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給与明細の見方2026|各控除欄の内訳と手取りが減る理由
制度解説 税金関連
この制度の基本情報
この記事は制度の解説です。申請の受付はこのページからはできません。
制度の基礎データ 公募期間・実施機関・申請方法・根拠資料 — 対象と金額は上の「この制度の基本情報」を参照
健康保険・厚生年金保険・雇用保険の被保険者である会社員・パート・アルバイト。給与明細の控…
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の被保険者である会社員・…
- 確認した過去制度の金額
- —
- 提出時期
- 提出先:全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村
- 確認主体
- 全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村
- 情報の確認方法
- 一次情報・公式発表を確認
- 必要書類
- 直近3か月分の給与明細、算定基礎届または月額変更届の…
- 確認主体:全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村
詳細解説
本記事にはプロモーションを含みます。
給与明細は「支給」「控除」「勤怠」の3ブロックでできています。このうち読者がつまずくのは、ほぼ控除欄です。控除欄に並ぶ健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て支援金・雇用保険料・所得税・住民税の7項目は、それぞれ別の機関が・別の根拠で・別のサイクルで決めています。会社が決めている数字は1つもありません。だから額面が1円も動いていないのに手取りだけが数千円落ちる、ということが普通に起こります。とくに9月・10月に支払われる給与は、会社が7月10日までに提出した算定基礎届の結果(定時決定)が反映される月で、1年で最も「今月から手取りが減った」という声が集中する時期です。この記事では、控除欄の7項目を誰が決めた数字か/どこを見れば検算できるかで並べ直し、さらに何月に何が変わるのかのカレンダーで原因を切り分けます。掲載した令和8年度の料率は、すべて協会けんぽ・日本年金機構・厚生労働省・国税庁・総務省の公式資料から取り、標準報酬月額30万円のケースで折半後の円単位まで検算しています。
給与明細の控除欄は、結局どこの誰が決めた数字なのか?
控除欄の金額を決めているのは会社ではなく、協会けんぽ(または健康保険組合)・日本年金機構・厚生労働省・国税庁・市区町村・こども家庭庁の6者です。会社がやっているのは、それぞれが公表した料率や税額表を自社の給与データに当てはめて天引きし、翌月に納付する事務だけです。
この記事の要点(先に結論)
- 控除欄の7項目は6つの別々の決定主体が決めている。健康保険・介護保険は協会けんぽ(都道府県別)、厚生年金は全国一律18.300%、雇用保険は厚生労働省の年度告示、所得税は国税庁の源泉徴収税額表、住民税は市区町村、子ども・子育て支援金はこども家庭庁。
- 9月分の社会保険料から定時決定が適用される。4〜6月の報酬の平均で決めた標準報酬月額が9月から翌年8月まで使われるため、9月または10月の給与で手取りが動く。
- 健康保険料率は令和8年度で東京都9.85%・新潟県9.21%・佐賀県10.55%。令和8年3月分(4月納付分)から適用。9.91%は令和7年度の旧率。
- 40歳の誕生日の「前日」が属する月から介護保険料1.62%が加わる。1日生まれの人は1か月早く始まる。
- 令和8年4月分(5月給与天引き)から子ども・子育て支援金0.23%が加わり、雇用保険料率(一般の事業・労働者負担)は5.5/1,000から5/1,000に下がった。
9.85%健康保険料率(東京都・令和8年度/労使折半前)
18.300%厚生年金保険料率(全国一律・平成29年9月分から固定)
5/1,000雇用保険料率の労働者負担(一般の事業・令和8年度)
給与明細とは、労働の対価として支払う賃金の内訳(支給額・控除額・差引支給額)を、賃金の支払の都度、労働者に書面等で知らせる書類です。ここで言う「控除」は、法令にもとづいて会社が天引きを義務づけられている法定控除と、労使協定にもとづく社宅費・財形貯蓄・組合費などの法定外控除に分かれます。本記事が扱うのは前者の法定控除で、後者は会社ごとに名称も金額も異なるため、社内規程や労使協定を確認するしかありません。控除欄に見慣れない項目があるときは、まず「これは法定控除か法定外控除か」を切り分けてください。法定控除は下の7つで全部です(子ども・子育て支援金は健康保険料に合算して表示されることもあります)。
