受給期間延長等申請書の記入例定年後すぐに働かないときの申請書の書き方
離職票2の書き方定年・契約期間の満了などの離職理由欄
定年退職の失業保険は、月給からいくらになる?
離職前6か月の月給が30万円の人は、賃金日額が10,000円で、基本手当日額は5,348円です。20年以上加入の150日分なら802,200円になります。日額は、賃金日額に60〜64歳では45〜80%の給付率を掛けて決まります。賃金日額は、離職前6か月に毎月きまって支払われた賃金の合計を180で割った額で、賞与は入りません。
再雇用で賃金が下がった人は、定年時の月給ではなく、下がったあとの6か月の月給を入れます。次の道具は、2つの月給を入れると、離職前の月給での日額と総額、定年時の月給のまま離職した場合との差が出ます。
60歳の定年と、再雇用で賃金が下がってから辞めた場合の差は、月給4割減でも日額約13%減
同じ人が月給40万円のまま60歳で定年を迎えて離職するか、再雇用で月給24万円に下がってから離職するかで、日額は5,999円と5,248円、150日分の総額は899,850円と787,200円になり、差は112,650円です。月給は4割下がっても、日額は751円(約13%)しか下がりません。
次の表の前提は、被保険者であった期間が20年以上で所定給付日数が150日、定年か再雇用の契約期間の満了で離職し、離職後は失業の状態が続くことです。賃金日額は月給を30で割って1円未満を切り捨て、日額は令和8年8月1日からの60〜64歳の式で出しています。
対象者・対象事業
対象地域(全国)
- 目的
- 人材育成・雇用
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 60歳以上65歳未満で定年・再雇用の期限などで離職し、受給資格が決まった人(受給期間は離職日の翌日から原則1年。定年等は申出で最長1年延長)
- 支給額
- —
- 申請の手間
- 中級(5段階中2)
詳細条件・対象自治体は公募要領をご確認ください。
| ケース | 離職前6か月の月給 | 賃金日額 | 基本手当日額 | 日額が決まる式(w=賃金日額) | 150日分の総額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 60歳の定年で離職 | 40万円 | 13,333円 | 5,999円 | 0.45w | 899,850円 |
| 再雇用で月給30万円になって離職 | 30万円 | 10,000円 | 5,348円 | 0.05w+4,848円 | 802,200円 |
| 再雇用で月給24万円になって63歳で離職 | 24万円 | 8,000円 | 5,248円 | 0.05w+4,848円 | 787,200円 |
| 再雇用で月給20万円になって64歳で離職 | 20万円 | 6,666円 | 4,916円 | 0.8w-0.35{(w-5,480)/(12,120-5,480)}w | 737,400円 |
60歳の坂本さん(架空の例)は、月給40万円のまま定年を迎えて離職しました。賃金日額は13,333円で、12,120円を超えるので、日額は賃金日額の45%の5,999円になります。150日分は899,850円です。
63歳の松井さん(架空の例)は、60歳の定年後に再雇用で働き、月給が24万円まで下がったところで契約期間が満了して離職しました。賃金日額は8,000円で、日額は0.05×8,000円+4,848円の5,248円、150日分は787,200円です。坂本さんと比べて月給は16万円低いのに、日額は751円、総額は112,650円しか違いません。
64歳の橋本さん(架空の例)は、再雇用で月給が20万円まで下がってから契約期間が満了しました。月給は坂本さんの半分ですが、賃金日額6,666円から出る日額は4,916円で、坂本さんより1,083円(約18%)低いだけです。150日分は737,400円で、総額の差は162,450円です。
月給の下がり方より日額の下がり方が小さいのは、賃金日額が低いほど給付率が高い(60〜64歳は45〜80%)ためです。高年齢雇用継続給付(令和7年4月1日以降に60歳になった人は、賃金が60歳時点の64%以下に下がった月にその月の賃金の10%相当額。令和7年3月31日以前に60歳になった人は61%以下で15%相当額)は再雇用中の別の制度で、基本手当の日額の計算には入りません。受給資格の条件(離職前2年に被保険者期間が通算12か月以上)は失業保険の受給資格は離職前2年に12か月で調べられます。
公式資料で読み違えやすい点
- 厚生労働省の資料(令和8年8月1日からの60〜64歳の式)は、賃金日額5,480円以上12,120円以下の人を「y = 0.8w-0.35{(w-5480)/(12120-5480)}w」と「y = 0.05w+(12120×0.4)」の「いずれか低い方の額」で出す表になっています。賃金日額が7,589円から12,120円まで(月給にして約22.8万円〜36.4万円)は、後者の0.05w+4,848円の方が低く、この式で決まります。この帯では賃金日額が1円下がっても日額は0.05円しか下がらないので、表の月給30万円(日額5,348円)と24万円(日額5,248円)は、賃金日額で2,000円差でも日額は100円差です。賃金日額5,480円から7,588円までは前者の式です。
- 受給期間の延長は、60歳の定年だけが対象ではありません。雇用保険法施行規則第31条の2第2項の延長の理由は、「六十歳以上の定年に達した後再雇用等により一定期限まで引き続き雇用されることとなつている場合に、当該期限が到来したこと」です。再雇用の契約期間が満了して辞めた人も、定年と同じように延長を申し出られます。
- 「失業給付をもらうと年金が全額止まる」は、65歳になるまでの老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含みます)を受け取っている人の話です。2026年に60〜64歳の男性は昭和36年4月2日以降の生まれで、特別支給の老齢厚生年金はありませんが、老齢厚生年金を65歳前に繰り上げて受け取っている場合は止まります。女性は昭和41年4月1日以前の生まれなら対象で、昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日生まれは63歳から、昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日生まれは64歳から受け取れます。
定年退職の失業保険は、いつから受け取れる?給付制限はある?