なお、給与明細は「毎月」の記録、源泉徴収票は「1年分の精算結果」、住民税の決定通知書は「住民税額の内訳」という役割分担になっています。控除欄の年間合計や年末調整の結果を知りたいときは、給与明細ではなく源泉徴収票を見るのが早道です。自分が使える給付や助成がないかを確認したい人は、あわせて補助金・給付金の無料診断で条件を絞り込んでおくと、明細から拾った数字がそのまま申請要件の判定に使えます。
明細を見て「年末調整で出し忘れた」「副業分が残っている」と気づいたら
向く人:医療費控除やふるさと納税の申告漏れがある人、副業や業務委託の収入がある人、年の途中で退職して年末調整を受けていない人。控除欄の所得税が多すぎると感じたら、確定申告で取り戻せる可能性があります。
向かない人:1社だけの給与で年末調整が済んでおり、追加の控除も副業収入もない人。この場合は申告しても税額は変わりません。
弥生の確定申告ソフトは、源泉徴収票の金額欄と医療費の明細を入力していくだけで申告書の形に整えてくれるため、給与明細と源泉徴収票を突き合わせながら還付額を確かめられます。源泉徴収税額と実際に使える控除を並べて入力できるので、まず自分のケースで還付が出るかどうかを確かめてから本申告に進められます。料金プランや無料で試せる範囲は公式サイトの最新の案内を確認してください。
控除欄の各項目は、誰が決めて、どこを見れば検算できるのか
下の表は、控除欄に並ぶ7項目を「決めている主体」「計算式」「手元で検算するときに見る書類」で並べ直したものです。検算の起点になる書類は項目ごとに違うので、まず自分がどの書類を持っているかを確認してから読み進めてください。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 控除欄の項目 | 数字を決めている主体 | 計算式(令和8年度) | 手元での検算に使う書類・根拠 |
|---|---|---|---|
| 健康保険料 | 全国健康保険協会(協会けんぽ)または健康保険組合 | 標準報酬月額 × 都道府県ごとの料率 ÷ 2(労使折半)。東京都は9.85% | 協会けんぽ「令和8年度 都道府県毎の保険料率」と各支部の保険料額表 |
| 介護保険料 | 協会けんぽ(率は全国一律) | 標準報酬月額 × 1.62% ÷ 2。40歳から64歳までのみ | 同上。健康保険料率に1.62%を上乗せした率(東京都は11.47%)で示される |
| 厚生年金保険料 | 日本年金機構(率は法律で固定) | 標準報酬月額 × 18.300% ÷ 2。標準報酬月額の上限は第32等級65万円 | 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」。標準報酬月額は算定基礎届・月額変更届の決定通知で確認 |
| 雇用保険料 | 厚生労働省(年度ごとに告示) | その月の賃金総額 × 労働者負担分。一般の事業は5/1,000(0.5%) | 厚生労働省「雇用保険料率について」の令和8年度リーフレット |
| 所得税(源泉所得税) | 国税庁 | 社会保険料等を引いた後の金額と「扶養親族等の数」で源泉徴収税額表(月額表・甲欄)を引く | 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」。扶養親族等の数は扶養控除等申告書の記載で決まる |
| 住民税 | 1月1日時点の住所地の市区町村 | 前年の所得で算出した年税額を12で割った額(端数は6月分に加算)。6月から翌年5月までの12回で徴収 | 毎年5〜6月に届く住民税の決定(特別徴収税額)通知書。総務省「個人住民税」 |
| 子ども・子育て支援金 | こども家庭庁(医療保険者が徴収) | 標準報酬月額 × 0.23% ÷ 2。令和8年4月分(5月の給与天引き)から | こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」。協会けんぽの保険料額表にも欄がある |
この表で最も重要なのは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て支援金の4つが「標準報酬月額」を共通の土台にしているという点です。標準報酬月額とは、基本給に残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与を、あらかじめ決められた等級表に当てはめた金額のことです。健康保険は第1等級58,000円から第50等級1,390,000円まで、厚生年金は第1等級88,000円から第32等級650,000円までの32等級に分かれています。この土台が動くと、4項目が同時に動きます。これが「手取りが一気に数千円変わる」現象の正体です。