定年や再雇用の契約期間の満了で離職した人に給付制限はなく、求職の申込みをして受給資格が決まってから、失業している日が7日たつと支給の対象になります。日付は、離職票を持ってハローワークで求職の申込みをした日から数えます。
2026年10月13日(火)に求職の申込みをして受給資格が決まった場合、待期は10月13日(火)から10月19日(月)の7日間です。給付制限がなければ、支給の対象は10月20日(火)からです。基本手当は原則として4週間に1度の失業の認定を受け、認定の日から通常5営業日で口座に振り込まれます。
同じ申込日でも、再雇用の契約の途中で正当な理由なく自分から辞めた場合は自己都合の扱いです。退職日が令和7年(2025年)4月1日以降なら給付制限は原則1か月で、10月20日(火)から11月19日(木)までが対象外になり、支給の対象は11月20日(金)からです。離職の理由は離職票2の離職理由欄に書かれ、ハローワークが受給資格を決めるときに判定します。書き方と、待期や受給期間の日付の数え方は、上のリンクカードの記事にあります。
認定のたびに出す書類は失業認定申告書、バイトはどう書く?で、離職票と一緒に渡る冊子の読み方は離職された皆様へ|47労働局の版を比較で見られます。
定年後すぐに働かないなら、受給期間は最長1年延ばせる
延ばせます。60歳以上で定年等により離職し、しばらく休養するなど、すぐには求職の申込みをしないことを希望するときは、その期間を申し出ると、原則の1年(離職日の翌日から)に最長1年を加えられます。申出は、離職の日の翌日から2か月以内に、受給期間延長等申請書に離職票を添えて出します。
離職日が2026年9月30日(水)なら、申出の期限は2026年11月30日(月)です(天災などやむを得ない理由があるときを除く)。離職票と一緒に渡るパンフレット(青森労働局の版)は、この期間を過ぎた申請は原則として承認できないと書いています。定年後にしばらく休養しようと思っているだけの間は、失業の状態にないので基本手当を受け取れません。受給期間の1年が過ぎれば、日数が残っていても受け取れなくなります。申請書の記入は、上の受給期間延長等申請書の記入例にあります。
失業保険をもらうと、定年後の年金は止まる?
特別支給の老齢厚生年金を受け取っている人は、止まります。日本年金機構のページには、「ハローワークで求職の申込みを行った日の属する月の翌月から失業給付の受給期間が経過した日の属する月(または所定給付日数を受け終わった日の属する月)まで、年金が全額支給停止されます。」と書かれています。
特別支給の老齢厚生年金は、男性が昭和36年4月1日以前、女性が昭和41年4月1日以前に生まれ、厚生年金保険または共済組合等の加入期間が1年以上ある人が、生年月日に応じた年齢から65歳になるまで受け取れます。共済組合等から支給される老齢厚生年金の受給開始年齢は、男性と同じになります。2026年に60〜64歳の男性は昭和36年4月2日以降の生まれなので特別支給の老齢厚生年金はありませんが、老齢厚生年金を65歳前に繰り上げて受け取っている場合は、同じように止まります。
昭和37年4月2日〜昭和39年4月1日生まれの女性は63歳から、昭和39年4月2日〜昭和41年4月1日生まれの女性は64歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。受け取れる年齢になってから求職の申込みをすると、年金が全額止まります。
65歳以上・自己都合・会社都合では、日数と給付制限が変わる
被保険者であった期間が20年以上の人で比べると、次のようになります。日額は、離職日に60〜64歳なら同じ式で、離職の理由では変わりません。変わるのは日数と給付制限です。
| 離職の理由 | 受け取るもの | 日数 | 基本手当の給付制限 |
|---|---|---|---|
| 60〜64歳で定年・契約期間の満了 | 基本手当 | 150日 | なし |
| 60〜64歳で正当な理由のない自己都合 | 基本手当 | 150日 | 退職日が令和7年4月1日以降なら原則1か月 |
| 60〜64歳で倒産・解雇などの特定受給資格者 | 基本手当 | 240日 | なし |
| 65歳以上で離職 | 高年齢求職者給付金(一時金) | 被保険者であった期間1年以上は50日分 | ―(基本手当ではない) |
再雇用の契約の更新を希望したのに会社が更新しなかった場合は、特定理由離職者(範囲1)に当たることがあり、離職日が2027年3月31日までなら日数が倒産・解雇などと同じ(60〜64歳・20年以上で240日)になります。あらかじめ決まっていた再雇用の期限が来て辞める場合は、定年と同じ一般の日数です。判断はハローワークが行います。
65歳の誕生日をまたぐ人は、離職日の年齢で給付の種類が決まります。64歳11か月での離職との比較は冒頭の高年齢求職者給付金の記事にあります。定年後に基本手当のほか使える給付がないかを調べたい人は、補助金・給付金の診断で条件から探せます。
最終更新:2026年10月13日(令和8年)
出典
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当日額の変更」(令和8年8月1日から)
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」
- e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」(第31条の2・第31条の3)
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
- 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」
- 日本年金機構「特別支給の老齢厚生年金」
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手当の概要
| 申請期間 | 通年募集(受付期間は公式ページで確認) 常時受付 / 要確認 |
|---|---|
| 実施機関 | 厚生労働省(ハローワーク) |
| 申請方法 | 窓口申請 公式申請ページへ (新しいタブで開きます) |
| 公式案内 |
この手当のまとめ
- 実施機関:厚生労働省(ハローワーク)
- 申請方法:窓口申請
編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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