いっぽう雇用保険料だけは標準報酬月額ではなくその月に実際に支払われた賃金総額に料率を掛けるため、残業が増えた月は雇用保険料だけが単独で増えます。所得税も社会保険料を引いた後の課税対象額で決まるので毎月変動します。住民税は年税額を12等分した固定額なので、6月を除けば1年間ずっと同じ額です。「毎月変わる/年に1回だけ変わる/土台が動いたときだけ変わる」の3タイプがあると理解しておくと、原因の切り分けがかなり楽になります。
通勤手当は「非課税だから引かれない」ではない
通勤手当は一定額まで所得税が非課税ですが、社会保険料の計算では標準報酬月額に含まれます。所得税はかからないのに健康保険料・厚生年金保険料は上がる、という非対称が起きるのはこのためです。引っ越しで定期代が上がったのに給与明細の課税支給額が変わらず、社会保険料だけ増えていたら、この経路を疑ってください。
控除欄の所得税は、あくまで毎月の仮払いです。1年分の精算は年末調整で行われ、そこで基礎控除申告書や保険料控除申告書、住宅借入金等特別控除申告書に書いた控除が反映されます。年末調整では処理できない医療費控除やふるさと納税の申告分は確定申告に回ります。つまり毎月の控除欄の所得税が高く見えても、年末調整と確定申告まで通して初めて最終的な負担が決まります。
給与明細とあわせて確認したい制度と手続き
控除欄の項目は、そのまま別の届出書や給付制度につながっています。明細で気になった項目があれば、下のカードから該当する手続きの記事に進んでください。とくに標準報酬月額が動いた人は、算定基礎届と月額変更届の2本を先に読むと、自分の等級がどう決まったのかを会社の提出書類の側から確認できます。
被保険者報酬月額算定基礎届の書き方9月分から適用される標準報酬月額を決める定時決定の届出。4〜6月の支払基礎日数の数え方まで
被保険者報酬月額変更届の書き方昇給・降給から4か月目に保険料が変わる随時改定。2等級差の判定を実例で確認できる
源泉徴収票の見方(4つの金額欄)毎月の控除の年間合計と年末調整の結果。支払金額・給与所得控除後の金額・所得控除の額の合計額・源泉徴収税額
住民税の決定通知書の見方6月の給与から引かれる住民税の内訳。均等割・所得割と非課税判定の見る欄
子ども・子育て支援金 給与担当者ガイド令和8年4月分から加わる0.23%の実務。控除欄にどう表示されるかの整理
ねんきん定期便の見方毎月払った厚生年金保険料が将来いくらになるか。標準報酬月額の履歴もここで確認できる
健康保険 被扶養者異動届の書き方(130万円の壁)家族を扶養に入れる・外すときの届出。自分の健康保険料は増えないが配偶者側の控除欄は変わる
扶養控除等申告書の書き方毎月の源泉所得税を決める「扶養親族等の数」はこの用紙で決まる。未提出だと乙欄で高くなる
確認対象・制度の位置づけ
対象地域(全国)
- 目的
- 税金関連
- 対象地域
- 全国
- 対象者
- 健康保険・厚生年金保険・雇用保険の被保険者である会社員・パート・アルバイト。給与明細の控除欄の内訳や、手取りが減った原因を確認したい人。
- 確認した過去制度の金額
- —
対象年度と制度の状態は一次情報をご確認ください。
雇用保険料の欄がそもそも無い人は、雇用保険被保険者資格取得届が出ているかを確認してください。週の所定労働時間などの要件を満たしていれば加入するのが原則で、未加入のまま働くと失業給付や育児休業給付の土台そのものが無くなります。逆に、休職や産休・育休で給与の支給がゼロの月でも社会保険料の欄に金額が並んでいる場合は、傷病手当金や出産手当金、育児休業給付金の請求と、保険料免除の手続きが別に必要です。
今月から手取りが減ったのはなぜ? 月別の原因切り分けカレンダー
手取りが減った月と、その月に起こりうる制度側の変更を突き合わせると、ほとんどのケースは原因が1つに絞れます。9月・10月に減ったなら定時決定、6月に減ったなら住民税、誕生月の前後なら介護保険が最有力です。
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 減った月・きっかけ | 何が変わったのか | 変わる理由と適用ルール | 根拠資料 |
|---|---|---|---|
| 9月分の社会保険料(9月または10月支給の給与) | 標準報酬月額が更新され、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・支援金が同時に変わる | 定時決定。7月1日時点の全被保険者について4月・5月・6月の報酬月額の平均で決め直し、9月から翌年8月までの各月に適用。会社は7月10日までに算定基礎届を提出 | 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」(新しいタブで開きます) |
| 昇給・降給から4か月目 | 同じく標準報酬月額が更新される | 随時改定。固定的賃金の変動があり、変動月以後の3か月の平均で従前と2等級以上の差が出て、3か月とも支払基礎日数17日(特定適用事業所の短時間労働者は11日)以上のとき、変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4か月目に改定 | 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」(新しいタブで開きます) |
| 40歳の誕生日の前日が属する月 | 介護保険料1.62%(本人負担は折半で0.81%相当)が新たに加わる | 満40歳に達したとき=40歳の誕生日の前日。その日が属する月から介護保険第2号被保険者になる。1日生まれの人は前日が前月末日になるため1か月早く始まる | 協会けんぽ「介護保険制度と介護保険料について」(新しいタブで開きます) |
| 6月の給与 | 住民税の月額が新年度の額に切り替わる | 前年1月1日〜12月31日の所得で計算した年税額を、6月から翌年5月までの12回で徴収するため、毎年6月に額が変わる。5月に転職・退職していなければ6月以外は原則一定 | 東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」(新しいタブで開きます)、総務省「個人住民税」(新しいタブで開きます) |
| 令和8年3月分(4月納付分)の社会保険料 | 健康保険料率・介護保険料率が令和8年度の率に改定される | 協会けんぽの料率は毎年度改定され、原文で「本年3月分(4月納付分)からの適用」とされている。都道府県ごとに率が違うため、転勤で支部が変わっても額が動く | 協会けんぽ「令和8年度の協会けんぽの保険料率」(新しいタブで開きます) |
| 令和8年4月分(5月の給与天引き) | 子ども・子育て支援金0.23%が新設され、控除欄に1項目増える(または健康保険料に合算表示される) | こども家庭庁の原文で「令和8年4月保険料(5月に給与天引き)より拠出いただきます」とされ、支援金額の半分は企業が負担する | こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」(新しいタブで開きます) |
| 残業が増えた月 | 雇用保険料と所得税だけが増える | 雇用保険料はその月の賃金総額×労働者負担率(一般の事業は5/1,000)で毎月変動する。社会保険料は標準報酬月額ベースなので同月には動かない | 厚生労働省「雇用保険料率について」(令和8年度)(新しいタブで開きます) |
この表の使い方は単純です。まず直近3か月の給与明細を横に並べ、どの控除項目が動いたかだけを見てください。健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料が同時に動いていれば標準報酬月額の更新(定時決定か随時改定)、住民税だけが動いていれば新年度の住民税、雇用保険料と所得税だけが動いていれば残業や手当の増減です。ここで項目を見ずに差引支給額だけを比べると、必ず原因を取り違えます。これがいちばん多い落とし穴です。
来年以降の控除欄がどう動くかを先に知りたい人は、2026年10月から変わる制度の総まとめもあわせて確認してください。社会保険の適用拡大が進むと、これまで控除欄に健康保険料・厚生年金保険料が無かった短時間勤務の人にも新たに項目が並びます。
あなたの社会保険料は妥当? 標準報酬月額から検算する
標準報酬月額と都道府県の健康保険料率、年齢を入れると、令和8年度の率で本人負担分(労使折半後)の月額を計算します。厚生年金の標準報酬月額の下限88,000円・上限650,000円と、介護保険の40歳から64歳という範囲、令和8年4月から加わった子ども・子育て支援金0.23%まで反映しているので、給与明細の控除欄と突き合わせてみてください。
公式の保険料額表と一致することを確認済み
標準報酬月額300,000円・東京都・45歳で計算すると、健康保険料14,775円・介護保険料2,430円・厚生年金保険料27,450円・子ども・子育て支援金345円、本人負担合計45,000円になります。協会けんぽが公表している令和8年度の東京支部の保険料額表では、同じ等級の健康保険料(介護第2号該当)の折半額が17,205円(=14,775円+2,430円)、厚生年金保険料の折半額が27,450円、支援金の全額が690円と記載されており、本記事の計算と一致します。この金額と自分の明細が1,000円以上ずれているなら、標準報酬月額の前提が違っています。
問質問
9月の給与で手取りが6,000円くらい減りました。昇給もしていないのに、なぜ減るんでしょうか。
解解説
定時決定の可能性がとても高いです。4月・5月・6月は年度初めで残業や繁忙期の手当が乗りやすく、その3か月の平均で9月からの標準報酬月額が決まります。基本給が変わっていなくても、4〜6月に残業代が多かった人は等級が上がり、9月分の保険料から上がります。日本年金機構の定時決定のルールでは、この標準報酬月額が翌年8月まで使われます。会社から算定基礎届の決定通知が配られているはずなので、そこに書かれた新しい標準報酬月額を確認してください。
ここに雇用保険料と税が乗ります。雇用保険料は標準報酬月額ではなくその月の賃金総額に掛けるため、賃金総額30万円・一般の事業なら30万円×5/1,000=1,500円です。所得税は、支給総額から社会保険料等(上の45,000円+雇用保険料)を差し引いた金額と、扶養控除等申告書に書いた扶養親族等の数で、国税庁の源泉徴収税額表(月額表・甲欄)を引いて決まります。住民税はこの計算とはまったく無関係に、前年の所得で確定した年税額の12分の1が乗ります。
この控除が出る人・出ない人(対象者と適用範囲)
控除欄に何が並ぶかは、加入している保険と年齢と居住地で決まります。「同僚の明細と項目数が違う」のは異常ではありません。
健康保険料・厚生年金保険料が出る人
厚生年金保険・健康保険の適用事業所に使用され、被保険者資格を取得している人。パート・アルバイトでも、労働時間・労働日数が通常の労働者の4分の3以上であるか、特定適用事業所などで短時間労働者の要件を満たせば加入します。加入していれば標準報酬月額が決まるので、上の検算がそのまま使えます。
介護保険料が出る人
40歳から64歳までの介護保険第2号被保険者。徴収されるのは40歳の誕生日の前日が属する月から、65歳の誕生日の前日が属する月の「前月」分までです。65歳側は、誕生日の前日が属する月が「その月分から徴収されなくなる最初の月」なので、開始側と1か月ずれます。5月2日生まれの人なら前日は5月1日なので5月分から引かれなくなり、最後に引かれるのは4月分です。5月1日生まれなら前日は4月30日なので4月分から引かれなくなり、最後は3月分です。65歳以降は第1号被保険者になり、市区町村が年金からの天引きなどで徴収するため、給与明細の控除欄からは消えます。健康保険料そのものは65歳以降も引き続き徴収されます。
雇用保険料が出る人
雇用保険の被保険者。料率は事業の種類で異なり、令和8年度の労働者負担は一般の事業が5/1,000、農林水産・清酒製造の事業と建設の事業が6/1,000です。建設業の明細で雇用保険料がやや多いのはこのためで、誤りではありません。
住民税が出ない人
前年の所得が非課税の範囲にとどまる人、その年の1月1日時点で国内に住所がなかった人、新卒1年目で前年に所得がない人などは、住民税欄が0円または空欄になります。新卒2年目の6月に住民税が突然始まって手取りが落ちるのは、この仕組みによるものです。
前年の所得が少なく住民税が非課税になる水準かどうかを確認したい人は、住民税非課税世帯の年収ラインを先に見てください。非課税に該当すると、給付金や各種減免の対象範囲が一気に広がります。
控除欄の見落としで起きる差し戻し・手取り誤算の落とし穴
ここからは、実際に相談として多い誤解を、なぜそれが起きるのかとあわせて整理します。いずれも明細の読み方を1か所変えるだけで防げるものです。
- 差引支給額だけを前月と比べて原因を決めつける。控除欄は項目ごとに別サイクルで動くため、健康保険料が上がって所得税が下がる、といった相殺が起こります。合計だけ見ていると「大して変わっていない」と判断して、等級が2つ上がっていたことに気づきません。必ず項目単位で並べてください。
- 4〜6月の残業と9月の保険料を結びつけない。定時決定は4月・5月・6月の報酬の平均で決まり、9月から翌年8月まで効きます。この3か月に一時的な繁忙があった人は1年間高い等級のままになります。恒常的でない変動なら、会社に保険者算定の該当可否を確認する余地があります。
- 昇給月と保険料が上がる月を同じだと思っている。随時改定は変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4か月目からです。4月昇給なら7月からで、6月に上がっていなくても遅れているわけではありません。ここを取り違えて会社に問い合わせる例が多い注意点です。
- 介護保険料の開始月を誕生月と同じだと思っている。基準は誕生日ではなく誕生日の前日です。4月1日生まれの人は前日が3月31日なので、3月分から介護保険料が始まります。1日生まれの人だけ1か月早い、という非対称がここで生まれます。
- 扶養控除等申告書を出さずに乙欄で源泉徴収されている。申告書が未提出だと税額表の乙欄が適用され、甲欄より税額が大きくなります。掛け持ち勤務の従たる給与では乙欄が正しいのですが、主たる勤務先で乙欄になっていたら申告書の提出漏れを疑ってください。年末調整でも精算されず、確定申告が必要になります。
- 住民税が「引かれていない」ことを得だと思っている。特別徴収になっていないだけで、普通徴収の納付書が自宅に届いています。転職直後は前職での特別徴収が止まり普通徴収に切り替わることがあり、放置すると延滞金の対象になります。手続きの差し戻しや督促を避けるため、転職時は住民税の徴収方法を必ず会社に確認してください。
- 非課税の通勤手当があるから社会保険料も下がると思っている。通勤手当は標準報酬月額に含まれます。所得税と社会保険料で扱いが違うことを知らないと、支給額が増えていないのに保険料だけ上がった理由が説明できません。
会社の計算ミスを疑う前に確認する2点
控除額が想定と違うとき、まず確認すべきは標準報酬月額が何円で登録されているかと、適用されている都道府県支部がどこかの2点です。この2つが分かれば、本記事の検算ウィジェットで理論値が出せます。理論値と一致していれば会社の計算は正しく、違うのは標準報酬月額の前提のほうです。逆に理論値とずれるなら、支部の取り違えや料率の更新漏れという典型的な失敗パターンに当たります。
手取りが減った理由を特定するまでの手順
- 直近3か月分の給与明細を並べる。差引支給額ではなく、控除欄の項目ごとに金額を書き出します。健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険・所得税・住民税の6行の表を作るのがいちばん確実です。
- 動いた項目を特定する。健康保険・介護保険・厚生年金が同時に動いていれば標準報酬月額の更新、住民税だけなら新年度の住民税、雇用保険と所得税だけなら賃金総額の増減です。
- 標準報酬月額が動いていたら、その理由を月で判定する。9月または10月なら定時決定、昇給・降給から4か月目なら随時改定です。会社から配られる決定通知書に新しい等級と標準報酬月額が書かれています。
- 自分の都道府県の健康保険料率を確認する。協会けんぽの令和8年度の都道府県毎の保険料率で、加入している支部の率を見ます。東京都は9.85%、最低は新潟県9.21%、最高は佐賀県10.55%です。
- この記事の検算ウィジェットに入れて理論値を出す。理論値と明細が一致すれば計算は正しく、原因は標準報酬月額の変動です。
- 一致しない場合だけ会社に確認する。「標準報酬月額はいくらで登録されていますか」「適用支部はどこですか」の2点を具体的に聞くと、回答が早く正確になります。
変わるタイミングを項目ごとに比較する
表が画面に収まらない場合は、横にスクロールして確認できます。
| 項目 | 変わるタイミング | 変わる頻度 | いつからいつまで効くか |
|---|---|---|---|
| 健康保険料率・介護保険料率 | 毎年度の改定(令和8年度は3月分=4月納付分から) | 年1回 | その年度の3月分から翌年2月分まで |
| 標準報酬月額(定時決定) | 9月分の保険料から | 年1回 | 9月から翌年8月までの各月 |
| 標準報酬月額(随時改定) | 変更後の報酬を初めて受けた月から起算して4か月目 | 要件を満たすつど | 改定月から次の定時決定または随時改定まで |
| 介護保険料の有無 | 40歳の誕生日の前日が属する月(この月分から徴収開始)/65歳の誕生日の前日が属する月(この月分から徴収されなくなる) | 生涯に2回 | 40歳の誕生日の前日が属する月から、65歳の誕生日の前日が属する月の前月分まで(65歳以降は市区町村が第1号として徴収) |
| 雇用保険料率 | 年度替わり(令和8年4月1日〜令和9年3月31日) | 年1回 | その年度の賃金に適用 |
| 住民税の月額 | 6月の給与 | 年1回 | 6月から翌年5月までの12回 |
| 源泉所得税 | 毎月(課税支給額と社会保険料額で変動) | 毎月 | 年末調整または確定申告で精算 |
| 子ども・子育て支援金 | 令和8年4月分(5月の給与天引き)から新設 | 年度ごとに率を設定 | 令和8年度は0.23% |
問質問
今年の4月から控除欄に見慣れない項目が1行増えていました。会社に聞いてもよく分からないと言われたのですが、これは何でしょうか。
解解説
子ども・子育て支援金の可能性が高いです。こども家庭庁は令和8年4月保険料(5月に給与天引き)から拠出が始まると説明しており、令和8年度の支援金率は全国一律0.23%です。健康保険料と同じく労使で折半するので、標準報酬月額30万円なら本人負担は月345円になります。給与ソフトによっては独立した行で出る場合と、健康保険料に合算して表示される場合があります。合算表示だと健康保険料が理論値より数百円高く見えるので、検算が合わないときはこの行の有無を先に確認してください。
給与明細セルフチェック
下のチェックに全部答えられれば、控除欄の金額を自分で説明できる状態です。答えられない項目があれば、その項目の根拠書類を先に取り寄せてください。
給与明細について読者からよく届く質問
Q1.額面は変わっていないのに、9月の手取りだけ減りました。会社の計算ミスではないですか。
計算ミスではなく、定時決定である可能性が高いです。日本年金機構のルールでは、7月1日時点で使用している全被保険者について4月・5月・6月の報酬月額から標準報酬月額を決め直し、9月から翌年8月までの各月に適用します。4〜6月に残業や繁忙期手当が多かった人は、その後に残業が減っても1年間は高い等級のままになります。会社から配られる決定通知書で、新しい標準報酬月額を確認してください。
Q2.誕生日は5月なのに、4月の給与から介護保険料が引かれ始めました。間違いではないですか。
5月1日生まれで、かつ当月控除の会社であれば正しい処理です。協会けんぽの説明では、満40歳に達したときとは40歳の誕生日の前日を指し、その日が属する月から介護保険第2号被保険者になります。5月1日生まれの人は前日が4月30日なので、4月分から徴収が始まります。ここで注意したいのは「4月分」と「4月の給与」は別だという点です。翌月控除の会社なら4月分の保険料は5月支給の給与から、当月控除の会社なら4月支給の給与から引かれます。4月の給与から引かれ始めたのが正しいかどうかは、自分の会社がどちらの方式かによります。入社月の給与明細に社会保険料が載っていれば当月控除、載っていなければ翌月控除です。なお5月2日以降の生まれなら5月分からで、1日生まれの人だけ1か月早くなります。
Q3.健康保険料が同期より高いのですが、どこを見れば理由が分かりますか。
標準報酬月額と、適用されている都道府県支部の2つを確認してください。協会けんぽの健康保険料率は都道府県ごとに違い、令和8年度は最低の新潟県が9.21%、最高の佐賀県が10.55%で、東京都は9.85%です。勤務地ではなく事業所の所在地で支部が決まるため、同じ会社でも支社によって率が異なることがあります。標準報酬月額が同じで支部も同じなら、40歳以上かどうかで介護保険料1.62%分の差が出ます。
Q4.残業した月は雇用保険料だけが増えました。社会保険料は増えないのですか。
その月には増えません。雇用保険料はその月に実際に支払われた賃金総額に料率を掛けるため毎月変動しますが、健康保険料・厚生年金保険料は標準報酬月額という固定の土台に料率を掛けるため、等級が改定されない限り同じ額です。ただし残業が続いて固定的賃金の変動を伴う場合や、4月・5月・6月に残業が集中した場合は、随時改定や定時決定を通じて後から等級に反映されます。
Q5.住民税の欄が0円です。払わなくていいということですか。
2つの可能性があります。1つは前年の所得が非課税の範囲にとどまっている場合で、この場合は納付自体が発生しません。もう1つは特別徴収(給与天引き)になっておらず、普通徴収の納付書が自宅に届いている場合です。転職直後は前職での特別徴収が止まって普通徴収に切り替わることがあり、納付書を放置すると延滞金の対象になります。5〜6月に届いた通知書の種類を確認してください。
明細を読めたあとに進めること
控除欄の読み方が分かったら、次は「その控除に見合う給付を取り逃していないか」を確認する番です。毎月の社会保険料は、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金・失業給付といった給付の原資であり、標準報酬月額はそのまま給付額の計算基礎になります。保険料を払っているのに請求していない給付があると、その分は純粋な損失です。
年末調整や確定申告で取り戻せる分もあります。医療費が年間で一定額を超えた人は医療費控除の明細書、住宅ローンを組んだ人は住宅借入金等特別控除申告書、生命保険や地震保険に入っている人は保険料控除申告書が該当します(いずれもこの記事の前半で挙げた書類で、各手続きの書き方はそれぞれのリンク先にまとめています)。なお、給付金や助成金には申請期限と時効があり、過ぎると遡って受け取れません。
出典
- 全国健康保険協会「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/about/business/insurance_rate/rate_prefectures/r08/index.html(新しいタブで開きます)
- 全国健康保険協会「介護保険制度と介護保険料について」 https://www.kyoukaikenpo.or.jp/shibu/ibaraki/public_relations/009/index.html(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「定時決定(算定基礎届)」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20121017.html(新しいタブで開きます)
- 日本年金機構「随時改定(月額変更届)」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-02.html(新しいタブで開きます)
- 厚生労働省「雇用保険料率について」(令和8年度) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html(新しいタブで開きます)
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2026/01.htm(新しいタブで開きます)
- 国税庁「No.2511 税額表の種類と使い方」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2511.htm(新しいタブで開きます)
- 総務省「地方税制度 個人住民税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html(新しいタブで開きます)
- 東京都主税局「個人住民税と特別徴収について」 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/life/kojin_ju/tokubetsu/about(新しいタブで開きます)
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」 https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido(新しいタブで開きます)
最終更新:2026年9月12日(令和8年度の料率・令和8年分の源泉徴収税額表にもとづき作成)
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この補助金のポイント
- 確認主体:全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村
| 提出時期 | 提出先:全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村 |
|---|---|
| 確認主体 | 全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村 |
| 必要書類 | 直近3か月分の給与明細、算定基礎届または月額変更届の標準報酬月額決定通知書、住民… 詳細を見る › |
SUMMARY
この記事の要点
- 確認主体:全国健康保険協会(協会けんぽ) / 日本年金機構 / 厚生労働省 / 国税庁 / 市区町村
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編集・監修: 中澤圭志(中小企業診断士)
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